アメリカの学生が今のアメリカをどう見ているのか参考になれば。

僕の大学のAmerican Liberty & Gov't、通称"American Politics"のクラスで、教授が言ってたよ。『米国はかつてない激動の時代に入った。今まさにこのクラスを受講している君たちは、この学校で最も適切な場所にいる。私のキャリアの中でも君達の人生の中でも、きっと忘れられないクラスになることは間違いない。2008年の秋は歴史に残るよ。ガハハハハハハハッ。』


いつもはノリよく愛想笑いするアメリカの学生が、このときばかりはシーンと静まり返っていたのは、教授の目が笑っていなかったからか、それとも彼らの家族のファイナンシャルシチュエーションも結構あれ気な感じになっているのか、傍から見ている僕には知る由もない。


なんて思っていたら、いつもの議論が始まるわけですね。曰く、グリーンマーケットやらITやら、生き残っている市場に注力しようとかなんとか。いやいや、そりゃいくら何でもどうだろう。ファンダメンタルズをどうにかしないとどうしようもないだろうとかなんとか。


こんな感じの意見を言う人もたまにいたりするのですが、
http://blogpal.seesaa.net/article/107406416.html


すぐにこんな批判が返ってくる流れは、アメリカでもおなじみの光景。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51119075.html


ひとまず自分の人生に興味がある人は、先週あったこの辺りのディベートとかきちんと見てみると良いですよ。


僕たちの学校はDemocratic拠りだから。と断った上で、みんなが言うのはやっぱり、McCainは経済のことちょっとわかってないよね。この時期に駆け引きしてる余裕なんて本当はないのに、なんでそっち方面に走っちゃうんだろうね。とかそんな感じ。


大統領選とここまで時期がオーバーラップしていなかったら、きっともっと迅速な対応が取れただろうにね。時代の、そして歴史の大きな足音が聞こえるのは僕だけじゃないはず。偶然が奏でるメロディーこそが歴史を作る。なんて言ってたのはワンピースだったか。違ったか。


僕の学校はアッパークラスと呼ばれるアメリカンエリート層のお子さんが多い大学なので、まあ目が血走っている人とかもいたりするわけですね。大学の学費も年間6万ドルくらいかかるわけで、目下の彼らの関心は、家族が学費の支払い能力が本当にあるのかどうかということ。そして、友達の家族がどうなのかということ。奨学金貰って通ってる僕は、やっぱりここでもマイノリティー。


誰かが、僕のお父さんは金融機関に勤めているから、今回のファイナンシャルクライシスはまさに悲劇だよ。なんて言ってたら、でも君のお父さんはそのリスクプレミアムを給料に乗せて貰ってたんでしょ。なんて、厳しい意見が飛んできたりする。そんな光景も日本と同じく本場アメリカでも、やっぱりおなじみ。対面でよく言えるね。なんて、横でWashington Postにコーヒーこぼしつつ圧倒される僕。


細かい状況は違うけれど、不動産が引き金になって金融がとどめを指すのは、日本のバブル崩壊と同じ流れだね。あのあと日本は10年以上不景気を彷徨ったっけ。マイナス成長なんてのも経験したね。今、舵取りを間違っちゃったらアメリカも大変なことになるかもね。なんて鎌かけてみる僕。


意外にも静まるクラス。あっ、気まずい。一人の女の子がその空気を破り僕に問う。じゃあ、日本が辿った解決策を参考にすればいいじゃない。日本はどうやって不況から立ち直ったの?


いろいろと要因はあるだろうけど、と一先ず逃げの断りを入れる僕。アメリカのここ5年くらいのバブル経済が牽引してくれた部分が大きいと思う。あっ、結構大きく端折っちゃった。まっ、いっか。


でも、今のアメリカには白馬の王子様はいない。みんな、それくらい気づいてる。それで、また静まるクラス。Chinaなら、Chinaならひょっとしたら・・・と言う声に重なるように、何人かが、それって政治的にどうなの、と独り言のように繰り返す。日本に国債とかで依存しすぎていることはこっちでも話題になってる。みんなよく知ってる。ニュースでも取り上げられてた。アメリカは日本の操り人形になるのかとかなんとか。


ばっかみたいと口に出しちゃった僕。だって、ばっかみたい。日本でそんなこと言っても冗談にしか聞こえないよ。それでも、Japanは許せてもChinaは許せないのが彼らなりの筋の通し方らしい。だけど既に、結構な割合をChinaに依存しているのは、おなじみの理想と現実。


でも、まだまだ先行きについて楽観視している人が多いのは、やっぱりここがアメリカだからなのか、それともここが大学だからなのか。そう思いつつ、アメリカのインフレは避けて欲しいけど、ドル安は僕にとっては好都合だと、身勝手なことを考えつつ、クラスは終了。


Obamaも言ってたけど、ブッシュさんのこの暗黒の8年にこのクライシスの原因の一端があるのは間違いなくて、結局WallStreetに取って心地よい政策ではあったけれども、MainStreetに取ってはそうではなかった。減税とか減税とか減税とかね。


今回の大統領選の勝者は、負けたほうだ、なんて書いてたのはChicago Tribuneだったかな。それくらい割りに合わない任期になりそうだよね。ブッシュは積み木を崩した大統領として記憶されるのは間違いないんだけど、鳴り物入りでヒーローのごとく登場した彼も、結局太刀打ちできなかったよね。あれだけ期待したのに、がっかりだわ。なんて理不尽な声に晒されるのは確実だよね。次の大統領も。


そんな感じで、明日は副大統領候補のテレビ討論がありますね。興味がある人は見てみると良いですよ。あと、第二回、第三回の大統領候補のテレビ討論も10月07日と15日に控えています。