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『レインコートキラー』韓国で起きた連続殺人事件を追うNetflixドキュメンタリー

16年前に映画館で観た韓国映画『チェイサー』を、改めて観たくなり、Amazonプライムビデオで鑑賞しました。

チェイサー(字幕版)

チェイサー(字幕版)

  • キム・ユンソク
Amazon


www.youtube.com

この作品は、失踪した風俗嬢を追う風俗店主と、連続殺人鬼との対決を描いた傑作映画です。

 

ネットで調べてわかったのは、この作品は実際の事件をモデルに作られたのです。

ja.wikipedia.org

 

そしてこの事件のドキュメンタリーが、ネットフリックスで配信されているというので、早速鑑賞しました。

https://about.netflix.com/ja/news/series-documents-the-crimes-committed-by-heinous-serial-killer-yoo-young

『レインコートキラー:ソウル20人連続殺人事件』というタイトルのこの番組は、2003年から2004年にソウルで起きた連続殺人事件を追ったものです。

 

2003年9月から11月に、富裕層を狙った殺人事件がソウルで4件立て続けに起きます。警察は、現場に残された足跡から、同一犯の犯行と見て捜査し、監視カメラに映った犯人の後ろ姿を公開します。

 

すると、一時犯行は途絶えるのですが、しばらくすると、女性への通り魔事件が発生します。その後、性風俗で働く女性が失踪し、不審に思った風俗店主が警察に相談。警察は捜査に乗り出し、囮捜査で逮捕されたのが、ユ・ヨンチョルという男でした。

 

逮捕された彼ですが、捜査を撹乱し、脱走します。

しかし、翌日にあっけなく捕まり、その後、彼は殺人を自白します。

ヨンチョルは、殺害した風俗嬢の死体をバラバラにして、山に埋めたと供述するのです。

警察は彼の供述通り、山を掘り返し、そこから大量の腐乱死体が発見されるのです。

この惨状は、死体を見慣れている警察官たちにもトラウマを植え付けるほど、凄惨な光景だったそうです。

 

このドキュメンタリー番組は、この事件を警察官の証言を中心に構成されています。

しかし、劇中では犯人のヨンチョルの過去について全く触れられないので、ここで軽く触れておきます。

 

ヨンチョルは田舎の貧しい家庭で生まれます。幼児期に母に見捨てられ、父から暴行を受けて育ちます。10代後半からは詐欺や盗みを繰り返し、刑務所の出入りを繰り返します。

そんな彼に転機が訪れます。

1991年に飲食店で出会った女性と意気投合し、結婚。男の子をひとり授かります。彼は家族を優先する、理想の父親だったそうです。

しかし、幸せな生活は長くは続きません。

2000年にヨンチョルは、通りすがりの女性を、顔の原型がなくなるまで殴り続け、逮捕されます。犯行の理由は、「女が容姿を馬鹿にしてきた」と誤解したというありえない理由です。

彼は3年の刑期を終えます。当然奥さんからは離婚されます。

そして、出所して3ヶ月後に、富裕層への殺人を実行するのです。

 

ユンチョルが富裕層や女性ばかりターゲットにするのは、彼の不幸な生い立ちからの怨恨だと、ドキュメンタリーでは解説されます。彼は被害者の頭部を何度も殴打して殺害します。明らかに強い恨みを持った犯行です。

確かに彼の生い立ちは悲惨ですが、だからと言って彼に同情はできません。

 

警察官の一人は、ユンチョルは殺人を犯すことでストレスを発散していたと証言します。

そして、彼にとって殺人は、全知全能を得るための手段だと言うのです。

そのため彼は、マスコミに対し、誇ったように自分の犯行を話すそうです。

 

やはり彼は、純粋なサイコパスなのです。

同情など1ミリもしてはいけません。

現に彼は、「健康のために」と殺害した女性の遺体を食べていたそうです。

このような人物は、外の世界に出してはいけません。

 

 

その後、彼はどうなったのか。

2005年に死刑を求刑されましたが、今も服役中だそうです。

 

最後に、犠牲になった方々へ、ご冥福を祈ります。

 

参考文献

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