邦画と銭湯

映画を観て風呂に入るブログ

徹子の部屋2025年1月6日「<小林旭>86歳!銀幕の大スターが語る波瀾万丈な人生」

徹子の部屋ってのはそこまで出演者をチェックしていないというか、あんまり観ないのだが、小林旭が出演!? という情報をXで知りギリギリセーフでTverで観ました。

(かなり遅い報告となってしまいました…一月に書いてます)

(カテゴリ的には映画展覧会に入れさせていただきました)

 

www.tv-asahi.co.jp

 

いや〜大満足。過去の小林旭出演映像も観れたし。

(前回出演は13年前!)

にしてもオントシ86歳。先日出した本も面白かったですが、小林旭、とにかく長生きてし語って欲しい。

 

小林旭には恋をさせるな、という日活の方針で、浅丘ルリ子とのコンビで一回もキスしてない、ってのはなるほど、そういえばそうか、心で通じ合っても身体は接触してなかったか、まったき気づかなかった。

そして本を読むのもいいけど、謝金返済の話、本人の口から聞くとやっぱすごいね。なんとも言えない凄み。

 

来年デビュー70周年! ああ、コンサート行きたいぜ、生アキラが観たい、心から観たい。

 

それにしても徹子さんは元気だ。徹子の部屋はあまり観ていないのだけど、YouTubeで爆買いとか爆食されているお姿、いつも拝見しております……!

『花の白虎隊』(1954・大映)

歌舞伎界の雷蔵、長唄界の杵屋勝東治次男・勝新太郎、新派の花柳章太郎次男・花柳武始など、各界のホープが本作でデビュー。父様のため、恋人のため、郷土のため…飯盛山を血と涙で染めた会津白虎隊たちを若き日のスター達が熱演。

(市川雷蔵映画祭より引用)

 

監督:田坂勝彦

出演:市川雷蔵/花柳武始/勝新太郎/峰幸子/小町瑠美子/入江たか子

これ、雷蔵のデビュー作なんですけど、いやあ、すごい。お顔が! お顔が!

そしてその美しさゆえ? 主人公は清廉潔白である。

メインででてくる男の子たちの友情も素晴らしい。そしてそれぞれの恋やら家族への想い、未来がこの戦いによって断ち切られてしまったこと(もちろん武士としていくさにでることはすばらしいことであり勤めではあるんだけど)への想いなどがひしひしと伝わってくる。

どんどんと死んでいく味方たち、相手は数が多く、撃ってくる。武士の時代の終わりだ。

自害をするも最後まで生き残り、ただ無邪気にこの戦いの場にやってきた子供を敵に託す雷蔵の凄まじさ。もうろうとして目はもう見えなくとも、あくまでも小さな子供への気遣いが染み入る。

いいもの観ました。

雷蔵にまつわるエッセイや、本人の書いたものでも出てくるこの作品、観れて大満足です。

『抜き射ち三四郎』(1962・日活)

抜き射ちの妙技、空手、柔道、ボクシングと何でもこいの和田浩治が、海のギャング共を相手に息づまる対決をする痛快娯楽アクション

(Prime Videoより引用)

 

監督:山崎徳次郎

出演:和田浩治/笹森礼子/葉山良二

船を狙うギャング、という新聞記事を見て、和田は現地に向かう。そこには警察である身分を隠して潜入中の葉山がいた。

和田はウナギ屋でバイトをしながら(笑)調査、殺された船頭の娘といい感じ。

さてさて、葉山が潜入中の「唯一被害のない会社」。やっぱりやらかしてやんの。

葉山は身バレ、最初は和田を疑うが違うらしい。

さて、本当の大ボスは……密輸していることをバレないように、自分で自分の会社を襲わせてた!?

人のいいマダムの店のバーテンは銃の名手!

ガン捌き抜群のアクションが冴え渡る。

にしても和田浩治、この頃は「成長途中」って感じで保護者感覚で見てしまうな。

 

事件は解決、笹森礼子を残し、和田は去っていくのでありました。

 

ところで主題歌、抜き射ちさんしろ〜🎵って歌、なんか頭に残る。歌っているのは杉山俊夫。ほがらか。

『セクシー・オーラル 浮気な唇』(1884・日活)

ある日突然、女に捨てられた女が、寝取られた女に企てたリベンジ計画。それは、ボーイフレンドを使って女をレイプさせる事だった。レズビアンを犯す。想像するだけでゾクゾクする思い付きだ。だが、最後に待っていたのは皮肉などんでん返しだった。怖い怖い、レズビアンの三角関係ドラマを軽いタッチで見せるロマンポルノ。

(Prime Videoより引用)

 

監督:林功

出演:三原誠子/北原ちあき/江崎和代

 

レズカップルの終焉。

と、いうかおねえさまのほうが同じ職場の可愛い子をターゲットにしだしたのである。で、その彼女はというと、なんとまあ仕事終わりに風俗のバイトをしていたのである。彼女はじつは男に絶望していて、ダッチボーイ(っていうのかな、マネキンに張り型がついていたんだけど)に夢中。

それを知ったおねえさま(仕事中に彼女の鍵を抜き取り部屋に潜入て!)、彼女を女のテクで絶頂させるのであった。

気に入らないのはかつてのレズの恋人。男を利用して彼女らをレイプ! 最悪である。

しかし、そんなものには屈せず、セフレじみた関係になりすまし、プレイ用の穴のあいた壁(まあ性器突っ込んでむにゃむにゃ…)に男のあれを入れたところで接着剤を入れたコップをはめ、そのまま新たな場所へと旅立つのでありました。

なんというか、けっこうポップな(ひでえけど)終わり方。

性で屈服させようとする男はこらしめられて当然なのである。

『いろは囃子』(1955・大映)

バクチ、火つけとしたい放題をしつくしたおたずね者の平太(雷蔵)は、流れ者の女(山根寿子)と出会い、入水自殺を図る。別々に助けられた2人はそれぞれ別の人生を歩むことになるが……。デビュー2年日の若き雷歳のフレッシュな魅力が溢れる一作!

(市川雷蔵映画祭より引用)

 

監督:加戸敏

出演:市川雷蔵/山根寿子/ 菅井一郎/三井弘次/沢村貞子

 

放火の、見張り!

聞いてないよ!

そう、雷蔵犯罪の片棒かついでいることに! 逃げこんで入った家で、山根と恋に落ちるんだが、このままじゃ二人は引き離されてしまうってんで入水自殺を図るもそれぞれ生きていた!

雷蔵はもとの材木屋に戻り、改心して働いていたんだが、許嫁を狙っている男(これが絵に描いたような優男!)が許嫁を誘拐。それを助けて材木屋から金をふんだくろうとしたのが、生き別れになった山根だった!

山根が雷蔵に復縁を迫るが、かつて腕に彫っていた女の名前を雷蔵は消していた。

そう、どうあったって、かつての恋は再び燃えることがない。けっきょくこの誘拐騒動で人を殺めてしまった雷蔵は、ふたたび、かたぎの世界から去っていくことに……。

ああ、なんかもうって感じ。

そして雷蔵の映画ってのはつまりはモテ男の苦悩なのである。

なのにどうして腹立たないのか(笑)。

雷蔵の人間力か。

 

【風呂グ】千歳烏山「増穂湯」

世田谷文学館で「森薫と入江亜希」展を観たついでに、近所の銭湯を検索したらでてきたので寄ってみた。

歩いて行くと煙突が見えてきた。「軟水・サウナ・ツルツルの湯」とある。
入り口横にも「水の宝石軟水風呂」「軟水浴泉つるつるの湯」

めちゃめちゃつるつる推し!

3時に入ったんだけど、十数人のおじいちゃんたち! これがあれか一番風呂勢か!

椅子につかわずそのまま座り込んで髭剃ってる太ったじいさんとか、うーんかわいいとは思わないけど(笑)、動物ってかんじで微笑ましい。まあこういう人は昼間でなくてもいますけどね。

たしかにお湯、柔らかい。ジェット風呂で染み込む感じがするぜ!

脱衣所に長椅子二つあり、ちょっくらぼーっと休憩もできる。いいかんじだ。
(20250107)

『歌行燈』(1960・大映)

運命のいたずらで仇同士になってしまった若き能楽師(雷蔵)とお袖(山本)。2人が芸の道を通して紡ぐ悲恋を描いた一作。俳優陣の佇まい、衣装、結髪、セット、ロケーション…すべてから明治情緒が匂い立つ名作。監督は巨匠・衣笠貞之助。

(市川雷蔵映画祭ホームページより引用)

 

監督:衣笠貞之助

出演:市川雷蔵/山本富士子/小野道子

かつて按摩だっためくらの男は、おだてられ自分もちょいと才能があると自惚れていたが、やってきた雷蔵の芸に打ち負かされ、発狂、井戸に落ちて死んでしまう。娘の山本富士子は芸のない芸者として流転の身に。雷蔵もまた、破門されて流しとなってしまう。転々としながら二人は再会。そして芸を仕込まれることで恋は成就する。しかし山本は金持ちに見受けされることに。運悪く雷蔵は会う日に喧嘩を起こしてブタ箱入り。山本は猫いらずを飲み死のうと決意するが、能楽師の部屋に呼ばれ、一世一代の芸を見せる。そして音に気づいた雷蔵が現れ……。

いやーどうしても観たかった。市川雷蔵映画祭のおかげで観ることができました!

いちいち美しい。

そしていちいち哀しい。

大傑作である。

 

 

 

【映画館】神保町シアター

神保町にある映画館なんだが、小学館が運営している。

もともとはポケモンを上映するために作られた映画館、らしんだけどいまでは日本映画を上映しており年配の諸先輩方が大挙としてやってくるのだが、ここ入って右は吉本の神保町劇場である。なんで、客層ががらりと違うというか、差がすごい(笑)。

サービスデーのときはわりと混雑、でも比較的ゆったりと映画を観ることができるんだが、去年、「Lie Lie Lie」を上映したとき、まさかの連日満員! いや、たしかに観たいよ。中嶋らも原作だし、鈴木保奈美も豊川悦司も観たいよ! ディスク化配信化もされてなかったし!

つまり、旧作邦画にはお宝がある。そしてそれをみんなが欲しがっているというやつを証明したわけです。ぼくも観たかったけど観れませんでした。アンコール上映でも無理でした。またやってください。というか80〜90年代日本映画、ガチでみんな求めるかも。

『婦系図』(1962・大映)

“切れるの別れるのッて、そんな事は、芸者の時に云うものよ。……私にゃ死ねと云って下さい”の名セリフで有名な戯曲を映画化。明治の下町を舞台に恋と恩師への義理の板挟みで苦悩する青年・早瀬主税(雷蔵)と芸者・お蔦(万里昌代)の悲恋を描いた一作。

(市川雷蔵映画祭より引用)

 

監督:三隈研次

出演:市川雷蔵/万里昌代/船越英二/三條魔子/小暮実千代

美しい。

スリをしていした少年は、すったおやじに捕まり、あわや警察にとおもったところを書生として迎えられる。

そして彼は芸者と恋をして……内緒で内縁の夫婦関係に。

世話になった先生の娘に結婚の話が持ち上がるが、その相手はいけすかない。そもそも系図を探るなんてのも嫌な話だ。

婦「系図」は、素性を巡る物語である。主人公も生まれはひどいもの、先生の娘さんは実は愛人が産んだ子供である。

格式を気にする娘さんを嫁にしたいと言ってくる家の母もじつはかつて馬丁と不貞を犯している。みながみな、自分の生まれを隠しているのである。

かつてのスリ仲間の片棒をかついで汚名を受けた雷蔵、静岡に身を隠すがそれは復讐でもあった。

にしても悲しい。愛し合っていても、認めてもらえないというのは。先生、娘の婿にしたかったんだな〜雷蔵を。まあわかる。いい男だもん。

『盲獣』(1969・大映)

盲目の彫刻家・蘇父道夫は、モデルの島アキを拉致、目、口、鼻、乳房、手など女体の一部がオブジェとして並べられたアトリエに監禁する。道夫が長年追い求めていた理想の女体、それがアキの体だったのだ。はじめは抵抗していたアキだったが、そのうちに道夫との狂気の愛に目覚めていく。

(Prime Videoより引用)

 

監督:増村保造

出演:船越英二/緑魔子/千石規子

 

イケてる写真家に芸術的(?)ヌード写真を撮影された緑魔子。会場で彫刻をなんだからいやらしい手つきで撫で回す男がいた。きも〜!

あるときマッサージを頼んだら、やってきた盲目の按摩はそいつで、拉致られる。

目を覚ますとそこは盲目の男、船越のアトリエ。自称彫刻家であるところの作品たちが暗闇の中にあり、完全にいかれた場所である。

触覚から彫刻を作りたいと、モデルになれと船越は言う。逃亡しようにもうまくいかない。船越とその母、千石によってその狂った場所で過ごすこととなる緑。

あるとき、緑は船越を誘惑。そしてそれを見た母は激怒し、緑を追い払おうとするも、揉み合いの果てに死んでしまう。

二人だけになってしまってから、セックスに溺れ、そして長く暗闇のなかに過ごしたことで緑は視力を失っていく。触覚の快感はエスカレートして痛みを伴うものに。最後の最後、手足を切ってくれとせがむ緑。究極の快楽のまま死にたいと。全てを終え、船越もまた自分の胸を突くのであった。

三人だけの密室劇。にしてもこのアトリエの気味悪さ。あんなでかい女の裸の彫刻、よく作ったな……。

なんか今日、見終わってから悪い夢見そう。