こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

風都シティ転覆の危機を守れ!「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」

「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」は、2010年8月7日に公開された劇場版作品。同時上映は天装戦隊ゴセイジャーの劇場版でした~というおまけ情報を添えておこう。

 

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ

 

 先日YouTubeで無料公開されていたのでしっかり見ました。この映画は初視聴でした。前から見たいとは思っていたんだよね。そんな時にタダで見れて嬉しい。 

 大変面白い名作だと感じたゆえ、この忙しい年末にあってなにやってんだ!と自分でツッコむ中で2回も見てしまった。貴重な時間を使ってしまったが、素敵に楽しかったのでまぁ良し。

 

 ここでエターナルが初お披露目だったのだな。ウケが良かったことで後に他のシリーズにも出てくるエターナル。他シリーズで見たことがあっても本家初登場は今回がお初だった。ヤツの歴史を知れたことで嬉しかったし格好良いので興奮した。

 うちのお兄ちゃんが結構聴いていたバンド SOPHIAのメンバー 松岡充がエターナルに変身するのは界隈で有名な話。それは知っていたが、こうしてしっかり変身を見るととても新鮮。今回はワルワル&イケイケなお兄さん役を演じていてナイスだった。

 バンドSOPHIAとしては「街」という曲を大切に歌ってきたのに、今回は皆の大切な街 風都シティをぶっ壊すお仕事をやっちゃいます。街関係の仕事にも色々あります。

 

 今回の映画の内容は結構ヤバい。まずは我々の風都シティが危ない。テロリストに侵略されてしまうという分かりやすくヤバい展開到来。

 エターナルこと大道克己率いる闇の傭兵部隊が風都に襲来する。一気に物騒です。

 序盤シーンでは、飛んでいるヘリを堕とす秀逸な傭兵ぶりを見せてくれた。まずは空からの襲撃を決めるこの傭兵5人小隊はヤバいけど格好良い。こいつらが風都シティ乗っ取りをおっ始めます。じゃあなんとかするしかねぇのが仮面ライダー達の都合。

 テロリスト襲来と同時に、街にはA~Zのメモリがばらまかれる。これが厄介なもので、本人の意志とは関係なくメモリが体に勝手に入り込んで化け物への変身が完了するという騒ぎに繋がって行く。街の愉快な変人としてお馴染みのウォッチャマン、サンタちゃんがその脅威の餌食となり、無事病院送りにされてしまった。せっかくの銀幕版でその扱いは可哀想。

 すごい勢いで侵略が進み、園咲ファミリーもぶっちぎって傭兵部隊が街を支配してしまう。これには見目麗しい園崎姉妹も大変オコ(お怒り)。姉妹揃ってよそもの侵略者のことはゴミカス扱いだった。姉妹から嫌われすぎていてオモロ。冴子お姉様なんて「薄汚いテロリスト風情が」とキツいコメントを吐いていた。まぁ酷い言われようなのも仕方ない。悪いことをやっているんだし。

 

 やはり今回の注目点は、映画用の新ライダー エターナル。白くて格好良いヤツだぜ。傭兵らしくコンバットナイフを武器にし、こちらの変身能力を奪うヤバい能力も使ってくる。中盤からはW、アクセルが出動出来ないまさかのピンチ展開となった。

 それまで登場したのは風都の守護神たる仮面ライダー達だったわけだが、こちらは完全に悪役のライダーとなっている。こうしてこっちサイドと同じパワーを持つライダーが完全に敵に回るのはショッキングながらもワクワクする。

 

 エターナル一派の他の傭兵達もメモリーで変身する。今回のA~Zのメモリの中には、Wが普段の戦闘で使っている物と同じメモリも含まれている。ヒート、ルナなどの普段は心強い力が敵側に回るのもスリリング。ヒートメモリで変身するお姉さんの傭兵はイカしていた。

 傭兵部隊の中にはマッチョなオネエもいた。「鎧武」に出てきたブラーボのおっさんのジョブとキャラがまんまソレだったが、あれより数年前のWの段階でこのクセ強キャラ要素の開発が済んでいたのか。一発のみの映画のこちらが試運転で、後には「イケる!」となってテレビにもマッチョなオネエ傭兵を本格的に採用したのかな。そんなライダー×マッチョオネエ傭兵の歴史についても考えることが出来る思い出の作品だった。←というのは本作を見るのにあたって余計な考察なのかもしれない。

 

 普段はこちら側に優位に働くアイテムが敵に回るこういう構造を見ていると、ドラゴンボールGTに出てきたドラゴンボールの化身を思い出す。あの時もまさかドラゴンボールの力がこちらを攻撃してくるとは思わなかったじゃないか。

 で、こいつら恐怖の傭兵部隊の正体はなんと死者蘇生術で動く死人だったというから驚き。ライダー的穢土転生が発動していた。

 

 女諜報員のマリヤ役として杉本彩が出ている。ここに出ていたんだ~。知らんかった。格好良いお姉さんだったなぁ。重要キャラで出番も多かったので印象的。

 翔太郎やフィリップに今回の事件について説明をする事務所でのシーンでは、偉そうに足を組んで報告していた。それも杉本彩なら絵になるから面白い。

 これも注目なのが、杉本彩にママみを感じるフィリップくんの言動。あの物知りの彼が全然知らない「母」という概念を前に動揺するのは印象的。もしかしてシュラウドの中身は杉本彩なのではないかという説がまことしやかに囁かれる中、フィリップくんの心は一体どこに行く。

 母を感じることで心が揺らいで神経質になるフィリップくんがいて、その横にはそれを汲み取れていない翔太郎がいるわけで。翔太郎がちょっと無神経な事を言えばフィリップくんがキレて殴ってしまうシーンもあった。ちょっと過激な男のコミュニケーション。

 まぁ母を知らない子が感じる孤独ってのは、例え親しき相棒であっても容易に話せることではないし、相棒としても簡単に読み取れることではない。孤独から来るフィリップくんの心の叫びはまぁ分かります。

 普段は超然とした彼の中にある等身大の人間の部分が濃く見えた。これも印象的。

 

 ここでややこしいのが、マリアはフィリップの母なのかと思ったらそうではなく、なんと大道克己の母だった。

 マジかよ。杉本彩はフィリップにママみを感じられ、SOPHIA松岡のママンのポジだったのか。というリアルと創作世界の設定がごちゃ混ぜになった感想が出てくる。

 マリアお母さんも悪い事に加担しているとは分かっているが、母の本能から息子を肯定して助けになってあげたいと望むわけである。悲しいことだが、それも親心の一つの形。

 母子を巡ってのここらへんの流れはちょっとシリアス。

 マリアがフィリップを坊や呼びして可愛がり、フィリップがそれに安心感を得ている親子感は悪くなかった。

 しかしあの日コンサートホールでピアノの演奏発表を行っていた可愛い少年が、本日のテロリストになるとはな。大道克己の成長変化も歪なことになったなぁ。こいつにも可愛いピアノ弾き少年をやっていた時代があったのか~と思うと、時の流れが残酷だと思えてきた。

 

 バトルシーンでは、翔太郎がジョーカーのメモリを使用して単身で変身する所が見所。

 おぉ~ジョーカーだけで変身している!と興奮。

 序盤シーンで事務所の天井に穴が空いていたあれはメモリ発見に繋がる伏線だったわけね。

 切り札はいつも自分の所に回ってくるとご満悦で変身を決める翔太郎が格好良い。こういうキザい事を言ってもしっくり来るのは、彼が男前だからだな。

 

 ジョーカーは切り札ということで、豊富な戦闘能力を持つライダーとしては最後の切り札にしてシリーズの原点回帰でもある肉弾戦で戦うのが良い。そこでライダーキックにライダーパンチの技名が出てくるのが印象的。ダブルでその古典的ワードを聴くのはレア。

 

 W、アクセル共にバイクをぶっ飛ばすシーンも良き。序盤のバイクアクションシーンはご機嫌なものだった。映画で見るバイク戦も良いものだ。

 

 エターナルに変身能力を奪われた竜くんが、デカい剣を片手に生身で化け物とやり合っているのも雄々しい。変身能力が戻るまでの間殺されずに持ち堪えていたのがまたすごい。彼も訓練を受けた警官だから強いよね。映画でも「俺に質問するな」「絶望がお前のゴールだ」を言っていたのもナイス。

 この映画では竜くんも良かった。竜くん格好良いわ~。竜くんとアキコちゃんの恋の物語も盛り上がっている。

 序盤で花火デートの約束をする二人。しかも竜くんから誘ってくれる。本編中に竜くんがアキコちゃんの頭をナデナデしてくれるシーンが複数回あったのも良し。この二人のラブいシーンが好きです。翔太郎、フィリップも良いけど、竜くんが一番刺さるかも。

 初めて竜くんを見た時にはなんか暑苦しい格好をしていてムスッとしたヤツだな。それに怖いから無いわ~と思ったけど、今は一番好きっす。

 

 ラストバトルの盛り上がりも良い。映画用サービスってことで、エターナル戦ではWが手持ちメモリ全出しのバリエーション豊かな戦闘を見せてくれた。そこも楽しい。

 最後の風車をバックに大戦闘するのは格好良い。エターナルも良い敵役として盛り上げてくれた。Wに「お前の罪を数えろ」と言われれば、罪を重ねすぎて数え切れないと返してくるのがナイスな悪役ムーブだったわ。

 Wがピンチになったところで声援をくれるアキコちゃんは、かつてないくらい特撮ヒロインをしていた。それに続いてテレビシリーズに出てくる皆さん大集合でWを応援してくれるのも熱い。数話のみのゲスト出演者もここに集まってくれてお祭り状態だった。

 最後にエターナルが消滅する時には、死ぬのが久しぶりという死霊ならではの捨てセリフも聞けた。良いヒール役だよ。

 

 それと戦闘中にはコロコロ転がる例のメダルを追ってなんとオーズも参戦。映画にシレッと顔出しして次作の紹介になっているのか。オーズももう一回見たいな。「タトバ」の変身音が懐かしい。オーズ参戦もちょっとの見所。今思えばあいつってば風都に馴染む男だったよな。

 

 こうして風都シティは救われたわけである。1時間20分ほどでスリルとワクワクがたっぷり味わえる良き作品だった。

 これは見所たっぷりな名作だ。興奮したぜ。2024年の末も末にこんなに良い作品を見れて良かった。24年は楽しい年だったぜ。

 

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