2024年ベスト+2024年に読んだもののこと

満を辞して本・漫画編です。

振り返ってみると今年はあんまり本が読めていない。読んではいるんだけど、途中で投げ出したり積んでしまったものの方が多かったのでした。

とはいえ、今年の目標だった「ブログをもうちょっと書く」はこれで無事達成である。ブログもそこそこ書いたし、年内にちゃんと(なんと3パターンも)ベスト記事を出している時点で徳が高い。除夜の鐘が不必要なほど高潔。今年の冬はサイレントナイトだ!

※収まりがいいので、公開済みの2024冬編を合体させてお送りします。

2024年ベスト5

1)不夜島/荻堂顕

年始に読んでその時点でベストに確定しており、やはり年末になってもこれが今年のベストだったなという気持ちです。

2)あなたは月面に倒れている/倉田タカシ

表題作がカクヨムで無料公開されており、あまりに好みすぎたので読み終わってすぐにKindleを買った。

私は、抽象的な情報を帰納的に具体化していくのが大好きなので、興奮しながら読んだ。次々に現れる定義されていない固有名詞、確定しない世界観、消去法でできあがる常識!脳が気持ちよくて麻薬みたいな情報整理だ。

もちろんそれだけではなくて、心の有り様をこんなふうな言葉で表現するのかというグッとくる描写も多々あった。感情や世界を情報の構築体だと見做したときの分解の仕方が上手いんだろうな。

万人に薦める本ではないけれど、本好きの仲間には必ず薦めたい本。

3)遺伝子が語る免疫学夜話 自己を攻撃する体はなぜ生まれたか?/橋本求

アレルギー、免疫疾患など「自己を外敵から守るはずの身体の仕組みが、自己を攻撃してしまう」のはなぜか?という免疫学について医師が語る本である。もう少し厳密に言えば「そういう生命にとって不利なはずの仕組みがなぜあり続けているのか?自然淘汰されるものじゃないの?」という一般人のフワっとした気持ちをスタートにして、人間がどのように進化して免疫はどのような仕組みなのかを解説している。

門外漢にとっても読みやすくて興味深い内容だった。

何より、これを読んであれやこれやのSFの彩度が上がった。おすすめです。

4)万事快調/波木銅

絶対好きでしょ。

kiloannum-garden.hatenablog.com

5)イラク水滸伝/高野秀行

氏の冒険譚はとても好きで、今までも何冊か読んでいる。なんと単行本で500ページ弱という超大作。

今回はアフワールと呼ばれるイラクの湿地帯を巡る。その湿地帯がアウトロー好漢達の逃げ込み先であり反抗拠点となったという歴史を知った高野氏が、「水滸伝じゃん!」となりその実態を探りに行く冒険譚だ。

現地のヒトの温度感、価値観に振り回されながらも馴染んでいくさまが克明に書かれており、「湿地帯」という場にそこに住む人々の中に入ることで、社会と歴史が編み上げてきた実態を解きほぐしていく。だってそうだ、そもそもその調査方法が「伝統のカッコイイ船を作って貰って、それに乗って湿地帯を巡れば一目置かれて安全に調査できるんじゃない?」という発想がスタートなのだ。文化の内側に触れるために費やす情熱と氏の知見がそこにある。

その伝えることへの情熱はきちんと読者へも注がれていて、とにかく読んでいてオモシレー!という純粋なワクワクがある。強力すぎる相棒にして川のプロという先輩という相棒だったり、愛の歌を歌う船頭だったりと出てくる人々の個性が魅力的だったり、珍しくておいしそうな食事だったり、知らない文化に戸惑う日本人としての姿だったり、「世界って面白いんだぞ!」という目線で見た世界が味わえる。

そうか、世界って知らないことがあって面白いのかもしれないな、というポジティブな感情が得られる冒険譚というのはとても素敵だと思う。

ベスト以下

以下は順不同。

小説編

好き?好き?大好き?/R.D.レイン

愛がなければ応えられないだろう、という問答や様相をいくつも描いた詩集のような作品である。

そこに表されている愛情を文字から読み取るよりも、気が狂うようなコミュニケーションに対して相手を尊重した受け答えを最後まで貫き通している、という見えない受け手の方の精神構造を想像するのがこの作品の鑑賞の仕方であると思う。

でも個人的な感想としては、特に響くものは無くそういう文学だな、という感じだった。これは私がもうすでに自分にとっての愛というものの定義を確立してしまっているからだと思う。文学は解釈の余地がない人生には響かない。愛の定義を確立しておかないと上手くやれない人生を送っている。

湖畔地図製作社/長野まゆみ

手のひらサイズのスコープオブジェを覗くとそこには幻想的な景色が広がっている。その限られた小さな世界の写真に、長野まゆみによる同じくらい小さな物語が寄せられている…という作品である。小説ではない。

選ばれる言葉の美しさはさすがで、たった数行の言葉が、果てしない物語の一片のように思えてくる。

でも、これも個人的にそれほど心に響かなかった。美術館で本当に見ていればもう少し違ったかもしれない。写真ではなく、自分が本当に覗いて、静謐な空間で体験として読めたらもう少し幻想に酔えただろうなと思う。

何故エリーズは語らなかったのか/森博嗣

WWシリーズ新刊。いつかは来るだろうなと思っていたヴァーチャル世界での死についての回。現実の死というものを生物的な意味以外で解釈したときに、このように定義されるだろう、というものを描いている。まぁでも概ね想定通りではあった。

ヴァーチャル世界での生というものが、思考することを生き物の定義としてみなしすぎている部分にずっと違和感があったのだが、前作で「そろそろ人権の定義も変えるべき」という結論が出てしまった。そのあとに、死の定義をもってくるというあたりに、このタイミングでこのテーマか、と思うところはあった。WWシリーズについてはもうちょっと考えをまとめたいと思うものの腰が重い。

地雷グリコ/青崎有吾

ルールハック好き好きマンに向けて出された本だ。面白くて、気持ちいい。登場したキャラクターの個性が分かりやすく書き分けられてて、でもその個性に至るだけの人生の厚みを感じさせるようなエピソードも上手く挟んでおり、痛々しさもなく全体的に飲み込みやすく読みやすい。エンタメの極北みたいな小説だった。

ノッキンオン・ロックドドア/青崎有吾

地雷グリコがかなり面白かったので、こちらのシリーズ三冊を読んだ。動機のwhy専門の探偵とトリックhow専門の探偵がコンビを組んで謎に立ち向かうという連作短編形式のシリーズである。こちらもキャラが魅力的なので、キャラで話がよく回る。ミステリ要素も、上述のアプローチの違いとそれに伴うやんややんやが良いスパイスになっており、ミステリにありがちな謎解きまでの退屈さが全く無い。楽しく読めた小説だった。

ドゥルガーの島/篠田節子

主人公がまずクズで、そのクズがクズらしいプライドで東南アジアの地元民がやめとけという場所でやめとけという村落と関わり、スキューバダイビングをし、謎の遺跡を発見し、呪われる話である。そりゃ~そ~なるよね~という展開、そういう設定があり、期待通りの東南アジアホラーがある。

主人公が割と酷い目にあったり、周りの忠告を無視したりと、物語にとって都合の良い動きをするのだが、「クズ」という設定が非常に巧いエクスキューズとなっており、「まぁこいつクズだからそういうことするよね…」と納得して読み進めることができる。具体的には、共働き子供なし家庭で女性に家事を押し付けて当然の顔をしていたり、自分に性的な魅力が永遠にあると信じ込んでいたり、傑物でもないのに特別な自分になりたい自分に酔いしれていたり、とまあ自己中心的・不誠実の王道を全て押さえている男なのである。全体として、残念ながら特筆すべき恐ろしさも面白さも感じられなかったのだが、「主人公が酷い目に合うのであらかじめクズにしておくことで喉越しを良くする」というテクニックに目から鱗が落ちた小説だった。

ロボットの夢の都市/ラヴィ・ティドハー

太陽系を巻き込んだ大戦争から数百年。
長い眠りから目覚めた戦闘用ロボットと人間たち、そして1本のバラが、砂漠の街の片隅で出会う……
世界幻想文学大賞作家が贈る、
どこか懐かしい未来のSF物語

要所々々で出てくる当然のように使われる注釈付き固有名詞が、この小説の背景にとてつもなく大きな世界が既にあることを感じさせる。そして自分は今その一端だけを味わっているのだという欠落した娯楽にしかない愉悦がある。注釈だけで巻末20ページ超ある!キャホー!

砂が舞うような中東バザールの玉石混交で煩雑な町、という狭い世間の中で生きてきた人々の日常に、本当は最初からあった広い宇宙と壮大な歴史が混じり合う。話のベースライン、関係性や感情の果てで導かれる展開は王道の文学を感じさせる。一方でそれが纏う世界観はまさしくSFで、見知った読み心地と見知らぬ情報の間を彷徨うという、まさに「どこか懐かしい未来のSF」だった。

ニューサバーピア/波木銅

めちゃくちゃな小説が読みたいなと思って読んだ。めちゃくちゃなマジックリアリズムである。マジックリアリズムってこういうとこで使っていいジャンルなのか?

ちょっとおかしい小説かな、と思って読み進めていくと、だいぶおかしい小説であり、常識のラインがどんどん外側に押し出されていく。トンデモ小説、と最初から名乗るような小説ではなく、その「徐々に失われていく普通さ」が本当に境界線なく進んでいくところに面白さがある。おっもしれぇよ!?

この小説で波木銅という作家を知り、「茨城県にくらす三人の女子高生の大麻栽培を描いた『万事快調<オール・グリーンズ>』でデビュー」とかいうわけのわからないプロフィールを知ることになる。そしてなんと私の年間ベスト5に食い込んできたのであった……。

鳥はいまどこを飛ぶか 山野浩一傑作選/山野浩一

表題作は「最初の3章までと最終章以外はどんな順序で読んでも良い」というルールで書かれた実験的小説である。まさに鳥があちこちを飛ぶように章を読み渡ることができ、そして物語としてもそういう時空を渡る鳥の話となっている。私たちが一度読んだ章をもう一度読むことがないように、鳥も同じ時空に戻ることはなく、その所作が(ルールが)世界における悲哀となっている。読むという行為を内側から侵略する小説であり、心に残る読書体験だった。

他にも、日常から転がり落ちるように非日常に塗れていく、主人公はその違和感となぜか共存しようとする…という奇想色の強い短編が多くて大満足。巻末に作者自身による作品解説があるのも良かった。

小説以外編

世界の祭りと衣装

かわいかったり美しかったり、目にとてもよい。

世界の不思議な植物 厳しい環境で生きる/湯浅浩史

定期的に本が読めない時期が来るが、「本を読み続ける自分でありたい」という気持ちが常にある。まあランニングみたいなもので、面倒だなと思って遠ざかるととたんに勘が消えていき、本当に走りたいときに全然走れなくて悲しくなる…みたいなものだ。

そういう時はこういう、写真が多めで解説もそれなりにある、普段あんまり触れない子ども用の図鑑を読むことにしている。太かったりデカかったりする植物が、聞いたことのない名前が、たくさん載っておりとても楽しかった。

脳に入る情報のデトックスみたいな役割である。

マナーはいらない 小説の書き方講座

小説書きたいな~と思いつつ一切書いてこなかったが、なんか急に思い立って今年は2本書いた。でも手癖だけで書いているとやっぱり全然面白くない(そりゃそう)ので、とりあえずテクニックもちゃんと読んだ。でもそんな急に小説が面白くなる筋肉が育つはずもなく、まぁでも学ぶことはたくさんありました。一番最初に読む本としてはとても良かった。

小説を書きたい動機がいまいち無く、思いついた設定がそのまま夢に出てきて面白い展開を迎えてしまい、(まだこの世にない)面白い小説を(書くことで)読むぞ欲が満たされてしまい、ぽへぽへしている、というのが何回かある。でも来年も書いて小説書くの上手くなりたいね。

漫画編すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険/山本健人

1編あたりが3~5ページほどで構成されており、体力・集中力のないときに読むのにちょうどよかった。内容も内蔵やホルモンの不思議から、麻酔や鎮静剤の歴史、抗体の話から医学史の発見までかなり広くカバーしている。人体について面白いと思う導入本であり、そのコンセプト通り、いまは次にどんな本を読もうか漁っているところだ。

科学でも医学でも文学でも哲学でもなんでもそうだが、専門分野の常識のアップデートというのは積極的に行わないと更新されにくいので、時々こういう「面白いと思うための導入本」を読んだ方が良いモンだな、とも痛感した。

漫画編

MASHLE(1~18)/甲本一

面白かった。「JUMPとか漫画っておもしれー!」という漫画初心者に向けた漫画。ゲーム未経験者がいきなりマリオをやっても楽しめないように、漫画も、漫画を面白いと思うためには自身のレベルに応じたものから味わう必要がある。そういう、漫画。

魔法が人間や社会の序列を作る世界で、魔法が一切使えないため迫害対象であるはずの主人公が、筋肉によって魔法と同等の結果を出し、立ちはだかる奴を全部やっつけて世界を変えていく話。基本はギャグである。エェ〜魔法をレシーブで跳ね返すだと!?みたいなノリをずっとやっている。全身の筋肉で。

とにかく相手の土俵に立たない(=魔法の強さで勝ちが決まるフィールドに立たない)ということで勝っていく話なので、戦闘中の会話においてもそれが反映されている。相手の苛烈な戦闘意欲を受け流したりと、「相手の土俵に立たない」ことで勝ちを得ていくスタイルを貫いている。一見冷笑スタイルのように見えて漫画のコンセプトやキャラクターとしての軸を重ねることでギャグ上でも独特の味わいを生み出しており、そのあたりは面白いデザインだなと思った。

各種パロディも分からなくてもちゃんと面白く引用されているあたりが非常に好感が持てます。

あとこれをもとにBring-Bang-Bang-Born作ったCreepy nuts天才かよという気持ちにもなります。

ほてりほてってファーストキス/卯月ココ

友達以上恋人未満がファーストキスに至るまでのチャイチャイを描いた短編漫画集。

絵が好き。短篇というのもあり、ほどよいキュンキュンがあり、これくらいの機微がちょうどよいですね~という感じ。コメダコーヒーの横に添えられる豆と同種の満足感がある。

守娘(上・下)/シャオナオナオ

セールで買った。台湾の纒足やら男性優位の文化とそこから生まれた信仰の話。表紙のままに美麗な漫画であり、白黒のコントラストがまた内容の陰影をも際立てる。現実の人間の思想の闇と、霊的異界的な昏さが混じり合っている様が見事。とはいえ暗鬱とした話で終わるわけではないので、読了は気持ち良かった。

2025年の感じ

新しいことをやるよりは、手を付け始めたことを続けていく年にする。小説を書くとか、Duolingoをやるとか、テキストアドベンチャーゲームを楽しむとか。読書筋との付き合い方も分かってきたので、適度に読める波を作りながら来年は文学とか名作多めでやっていこうかなの気持ちです。

来年もよろしくお願いします。

2024年下期もろもろまとめ

上期はこちら↓

2024年上期もろもろまとめ - 千年先の我が庭を見よ

下期で買って良かったものは、まぁそりゃそうだろという生活用品しかなく、面白みがないので、今回は以下でお届けする。

買って良かったのか今も分からない

自動ハンディソープ

ポシュポシュは意外と力のいる作業であり、力のないものには難しい。ということで手を差し出すだけで泡がヌアーっとでるようにしたのだ。便利にはなった。

しかし誤動作が多く、誰もいないところで泡をやたらと垂れ流している。他のメーカーのだと違うのだろうか。でもそもそも日常のセンサーに対しての信頼がだいぶ薄いので(蛇口もタッチ式にしようとは思わない)どうせそんなもんだろと思っている。

野菜の水切り

私が野菜の水切りに出せるお金は700円までで、それに見合うものがなかなかなかったのだが、やっと見つけて買った。 野菜がビショビショではないサラダが食べられる。とは言え、そんなにサラダというか生のレタスをめちゃくちゃ食べる習慣が無いため、月に3回くらいしか出番がない。月3回もあれば充分か。カンロレードルは年に3回しか出番ないもんな。

でも食洗機に入れられない。そんなに汚れないものではあるが、機械で洗えないというだけであらゆるものは星が一つ減る。

プラプライヤリング

岸辺露伴(ドラマ)かっけ〜ああいうセクシーな感じになるでヤンスという気持ちになり、買った。セクシーにはなった。

でも冬場は、外気で冷えて、歩き揺れるたび、冷たいものが、首に、

キッチンペーパーホルダー

まず、キッチンにマグネットがつかない。こうなるともう山善が白旗をあげるのだ。そして私は、キッチンペーパーのような常用消耗品は、なるべく内容量の大きいものを買うようにしている。つまり、吸盤だとか吸着ごときではその重みに耐えられなかった。

ということで、置き型一択となってしまった。 キッチンカウンターに置いて調理中も食事中も使えるようにしたいので、それなりに見栄えの良いやつが欲しい。でもキッチンペーパーホルダーごときに2,000円以上出したくないな〜と悩みに悩んでこれを買った。

デザインもよく、安定感もあり、使用に不便はない。でも思ってたよりも、大きいんだ……。My kitchenpaper holder is taller than the Christmas tree. (私のキッチンペーパーホルダーはクリスマスツリーよりも大きいです)クリスマスツリーが怯えている。持ち手が付いているのもイイネ〜と思ってたが、キッチンペーパーを持って部屋の中をウロウロする機会は今のところ無く、このオシャレな持ち手も手持ち無沙汰になっている。持ち手も手持ち無沙汰になって?いる?もちてもてもちぶさたに?ん?

たぶんインコとか飼っていたらちょうどいい止まり木にもなっただろう。

 

 

 

茨城県に暮らす三人の女子高生の大麻栽培を描く『万事快調』

なーんもない町、しょーもない家族、どーしようもねぇ学校、という面白さが死んでる地元から出るには金が要る。金!律儀にバイトしてお金を貯めて桜吹雪とともに普通電車に乗って新しいスタートが切れるような場所、なわけがない。お金が貯まるためには、まず正常な環境がいるのだ。正常って知ってるか?私もよくは知らない。

思春期にとって、自分が世界に取るに足らない存在であると認識するのは毒であるが、面白さが死んでる町においては致死毒である。三人の少女たちはそれを本能的に分かっているから、生き残るための武装として過剰な自意識を纏う。 ラップ、映画、小説、漫画……文化は私たちを特別にしてくれる。

でもそういうのとは別に、やっぱり金が要るんだよなア!金金金!!

 

これは、3人の女子高生が高校の屋上ビニールハウスで大麻を育てる話である。

「女子高生が大麻を育てる話だ」と言ったとき、一番の問題はどうやって女子高生に大麻をゲットさせて、彼女が大麻を育てようと言い出すか、である。女子高生が大麻を育てるのが面白いんじゃない。そこに至るまでが面白くあれ、というのがこの本を手に取る読者の真の期待であろう。

大丈夫、ちゃ~んと自然な流れで女子高生が大麻を育てることになる。

三人の女子高生は協力して大麻を育てることになるが、たぶん三人ともお互いのことを友達とか仲間とかいう甘ったるい関係で呼ばれたくない、と思っている。そういうポカポカしたものは、ここがキラキラした場所だと認めるようなものだからだ。だから会話や気持ちには糖衣が一切ない。めちゃくちゃな会話が飛び交う。 彼女たちはつねにアサッテの方向に牙を向いている。でもその粗暴さと自分の生活圏を面白くするための剥き出しの威嚇は、小説ではテンポよく小気味良い応酬となる。つまり、読んでてすっげぇ楽し〜い!暴力的に見えて、無秩序ではなく、相手に許された粗暴さに留まるのも心地よい。そこには敵ではない奴を傷付けないだけの配慮がある。

そう、ここにあるのは「敵ではないやつ」という距離感だ。でもその距離感は大事なのだ。敵ではない、ということは。

 

弟も狂っているがそんな傍流はストーリーの足を引っ張らない。意味のない緊張感があり、家族でボウリングという気持ち悪さのギリギリをねらったほんわかストーリーがあり、ハーヴェイミルクとかいうエピソードがあり、 基本的に彼女たちの周りにある何もかもがズレている。

でも世間とズレ続けることが彼女たちのアイデンティティなのだ。だってこの世間というのは彼女たちにとってはつまんねーこんな町のことを指すから。小説はストーリー単位でそれを体現する。

 

私も、面白さが死んでいる町で、澁澤龍彦を読みながらデカい川沿いを歩き、デカいマックスバリュで休憩してまた川沿いを下ることで放課後の3時間を潰したていた経験があるから、全てが分かる。何よりも面白いギャグ漫画を知っているということが自己肯定感になる、よく知っている手触りの自意識。っア"〜〜〜!でもそういうのを思い出して傷付く時代はもう終わってるから、今それでモガいてて大麻を育て始めてて変な希望に満ちている女子高生を見るのは楽しいだけだ。ヒャハ〜!

 

そこには私が超えられなかった要らないタイプの輝きがあり、私には転がって来なかったタイプの狂気がある。何もかもがめちゃくちゃだが、なんか、うまい具合にも転がっていく。最終的には。そんでやっぱどうしようもなくなったら燃やすに限る。

「ニューロにはさ」

「うん」

「負けてほしくないな。勝ち逃げして欲しい。不条理とか、こんなしょうもない町とか。そういうの全部無視して、やりたいことだけやってて欲しい」

「うん。そのつもりだよ。ジャッキーもね」

だって万事快調って名前の小説だからなァ、これは!

2024年にやったゲームのこと

今年はわりと色々ゲームをやっており、なんとゲーム独立で記事ができるくらいになった。自分が何となく二の足を踏んであんまりやらないことをエイヤッとやる、ことにしたのである。

やったゲーム

ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム

正月からはちゃめちゃに遊び尽くし、6/29にクリアした。そして更に全ての祠と破魔の根を解放したら私の旅は終わってしまった。あとはまだ見ぬ洞窟と陰鬱で美しくない森とやたらいる妖精しか残ってない。やたらいる妖精!!

 

ウルトラハンドも最初はコンチクショウ軸XYZと思っていたが、2ヶ月もしたら慣れた。

クラフトという自由に、趣味ではない実務的な目的があるというのは本当に凄いと思う。私がやってきたほとんどのクラフトは自由だけがあるか、目的だけがあるかだった。でも私は素敵なお家なんて思いつかないし、規定の素材を集めて木の机を納品するのも楽しくないのだ。「向こう側へ渡るための何か」をプレイヤーに考えて&作らせるゲーム、それがどれほどの技術と発想に支えられているかを想像すると胸が震える。

必要をデザインする、ということの美しさを体現したゲームだったと思う。

ゼルダの伝説 知恵のカリモノ

1ヶ月でクリアしちゃった。詳細以下参照。

カリモノしとるよ - 千年先の我が庭を見よ

カリモノだいぶしとるよ - 千年先の我が庭を見よ

カリモノおわっちゃった - 千年先の我が庭を見よ

slay the spire

store.steampowered.com

女暗殺者の毒デッキで3階ボス撃破までたどり着いた。 ディアブロでも毒牙ワンワンにはお世話になったし、私はこうドットダメージとか反射ダメージみたいな「攻撃してない間もダメージが通ってる」ってのが好き。一挙両得とか一石二鳥みたいな動きが好きなんだ、行動の全てに無駄がなかった気がするから。意味とか生産性に呪われている、自由になりたい。まぁとにかく毒毒させてナイフを引きまくっている時はめちゃくちゃ楽しかった。カードゲームはカードいっぱい引けるマンが勝つのだ。でもそういうシナジーが噛み合わない時はズルズル無惨に負けていくので全然楽しくない。カードゲームは楽しい時と楽しくない時の差が激しすぎる。

 

女暗殺者以外は肉を切らせて骨を断つみたいなプレイをしないといけないキャラクターばかりで、そういうのがめちゃくちゃ嫌いな自分には向いていなかった。俺はまず何も失いたくないし傷付きたくないんだ!カードゲームは好戦的でないと楽しめない。私は戦を楽しんだことはない。

更に、カードゲームの本質は選択と決定にある。何を選び何を棄てるか、Uncontrolableな未来をどれだけ自分に有利な形で転がすのか……。

選択と決定コストの支払いに日々疲れているなかで、わざわざ選択と決定を繰り返す遊びなんかしたくない。マックスバリュで数日分の肉と野菜と魚を買ってきて、疲労とかいう不確定要素を転がしながら栄養バランスとかいうシナジーを考えて料理をしている。逆に家事や日常事務なんてほぼローグライトカードゲームじゃないですか?

は?????

カードゲームをやるたびに、絶望的にカードゲームが向いていないタイプなのだということを噛みしめている。

未解決事件は終わらせないといけないから

store.steampowered.com

最初、ゲームシステムに戸惑ってしまったんだけど、あれはたぶん思い出していく過程での記憶のとっ散らかりと混濁だったんだと思う。謎解きではなくて遥か昔の記憶の整理という体験なのだ。

そして、ゲームシステムの「本当の捜査のように、難しくはないが煩雑で根気と思考のいる作業」という苦行が、これは祈りだったのだのかと気付いた瞬間が一番尊いゲーム体験だった。そう、ゲーム体験ってこういうのもあるのか、と。

やって良かった。

あとこれくらいのゲームは一気にプレイすることに価値があるんだなと分かってきた。

 

放り出したゲーム

アウトランダーズ

アウトランダーズ

アウトランダーズ

  • Pomelo Games
  • ゲーム
  •  

apps.apple.com

島や村のような閉鎖空間で、人員と素材のリソース管理をしながら与えられたゴールを目指すタスク管理ゲーム。なんか鬱陶しくなってやめた。管理と管理の間に成果物が出来上がるまでの「待ち」の時間があったり、心理的な忙しなさの割に達成感が得られなかったあたりが鬱陶しいの詳細である。

なんか、そういう気分になりたいわけじゃねーんですよ、となった。

MULAKA

www.lienzo.mx

実在するメキシコの先住民族の口伝神話を元に作られたアクションアドベンチャーゲーム。ゲームにすることで文化保存の狙いがある。収益の一部も文化保存に使われるらしい。

コンセプトが面白いなと思って買った。プレイすることで、確かにその文化の一端を擬似体験できるようになっておりとても楽しい。でもアクションが微妙に思い通りに動かず、詰みがち(うまくジャンプしないと沼に落ちるが落ち続ける)で、でっていうか詰んで、やめてしまった。沼の真ん中の小島に立ち尽くしとる。Switchでやったからかもしれない。キーボードとマウスだとたぶん苦労しないな…というゲーム操作は多々ある。

でもコンセプトは面白い。長野の御柱祭とか、上げ馬神事とかああいう危険な祭りはゲーム化していくと良いのかもしれない。神事に必要なのは鑑賞ではなく参加だ。そして危険ということは何らかのコントロール難度が高い状態なのでゲームに向いているはずだ。でもまぁこれも文化保存としては良いかもしれないけれど、祈りの定義と神社の意義を問うものになってしまうのでそのあたりは難しいだろうな。

でも逆に、getting over itもそこに祈りがあればもうそれは儀式なのでは?

パラノマサイト 本所七不思議

www.jp.square-enix.com

世間とフォロワーが絶賛していたのでとても気になっており、「ホラーだけど、ジャンプスケアもそこまで無いし、ホラー苦手な私でもできました!」とかいうレビューを信じてプレイしたが、普通に怖くて頓挫している。面白いという気持ちは分かり始めたところだよ。

一応、一人目を最後までやって、やっとこのゲームがこれから始まるよ~みたいなところから少し進め、ゲームシステムと全体の謎みたいなものが分かってきたところではある。ホラーというのは、怖いものが出てくるのが怖いのではなく、「いるかもしれない」が怖いのであり、見渡すというアクションによってその領域が圧倒的に広がることでテキストアドベンチャーでありながら常に緊張感があるゲームとなっている。

常に緊張感があって、出そうなところではちゃあんと振り向いたら「居る」ので、普通に怖い。なのでプレイをやめてしまった。

2025年の予定

Airborne Kingdom(空中都市を建設し、リソースと重量バランスを意識しながら世界を回るゲーム)の続編のAirborne Empireが出るらしいので楽しみにしている

Steam:Airborne Empire

カリモノおわっちゃった

前回までのお話

カリモノだいぶしとるよ - 千年先の我が庭を見よ

水と床ピュンでわんぱく探索しつつ、デザインの分かりにくさに困惑していた

今回のお話

壺が三種類ある意味、何?

ラストダンジョンは知恵知恵していてすごい楽しい

ラストダンジョンのリンクとの共闘はとても楽しかった。

通れるようにギミックを解いてあげたり、基本火力はお任せしてサポートしたりするプレイは非常に楽しかった。チームゲームにおける非アタッカー職の楽しさに近い。私は自分の手で強敵を倒すことよりも、盤面を整えたりこういうサポートをしている方が達成感があるので、もっとこういうことしていたいなと思った。無力ながら知恵で貢献するというのはまさしく「知恵の」ゼルダであり、ラストに相応しい素晴らしいダンジョンだったと思う。

戦術戦略に特化したタクティクスゲームとも異なり、自身もフィールドに降り立つそのスタイルは漫画『ワールドトリガー』の面白さだよな、とも思った。あれも主人公が無力であるという前提があって、ならばチーム(ゲーム)としてどう自分は強さに貢献できるか?を問い続ける物語である。ワールドトリガーのスパイダーみたいに、もっとリンクを強くしてあげられる何かがあったら楽しかったな。

対人ゲームではなく、こういう知恵で戦いに貢献するスタイルのゲームがもっとあったら良いのになぁ、と新たな面白さに気付けたラストダンジョンだった。

てな感じで、すごい楽しいラストダンジョンだったんだけど、オッと思ってたら終わった。

もう終わっちゃった

えぇ〜〜?ラストダンジョンも今までのダンジョンに比べたら格段に短いし、全体のボリュームが数千円のインディーズゲームくらいじゃない?これがティアキンやペルソナ5なんかと同じ値段か〜という気持ちがある。

でもこのシステムのこの感じでこれ以上ボリュームがあったら、エンディングに向かって面白さが右肩下がりするとは思うので難しいところ。つまるところ、謎解きの謎のバリエーションが少ないのだ。本来はあるはずなんだろうけど、一部の便利すぎるカリモノ(水とか)によって、後半になるにつれ解き方が単調になっていく。雲とか面白いカリモノなのに床ピュンで済む場所の方が多い。多すぎるカリモノの機能を覚えられるはずもなく、機能としての下位互換は忘れ去られていく。

リソースとしてのボリュームはあるんだろうけど、成長や目的もなく延々と手元の部品で遊べるほどクラフトを愛してはいない。

「楽しみ方は自分次第」と「面白さを自分で作る」は違うと思う。

カリモノシステム総評

カリモノと別リソースでわざわざカラクリが存在する意味もない。すごく役立つわけでもなく、苦労して習得した割にボス戦では使いづらいし、もう言ってみれば趣味の範囲なのである。まぁでもカラクリはアイツの趣味で作られたものか……じゃあ趣味、趣味でした。

サブクエストでもっとカリモノ色々出し放題の何かがあるわけでもなく、使い所がわからないカリモノがたくさんあった。ビヨーンみたいな魔物、どこで使うんだ?私の知らない宴会がある?

総じてカリモノシステムは「壺が三種類ある意味、何?」に集約されている。

三種類もあるのにそこに意味もなく、そもそも壺自体の使い道もほとんどない、しかしカリモノ欄は圧迫するという「この要素はどう面白さに繋がってるんだ」デザインが、自由度による面白さを深刻なまでに侵食していると感じた。

その他、ゲーム総評

お米ねんどみたいな造形と発色でチマチマ動いているゼルダちゃんや森はかわいかったし、メインのフィールド音楽はその雰囲気に会っていてとても良かった。探索の楽しさと不安を含みつつ、牧歌的に纏められていてゼルダが冒険している感じが深く味わえた。

あと、がっつり毎日やりこむゲームではなく、謎解き欲みたいなのを溜めてから久しぶりにプレイする方がストレスなく楽しめる。

 

それなりに楽しめたが、人に勧めるほどのゲームじゃないなぁというのが『ゼルダの伝説 知恵のカリモノ』の感想だ。

 

カリモノだいぶしとるよ

前回までのお話

カリモノしとるよ - 千年先の我が庭を見よ

それなりに楽しみつつ、スニークミッションに憎悪を抱いた

 

今回のお話

やっと三女神とやらより証を授かった。

 

謎解きに微妙に自由度がない

想定された回答ではないが解決してしまう、いわゆる「わんぱくな回答」ができそうでできないところが多い。やるには距離だったりリソースだったりが微妙に足りない。というかむしろ「ここは解法パターンが3つくらいある」「ここはダメ」が設定されているなと感じる。これは事前にインタビューとか読んじゃって、自分の期待がズレていたというだけかもしれない。

でも謎解きなのに操作性を要求してくるのはやめて欲しい。知恵〜知恵〜

 

なんか、分かりにくい

ボスとの戦いで、その解法が合ってるのかどうかが凄く分かりにくい。なかなか斃れないボスに対して、効果がなくて状況がループしているのか・効果があって複数回ダメージを与える必要があるのかが分からない。

あとトラップオブジェクトなのか魔物なのか分からないモノもある。

ちょっとした説明も分かりにくくて、「火を吹きながら突進する魔物」と言って、まさかの尻から火を吹く電光石火の蛾だったというクエストがあった。デフォルメされた小さな小さなオブジェクトが何なのかは、発せられた効能によって判断可能となるわけで、つまり「火」なら結果として何かが燃えてくれよ〜と思った。

これは結構ストレスである。なんかそういう意味のデザインがイマイチだった。(私にとっては)

 

使わないカリモノが多すぎる一方で、とにかく燃やせばいいものが多すぎる。壺が三種類ある意味、何?

 

床ピュン、もといわんぱくな旅はすごいすごい楽しい

シンクとカリモノが上手く嵌まった時は「そういう使い方が!」と気持ちよくなれる。フィールドの想定ルートではない道を強引に進めた時はすごく気持ちいい。でも想定ルートを通らないとその後の攻略のヒントを無視することになってたりして悲しいことになったりもするのだが……。

マップ踏破という部分では、本当にやってみたいことができて思わぬ結果が出ることがあり非常に楽しい。ゼルダという無力な姫キャラが、そんな方法で旅を!?というコンセプトがきっちり実現されている。もっとマップが広かったら良かったのにな〜。

同じ理由で、メインダンジョンではない無の世界を上下左右工夫しながら攻略するのも結構楽しかった。水が便利すぎるけどな、でも水ってそもそも便利すぎるものだからなア!

 

ミニクエストがちょうどいい

ティアキンやブレワイのサブクエストが若干だるかった一方で、こちらのサブクエストは今までの寄り道が役立ったりさっと終わるものが多くて楽しかった。猫と話せたのはちゃんと意味あったんだ!ニャ!

また、無量大数コログに比べてスタンプはコンプリートできそうなところがちょうどいい。やってやるぞ!という気持ちになれる。スタンプマン、お前〜!良い塩梅だぞ〜!

でもこの快適さはお使いクエストのお使い部分がラク、つまりマップが狭いことで成り立つものなので、上述の物足りなさと表裏一体ではある。

 

次回予告

なんかこれもう終わりそうなんだけど、本当にもう終わっちゃうんですか?

 

 

 

 

カリモノしとるよ

ゼルダの伝説 知恵のカリモノをやっている。

ゲーム内容に言及します。

 

発売日に遊びたくて、夜9時にねて朝4時に起きて遊んでいた。もう徹夜で翌日働くなんて無理な身体なのだ。それでも3日くらい寝不足を引き摺っていたので、もうそんな、体力ってないんだってことが分かって切なかった。というか朝早起きするってのが身体に合ってなさすぎる。起きるぞ起きるぞって緊張してしまい、熟睡できない。アホ?

SNSにみんなのゼルダ感想が出まくる前にそれなりにウェ〜ブにのるぞ!と思っていたのだが、節度あるタイムラインなので存外誰も言及していなかった。

 

ヤァ!私も節度を見せつけるぞ!

ということで言いたいことはブログにしたためることにする。のである。

 

今はハイラル城で伝統的な素敵なお召し物をもらったあと、フィローネ湿原をクリアしたところ。

謎解きは、押したり引いたり叩いたりすればイイ何かをどうにかするのが多く、それなりに頭を使えばオッケーなのでちょうどいい。あのスマホゲー広告の水と溶岩をどっち先に流せばオッサンが死なないかみたいなやつ、ああいうの。あれだけずっとやってるのは何かの知能テストか?と思って虚しくなるのだが、通過点としてのギミックなら楽しい。

魔物のカリモノは場の相性を考えて出すのがスマート回答なのだが、思った以上に魔物がアホなので、合ってたのに四苦八苦しているところはある。でも魔物の知能なら仕方ないか〜と割り切ることにした。そこまで賢かったら村を築いているはずだ。

でも操作が下手なので火の魔物を出して、よくゼルダを燃やしている。

 

ヒントの出し方はティアキンほど美しくないな〜という感じ。ヒントとなる原理みたいなものの提示が直前にあるというよりは、手元にあるものの特性から逆算して考えるモノの方が多い。まぁ謎解きの原体験が脱出ゲームの人間なので、謎解きってそういうもんだしなという感想だ。私は楽しい。ここで力をつけてリアル脱出ゲームで今度こそ脱出を……。

あと辿り着けるならいつどんなタイミングでも解けるようにはなっている設計は嬉しい。やっぱりどんな遊び方してもいいんだ!という自由に対する信頼が満たされる。

 

一方ストレスだったのは、スニークミッションである。私はね、敵の目を掻い潜りながらこっそり移動する、全てのミッションが嫌いだ。

敵にバレないようにルートを工夫する、は謎解きだけど、敵があっち行った時にササッと動くは謎解きじゃないだろ!

フィローネの牢屋だけ全然出来なくて12回くらいやった。

壺とか投げて気を引きながらその裏を駆け抜けないといけないんだよね。でも操作が下手だから思っている位置に壺を投げることができない。ゼルダも木箱につかえたりする。私は!操作が!下手だから謎解きやってんの!

こういう時に工夫次第でスニークそのものを回避できるのがゼルダの伝説!だと期待していたのに、泣きながら頑張るしかなかった。知恵の杖が奪われた途端に知恵で解決できない展開になっている。クッソ〜知恵…そっちに全振りか…。

 

もうこのスニークミッションの愚痴が言いたかっただけなので、この記事は終わりである。

今は猫耳をつけながらオルデインに行く準備をしている。

 

 

 

 

 

 

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