京美同活動ノート

京大美少女ゲーム同好会のブログです。週1より早いペースでの更新が目標です

【2日目】「Closing」考察(またの名を妄想垂れ流し)

 

この記事は、冬のブログリレー2日目(2回目)のものとして書かれました。他のブログはこちらからご覧ください。

 

kuvnlovers.hatenablog.com

 

 

1. はじめに

 

こんにちは、京美同のやぎ(@GOATMUSASHI)です。

 

もうすぐ冬が来ますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
こちらはWHITE ALBUMの季節に備えてWHITE ALBUM2を再走しています。
あと、ちょっと前にWA2のコラボカフェにも行ってきました。

 

復刻開催してくれてありがとう…

 

さて、今回のブログのネタはWA2のかずさTrueルートのエンディング曲「Closing」についての考察です。


WA2を再走しつつこの曲を聴き込んでいたら、この曲の歌詞、この曲と他の曲との関係性、この曲の流れるシーンについて、いろいろ考えさせられる所がありました。

なので、このブログを読まれた人にもこの曲のすごさを知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにしました。
ネタバレが多いと思うので、その点にご了承のうえ、読んでいただけると嬉しいです。

 

2. 考察

2-1. 歌詞

この曲の歌詞はかずさTrueルートの内容とかずさの心情に非常によくリンクしていて、ルート終了後に聴くと心に突き刺さります。このルートは、春希がこれまでの5年で築いてきた雪菜との関係を捨てて、5年前に別れたかずさの幸せを選んだ結果、周りの人みんなを傷つけ、その人たちとの関係を壊していくというのが主題ですね。

 

まず、1番の歌詞はかずさ視点での学園祭後〜かずさTrueルートが確定するシーンまでの心情がテーマです。
学園祭までの楽しかった、還らない日々を心に抱えたまま春希から離れていった高校時代。
そこから5年経っても忘れられない恋心。
春希と再会した冬。また一緒にいられるのが嬉しいけれど、彼には雪菜がいるから自分の恋は届かないと思って、あきらめていた、この冬。だから、「いつか」春希がそばにいてくれるだけでいい。
もう、Codaの前半部までを完璧にまとめていますね。

 

そして、2番の歌詞はルート確定後、正確にはかずさが自分の決意を春希に伝えてからエンディングに至るまでのかずさの心情描写へと変わります。
雪菜と春希を別れさせる決意を決めたのだから、前に進まなくちゃいけない。自分の幸せのために傷ついた人々はもう元には戻らないし、この選択のせいで春希も深く傷つくことになるけれども、もう春希を離さない。

 

 

ICと違って「もうあきらめない」。

 

最後の3番の歌詞はエンディングからその先の未来への決意が描かれています。
1番との対比で「いつか そう いつか」が「きっと そう きっと」となったうえで、春希を得た幸福感も、代わりに受けた悲しみ・辛さ・後ろめたさも全て抱えて前に進まなくちゃいけない、という決意をして春希への想いを綴って終わる。

 

やっぱりWA2の楽曲は歌詞もよく練られていますね。どの曲でもシナリオとリンクした歌詞を書いてくれていますが、この曲は特に秀逸だと感じます。

 

また、歌詞全体を通して、この作品のテーマとなる「一人が幸せを掴む裏で、必ず悲しみを背負う人がいる」を踏まえて、周りの人々を傷つけたことへの悲しさだけなく、未来への決意も踏まえた前向きな部分もある、というのが面白いです。

 

2-2. 他の曲との関係性

この曲の面白い点として、他の作中曲とのつながりを感じることがあげられます。

まず、この曲のbpmは100bpm、「WHITE ALBUM」のbpmも同じく100bpmです。
そして、この曲は嬰ハ短調の曲です。また、「届かない恋」も同じく嬰ハ短調です。

 

なので、この物語の主人公三人の出会いの曲となった「WHITE ALBUM」の速度、三人の関係が壊れた「届かない恋」の調で、この曲が物語を締めると考えるとわざとこのように曲を設計したのではないかと感じます。
本作では他の曲でもそのような、わざと曲どうしを似せたように思われるものがいくつかあるため、余計にそのように勘ぐってしまうのですが……

*1

 

2-3. 流れるシーン

この曲はゲーム中ではアレンジを含め、3回流れます。
1回目はかずさが春希の提案を受け入れ、自分の決意を伝えるシーンです(Closing instrumental)。

 

 

「もう…雪菜と会わないで」の台詞とともにこの曲が流れる演出は印象的でしたね。
このルートで一、二を争う名シーンだと思っています。
ここからは春希が周りとの関係を自分から壊すことになる、かずさの幸せのために周りの人全員が不幸になる、それが決まってしまったシーンに合わせて流れるこの曲は非常に耳に残ります。

 

2回目は春希が雪菜と別れる際の回想シーンにて(Closing Acoustic Guitar)。
このシーンはコンサート前夜の春希とかずさの添い寝シーンと合わせて、Codaで選べた他の3ルートの内容を説明しています。

 

「お前がもっと早く…
あたしに深入りする前に、簡単に同情してくれたら。あたしが求める通りに、体で慰めてくれたら…
そしたらあたし、それだけで満足して、お前から卒業すること、できたかもしれないのに…」
「教会の祭壇で雪菜が泣いてて、春希が照れてて、そしてあたしが、祝いのオルガンを弾く。
そんな未来が、三人にとって一番幸せだったんだ。………三人の平均を取れば、だけどな」

 

 

物語の全てを締めくくるようなセリフたちの裏で流れる曲、しかもタイトルは「Closing」。ついにこの物語が終わるんだ、と感じさせるようなシーン。

演出がうますぎます。

(かずさTrueルートが他のルートと比べて選択肢が難しく、最後に選ぶルートになりやすいというのもあってこのような演出にしたのかもしれません)

 

そして最後、3回目はエンディング曲として流れます。
かずさが春希に自分の悲しさと嬉しさを伝え、春希がかずさを守って生きていく決意をもう一度固め、エンディングが流れる。

 

 

そして、この曲が流れるとともに、これまでのシーンの記憶をプレイヤーに思い出させる。
完璧な物語の閉じ方とともに流れる曲の「Closing」という名前が的確すぎる。

 

余談ですが、TVアニメでも2話のエンディングとして1番のみが流れます(Closing’13)。ICの最初のほうでこの歌詞をかけ、しかもこの時の映像は全てかずさ。この曲をかずさ登場シーンに合わせて流すのはずる過ぎるでしょう……

 

3. 終わりに

はい、というわけで、Closingの感想とオタクの妄想垂れ流し記事でした。
ルンルン気分で書いていたら文字数が結構増えてしまいました。
きっとこの曲のエモさを感じてもらえたと思います。
はじめて聴いた時は良い曲だな、ぐらいだったのに聴きこむと色々な発見があって、記事を書いていて面白かったです。
くるしいルートのエンディングだからこそ輝く曲。
そろそろWHITE ALBUMの季節なので聴きなおしてみませんか?

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

*1:「届かない恋」の後奏部ギター(「動きだせない」の後)と「幸せな記憶」のサビ(「巻き戻す」から)はコード進行が(恐らく)同じ(A→B→C#m→G#m)

(「Closing」の「つらすぎるよ もう」のコードも似ている)。

 

「Closing instrumental」(「いつかそういつか」の部分)と「いつか見た景色」(3小節目付近)で似たメロディが存在する(ラ→#ソ→#ファ→ミ→#ソ→#ファ→ミに対し、ラ→#ソ→ミ→#ファ→#ソ→#ファ)。

 

「POWDER SNOW 2010」と「いつか見た景色」の開始部分のメロディも非常に近い。