エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

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「ウィキペディア in エル・ライブラリー」を開催します

3/8 開催「ウィキペディア in エル・ライブラリー」の参加者募集

◆ウィキペディアの記事を書こう!

 誰もが知っている、使っている、インターネット百科事典「ウィキペディア」。ウィキペディアは誰でも編集できる事典なので、15年ぐらい前までは「どこの誰が書いているのかわからない。出典が明記されていない。信頼性が低い」などと言われていました。それがここ数年、出典を明記することが強く勧められ、信頼度がかなりあがってきたと思われます。

 ウィキペディアの記事をエル・ライブラリーの資料を使って編集しませんか。図書館の資料を使えば信頼性の高い記事を書くことができます。楽しく学びながら記事を編集し、自分が書いた記事を世界中の人が参照してくれる、わくわくするイベントです。ウィキペディアには大勢の管理人やベテランのウィキペディアンがいるので、書式などを間違えればすぐに修正してもらえます。

 さあ、安心してウィキペディアの編集を始めましょう。講師にはベテランのウィキペディアンをお招きしています。

<次第>

2025年3月8日(土) エル・ライブラリーにて
10:00 ウィキペディアの説明
10:30 『大阪社会労働運動史』の説明
10:45 エル・ライブラリー書庫ツアー
12:15~13:00 昼休み
13:00 実践編
16:00 編集終わり。結果発表と講評
17:00 終了

<講師の自己紹介>
Miya.m
2004年にウィキペディアへの執筆を始めました。2014年からウィキペディアタウンイベントに参加し、講師を務めた回数は100回を超えています。現在は完全にリタイアして毎日自由に過ごしています。

青木 和人(Aoki Kazuto)
オープンデータ京都実践会、Code for 山城 代表として、公共図書館を情報発信拠点としたウィキペディアタウンを始めとするシビックテック活動を主宰しています。

<参加者募集要項>
定員:12人
〆切:3月4日(火) ※定員になり次第〆切
申込先:https://forms.gle/qj5BFv7ztFRbZCXt9
参加費:無料
持ち物:パソコン、タブレットなど(4台までは用意できます)

<当日のテーマなど>
・新規記事の執筆と既存記事の編集
・記事のテーマについては主催者側が提案

お問い合わせはこちら

新着雑誌です(2025.1.16)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労務事情 No1506 2025.1.1・15 (201470853)

ビジネスガイド No954 2025.2.10 (201470911)

労働経済判例速報 2567号 2025.1.10 (201470887)

労働判例 No1319 2025.1.1・15 (201470820)

 

詳細な目次はこちら

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『ともにつくる医療をめざして:富田町病院院長小西弘泰自分史』

 ※2025年1月22日追記:配布分は無くなりました。ありがとうございました。

本書を無料配布中です。詳しくは最後の段落をご覧ください。

 本書は、大阪府高槻市にある富田町病院院長であった小西弘泰氏の「自分史」です。1937年生まれの小西氏が口述によって自分史を語り、医療法人庸愛会理事・林田吉智氏が編集されて本書は陽の目を見ました。

 小西弘泰氏は1937年京都市に生まれ、医師であった父の仕事の都合で中国大連で育ちました。敗戦後3年経って一家は日本に引き揚げ、弘泰さんは京都大学医学部に進学して学生運動に邁進しました。ちょうど60年安保の時期だったので、医学部自治会委員長としてデモ隊を指揮している勇ましい写真が掲載されています。

 卒業後は医局に入らず、社会運動と医師の仕事を両立させる道を選びます。二つの病院で働いたあと、請われて富田町病院の前身である富田町診療所に理事長・所長として入職します。1966年のことでした。ずいぶん若い所長であることに驚きます。この時に診療所を医療法人にして「庸愛会」を設立しました。

 小西氏は医師の仕事を半分、残りは社会運動家として松下電器などの若い労働と学習会を持ったりしていました。労働者の町であり、被差別部落もあった地域なので、住民とともに社会運動に取り組んでいったことが語られています。高槻市で起きた反公害運動にも参画しました。

 本書で富田町病院に赴任した小児科医・幸寺恒敏医師の名前を見て、わたしの個人的な記憶が蘇りました。わたしの第1子は重症のアトピーっ子で、病院を転々としましたがアレルゲンもわからず治療の甲斐もないという状況が続いていました。そんな時、富田町病院の幸寺先生が画期的な治療法を実践しておられるという情報をどこかから得て、1993年当時2歳になったばかりの子どもを連れて大阪市の南部から高槻まで治療に通いました。第2子が生まれて間もない時だったので、乳幼児を2人連れて移動するのは大変でしたし、やんちゃ盛りの上の息子にも手を焼きました。そんなことが思い出されてとても懐かしいです。

 富田町診療所は1982年に病院へと生まれ変わりました。その過程の苦労話はぜひ本書を読んで確かめていただきたいです。移転先に病院を開設して後も地域住民のために奮闘する姿は変わりません。病院は往診をしないというのが医師会の取り決めだったのが、富田町病院は例外として認められ、診療所時代からの往診をずっと続けてきました。これにより在宅医療が今日まで継続できています。

 地域医療活動の実践などの素晴らしい成果が語られますが、一方で1985年には病院の医療過誤により1歳児を死なせてしまうという事故も起こしていることが語られています。やがて1999年には小西医師は高槻市議会に立候補し、見事当選。介護保険制度の改善などを訴えて3期を務めました。

 本書には、地元住民・木下廣子さんの講演録も付録されており、住民の目から見た病院の活動がよくわかります。病院開設の際は住民たちが資金を出しあったこと、その後も患者さんや住民とともに健康・環境問題だけではなく戦争反対の学習会も持ったことなどが語られています。

 本書は50頁にも満たない小冊子なのですが、中身がぎゅっと詰まっているので、読みごたえがあります。5部頂戴していますので、当館メールマガジンの読者1名に郵送プレゼントいたします(希望者多数の場合は抽選)。残り3部については来館されれば差し上げますので、下記リンクからお問い合わせください。→2025年1月22日追記:配布分は無くなりました。ありがとうございました。(館長・谷合)

新着雑誌です(2025.1.8)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労政時報 4090号 2024.12.27 (201465739)

企業と人材 No1143 2025.1.5 (201470812)

月刊人事マネジメント 409号 2025.1.5 (201470846)

労働経済判例速報 2566号 2024.12.20・30 (201465762)

労働法学研究会報 No2828 2025.1.1 (201465705)

地域と労働運動 292号 2024.12.25 (201470879)

 

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『労働環境の不協和音を生きる』

労働環境の不協和音を生きる : 労働と生活のジェンダー分析
堀川祐里編著  晃洋書房  2024.12   229, 3p 19㎝

https://www.koyoshobo.co.jp//images/book/655072.jpg

 本書は、編者堀川祐里(新潟国際情報大学)を始めとする9名のプロジェクトによる研究結果の集約である。

 コロナ禍が顕在化させた「労働環境の不協和音」を社会政策の両輪である「労働」と「生活」の視点から分析し、労働者が<生きるために働く>ことについて考察している。社会学、文学、社会福祉学、歴史学、経済学の多様な専門分野の研究者による共同研究の集積である。「労働者としての道を歩み始めようとしている若者たちに手に取ってほしい」と、「はしがき」で述べているように、各章とも歴史的経緯も含めてわかりやすく工夫されていると思う。

 本書において、「労働環境の不協和音」は四つに分類されている。第1は、生活領域が極限までそぎ落とされた労働領域の実態。第2は、妊娠・出産・子育て・介護が加わると労働も生活も立ち行かない日本の生活設計。第3は、女性に偏ったケア労働。第4は、従来の社会政策が射程に収められていなかった働き方、社会保障における生存権保障が手薄い人々である。

 目次は以下の通りであるが、各章とも内容が伝わりやすいサブタイトルが工夫されているので、長くなるがすべて紹介する。

序 章 「社会政策とはなにか」という問いの難しさ(堀川祐里)
   ―〈生きるために働く〉労働者の生活を科学する
第一章 バリキャリ女子の欠点? (五十嵐舞)
   ―『家政夫のナギサさん』にみる労働力の再生産とフェミニズムの脱政治化
第二章 ジェンダー平等は健康の権利を放棄しなければ得られないか(堀川祐里)
   ―労働力の再生産から考える生理休暇の意義
第三章 労働災害から身体を守る(鈴木 力)
   ―女性港湾労働者による労災防止の営み
第四章 「産業癈兵」の誕生(新川綾子)
   ―戦間期日本の工場内労働災害及び救貧政策におけるジェンダー構造
第五章 移住によって観光業へ参入する女性の労働と世代間の再生産(清水友理子・

跡部千慧)
   ―妊娠・子育て期にカフェ・ゲストハウスを家族経営した女性のライフヒストリー
第六章 なぜ日本の「ケア労働」は低賃金なのか(跡部千慧)
   ―ジェンダー視点からの再生産労働の考察
第七章 社会福祉の現場において〝ふたつの生活〞を守る(岡 桃子・跡部千慧)
   ―社会的養護における施設職員の生活と施設で暮らす子どもたちの生活
第八章 グローバル東京をクィアする(大島 岳・久保優翔)
   ―音楽実践をつうじた多文化共生と共創
終 章 「労働環境の不協和音」を生きるには(跡部千慧・鈴木 力)
   ―「生活」が極限まで切り詰められた「労働」から〈生きるために働く〉ことの復権へ

 全体構成は、共同研究会が重ねられた積み重ねが伝わる、非常に錬られた構成である。関心の深いどの章からでも手に取れる、学習会や読書会のテキストとしてもお薦め、と書き終えようとしていたら本書について興味深い情報を得たので、その紹介を付け加える。

 それは、社会政策学会労働史部会が執筆者8名の報告をもとにオンラインで開催する、本書を読む研究会である。3/22(土)13時~16時 非会員も参加可能で、参加費無料。

 詳細と申し込みは↓
労働史部会 2024年度第3回研究会 『労働環境の不協和音を生きる ――労働と生活のジェンダー分析』を読む - 社会政策学会 研究会情報

 もう一つの付け加えは、編者=堀川祐里さまは、わがエル・ライブラリーを何度も活用されたということである。その意味でも親しみ深い書である。とりわけ、第二章は、均等法案反対運動の真っ只中に参加していた私にとっては、「均等法」評価に関わる歴史的分析や挙げられた歴史的文献も、我が意を得たりの思いで、非常に興味深く読ませていただき、次世代に継承したい書であることを重ねて強調したい。

(伍賀 偕子(ゴカトモコ) 元「関西女の労働問題研究会」代表)

無料配布中『井坂能行映画論集』

 このたび、NPO法人働く文化ネットから『映画は人の内奥にどう迫れるか 井坂行映画論集』(2024年10月発行、320p)を受贈いたしました。

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 井坂能行(いさかよしゆき)さんは1941年東京生まれ、日本大学芸術学部から東京教育大学に移り、文学部倫理学科を卒業。1965年岩波映画製作所に入社。多くのドキュメンタリー作品の製作に携わるとともに、労組の執行部も担いました。同社退職後は岩波映像販売株式会社顧問に就任、NPO法人働く文化ネットの「労働映画百選選考委員会」委員に就任されました。2024年1月永眠。

 本書の編集者より、以下のような自薦の言葉を頂戴しています。

『井坂能行映画論集 映画は人の内奥にどう迫れるか』について

2024年1月15日に急逝された井坂能行氏(元岩波映像顧問)の論考と関連資料、 ならびに故人と交流の深かった方々の追悼文を一書にまとめました。「心の内奥」 から発する社会変革の実践に生きた異色の映画人、井坂能行氏の文章と事績から は、個人史に宿る社会史の影を読み取ることができます。編纂にあたってはその 手掛かりをできるかぎり埋め込むことに心がけました。淡々と静かな口調で語る 井坂氏のメッセージの深さと広がりをぜひ多くの方々に味わっていただきたいと 思います。

 労働図書館であるエル・ライブラリー的には、岩波映画労組の活動について語られる章と、労働映画の歴史についてのくだりにとりわけ興味がそそられます。

 本書をできるだけ多くの方に読んでほしいとのNPO法人働く文化ネットのご厚意により、26冊を頂戴しました。当館内で無償配布中です。ご希望の方は「お問い合わせ」のページ(↓)からご連絡のうえ、ご来館ください。

お問合せ - エル・ライブラリー

 また、当館の無料メールマガジンの読者には抽選で2名の方に郵送プレゼントいたします。メールマガジンの受信お申し込みも上記の「お問い合わせ」ページからどうぞ。

(館長・谷合佳代子)

新着雑誌です(2024.12.24)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労務事情 No1504 2024.12.1 (201465598)

賃金事情 No2905 2024.12.20 (201465689)

月刊人事マネジメント 2024.12.5 (201465713)

労働法学研究会報 No2827 2024.12.15 (201465697)

労働判例 No1317 2024.12.1 (201465622)

季刊労働法 287号 2024.12.15 (201465655)

労働基準広報 No2189 2024.12.11 (201465549)

労働基準広報 No2190 2024.12.21 (201465721)

地域と労働運動 290 2024.10.25 (201465564)

 

詳細な目次はこちら

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