青空のスローな生活

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三線軌条「三本のレール」 ~京行逗子線

日本全国に張り巡らされている鉄道網。

 

普段、眺めるレールは2本で1対となっています。

 

しかし、全国で4か所だけ、3本のレールで構成される線路があります。

 

「三線軌条」と呼ばれるものです。

 

「金沢八景駅」(横浜市金沢区)と「逗子・葉山駅」(逗子市)を結ぶ京急逗子線もその一つです。

 

全国的にも珍しい京急・逗子線の「三線軌条」を追ってみました。

 

 

目 次 🚋

 

三線軌条

鉄道の線路の幅(軌間)は、鉄道会社によって異なります。

 

JR在来線や多くの私鉄が「狭軌」と呼ばれる1,067mmです。

 

一方、新幹線や京急電鉄、阪急電鉄など一部の私鉄では、「標準軌」と呼ばれる1,435mmです。

 

日本で初めて鉄道が開設された際はイギリス式の狭軌が導入されました。

 

その後、アメリカ式の標準軌を採用する鉄道もあり、混在しているようです。

 

鉄道のレールは、通常ならば2本で1対となっています。

 

三線軌条は、軌間の異なる鉄道が同一の線路を走る場合に使われる3本のレールで構成された線路をいいます。

 

現存する営業路線では、三線軌条は全国で4箇所しかなく、大変珍しいものです。

 

金沢八景駅

京浜急行「金沢八景駅」では、全国に4か所しかない三線軌条を見ることができます。

 

3,4番線ホームから逗子・葉山駅方面側を見たところです。

三線軌条が奥へと伸びています。

左の電車が走っているのは、通常の2本のレールです。

 

同じ3,4番線ホームから横浜方面側を見たところです。

横浜方面へとまっすぐに向かう線路の左側を三線軌条が左へと曲がっていきます。

 

どこから?

三線軌条がどこからきているのか、辿ってみましょう。

 

金沢八景駅から東西自由通路を使って、横浜方面に向かいます。

 

横浜市立大学のキャンパス前の市道を直進します。

 

右手にある京急金沢検車区を眺めつつ、

 

市道を直進すると、京急本線から延びる三線軌条が市道を横切って、

 

金沢高校の隣の敷地へと続いていました。

 

そこは総合車両製作所の敷地です。

 

三線軌条の出発地点は、この総合車両製作所横浜事業所です。

 

どこへ?

それでは、三線軌条は、どこへ繋がっているのでしょうか‥

 

(金沢八景駅から逗子・葉山駅方面を望む)

 

京急逗子線に乗って、逗子・葉山駅方面に三線軌条を追ってみましょう。

電車がやって来ました。

 

下り線は2本のレールですが、上り線は三線軌条(3本のレール)です。

 

上り京急線がやって来ました。

外側のレールを使っています。

 

金沢八景駅から2つ目のトンネルに入ります。

 

トンネル出口です。

三線軌条の狭軌が右側に逸れていきます。

 

神武寺駅(逗子市)の後ろを狭軌道が延びていきます。

向かうのはJR逗子方駅面です。

 

どうして?

京急金沢八景駅近くにある総合車両製作所横浜事業所では、

JRをはじめ東急や京急など多くの鉄道会社の車両を製造・改造しています。

 

同事業所で製造・改造された車両を鉄道各社に送らなければなりません。

 

このため、狭軌のJRの車両などは、京急逗子線の三線軌条の狭軌道を使って

JR横須賀線・逗子駅方面に送り出されます。

 

そして、標準軌の京急の車両などは、京急逗子線の標準軌道を使って送り出されます。

 

そのため京急逗子線は、三線軌条になっています。

 

 

 

全国でも貴重な三線軌条。

 

鉄道の歴史を物語っているのかもしれません。

 

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