この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
目的地は雲海展望台。
今やポスター等ですっかりお馴染みになった、備中松山城のこの光景。
「天空の山城」あるいは「雲上の山城」と呼ばれ、多くの写真愛好家を虜にしているわけだが、今日はこの絶景スポットを詳しくガイドすることにしよう。
当たり前だが、今筆者がカメラを構えている雲海展望台は、備中松山城から少し離れた場所にある。
まず展望台へのアクセスだが、賀陽I.C.方面から来る場合、「高梁(たかはし)美しい森」の次の交差点が展望台への曲がり角だ。
写真の看板がついているので見逃さないこと。そこからは山中の一本道を5キロほど走る。
展望台への登口は、進行方向左手に、いきなり現れるので注意が必要。
ゆえにハイシーズンは、かくの如く先頭が霧に霞んで見えないほどの「路上駐車」が続いている。
先ほどのトイレから400メートルほど先に、Uターンができる広いスペースがあるが、ここは駐車禁止。
最初にそこで折り返して、帰りの車線側に停めるのが、備中松山城雲海展望台の「暗黙のルール」になっているようだ(笑)。
さて。これが雲海展望台。
先ほどのトイレからは10分もかからず到着できるが、展望台に上がれるのは20人ほど。もちろん最前列は、三脚を立てた風景写真愛好家たちが独占している。
展望台の下も状況は同じ。勝負は「どれだけいい写真が撮りたいか」という情熱にかかっている。
ちなみに筆者は、冒頭の写真もこの写真も三脚を使っていない。
ここ2.3年内に発売されたデジタル一眼レフカメラは、高感度でもほとんど画質は荒れず、手ブレ防止機能付きのレンズを使えば、夜景でさえ三脚を使わなくても撮れる。
環境を考えれば、ここでは三脚を使わないというのが旅行者の発想だ。
使用したのはニコンD5300という機種で、クラス的にはファミリーが使う「入門機」だが、バリアングルモニターとGPSを内蔵し、軽量でズームの幅が広い手ブレ防止レンズをキットで販売するなど、明らかに「アウトドア仕様」を意識したモデルといえる。
下はその現行機種で、さらに2世代進んでいるが、値段はD5300の発売当時とほとんど変わっていないようだ。
なお、雲海が発生する時期は、9月下旬~4月上旬の明け方から午前8時頃。特に10月下旬~12月上旬の早朝に濃い朝霧が期待できる。筆者が訪ねたのは2016年12月3日だった。
また写真を撮るなら、日が昇って朝日が天守を明るく染める、少し遅めの時間帯がいい。
この写真は朝6時58分、冒頭の写真は朝7時23分にシャッターを切っているが、圧倒的に冒頭の写真のほうが叙情的に見える。霧はこのように刻々と流れるので、実際の勝負時は30分間ほどになるだろう。
備中松山城雲海展望台
〒716-0007 岡山県高梁市松山 奥万田町 現地なし。
近隣の車中泊スポット
なお、最寄りの道の駅は「かよう」で、備中松山城雲海展望台までは約11キロ、15分ほどのところにある。ここから出陣するのが妥当だと思うが、行くなら最低でも6時前でないと、展望台でクルマを停める場所がなくなりそうだ。
なお道の駅が満車の時は、近くにある楢井ダム公園の無料駐車場でも車中泊ができる。
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