くるみの庭 ~ちょっとここらで深呼吸~

パニック障害とともに生きる筆者が、病気や人生のこと、心身の健康のために取り組んでいることを発信。

【パニック障害とは】約6年の付き合いでわかったこと<前編>

パニック障害ってこんな病気です

パニック障害とは、突然強い不安や恐怖に襲われ、動悸や息苦しさ、めまいなどの身体症状を伴う発作(パニック発作)が繰り返し起こる疾患のこと。発作が起きている最中は、このまま死んでしまうのではないかというほどの強い不安と恐怖に襲われます。
そのため、「また発作が起きたらどうしよう」「同じ場所に行ったら発作が起きてしまうのでは」と予期不安を覚えるようになり、次第に電車などの交通機関やエレベーターなどの閉鎖空間、人混みなど、発作が起きやすい場所を避けるようになります(広場恐怖と呼ぶ)。
その結果、社会生活に支障をきたしてしまうことも少なくありません。
詳しい発症原因はまだ解明されていないそうですが、ストレスや過労などの外的要因、ストレス・不安を感じやすい性格、脳内の神経伝達物質の異常、遺伝などの内的要因があるそうです。

私の場合は、ある日を境に突如、同僚や知人との外食先でこれらの症状が出るようになりました。
それまで特定の病とは無縁で、食べることが三度の飯より好き(あれ・・?)だった私が、風邪でもないのにたった2、3口しか食べられない上、気分が悪くてトイレへ何度も行く始末。。
そもそも食べていないので吐くことはないのですが、会話している最中にも突如原因不明の動悸や吐き気が襲ってきて、座っていられなくなってしまうのです。
当時は仕事が忙しく、仕事でもプライベートでも多くのストレスを抱えていました。
そのうちに食べる場面だけでなく、電車や駅などの人混みや閉鎖空間でも発作が起こるようになり、当たり前だった私の日常は急速に失われていきました。

しばらくして心療内科でパニック障害と診断され、ようやく治療と休養に専念したことで、病状は快方へ向かいました。
その後会社も辞め、心機一転新しい環境へ身を置いて、一時はほぼ完治したかに思われましたが、、忘れた頃にまた激しい発作が戻ってきたりと一進一退を繰り返し、だいぶ良くなった今でもごく少量の薬は飲み続けています。

※参考サイト
・Google AIによる概要 「パニック障害とは」「パニック障害 要因」 
・新宿よりそいメンタルクリニック
『パニック障害の症状は3つに分類される|発作が起きた際の対処法も紹介』

<約6年の戦いの軌跡>パニック発作の1番効果的な対処法

みなさんは満員電車など人いきれの中で具合が悪くなったことはありませんか?
実は健康な人でもパニック発作は起こることがあるそうです。
なんと1年間で少なくとも成人の11%が経験する、というデータも。ただほとんどの人は治療なしでパニック発作から回復し、少数の人がパニック症に進行するとのこと。※1
誰もがパニック発作を起こす可能性があるのは、発作が起こる仕組みにあります。
というのも、パニック発作と呼吸は切っても切れない関係にあるのです。
人間の体は不安や恐怖を感じると交感神経が優位になり、体に力が入って呼吸も浅く早くなりがち。。息を吐き切る前(肺に空気がまだ残っている状態)に焦って吸おうとするので、結果的に息を吸えなくなり、どんどん息苦しくなって、最悪の場合は過呼吸に。。
なので、発作が起こりそうな時(起きた時も)に一番効果的なのは、息をしっかり吐き切ること。
吐き切って肺にスペースができれば、吸うことは意識せずとも空気は入ってくるそうです。
正直最近までそんなに呼吸が乱れている自覚はなかったのですが、なんか発作が起こりそうだなと思った時にとにかく息を最後まで吐き切ることを意識したら、それまでは意外と吐き切れてなかったことに気づきました。
深い呼吸を続けることで、交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態に切り替わり、気づけば発作も遠ざかっています。なんなら眠くなってそのまま電車で寝落ちし、乗り過ごすほど効果抜群です!(ダメじゃん)

ただ頭ではわかっていても、いざ発作が起きそうになると、恐怖で頭が真っ白になったり(いわゆるパニック状態)、またダメかもしれないと心が挫けそうになったりすることがあります。
そんな時はズバリ、「大丈夫、これは私の脳が勝手に作り出した幻覚で、本当に具合が悪いわけじゃない(死ぬわけじゃない)、と心の中で自分に言い聞かせ、繰り返ししっかり息を吐き切る」です!!(長いわー)
とにかく重要なのは息を吐き切ること。それを邪魔する恐怖や最悪のイメージを吹き飛ばすためのおまじないです。
そういう意図では、それらに置き換わるプラスのイメージを思い浮かべることも効果的です。
私の場合は、綺麗な海に大の字になってプカプカと浮きながら、真っ青で広い空を眺めているシーンが多いです。実際に体験し、とても良い思い出として記憶に残っている場面です。
自分がリラックスして楽に呼吸ができるイメージなら何でもよいと思います。
おかげさまで近頃は、酔っぱらった時の吐き気さえもコントロールできるようになってきた気がします!!(何の話?´Д`)

※1:MSD家庭版 マニュアル『パニック発作とパニック症』

kuruminoniwahe.hatenablog.com

普段の生活で気をつけること

大前提:自律神経を整える
自律神経失調症の1種と言われるパニック障害。パニック障害の人は、自律神経を構成する交感神経と副交感神経のバランスが崩れているそうです。
実体験からも、自律神経が乱れているとパニック発作が起きやすいと感じます。
ここでは、特に効果的だったことを厳選抜粋してご紹介します。さらに詳しく知りたい方は、良ければ過去記事をご覧ください!

kuruminoniwahe.hatenablog.com

①体のコリをほぐす
特に、後頭部(脳幹)から首、背中、尾骨の辺りまでは、自律神経の中枢が通っており、自律神経が乱れている人はここがガチガチに固まっているそう。。
この辺りがほぐれると、体が一気に楽になって呼吸もしやすくなり、気分まで上がるのは私自身何度も経験済みです。
運動習慣も無く、日々ダルマのように家で転がるだけだった私ですが(どんなだよ!)、仕事の合間やテレビを見ている時に軽くストレッチしたり、夕食後に時々ウォーキングしたりするようになりました。
でも一番効くのはやっぱりプロの手! ということで、定期的にマッサージ店に通っています。(だから運動せい!say!)

 

②適切な睡眠時間の確保
生粋の夜型人間で夜更かしをこよなく愛していた私ですが、パニック障害を機に、初めて睡眠の大切さを痛感。
時間が欲しい時は真っ先に削る対象だった睡眠時間を、今では何よりも確保すべき優先事項に。
ストレス発散も睡眠を犠牲にして行うのではなく、むしろ良質で充分な睡眠を取ることで解消していくという考え方に変えました。
もともと寝つきの悪さに定評(?)のあった私ですが、パニック障害になりたての頃はベッドに入って2,3時間眠れないこともZARAでした。(おしゃれになってるやん)
そこで、まずは体内サイクルの乱れを解消するために、毎日なるべく起きる時間を固定。
夕食後は交感神経→副交感神経が優位な状態に切り替え、自然な眠気が訪れるように、ウォーキングやストレッチで心身をほぐしたり、就寝2時間前くらいに入浴して深部体温を上げたり。。
自分にとってベストな睡眠時間である7時間を確保すべく、心と時間に余裕をもってベッドに入るよう心がけています。

昨日は冬至でしたね!

③真面目を卒業する
急にどうした? という感じですが・・、一般的にパニック障害になりやすいのは、完璧主義で真面目、繊細で不安やストレスを感じやすい人だと言われています。
この6年間、仕事や環境を変えても、なぜかいつも同じようなことで悩んだり疲弊したりしていることに気づき、もしかしたら自分を苦しめているのは自分なのではないか?自分の考え方や捉え方に根本的な要因があるのでは?と初めて本気で考えるようになりました
それまで知らず知らず自分を追い込んでいたもの(考え)からの脱却を決意したのでアリマス!

私の場合、具体的には下記を実践!
・完璧を目指さない
・Peaple pleaser※を辞める
・物事を深刻に捉えすぎない
・本当に会いたい人とだけ会う
・ありのままの自分を受け入れる

※Peaple pleaser:人を喜ばせる人という直訳からも想像できるように、頼まれたらノーと言えない人、お人好しなどの意味を持つ。相手を喜ばせることや人に認められることに存在意義を強く感じるタイプで、時に自分の感情を押し殺してまでそれをやってしまう一面がある。

それまで染みついた考え方や価値観を変えるのは簡単ではなく、ふとした瞬間に真面目で完璧主義でお人好しでマゾ(!?)な自分が出てきてしまいます・・
それでも考え方を少し変えるだけで、ストレスや疲労が軽減し、いくぶん生きやすくなったような気がします。

 

④ゆる腸活&鉄分・たんぱく質を摂る
ストレスでお腹が痛くなったり、慣れない環境で便秘になったり、逆に腸内環境が悪くなることで気分が沈んだりイライラしたり・・・。
脳と腸は自律神経を介して互いに深く影響し合っているそうです。(脳腸相関と呼ぶ)
幸せを感じるホルモンのセロトニンは主に腸内細菌によって作られているそうで、腸内細菌の状態が性格やストレス耐性にまで影響を及ぼすという実験結果も。。
腸内環境を整えることで、ストレスからくる不調を軽減したり、ストレス自体を減らしたりできるのであればと、遅ればせながら3年ほど前に(ゆる)腸活を始めました。
子どもの頃から全幅の信頼を寄せているビオフェルミン錠を普段から継続して飲む、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品をなるべく食べる、できるだけよく噛んで食べるなど、今さら声を大にして言うようなことでもなんでもないですが、、あえて声を大にして言うならば、無理なく続けられるゆるさがポイントです。(なんやそれ´Д`)

また最近食事改善に取り組み、サプリも併用して鉄分とたんぱく質を積極的に摂るようにしたら、体の調子がぐんと良くなりました!
髪の艶コシが復活したり、疲労感の軽減や疲れにくい体になったり。。
また、胃酸や胃液など消化酵素の元となるたんぱく質の摂取量が増えたことで、消化能力が格段に上がり、食欲も倍増。体重もばっちり増えました!!(あかんやろー)

 

【パニック障害とは】約6年の付き合いでわかったこと<後編> につづく・・