Another Days

tomorrow's another day、some say …

バカラック】Moon Over Wichita / Burt Bacharach & Daniel Tashian('22)

久しぶりにバカラック関連を行ってみましょう。

まず最晩年の22年に出たバート・バカラック&ダニエル・タシアンのクレジットの”Moon Over Wichita”。ナッシュヴィルで活動するsswのタシアンとはすでに20年に「Blue Umbrella」というEPが出てるのだとか。全く知りませんでしたがタシアンという人はいい声してます。世はコロナ時代でリモートで作られたのだとか。もうタイトルだけでジム・ウェッブのあの名曲を思い出してしまいますが。

https://www.youtube.com/watch?v=0iNxJ3RPb2Q

Where There's A Heartache

元々は映画「明日に向かって撃て」のサントラに入ったインストにハル・デイヴィッドが歌詞を付けたものでサンドパイパーズやカーニヴァルのヴァージョンもあります。元々のタイトルは”Come Touch The Sun”といいます。ここではアストラッド・ジルベルトスタンリー・タレンタインのヴァージョンで。アストラッドのvoは相変わらずけだるくて子守歌のように聞こえます。71年の「Gilberto With Turrentine」(CTI)から。

https://www.youtube.com/watch?v=6t0pKl8pr4o

 

That's What Friends Are For / Rod Stewart('82)

85年にディオンヌ・ワーウィックエルトン・ジョンスティーヴィー・ワンダー、グラディス・ナイトと歌ったエイズ・キャンペーン・ソングで大ヒットした”愛のハーモニー”ですが、元々は映画「ラヴ IN ニューヨーク」(Night Shift)のサントラの中で、ロッド・スチュワートが歌った”フレンズ”がオリジナル。まあその頃からちょっと甘すぎるなあと思ってましたが。

https://www.youtube.com/watch?v=L4qX2nQGR_w

 

 

 

ミント・ジュエップスはロンドンで結成された4姉妹によるファミリー・グループで85年にジーン・ピットニーが62年に大ヒットさせたバカラック曲”Only Love Can Break Your Hearts”をヒットさせてます。ロックというよりもポップの世界でハーモニーがなかなか気持ちいい。レーベルがStiffというのが面白い。

https://www.youtube.com/watch?v=7FhCeufBcKY

 

ディオンヌ・ワーウィックやジェニファー・ウォーンズのヴァージョンも好きな"Don't Make Me Over"(’66)をスウィンギン・ブルー・ジーンズのヴァージョンで。なんといってもテリー・シルヴェスターのvoが気持ちいい(裏声になるところとか)。SBJにとって最後のヒットとなりました。

https://www.youtube.com/watch?v=q9VtINBA_QE

 

https://www.youtube.com/watch?v=bmkn7R9hGiw

https://www.youtube.com/watch?v=XNQ3MmlE-Fs

https://www.youtube.com/watch?v=DhEDY8r5ngY

 

ブルームフィールド、エアーズ、ノイ

■Live At The Old Waldorf / Mike Bloomfield  ('98 Legacy)
スーパー・セッションの時代から何年か、マイク・ブルームフィールドは旬の人でしたが、ホワイト・ブルーズがロックのトレンドから外れた70'sの半ば以降表舞台から姿を消し、趣味的なブルーズのアルバムを出すなのの活動になっていました。76~77年にシスコのオールド・ウォルドーフと言うクラブでのこのライヴは、好きなブルーズを気の置けない仲間と楽しんでやってる姿のドキュメントで、ロジャー・トロイ(b,vo)、ボブ・ジョーンズ(ds,vo)、ニック・グラヴェニッツ(g,vo)、マーク・ナフタリン(p)といった古くからの仲間が参加。今日性ということでは77年当時、新しさは全くありませんがエヴァグリーンな魅力があります。前かがみ気味にスライド弾きまくるブルームフィールドの姿が思い浮かびます。Sony\Legacyから、98年の発掘音源です。

【名曲リレー2958】blue#2

■Blue / Kevin Ayers(’77)

Islandから古巣のHarvestに復帰しての77年作「今日はマニャーニャで」あたりからイメージとしての「英国ロックらしさ」が薄れてきてケヴィン・エアーズの昔のファンも混乱気味だったのでしょう。prodはスティーヴの兄マフ・ウィンウッドで、英国バンド(ズート・マニー(kb)、リック・ウィルス(b)、トニー・ニューマン(ds)、オリー・ハルソール(g))をバックにしてるんでこれもまた英国ロックなんですが。メロディーはポップでわかりやすくなっています。レコーディングは難航し、オリーが師匠筋のマイク・パトゥーに呼び戻されボクサー結成の為トニー・ニューマンと抜けるので、録音途中でチャーリー・マクラッケン(b)、ロブ・タウンゼンド(ds)、ビリー・リヴセイ(kb)の新バンドに。「Mananas」のラストに入った”Blue”は70's初めのエアーズをちょっと思わせる「英国ロック風」(こういう書き方が意味ないことはわかってます)です。重厚なコーラスがやや大げさではありますがどっしりとした重みを感じさせます。

https://www.youtube.com/watch?v=nwcdjbtyWYM

Hallogallo / Neu!('72)

初期クラフトワークにいたクラウス・ディンがーとミハエル・ローターによって結成されたノイ!は新しいというバンド名通りそれまでのロックとは別次元の音世界を作り上げました。いわゆる音響系のルーツなのかもしれません。反復されるビートは聞いてると妙に心地いい。デビュー作「Neu!」のジャケットもまた痛快です。コニー・プランクのprod。(48/300)

https://www.youtube.com/watch?v=zndpi8tNZyQ

■Gloria~Satisfuction / Eddie &The Hot Rods('76)

ヴァン・モリソンがいたゼムの代表曲(アメリカではシャドウズ・オブ・ザ・ナイトのヴァージョンがヒット)”Gloria”を、パブロックとパンクを結ぶ存在だったエディー&ザ・ホット・ロッズのヴァージョンで。スペルを連呼するあたり、オーディエンスのコールが自然と生まれ消えてゆくさまは、鳥肌立つくらいカッコいいです。メドレーで”Satisfuction”へなだれ込みます。デビューEPのライヴ「At The Marquee」('76)から。パブロックとパンクの橋渡しとなった存在で、何よりもまず60'sビートへの愛情と尊敬が感じられて最高です。(49/300)
Caroline / Jefferson Starship('74)
ポール・カントナーのソロで名前が使われたジェファーソン・スターシップをあらたなバンド名とした新バンドはカントナー、グレイス・スリック&デイヴィッド・フライバーグの共作アルバムを発展させたかのようなサウンド。クレイグ・チャキーソ(g)、ピート・シアーズ(b)、ジョニー・バーベイタ(ds)の参加も心強い。かつての仲間マーティ・バリンがvoでゲスト参加した“Caroline”はいかにもジェファーソンらしいメロディー、コード進行を持ったもの。新たな船出にふさわしい「Dragon Fly」(Grunt)に収録されています。(50/300)

https://www.youtube.com/watch?v=qs8hlhPXA8U

■Reunited / Peaches &Herb('78)

60'sに結成した男女黒人デュオのピーチズ&ハーブは、ハーブはハーブ・フェイムがずっと同じですが、ピーチは活動時期によって変わります。初代はフランシーヌ・バーカーでした。サイモン&ガーファンクルの“Sound Of Silence”をカヴァーしたのは2代目ピーチのマーリーン・マック時代。このアレンジはなかなか面白いです。このあと解散し、ハーブは警官になり、70’s後半に再結成。よりディスコっぽい感じで復活(3代目はリンダ・グリーン)し“Reunited”をヒットさせます。メロウな#1ヒットとなりました。(51/300)

https://www.youtube.com/watch?v=Bu3OQFCsKXQ

■Show Me The Way / Peter Frampton('74)
元々は「Frampton」('75)に入ってたtalkboxを使ったユニークな曲でしたが、大ヒットとなったライヴ盤「Comes Alive」からのシングルカットで#6とブレイクしました。「Frampton」もトップ40入りするくらいだったので下地は出来ていたのでしょうが、地道なツアーのおかげと乾いた音、こうした親しみやすいポップな音が求められていたこともあって2枚組ながらこのライヴ盤は#1となり(そして王子様的なルックスもあって)フランプトンは一気にスターダムにのし上がったのでした。明るいトーンのg、飛び散る汗と甘いルックス、バックバンドのしっかりとした演奏力、メロディアスなロックが受ける土壌、トーキング・モデレーターの奇抜さなど様々な要因が重なってLPは10週連続1位のメガヒットとなりました。(52/200)

https://www.youtube.com/watch?v=-6ZGIBfSF-k

Hippo Stomp / Steppenwolf('70)

70年の時点ですでに7枚目というのは相当なハイペースです。ステッペンウルフは映画「イージー・ライダー」に使われた“Born To Be Wild”(’68)で広く知られるようになりました(その硬派なイメージとは裏腹にそういうバイカー的なイメージじゃないソフトな曲もあります)。「Steppenwolf7」からの“Hippo Stomp”はgとorganが印象的な哀愁のヘヴィロックです。アルバムジャケはちょっとおどろおどろしいですが、そういうイメージと違う爽やかな曲もあります。意外と拾い物のアルバムでした。(53/300)

https://www.youtube.com/watch?v=cZ_3OhYZ5Gw

Sylvia / Focus('72)

オランダのフォーカスの72年は「Focus 3」で、ここから“Sylvia”が英4位になっています。わかりやすくメロディアスなgのインストで例のヨーデル的なスキャットもちらっと聞かれます。動画はBBCのOGWTから。(54/300)

https://www.youtube.com/watch?v=TV-X-5CcfYY

St.Louis/ Warhorse('70)

ディープ・パープルを解雇された(メンバーによると感覚が60’s的だったからとのこと)ニック・シンパー(b)が、マーシャ・ハント・グループで一緒だったゲド・ペック(g)、ヴェルヴェット・フォッグのフランク・ウィルソン(org)らと組んだハードロックがウォーホースで、Vertigoからデビューしています。リリースしたときから廃盤ジャケのようなムードがさすがにあの時代ですが、辞めたパープルの音楽を引きずりつつ、サイケ風味のハードロックに流れた音です。
キャッチーなイージービーツのカヴァーの"St.Louis”がヒットすればまた流れは変わったのでしょうが… ただこうした古いヒット曲を取り上げ料理というパープル時代からなじんだ手法(セカンドではベン・E・キングの“I”をカヴァー)そのものが飽きられてた部分あるので、視点を変えないとなかなか厳しいのは事実。voのアシュレイ・ホルトは後にリック・ウェイクマンのバンドに参加。(55/300)

https://www.youtube.com/watch?v=KQun4mul-mI

■Starin’ At The Sky / Poco('76)

リッチー・フューレイの脱退と共にEpicを離れたポコは、ABC時代にはポール・コットンを中心とした4人組で傑作を連発。結束が強まったこの時代をFab 4時代と熱心なファンは呼びます。それまでsteel-gの名手として演奏面で支えてきたラスティ・ヤングがソングライター,ヴォーカリストとして開花したことも大きかった。「Rose Of Cimarron」('76)から”Staring At The Sky”です。この時期予定されたライヴ盤がキャンセルされましたが後に「The Last Round Up」として復活。Epic時代の「Deliverin'」の躍動感あふれる演奏に比べると、もう1枚の「Live」同様しっとり感があって、負けてません。リズム隊が変わって(英国のコースト・ロード・ドライヴから参加)、ABC最終作「Legend」が最大のヒットなって有終の美を飾りました(まあなんだかなあ的な思いはありましたけど)(56/300)

https://www.youtube.com/watch?v=1jRQsmdg8aA

■Born With Nothing / Muddy Waters(’75)

マディ・ウォーターズザ・バンドのリヴォン・ヘルム、ガース・ハドスン、ポール・バタフィールドらとウッドストックで録音した「The Woodstock Album」('75,Chess)は僕が持ってるブルーズの唯一のCDです。「The Last Waltz」へのマディの出演の布石がここにあります。"Born With Nothing"は、バタフィールドの泣くハーモニカとガースのアコ-ディオンをたっぷりフィーチャー。(57/300)

https://www.youtube.com/watch?v=ZqyzuICPmgw

■Street Corner Talking / Savoy Brown(’71)
前作「Looking In」の後キム・シモンズ以外の3人がフォガット結成の為抜けてしまい瀕死同然だったサヴォイ・ブラウンは、チキンシャックからアンディ・シルヴェスター(b)、ポール・レイモンド(kb)、デイヴ・ビドウェル(ds)を、アイドル・レースのデイヴ・ウォーカー(vo)を加え「Street Corner Talking」で復活(しかし3人抜けたら、別のところから3人引き抜くという手腕もすごい)。ややスワンプ風味も加えたブルーズ・ロックを展開しています。アルバムジャケットのカラフルなイラストも素敵。(58/300)

https://www.youtube.com/watch?v=h-DMnNo2N5M

■I Always Touched By Presence Dear / Blondie('78)
デビュー当時はNYパンクと伝えられたブロンディーは、大部分がデビー・ハリー(vo)に魅力に乗っかる感じではありましたがポップな佳曲を連発。MTV時代がもう少し早ければブロンディーの勢いももっと続いたはずでしょうね。「Parallel Lines」や「Eat To The Beat」はそれこそ浴びるように聞きました。それにしても無数の動画が残ってて迷いますが、"Presence Dear"のBBCにしました。(59/300)

https://www.youtube.com/watch?v=TUBBGwXx3Vo

■Trans Europe Express / Kraftwerk('77)

エレポップのルーツともいえるドイツのクラフトワークの初期の代表作「Autobahn」の、タイトル曲は20分超えの大作を編集してシングルになったものが翌年米で#25まで上がるヒットとなりました。77年の”Trans Europe Express”は、欧州横断特急列車をテーマにしたものでギリギリまでそぎ落としたテクノサウンド。デイヴィッド・ボウイとイギー・ポップがTEEに乗車というアナウンスもイカしてます。(60/300)

https://www.youtube.com/watch?v=kv8_EZrNhpY

■His Last Voyage / Gentle Giant('75)
ジェントル・ジャイアントもいろいろ聞いては見たのですが、なんかよくわからないのです。数少ない例外は「Free Hand」に入ったこの曲。まあvibeが入ってる事もあるのですが、複雑極まりない曲を温かみのあるコーラスと巧みな演奏力で聞かせます。(61/300)

https://www.youtube.com/watch?v=hqyTDtgSmm4

■Paper / Talking Heads(‘79)
トーキング・ヘッズの「Fear Of Music」は多分最初に聞いたアルバムでした。一語のタイトルが多くてNew Wave的だなあと感じたものです。複雑なリズムがワールド・ミュージック的に感じられるのはもっと後ですが評価を高める本作の中でひときわ印象的な“Paper”です。ものすごく久しぶりに聞きました。(62/300)

https://www.youtube.com/watch?v=swCk2wKPK6Y

■Singin’ The Blues / Mary McReary('74)

スライ&ザ・ファミリー・ストーンから派生したリトル・シスターを経て73年にShelterと契約したメアリー・マクリーリーは74年にセカンド「Jezzbel」をリリース。”Singin’ The Blues“はレゲエで、クラプトンが「安息」で取り上げて話題となりました。ちなみにリオン・ラッセルと結婚するのは翌年の事。(63/300)

https://www.youtube.com/watch?v=AvVdPQdUddI

■Take Me Back To Doomsday / Colosseum('70)
クリス・ファーロウ(vo)、デイヴ・クレムソン(g)を加えて演奏力を強化したコロシアムの「Daughter Of Time」からの”Take Me backTo Doomsday”は、ジャズロックの範疇ですがブルージーな歌声を聞かせるファーローとクレムソンの存在が効いてます。(64/300)

https://www.youtube.com/watch?v=_uqT9rMZOB4

■Speak Your Mind / Marc Benno('71)

テキサス出身のマーク・ベノは、60'sにリオン・ラッセルとアサイラムクワイアを組んでいたギタリストです。アサイラムクワイアはヴァン・ダイク・パークス的な世界観の「つくりもの的」虚構の世界を描いたもので、僕はそれほど面白いとは思いませんでしたけど、クワイア解散後地元に帰っていたベノを、再びLAへ呼び戻したのはリタ・クーリッジだといいます。彼女の口利きでA&Mとソロ契約をしたベノが、71年にリリースしたのがLAスワンプの傑作と名高い2枚目「Minnows」です。ジェリー・マギー、ジェシエド・デイヴィス、ボビー・ウーマッククラレンス・ホワイトというゲストgtrの参加が話題となったこのアルバムは、基本線は南部のブルーズですが、意外にも繊細なイメージ。泣きの名曲”Speak Your Mind”含むA面の出来が素晴らしいです。邦題は「雑魚」ですが昔から「稚魚」と間違えてしまうこと多し。(65/300)

https://www.youtube.com/watch?v=xz2y1RPbLnY

■Come Una Zanzara / Il Volo('74)

イル・ヴォーロは74年の時点でイタリアン・ロックを支えた名プレイヤーが集まったスーパーグループで、このファースト「Il Volo」は印象的なジャケットも含め濃厚なイタリアンロックの味わいを堪能できる1枚。フォルムラ・トレのアルベルト・ラディウス(g,vo)とガブリエーレ・ロレンツィ(kb)に、カマレオンティのマリオ・ラヴェッツィ(g,vo)ら6人組。“一匹の蚊の如く”という邦題が付いた“Come Una Zanzara”は1曲目です。(66/300)

https://www.youtube.com/watch?v=eAI1QuZjz8Y&t=179s

■Everybody's Got To Learn Sometime / Korgis('79)
翌80年にヒットしたのでコーギスはNew Wave系のバンドだと思ってましたけど、実はスタクリッジのジェームズ・ウォーレンとアンディ・デイヴィスがショートウェイヴ・バンドのメンバーらと組んだのでした。この”永遠の想い”はクラウデッド・ハウスの曲にムードが似てます。(67/300)

https://www.youtube.com/watch?v=ns_wvl6JB6E

Johnny's Garden / Stephen Stills Manassas('72)

マナサスのファーストに入った広がりを持ったアコースティックなナンバー。ダラス・テイラーとジョー・ララの打楽器以外はスティルスによるもの。タイトルのジョニーとは、イギリスのエルストンに持っていたブルックフィールド・ハウスという邸宅の庭師の名前。この邸宅の前の持ち主は俳優のピーター・セラーズでスティルスは庭師込みでこの家を買ったそうです。
(68/300)

https://www.youtube.com/watch?v=cyewa6z1AxQ

■Feelin’ Alright / Issac Hayes(’73)

アイザック・ヘイズは73年には「Joy」というスタジオ作があるのですが、前年にネヴァダのホテルでやった2枚組ライヴがそれに先立ちリリースされています。そこに入ったこってりとしたトラフィックの“Feelin‘ Alright”のカヴァー。それにしてもジョー・コッカー、ルル、GFRと知るだけでも多くのカヴァーがあり作者のメイスンの懐も潤ったことでしょう。「Live At The Sahara Tahoe」から。(69/300)

https://www.youtube.com/watch?v=LziiW0_UV6g

■S-s-single Bed / Fox(’75)

スーザン・トレイナーの名前でウッドン・ホースと言うフォークバンドをやってたころはフツーのvoだったんですが、70's半ばにフォックスを組んでからのヌーシャ・フォックスのvoはヘリウム・ガス吸ったようなファニー・ヴォイスになりました。髪型と顔立ちはオールドファッションなのにこの声と言うギャップあります(萌えませんが)。
75~77年にかけていくつかヒットを出してますがレーベルがGTOだったので日本ではマイナーな存在。モダン・ポップとかニッチ・ポップとか言われる音です。バックはイエロー・ドッグとかぶる面々で、メンバーはフォークロックのルーツを持ちながらそういう音に全然なってません。ソングライターのケニー・ヤング(g)、ハービー・アームストロング(g)、ジム・ギャノン(g)、ゲイリー・テイラー(b)、ジム・フランク(ds)、ピート・ソイリー(kb)。
 ”Only You Can”('74#3)、”Imagine Me Imagine You”('74#15)、"S-s-single Bed"('75#4)のヒットあり。ソロでもヒット曲あります。(70/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8ziyJMiBFAs&t=1s

■Then She Walked Away /Boz Scaggs
ボズ・スキャッグスといえば80's初めからAORシーンでは日本でも突出した人気を誇ってました。元々はスティーヴ・ミラー・バンド出身でシスコ周辺でソウルフルな音楽をやってた人。その表面的なソウルフルな意匠が変われど基本線は今も変わらないと思うのですが、最初のピークは「Silk Degrees」からこの「Down To The Left」('77)にかけて。まだバックをやっていたTOTOも結成されてませんし、AORというジャンルも確立されてないし、リスナーの棲み分けもしっかりされてなかった頃の話。リッチー命のハードロック少年も、クィーン好き少女も、パンクスも、御三家の新作が出て狂喜のプログレッシャーも、フツーにラジオから流れるなめらかな演奏と歌声に耳を傾けたかもしれません。目立ちませんが"Then She Walked Away"はこのアルバムのベストトラックでは?マイケル・オマーティアンとの共作。(71/300)

https://www.youtube.com/watch?v=pi_-L8xAyYQ

■Chameleon / Herbie Hancock('73)

例えば僕の世代だとハービー・ハンコックというとMTV黎明時代によくかかってたヒップ・ホップな「Rock It」を思い出してしまうのですが、遡って73年の「Head Hunters」はマイルス・デイヴィスクインテットにいたハンコックがジャズ・ファンク路線を歩んだ1枚として知られています。僕は「Band Wagon」を作った頃の鈴木茂が傾倒してたという記事を読んで気になった1枚でした。冒頭の15分にわたる“Chameleon”はこってりとした名演です。(72/300)

https://www.youtube.com/watch?v=WYRrIBqKsJ4

Keeping Time / Trapeze('72)

3期パープルに参加したグレン・ヒューズがいたハードロックのトラピーズは、当初はムーディー・ブルーズ・タイプのシンフォニックな音でしたが(レーベルはムーディーズのThreshold)、セカンドではトリオ編成となりハードロックに転身、「You Are The Music …We’re Just The Band」はファンク的な味わいもあるすき間だらけのパワーロックで力でねじ伏せる感じがカッコいい。“Keeping Time”ではコチーズのBJ・コールのstee-gが入ってますがカントリーロック的には全く聞こえません。(73/300)

https://www.youtube.com/watch?v=9uv8K_YMp_0

■That's Why I Love You / Andrew Gold('75)
リンダ・ロンシュタット・バンドから独立したアンドリュー・ゴールドのファーストに入った、”That's Why I Love You”です。ジョージ・ハリスン・ライクなgソロと言い
 Asylumの人たちにあってひときわビートリーな印象でした。ビートルズの遺伝子を持った元10CCのグラハム・グールドマンとWaxを組むのも理解できますね。しかし高校の頃1000円前後で転がってたこのLP、90'sにはなかなか高値が付いていて不本意ながら2000円近い値でボロ盤を買った事を思い出しました。(74/300)

https://www.youtube.com/watch?v=R_pHzY7wOFk

■Rader Love / Golden Earring('73)

オランダのゴールデン・イヤリングは現在も活動を続ける超ヴェテランですが、最初の世界的なブレイクがこの“Rader Love”でした。ドラマティックに始まり畳みかけるように曲が進む硬派なロックで「Monntan」からの大ヒット(#13)です。(75/300)

https://www.youtube.com/watch?v=aRlSHG5hRY4

Gemini / Quatermas('70)

ビッグ3のジョン・ガスタフソン(b、vo)、アウトロウズのミック・アンダーウッド(ds)、そしてピート・ロビンソン(kb)によるクォーターマスは、ELPタイプの編成の3人組ですが音はもっとハード。Harvestに残した唯一作は翼竜がビル街を飛ぶ印象的なジャケット。ロビンソンのkbをメインにした音ですが叙情的に流れ過ぎずハードに決める曲もあってなかなかカッコいい。“Gemini”はシングル曲で、コンパクトにまとまっています。(76/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8tU5T4kGI2E

■Hearts Of Stone / Southside Johnny & Asbury Jukes('78)
ブルース・スプリングスティーンという人は、仲間内にしばしば名曲を惜しげもなく提供してしまう("Fire"しかり,"Because The Night"しかり)傾向にあるのですが、サウスサイド・ジョニーに提供した"Hearts Of Stone"のその中に入るでしょう。スプリングスティーンのフォロワー(といってもほぼ同じ世代)として76年にデビューしたサウスサイド・ジョニー率いるアズベリー・ジュークスの演奏は、E・ストリート・バンドよりも辛口のR&Bといった感じです。マイアミ・スティーヴがprodした「Hearts Of Stone」は確か初めて聞いたサウスサイド・ジョニーのLPだったような記憶。CBSソニ―から分かれ独立したエピック・ソニーの最初のリリース(目玉はボストンのセカンドでしたが)の1枚だったような。繊細さには欠けますがいいメロディー。(77/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8VSf90_uPYc

■Killing Me Softly With His Song / Roberta Flack('73)
“やさしく歌って”という邦題で知られるロバータ・フラックの#1ヒット曲。ネスカフェのCMにもメロディーが使われたことも有名です。弾き語りでssw的な気の置けないリヴィングルームのようなムードもいいです。広く知られた話ですが、全くヒットしなかったロリ・リーバーマンのオリジナルを飛行機の中で聞いて知ってカヴァーしたとか。(78/300)

https://www.youtube.com/watch?v=DEbi_YjpA-Y

Bedside Manners Are Extra / Greenslade('73)

コロシアムのデイヴ・グリーンスレイド(kb)がサムライのデイヴ・ローソン(kb,vo)と組んだダブルkbのプログレッシヴ・ロックがグリーンスレイド。kb類の応酬は聞いてるちょっと疲れますがセカンドの「Bedside Manners Are Extra」は名盤と言われるだけあって構成も見事。タイトル曲ではローソンの歌もいいです。コロシアムのトニー・リーブス(b)、クリムゾンのアンディ・マカロック(ds)にkb2人を加えた4人組。ロジャー・ディーン描く千手観音の世界観も見事です。(79/300)

https://www.youtube.com/watch?v=4LOixovoY3o

■We're All Alone / Rita Coolidge('77)

「Anytime…Anywhere」が出た時、リタ・クーリッジのこと全然知らなくて、単純に”みんな一人ぼっち”と言う邦題の曲をラジオで聞いてええやん、と思ったのです。後にあれがボズ・スキャッグスの有名曲(当時は"二人きり"と言う邦題でした)のカヴァーだったり、後半のグイグイ来るgソロがディーン・パークスによるものだったり、実は相当キャリアがあるリオン・ラッセル一派のLAスワンプ軍団の一員だったなんて事を知るのです。A&M時代いろいろ聞きましたが、結局最初に聞いたこの77年のアルバムに戻ってくるのでした。
で件の曲は、(この世には)ふたりしかいない、ふたりぼっち、なのか、いやいや、ひとりぼっち なのか未だに迷うところではありますね。前に書いたことありますがジョー・ウォルシュマイケル・マクドナルド&ボズ・スキャッグスサントリー・ホット・ライヴで、トリのボズの時この曲が流れたら、お客さんが自発的に歌い出したのにはちょっとびっくりで、日本もここまで来たか~と若干上から目線で思いましたね。(80/300)

https://www.youtube.com/watch?v=iv3IyfMvZIc

La Declaration d‘Amour / France Gall('74)

フランス・ギャルと後の旦那ミシェル・ベルジェの最初のコラボとなった74年のシングルはこの“愛の告白”で、しっとりとしたメロディーに力強いギャルの歌声が乗った名曲。レーベルも仏WEAに移り心機一転、あらたな時代の始まりとなります。途中のセリフにもまたしびれてしまうのです。(81/300)

https://www.youtube.com/watch?v=mjrj9enypSY

■Far East Man / Ron Wood('74)
フェイシズにいたロン・ウッドは後にストーンズのgtrとなりますが、ストーンズやフェイシズのメンバーも加わった「I’ve Got My Own Album To Do」(俺と仲間という邦題はなんともうまい)は、終始リラックスしたムードで進みます。ジョージ・ハリスンとの共作でジョージも「Dark Horse」に収録する“Far East Man”のユルさが心地いい。いつも書いてますがジャケットのWoodsのsが消されてるのはどんなジョーク?(82/300)

■Willin’ / Linda Ronstadt('75)

Asylumと契約しながら、前所属レーベルとの契約枚数に絡む問題でCapitolから出た(日本盤は東芝EMIから出て、レーベルがAsylumと言う変則的なものでした)「Heart Like A  Wheel」('75)に入ったローウェル・ジョージ曲。やばいブツを運ぶドラッグソングですが、スタジオ・ヴァージョンは、NGDBのジミー・ファッデンのharpをフィーチャーし(ライヴではなんでも屋ケニー・エドワーズが吹きました)、ボブ・ウォーフォードのストリングス・ベンダーのg、ダン・ダグモアのsteelと濃厚なLAカントリーロック臭を発しています。が76年、77年と時代がすすむにつれややあっさりとしたアレンジ(ゴールド独立後はドン・グロルニックのpianoに置き換わります)になってゆくのが時代の流れとはいえ残念。ここではゴールドのgとダグモアのsteel(この間リンダがタンバリン)のソロ。 後期バーズ(もカヴァーしてます)のクラレンス・ホワイトの流れを組んだウォーフォードのプレイがつべで聞けないのが残念。動画は76年のライヴ。ライティングを含めリンダを美しく見せる工夫が完成。バックバンドはあくまでもバックなので、めったにスポットライトは当たりません。(83/300)

https://www.youtube.com/watch?v=IJHcD0kHTGk

Move On Up / Curtis Mayfield('70)

“Move On Up”は、インプレッションズとは別にCurtomから出したカーティス・メイフィールドの初ソロ「Curtis」に入った代表曲です。後年ジャムが取り上げてロック・ファンにも親しまれるようになったファンキー・チューン。ポジティヴなメッセージを打ち出した歌詞や延々と続きながら飽きさせないパーカッシヴな演奏も聞きものです。(84/300)

https://www.youtube.com/watch?v=6Z66wVo7uNw

■Power In The Darkness / Tom Robinson Band ('78)
日本ではゲイであることを公言した事ばかりが当時クローズアップされてたトム・ロビンソンのTRBはパンク~ニュー・ウェイヴの連中のなかでは、ヴェテランということもあって、音楽的にしっかりしたものでした(それを支えてたのはメンバーのテクニックで特にマーク・アンバーの弾くorganには英ロックの歴史が根付いてる感じです)。これぞパワーポップといった感じのファースト・アルバムのタイトル曲”Power In The Darkness”は、社会的弱者に自由を、という政治的メッセージ・ソングです(フーリガンという言葉を初めて聞いたのもこの曲だったなあ)。途中ニュース・キャスターに扮したロビンソンのアジテートがありますが、ライヴではこの部分はマスクをかぶったロビンソンが登場するのです。(85/300)

https://www.youtube.com/watch?v=auN0ZLcuvXI

■Neither One Of Us / Ray Conniff &The Singers('73)
その昔はイージー・リスニングと呼んでいたポピュラー音楽のヴォーカル物は今では何と呼ばれるのでしょう?僕が洋楽を聞き出した76年頃は、まだクラシック音楽以外のポピュラー音楽(ロック、ポップス、ソウル、ジャズ、フォークetc)を俯瞰したFM雑誌が数誌現役バリバリで、そういうのを読んでて、他ジャンルの事をなんとなく知ることが出来ました。50’sから活動するレイ・コニフ率いるレイ・コニフ・シンガーズの73年作「You Are The Sunshine Of My Life」に入ったジム・ウェザリ―作の“Neither One Of Us”は、グラディス・ナイト&ピップスのカヴァー。都会的な男女コーラスと匿名的な演奏になじみます。(86/300)
■Dreams & Nightmares(Dream) / Message('73)
その昔「Music Life」誌の「LPコーナー」(というお店)の広告で、今月のハードロック特選盤に載ってたメッセージのセカンドです。あまりに怖いジャケットが印象的でしたが、今はこうやってつべで聞けるんで幸せ。詳細不明ですけど、ドイツのハードロックで、音の輪郭がクリアなんでジャケットのイメージとは違い割と聞きやすい。この”Dreams & Nightmares”はDreamsとNightmaresがあってどっちも10分を超えるこのアルバム「From Book And Dreams」の肝となる曲。ちなみにキングのユーロロック・シリーズでもう少し後のLPが日本で紹介されてます。(87/300)

https://www.youtube.com/watch?v=hWdgH_mpaC0

Flight Of The Rat / Deep Purple('70)

イアン・ギランとロジャー・グローヴァーが加わった2期パープルの最初の大仕事はロイヤル・フィルハーモニックオーケストラとの共演でしたが、そっちが高い評価を受けても、かねてからやりたかったヘヴィロック路線に取り組み、終始一貫ハードロックに徹した「In Rock」で一皮むけた感じです。ライヴでやる“Speed King”や“Child In Time”が入ったA面に比べると、B面の4曲は暗く重いものばかりで、これぞこの時期のダークな英ハードロックという感じもします。ライヴでもほとんど演奏されてないので、ライトなファンには見逃されがちですが、どれも鈍い光を放つ佳曲ばかり。特に“Flight Of The Rat”が好き。金属的なトーンのorg(マーシャルのアンプにつないでた話は有名ですね)からg、dsと見せ場続きます。リリースはHarvestから。(88/300)

https://www.youtube.com/watch?v=Ksg1pBONu-o

■Sometime I Don’t Know What To Feel / Todd Rundgren('73)
只今ダリル・ホールと共に来日中のトッド・ラングレン。「Something/Anything」につづいてこってりとした内容のヴォリューム満点なやつを1枚にぎゅうぎゅう詰めにした「A Wizard A True Star」(魔法使いは真実のスター)はいろんなタイプの曲があって、フィリー・ソウルっぽい美しいメロディーのバラードからザッパ的な実験的なもの、東海岸らしいハードロックからビートものまで多彩。B面の頭に入った“何をどうしたらいいんだろう”は、トッドと交流があったホール&オーツ的なムードもあるブルー・アイド・ソウルです。(89/300)

https://www.youtube.com/watch?v=4KdI7VTjghM

Wand Ads / Honey Cone('71)

HD&DのHot WaxからデビューしたLA出身の黒人ガールズトリオ、ハニー・コーンは、ガールフレンズのキャロリン・ウィリス、ダーレン・ラヴの妹エドナ・ライトそしてシェリー・クラークから成ります。”Want Ads”は見事に#1ヒットとなったはじけるような躍動感にあふれたナンバーです。初めて聞いたときは女性版ジャクソン5かと思いましたが。(90/300)

https://www.youtube.com/watch?v=FCPmKbbIQdY

■Give Me More / Steve Harley &Cockney Rebel('76)
僕が初めて聞いたコックニー・レベルはこの「プリマドンナはお好き」という後期のアルバムでした(っていうかこれくらいしか見つからなかった)。キャッチーでそれでいてひねくれたポップがとても心地よかったのです。ロンドンでのみ異常に人気があったスティーヴ・ハーレー率いるこのバンドはデビュー当時新世代グラムとか言われてましたが段々洗練されてきました。ジム・クレガン(g)、ダンカン・マッケイ(kb)、ジョージ・フォード(b)、スチュワート・エリオット(ds)という強力なラインナップによるこのアルバムとても好きです。クレガンがこの後加わるロッド・スチュワートにも少し通じる”Give Me More”もいいメロディーです。

https://www.youtube.com/watch?v=0Owr_U5VnX8

■Combination / Aerosmith('76)

デビュー当時はよくあるストーンズの亜流的に言われてましたエアロスミスですが「闇夜のヘヴィ・ロック」(これまたすごい邦題ですな)あたりから固定ファンがついてきて、メンバーのヴィジュアルにこだわる女性ファンだけじゃなく実の詰まったハードロックとしての音を好む男性ファンも増えてきたようです。最初のピークが「Rocks」から「Draw The Line」にかけてかなあ。「Rocks」に入った”Combination”あたりの素っ気ない感じが僕の「アメハー心」(なんやそれ)を刺激します。

https://www.youtube.com/watch?v=YqwZsjeYL7k

Movements Of Visionary / Tangerine Dream('74)

西ドイツの前衛ロック(Ohrレーベルから何枚か出していた)に目を付けたVirginのリチャード・ブランソンがバンドと契約し英国から世界に発信したタンジェリン・ドリームの「Phaedra」は、今までにない音響的な音楽表現が注目されました。今でこそ手軽な楽器としてシンセはイメージできますが当時の原始的なアナログシンセはチューニングだけで膨大な時間を要して、バンドはそれを逆手にとってチューニングの過程を録音し編集して聞かせています。その後映画音楽の分野でタンジェリン風のシンセ音楽が一世風靡しますが、この頃はシンセの部分よりも加工された効果音が月並みな表現ながら幻想的なムードを高めます。“Movements Of Visionary”もイントロ部が印象的。エドガー・フローゼ、クリス・フランケ、ペーター・バウマンの3人組。

https://www.youtube.com/watch?v=qyBXjfGBfJQ

Cut Across The Shorty / Rod Stewart('70)

フェイシズの活動とは別にVertigoとソロ契約を結んだロッド・スチュワートは、70年には2枚目「Gasoline Alley」をリリース。少なくともこの頃のソロでは英フォークとR&Bの2本柱になっていて、その2つが重なることで新たなスタイルを作っています(次第にこの英フォーク趣味は後退)。枯れたviolinと熱くソウルフルなvoが共存する不思議な感じです。この“Cut Across Shorty”はエディ・コクランのレパートリーで当時のフェイシズのライヴでも重要なレパートリーでした。

https://www.youtube.com/watch?v=NYwzUakW2i8

■No Doubt About It / J Geils Band('73)
「Lady Invited」(招かれた貴婦人、でしたっけ邦題?)に入ったJ・ガイルズのカッコイイ曲。メロディーはヤードバーズの”I Ain't Got You”風。ほとんどのアルバムを聴いたわけではないんですがあまり話題になることのないアルバムな気がします。

It’s A Shame / Spinners('70)

60’sにはデトロイト・スピナーズを名乗っていたスピナーズのAtlantic移籍直前のVIPレーベル時代のヒット“It’s A Shame”(#14)です。イントロからもう気持ちいいのです。スティーヴィー・ワンダーとシリータ・ライト夫妻にリー・ギャレットの共作。リードvoはGC・キャメロンです。

https://www.youtube.com/watch?v=3ZP3UQ0ESLc

■Hell Or High Water / Spooky Tooth('74)

フォーリナー・タイプの歌えるハードロックのルーツはストライダーやスプーキー・トゥースのこの最終作「The Mirror」('74)あたりではないか?というのは持論です。「The Mirror」はマイク・ハリスンが抜け、ゲイリー・ライトとミック・ジョーンズ、そしてマイク・パトゥーが中心となったスプーキーズらしくない1枚なんですが、結果として初期よりもこれが好きでずっと聞き続けてます。パトゥー、ライト、黒人のヴァル・バークの3人のvoがいて誰がどの曲をというのが非常にわかりにくいです。”Hell Or High Water”はジョーンズのトーキング・モジェレイターが懐かしさ感じさせます。メロディーはわかりやすく、それいて重厚です。

https://www.youtube.com/watch?v=UPxCEauVKT0

I Needed Her Most When I Told Her to Go / John Sebastian('76)

どうしてもアメリカンな人たちばかりになってしまうのですけど、いちばん好きなハーピストはポール・バタフィールドとジョン・セバスチャンです。この二人が共演した、マッド・エイカーズの”Amazing Grace”もあるのですが、セバスチャンでは、「Welcome Back」('76)に入ったこの曲です。タイトル曲(トラボルタ主演のドラマ曲)が#1なんでそればかりが有名なんですけど他にもいい曲いっぱいあります。

https://www.youtube.com/watch?v=rNDFvqX8Uug

■Little Green Bag / George Baker Selection('70)
この曲を知ったのはライノの70’sヒット曲集コンピでしたが、そのあとすぐタランティーノが「レザボア・ドッグス」で使い、キムタクのお酒のCMでも流れました。70’s初めのオランダ勢(そういえばHollandという単語はもう正式でなくNetherlandで行くらしいです、オランダの英語表記)の全米チャート強襲の一つでした。すごくわかりやすい楽しさかっこよさがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=4b1wt3-zpzQ

Rhayader / Camel('75)

キャメルの代表作「Snow Goose」('75)は、「ポセイドン・アドベンチャー」や「ジェニー」を書いたポール・ギャリコの小説を原作にしたコンセプト・アルバムです。いくつか山場があるのですが最初のヤマは、この"Rhayader"から"Rhayader Goes To Town"のあたりでしょうか。アンディ・ラティマーの吹くfluteが何とも可愛らしい。

■Now That's You've Found Out / Michael Wendroff('73)

マイケル・ウェンドロフの「Michael Wendroff」('73)なり。何とこれがサブスクにあったことがびっくりでした。何故かルー・リードの「Sally Can't Dance」や「Coney Island Baby」に参加してるssw、73年のファースト。韓国でCD化されてるそうです。スティーヴ・フォーバートのデビューを思わせる若々しい感じ。甘いマスクもあってもっと人気が出てもおかしくないのになあ。”Now That You Found Out”と言う曲が昔から好きなんです。西新宿の歩道橋のちかくにあったえとせとらで買いました。NYのスタジオメンが参加(マクラッケン、マロッタ、スピノザら)。saxはマイケル・ブレッカー

https://www.youtube.com/watch?v=RShgeXpliGQ

I’m Gonna Tear Playhouse Down / Ann Peebles('73)

ウィリー・ミッチェルのHiレーベルからリリースされたアン・ピーブルズの”I’m”Gonna Tear Playhouse Down“は、80’sのポール・ヤングの方がなじみある世代ですが、枯れた味わいのオリジナルはいい感じです。控えめなホーンズのサポートがいかにもHiサウンドという感じ。最高位11位まで上がりました。

https://www.youtube.com/watch?v=zwoKq6HPwkE

■Tenemos Roads / National Health('78)

ハットフィールド&ザ・ノースとギルガメッシュが合体する形でスタートしたナショナル・ヘルスはカンタベリーのジャズ・ロックの集大成で、言うまでもなくスーパーグループでした。結成は75年でデイヴ・スチュワート(kb)、フィル・ミラー(g)、ピップ・パイル(ds)、アマンダ・パーソンズ(vo)のハットフィールズ組に、ギルガメからアラン・ガウエン(kb)、ニール・マレイ(b)が参加。メンバーの出入りは複雑でエッグのモント・キャンベル(b)やビル・ブラフォード(ds)らが加わっていた時期もあります。契約してくれるレコード会社がなく77年にファーストは録音されていましたが、Affinityからリリースされたのは78年。その時点でガウエンもマレイもアマンダも脱退しています。フリー・フォームなジャズロックでありながらこれぞカンタベリーと言った感じの"Tenemos  Roads"の力強さは本当に素晴らしい。何度も書いてますが米Visaから出たLPはフェードイン、フェードアウトを繰り返した組曲形式に編集されていて、最初そっちで聞いてたんであとからつながったオリジナルを聴いてびっくりでした。

https://www.youtube.com/watch?v=vj9ZUHju7JE

■Ticklelick / Nitzinger('73)

今では誰も語らない(?)テキサス出身の3人組、ニッチンガーです。エリア柄サザンロック的なニュアンスありますが72年ですもの、十分ハードロックの資質あります。Capitolはブラッドロックばかりでなくちゃんとフォローすれば、GFRフォロワーに十分になれたと思います。2枚のLP出して解散。dsのリンダ・ウォーニングは女性。歌って弾きまくるジョン・ニッチンガーのバンドですが。黒い方の(セカンドは青い)ジャケのファーストより。

https://www.youtube.com/watch?v=b4vPdSWQckQ

■Omen / Pulsar(’)

パルサーは一時期ピュルサーとして日本でも紹介されていましたフランスのシンフォニック系のプログレです。日本デビューは松本零士イラストのポスターが日本盤についたセカンドがデビューで、そのあとキングのユーロロック・シリーズでこの75年の「Pollen」がリリースされました。アコースティックで、ストリングス系のシンセ(ソリーナ?)やフルートが多用された内省的な暗めのプログレ。僕はこのアルバムの旧A面を愛してやまなくて、20代の初めごろはホント繰り返し聞いてました。その後CBSに移って「Halloween」と言うのを出してますが、付き合いはその辺りまで。今でも熱心なファンは多いと聞きます。

https://www.youtube.com/watch?v=i1RB1CvHHw4

 

【リメンバー】#141~英サイケ

60'sのビートものが時代の流れでサイケに変化してゆく有様を無名のバンドを通して語ったSee For Milesレーベルの「British Psychedelic Trip」シリーズ。最初に買ったのはParlophone 編のVol.2(LP)でその後Decca~Deram編を2枚にまとめたCD「Great British Psychedelic Trip」を愛聴。パンク以前の英ロックのルーツである混沌とした部分とても楽しかったのです。

ターコワイズの暗いフォークロックがCDのトップを飾る名曲。”Tales Of Flossie Fllet”('68)は泣きの部分もあります。キンクスのアコースティックな曲に強く影響を受けたこのバンドがマスウェル・ヒル出身というのは何か出来すぎな感じでもあります。

https://www.youtube.com/watch?v=d23QQExwGFQ

アフィニティのkbがいたアイスの”Anniversary Of Love”(’67)はガンダムのEDテーマにも似た名曲。ライトン・ナイーフの弾くorganがいいのです。

https://www.youtube.com/watch?v=-2NoZCxj9dU

後にスウィートを結成するアンディ・スコット(g)がいたウェールズのエラスティック・バンドはビートもの、耽美的なfluteの入ったもの、ジャズロック的なものと様々なスタイルに挑戦した(というかいろいろ未整理な)サイケです。初期パープル的な味わいもありますがこの辺の煮え切らない部分好きな方は多いかと。この手のバンドには珍しくLPリリースまで来ました。69年Decca Novaからのリリースですが貼ったこのビート曲はシングルB面曲('68)。オルガンがとても好き。

https://www.youtube.com/watch?v=4Iex2DwLIi0

ジェントル・ジャイアントの前身、サイモン・デュリー&ビッグ・サウンズの”Kite”はビートポップ風の曲ですがメロトロンの調べなど何となく不安にさせるようなサウンドメイクです。日本のGSバンドもカヴァーしてましたが全然違います。

https://www.youtube.com/watch?v=dVXDFxP4b10

 

【リメンバー】#142~河合その子1989 Nouvelle Collection 4 Days In Tokyo@恵比寿ファクトリー(89/5/4)

こうやって古い資料を紐解きながら書いてると、自分で思ってたよりもずっと「好きになったら飽きるまで集中してライヴに通う」パターンだなあと思いました。ゼルダやシナロケはもう89年にはほとんど聞いてません(^^; ただ最近はなるべく飽きないように連続して聞かない、見ない、行かない、読まないと決めてます。

4回目の河合その子は、エビスビール工場跡に作られた恵比寿ファクトリーにて。「Dancin’In The Light」という米録音含む新作に合わせてのツアーで、全く似合わないダンサブルなファンク路線(本人も失敗とMCで)含むそのアルバムは、ヴィジュアルは最高なんですが音楽的にどうか?という謎作。このツアーは「Sweet Contrast」というヴィデオにもなりましたが、g,kb,percに2chorusという布陣で基本はリズムトラックなど打ち込みのテープ操作な感じでこれが逆にかっこよく感じました。女性perc奏者の大きな動きもなかなか映えます。歌い手があまり動かないんで(それでも精いっぱい動く)。例によってアイドル時代の曲は封印され、近作の自作曲を中心にセレクトされたステージは過去4回で一番楽しかったのです。

”Noelの為の赤いヒール”を改作した”生まれたままの風”。これは河合その子のベスト曲の一つでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=b3_KsOePQIs

 

【リメンバー】#143~イカ天

国家試験も合格し(5月中旬に発表があった時代)、雑務をこなしながら6月に新潟を去り、実家に。話には聞いていた土曜深夜の「イカ天」を見るようになりました。平成名物TVの名の通り2月からOA。僕が見始めたのはセメントミキサーズが突撃ダンスホールに敗れイカ天キングから落ちた頃ですが、何度も過去のVが流れるのでそのうちにフライング・キッズとジッタリン・ジンは好きになりました。特にジッタリン・ジンの小気味よいビート曲は10月のメジャーデビュー後CDを借りてよく聞いてました。

で8代目キングの突撃ダンスホールは”オレンジ色の風”よりもダイアモンズに敗れた”メリーゴーラウンド”の方が好きです(後年吉祥寺の曼陀羅で見た時はこれをやってくれなかったけど)

https://www.youtube.com/watch?v=KHanzQLVYlY

【リメンバー】#144~ストライクス@ハートランド(89/7/9)

ネオGS関連ではファントム・ギフト、コレクターズに続いてメジャーデビュー(マイカルが始めたハミングバードというレコード会社は中村あゆみの”エンジェル”のヒットで注目されたビクター系の会社でしたがその後ワーナー系になり94年に閉鎖)したザ・ストライクス。昔のミリオン座があった場所にできたハートランド(佐野元春のバンドから名前を借りた)というライヴハウスは初でした。メジャー盤「Vox & Beat」(prodはピチカートの小西)のジャケットはピンクの揃のジャケットのメンバーが居心地悪そうで、インディーのミントサウンド時代の良さが半減。ただ初体験となったライヴはなかなかカッコイイ。女性が多かったネオGS時代よりも男性が多くネオロカビリー方面で名が知れたのか。オリジナルとカヴァーが半々。エキサイティングな”Madam Ruby”です(88年のネオGSカーニバルから)

https://www.youtube.com/watch?v=JvSA1mZ6eA0

 

 

【リメンバー】#145~スパンキー&アワー・ギャング

89年はソフトロックが積極的にCD化され始めた年でしたが、まだまだオリジナルアイテムではなくベスト物が主流。そんなころスパンキー&アワー・ギャングの「Spanky’s Greatest Hit(s)」(’68)もCD化になりました。これを買う前の週にタツロー氏のラジオでかかった”Like To Get To Know You”の7"ヴァージョンのエンディングのサイケぶりが話題で、いいタイミング。その後スパギャンはFlashでオリジナルLPを見つけることになって結局全部揃えましたが今はどれも手元にない。まあベストCDで十分なんですけど。

ピンキーとキラーズのモデルになったというスパンキー&アワー・ギャングのいでたちはシルクハットをかぶった男たちに混じって紅一点のスパンキー(ややぽっちゃり)の伸びる歌声が~という図式。このCDを買ったのは大須の円盤屋で数えるくらいしか行ったことなかったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=368Z2PvFBFM

 

 

【リメンバー】#146~コレクターズ・水曜の扉を叩け!@名古屋クアトロ(89/7/19)

PARCOにある名古屋クアトロも初めてでしたが、コレクターズは3回目。やっぱりこうい狭い所の方が落ち着く。前の青年館では準備出来てなかった”僕を苦悩させるさまざまな怪物たちのオペラ”という組曲を披露。アンコールでは”恋はヒートウェイヴ”も。

https://www.youtube.com/watch?v=DOFNfv0feHw

スプリング

【リメンバー】#147~河合その子サウンドコロシアムMZA有明(89/9/11)

色々あって8月末に上京、西大島に住むことに。同じ江東区ながらMZAは実に遠かった(自転車で行けばもっと早くついたはず)。5回目のその子はオール・スタンディングながら皆微動だにしないちょっと異様な光景。恵比寿では打ち込みのトラックをテープで流しててそれが一体感ありましたが、今回はバンドがハードロック風のgを入れるなど違和感も。それまで封印してたアイドル時代のシングル曲をやるなどして、パンパパン軍団大喜びで復活←うるせー。いろいろ思うところのあったライヴだけど、今となっては元気で、たまに便りがあれば、それでよかった。この頃になると対外的な活動はたまにあるライヴ(その告知もFCを除くとひどく控えめで)くらいで、新規お断りのムードになんだかなあと思ってました。忘れた頃に「オールナイト・フジ」でライヴやってましたが、生放送ガチガチにキンチョーして良さがあまり出ない。

これ以降のライヴ動画等はつべにないので恵比寿での”海の足跡”。

https://www.youtube.com/watch?v=7S1165RhIJo

 

フランス・ギャル

#148~ピチカート・ファイヴ学習院大学祭(89/11/5)

James Bond Saves The Queen in Ready Steady Go!という意味不明のサブタイトルが付いた学習院でのピチカートのライヴ。サポートがこの前名古屋で見たストライクスで完全にアウェイの中健闘。田島+小西+高浪時代のピチカートは傍で見てるほど売れてなかったという話。この日は次のvo野宮真紀(元ポータブル・ロック)がゲストだったようですが、すっかり忘れてる。覚えてるのは大学の入り口でインタビューしてたフジの有賀さつきアナくらい。

https://www.youtube.com/watch?v=0MpTxGPJLAE

ルーツ・オブ・ブリティッシュ・ロック

海へ行くつもりじゃなかったのに…

コレクターズ@クラブ・チッタ川崎(89/12/30)

Z BEAM Live Vol.1@下北ザスズナリ(90/1/21)

ジャニス

コレクターズ前夜祭@新宿パワーステーション(90/2/27)

コレクターズ@クラブ24ヨコハマ(90/3/31)

コステロのGirls Girls Girls

竹中直人の会@本多劇場(90/5/3)

小さな泥棒@ルシネマ

コレクターズ@日本青年館(90/5/18)

河合その子Replica Live '90@MZA有明(90/5/19)

お月さまへようこそ@吉祥寺(90/6/10)

游◎機械全自動シアター~ムーンライト@グローブ座(90/6/23)

Z BEAMプロデュース・ブルーカラーの曲がり角(7/1)

笑いの殿堂’90~星降る夜お会いしましょう

突撃ダンスホール@吉祥寺MANDALA(7/29)

コレクターズ@新宿パワーステーション(8/2)

渡辺満里奈・1990旅行作戦@新宿厚生年金(8/4)

コレクターズ(8/9)

コレクターズ(8/16)

游◎機械全自動シアター~マジック・タイム@文芸座ルピリエ(9/9)

デイヴ・エドモンズ@渋谷公会堂(9/21)

ストライクス@バウスシアター(9/11)

新作コントライヴ@SPACE107(9/15)

ブリティッシュロック集成

ポコ@中野サンプラザ(10/16)

ニック・ロウ渋谷公会堂(10/17)

ジッタリン・ジン@立川市民会館(10/21)

Go Go3@クロコダイル(10/22)

 

 

 

 

 

 

 

コクニー、スティーヴィー、マーシャルタッカー

【水曜ファミリー・アワー】21・Make Me Smile / Steve Harley & Cockney Rebel featuring Jim Cregan('74)

スタッドからファミリーに加わったジム・クレガン(クリーガンという表記で長年知られてました)は解散後、スティーヴ・ハーレーのコックニー・レベル、ロッド・スチュワート・バンドで活躍。bassよりもguitarの方で印象的なプレイを披露。コックニーではヒット曲”Make Me Smile”でのアコギのソロが有名。一方ビリー・ピーク、ゲイリー・グレインジャー(元ストライダー)らに隠れて目立ちませんでしたがロッドのところでは「Foot Loose And Fancy Free」「Foolish Behavior」といったLPに参加しています。

https://www.youtube.com/watch?v=dAoaVU3-ve0

22・Women Of The World / Axis Point('78)

それまでロジャー・チャップマンの相棒という印象でしたチャーリー・ホイットニーは、ストリートウォーカーズ解散後、スペンサー・デイヴィス・グループのエディ・ハーディン(kb,vo)らとアクシス・ポイントを結成。パンク~ニュー・ウェイヴ時代の逆風にさらさせるヴェテランとしてRCAに2枚のLPがあります。ストリートウォーカーズからちょっとアクを抜いた感じではあります。

https://www.youtube.com/watch?v=usC0M9KH56w

23・Chapman

 

【名曲リレー2957】water#3

■Blue Water / Stevie Nicks(‘14)

「Bella Donna」期のアウトテイクでスティーヴィーが盟友のシャロン・セラーニとの共作。ちょっと“Think About It”にも似てるかな。14年の「24 Karat Gold」で初めて紹介され、カントリー・グループのレイディー・アンティベラムが参加してると話題になったそう。

https://www.youtube.com/watch?v=98BB49eXfRk

■Searchin' For The Rainbow / Marshall Tucker Band('75)
マーシャル・タッカー・バンドはCapricornのサザンロック勢にあって、ブルーズからの影響よりもカントリーからの影響が多い珍しいタイプでした。それでいてジャズっぽいfluteが入ったりもするんですから。アルバム1枚通しては飽きちゃうのですがところどころで結構好きな曲はあります。"Searchin' For The Rainbow"は同名の4thからのタイトル曲。ゆったりとしたsteel-gとfiddleの絡みが心地よいのです。(47/300)

 

エアーズ、クオ、インディアン

【火曜はカンタベリーのカ】10・Gemini Child / Kevin Ayers('70)

ケヴィン・エアーズがマイク・オールドフィールド(b)、ミック・フィンチャー(ds)、ロル・コクシル(sax)、デイヴィッド・ベドフォード(kb)とスタートさせたホール・ワールドは70年に「Shooting At The Moon」をリリース。ブリジット・セント・ジョンが参加したフォーキーなナンバーから、アヴァンギャルドサウンドコラージュ、ノイジーなサイケ風のタイトル曲(最初のマシーンのデモの原曲がはいってる)までエアーズのプログレサイドを代表する1枚。アルバムには入らなかったが同時期のシングルで結局予定されながら出なかった”Gemini Child”あたりのサイケな味わいも捨てがたい。

https://www.youtube.com/watch?v=8b_1XteIj6w

イアン・カー(tp)率いるニュークリアスは、英ジャズ・シーンにあって一番ロックに近い存在でした。「Elastic Rock」('70)に続く「We'll Talk About It Later」('70)は、当時「ニュークリアス2」の邦題で日本盤がリリースされました。カール・ジェンキンズ(oboe,kb)、ジェフ・クライン(b)、クリス・スペディング(g)、ジョン・マーシャル(ds)といった鉄壁の布陣。”Song For The Bearded Lady”はジェンキンズ作で後にソフト・マシーン時代の”Hazzard Profile”の原曲となったものです。

https://www.youtube.com/watch?v=44xW325H2ac

 

マシーンの最初のメンバーだったデイヴィッド・アレンがパリで結成したゴングは、流動的なメンバーと演劇的で奇妙なユーモアの歌詞が印象的なジャズ・サイケ・ユニット。71年には仏BYGから「Camenbert Electrique」をリリース。まだ寓話的な内容のストーリーはないけど初期の有名曲”You Can't Kill Me”が登場。ジリ・スマイスのspace whisper(voにエコーをかけたエフェクター)も聞かれます。

https://www.youtube.com/watch?v=0DGsd90n1L0

初期クリムゾンに参加した事も知られる英ジャズのキース・ティペット(p)率いるキースティペット・グループのセカンド「Dedicated To You,But You Weren't Listening」('71)は、マシーンからエルトン・ディーン(sax)、ワイアット(ds)らが加わった1枚でタイトル曲はマシーンのセカンドからでした。ホーンズは「Third」の頃のマシーンと行動を共にしてたメンツでカンタベリーの枠組みを離れた英ジャズの代表的な1枚ですが、後のマシーンのメンツ(フィル・ハワードやロイ・バビントン)も加わってるのでここに。”Black Horse”はロック的なダイナミズムも感じます。鋭いgはゲイリー・ボイル。

https://www.youtube.com/watch?v=can5gVdXSl0

キャラヴァンの最初のピークが「In The Land Of Grey & Pink」です。J・R・R・トールキンの「指輪物語」の中つ国の事をタイトルはあらわしてるのだとか。牧歌的な空気が全体を覆っています。前半はpiano、後半はノイジーなorganとデイヴ・シンクレアは大活躍です。うがいをするように喉を震わせるところがvoでありますが、BBC音源では本人たちが思わず笑ってしまうヴァージョンがありました。大作の”9 Feet Underground”や”Winterwine”といった名曲も満載。

https://www.youtube.com/watch?v=_WyIWXfwb80

 

実験的な映画音楽をやっていたアンソニー・ムーア(英)とその恋人のシンガー、ダグマー(独)、ムーアの学友のsswピーター・ブレクヴァド(米)が組んだ多国籍トリオのスラップ・ハッピーファウストのメンバーが加わった「Sort Of」(Polydor)でデビュー。本質はおそらく違うのでしょうが、表層的にはフォークロック風味でダグマーの軽やかな歌声が印象的なポップ曲が並んでて聞きやすいです。“Just A Conversation”は心地よいvoとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを思わせるgが聞けます。

https://www.youtube.com/watch?v=C3DG5jY1Tdo

マシーンでの居場所を失ったロバート・ワイアットは脱退後、キャラヴァンのデイヴ・シンクレア(kb)、デリヴァリーのフィル・ミラー(g)、クワイエット・サンのビル・マコーミック(b)とマッチング・モウルを結成(よく言われるようにソフト・マシーンの仏語読みに引っ掛けたバンド名とか)。この世のものとは思えないくらい美しい”O Caroline”は別にしてバンドの音楽は即興的なジャズロックで、A面の流れはなかなか力強い。”Part Of The Dance”でのノイジーなミラーのgもききものです。

 

69年のサイケバンド、アザーチェルをデイヴ・スチュワートらと組んでいたスティーヴ・ヒレッジが脱退後組んだのがカーンで72年にDeramから「Space Shanty」を出しています。クレージー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンのニック・グリーンウッド(b)、エリック・ピーチズ(ds)とのトリオ編成ですがサポートとしてスチュワート(kb)が参加したアンダーグラウンド感あるプログレサウンドを聞かせます。ただ部分部分はハッとさせるのですが全体に冗長ではあります。”Stranded”は一番かなあ。

https://www.youtube.com/watch?v=tHkYXKlwB9s

Bananamour

1984

For The Girls

Seven

Coxhill &Miller

やはりヘンリー・カウにも触れておこう。ケンブリッジ大の学生だったフレッド・フリス(g)とティム・ホジキンソン(sax)を中心にジャズと現代音楽に影響された即興音楽は僕は今もかなり難解に感じます。73年のデビュー作「Legend」(伝説と足の先を引っ掛けたタイトル)からの”Amygdala”にはカンタベリーらしさを感じさせるジェフ・リーのsaxとpianoが救いです。

https://www.youtube.com/watch?v=QwCC_q_X3WA

Hatfield

Gong

Rock Bottom

Dr Dream

Bedford

Egg

Unrest

Slapp

Bundles

Fishrising

rotters

ayers

Caravan

Slapp Cow

Quiet Sun

Shamal

Softs

Dave Sinclare

Allen

gilgamesh

【名曲リレー2956】water#2

■Dirty Water / Status Quo(’77)

スタンデルズのカヴァーではなくクォーのオリジナル。77年の「Rockin’ All Over The World」はフォガティーのタイトル曲のカヴァーが有名ですが、この“Dirty Water”のような可愛らしいフォークロックもあって意外でした。

https://www.youtube.com/watch?v=l_Z9JTdxwt4

 

■God Is The Dog / Indian Summer('71)

キーフのジャケットがどこか火星っぽい(笑)、バーミンガム出身のインディアン・サマーの71年盤は、今でもよく聞くオルガンロックです。昔もうこういう古式ゆかしいオルガンロックは飽きた、聞くのを辞めようと封印したことがあるのですが、何年か経ってこちら側に戻ってくるきっかけはこの小春日和でした。Neonからリリース。(46/300)

https://www.youtube.com/watch?v=S9CRPnxG_1Y

 

 

エスラ、スピリット、マーヴィン

【月曜はAsylumの人たち】22・エスラ・モホーク

ザッパの所でサンディ・ハーヴィッツの名で活動してた女性sswがエスラ・モホークの名でRepriseから再デビューしたのが70年。Asylumには74年のセカンド「Esra Mohawk」をリリース。prodはガリヴァーのトム・セラーズでフリーソウル世代に注目されたファンキーロックを聞かせます。”Back In The Spirit”では独特のグルーヴ感が楽しい。奔放そうに歌うスタイルも新しい世代には新鮮だったんでしょうねえ。

https://www.youtube.com/watch?v=lDsJkLtVajo

カレン・アレクサンダー

現物を見かけるまで、カーラ・ボノフを最初期にカヴァーしたタイトル曲を想像してずいぶん脳内評価が高くなってしまいましたが、出会ったジャケットに映った女性はオールド・ファッションなスタイルの人でした。「Isn't It Always Love」('75)はアレクサンダーのデビュー作。アコースティック・スウィング系でこの種の音楽が苦手なんですが、タイトル曲はとても気持ちいい。

 

 

www.youtube.com

ティーヴ・グッドマン

ローワンズ

カレン・アレクサンダー

ディック・フェラー

リンダ・ロンスタット

ジョン・フォガティー

アンドリュー・ゴールド

ケイト・ブラザーズ

シャンディ・シナモン

アラン・クラーク

シェイカーズ

ウォーレン・ジヴォン

クリス・ヒルマン

ジェイ・ファーガスン

キース・キャラディン

リッチー・フューレイ

ティム・ムーア

PFM

テレンス・ボイラン

ブッカーT&MGズ

ブロンディ・チャップリン

ジェリー

【名曲リレー2955】woman#3

■Water Woman / Spirit(‘68)

メンバー5人の顔のパーツを組み合わせたユニークなジャケットの「Spirit」('68)でデビューしたLAのサイケロック、スピリットは、後にジョ・ジョ・ガンのジェイ・ファーガスンやマーク・アンデスがいたバンド。“Water Woman”はアコースティックですが、霧の中で歌われるようなモコモコ感が独特なムードあります。ここのgのランディ・カリフォルニアという人は過小評価されたすごいgtrという評価がありますが、さて。ちなみにゼッペリンの“Stairway To Heaven”に盗作だと裁判を起こした件の“Tauras”は本作に収録。まあ一部似てるけどだからどうだ?という感じです。Odeレーベルなのでル―・アドラーのprod。

https://www.youtube.com/watch?v=er-yo--0O9U

 

■Got To Give It Up / Marvin Gaye(’77)

45年くらい前FMの「軽音楽をあなたに」でマーヴィン・ゲイの特集をやって、その時のエアチェックしたカセットこそ、僕にとってもマーヴィン・ゲイ。当然Motown時代で”Sexal Healing”以前なんですが、あの90分テープはよく聞いたなあ。なんでこれが”黒い夜”なのかはわかりませんでしたが。シングルではPt1とPt2に分けられてました。大好きな77年のヒット曲です。(45/300)

https://www.youtube.com/watch?v=qhFNY9zW2F4

 

【先週の読書】

25018■カーテン / アガサ・クリスティー(ハヤカワ・クリスティー文庫)
クリスティーのミステリは高校時代に文庫orポケミスで全部読んでますけど、死後出た「カーテン」と「スリーピング・マーダー」(ポアロとマープルの各最後の事件、は早くから書かれ、死後に刊行するように金庫に保管してあったといいます)はまだ文庫になってなかったのでハードカヴァーを買いました。その時以来の再読なんで50年近くぶりになります。詳細は全く忘れてますが、デビュー作でも舞台となったスタイルズ荘を舞台にして、完全犯罪をもくろむXと老ポアロが対決する話。懐かしのヘイスティングスも登場し役者はそろった感じ。今となってはまどろっこしい部分ありますが思ってた以上に楽しめました。解説で作中最初のスタイルズ荘の事件が「カーテン」から20年前の出来事というのは、明らかな間違いだがあえて残した、と書かれてますが、「カーテン」が書かれたのは戦時中といいますので、それは仕方ないのかなあとも。とても60's以降の風俗が描かれた作品ではありませんし。深みがある懐かしいタイプのミステリでした。
 
25019■蒲生邸事件(上)(下) / 宮部みゆき(文春文庫)
2.26の日に何とか再読出来ました。時間SF巨編と当時結構話題になった事思い出しますが中身はすっかり忘れておりました。ただラストの「ふき」との再会シーンは、作者の優しい視線を感じて、あたたかな気持ちになったことは覚えておりました。文春の宮部作品は杉田比呂美さんの表紙にとって代わられつつありますね。
 
25020■奥の部屋 / ロバート・エイクマン(ちくま文庫)
思いのほか時間かかってしまいました。最近はこのジャンル(古典怪談)少しご無沙汰なんですが、怪奇小説というよりもストレンジ・ストーリーに近いエイクマンの短編集。はっきりと怪異が起きてるわけではないが、心がざわざわする、いいようにない恐怖(というか不快感)を感じさせる諸作。子供の頃買ってもらったドールハウスとそっくりの家を大人になって発見し雨宿りするうちに老婦人によって招き入れられる”奥の部屋”、かつての学友で才媛である女性が、亡き父の家に移り住んだことから、異様な精神状態に陥るという”学友”、曰くある駅の一室で夜を明かすことになった男が見た夢の話”待合室”など。読みやすい話ではないけど、時間をおいて又確認したくなるような話が並んでいます。(2016)

■God Is The Dog / Indian Summer('71)

キーフのジャケットがどこか火星っぽい(笑)、バーミンガム出身のインディアン・サマーの71年盤は、今でもよく聞くオルガンロックです。昔もうこういう古式ゆかしいオルガンロックは飽きた、聞くのを辞めようと封印したことがあるのですが、何年か経ってこちら側に戻ってくるきっかけはこの小春日和でした。Neonからリリース。(46/300)

https://www.youtube.com/watch?v=S9CRPnxG_1Y

■Searchin' For The Rainbow / Marshall Tucker Band('75)
マーシャル・タッカー・バンドはCapricornのサザンロック勢にあって、ブルーズからの影響よりもカントリーからの影響が多い珍しいタイプでした。それでいてジャズっぽいfluteが入ったりもするんですから。アルバム1枚通しては飽きちゃうのですがところどころで結構好きな曲はあります。"Searchin' For The Rainbow"は同名の4thからのタイトル曲。ゆったりとしたsteel-gとfiddleの絡みが心地よいのです。(47/300)

https://www.youtube.com/watch?v=-xKvkZnF1MY

Hallogallo / Neu!('72)

初期クラフトワークにいたクラウス・ディンがーとミハエル・ローターによって結成されたノイ!は新しいというバンド名通りそれまでのロックとは別次元の音世界を作り上げました。いわゆる音響系のルーツなのかもしれません。反復されるビートは聞いてると妙に心地いい。デビュー作「Neu!」のジャケットもまた痛快です。コニー・プランクのprod。(48/300)

https://www.youtube.com/watch?v=zndpi8tNZyQ

■Gloria~Satisfuction / Eddie &The Hot Rods('76)

ヴァン・モリソンがいたゼムの代表曲(アメリカではシャドウズ・オブ・ザ・ナイトのヴァージョンがヒット)”Gloria”を、パブロックとパンクを結ぶ存在だったエディー&ザ・ホット・ロッズのヴァージョンで。スペルを連呼するあたり、オーディエンスのコールが自然と生まれ消えてゆくさまは、鳥肌立つくらいカッコいいです。メドレーで”Satisfuction”へなだれ込みます。デビューEPのライヴ「At The Marquee」('76)から。パブロックとパンクの橋渡しとなった存在で、何よりもまず60'sビートへの愛情と尊敬が感じられて最高です。(49/300)
Caroline / Jefferson Starship('74)
ポール・カントナーのソロで名前が使われたジェファーソン・スターシップをあらたなバンド名とした新バンドはカントナー、グレイス・スリック&デイヴィッド・フライバーグの共作アルバムを発展させたかのようなサウンド。クレイグ・チャキーソ(g)、ピート・シアーズ(b)、ジョニー・バーベイタ(ds)の参加も心強い。かつての仲間マーティ・バリンがvoでゲスト参加した“Caroline”はいかにもジェファーソンらしいメロディー、コード進行を持ったもの。新たな船出にふさわしい「Dragon Fly」(Grunt)に収録されています。(50/300)

https://www.youtube.com/watch?v=qs8hlhPXA8U

■Reunited / Peaches &Herb('78)

60'sに結成した男女黒人デュオのピーチズ&ハーブは、ハーブはハーブ・フェイムがずっと同じですが、ピーチは活動時期によって変わります。初代はフランシーヌ・バーカーでした。サイモン&ガーファンクルの“Sound Of Silence”をカヴァーしたのは2代目ピーチのマーリーン・マック時代。このアレンジはなかなか面白いです。このあと解散し、ハーブは警官になり、70’s後半に再結成。よりディスコっぽい感じで復活(3代目はリンダ・グリーン)し“Reunited”をヒットさせます。メロウな#1ヒットとなりました。(51/300)

https://www.youtube.com/watch?v=Bu3OQFCsKXQ

■Show Me The Way / Peter Frampton('74)
元々は「Frampton」('75)に入ってたtalkboxを使ったユニークな曲でしたが、大ヒットとなったライヴ盤「Comes Alive」からのシングルカットで#6とブレイクしました。「Frampton」もトップ40入りするくらいだったので下地は出来ていたのでしょうが、地道なツアーのおかげと乾いた音、こうした親しみやすいポップな音が求められていたこともあって2枚組ながらこのライヴ盤は#1となり(そして王子様的なルックスもあって)フランプトンは一気にスターダムにのし上がったのでした。明るいトーンのg、飛び散る汗と甘いルックス、バックバンドのしっかりとした演奏力、メロディアスなロックが受ける土壌、トーキング・モデレーターの奇抜さなど様々な要因が重なってLPは10週連続1位のメガヒットとなりました。(52/200)

https://www.youtube.com/watch?v=-6ZGIBfSF-k

Hippo Stomp / Steppenwolf('70)

70年の時点ですでに7枚目というのは相当なハイペースです。ステッペンウルフは映画「イージー・ライダー」に使われた“Born To Be Wild”(’68)で広く知られるようになりました(その硬派なイメージとは裏腹にそういうバイカー的なイメージじゃないソフトな曲もあります)。「Steppenwolf7」からの“Hippo Stomp”はgとorganが印象的な哀愁のヘヴィロックです。アルバムジャケはちょっとおどろおどろしいですが、そういうイメージと違う爽やかな曲もあります。意外と拾い物のアルバムでした。(53/300)

https://www.youtube.com/watch?v=cZ_3OhYZ5Gw

Sylvia / Focus('72)

オランダのフォーカスの72年は「Focus 3」で、ここから“Sylvia”が英4位になっています。わかりやすくメロディアスなgのインストで例のヨーデル的なスキャットもちらっと聞かれます。動画はBBCのOGWTから。(54/300)

https://www.youtube.com/watch?v=TV-X-5CcfYY

St.Louis/ Warhorse('70)

ディープ・パープルを解雇された(メンバーによると感覚が60’s的だったからとのこと)ニック・シンパー(b)が、マーシャ・ハント・グループで一緒だったゲド・ペック(g)、ヴェルヴェット・フォッグのフランク・ウィルソン(org)らと組んだハードロックがウォーホースで、Vertigoからデビューしています。リリースしたときから廃盤ジャケのようなムードがさすがにあの時代ですが、辞めたパープルの音楽を引きずりつつ、サイケ風味のハードロックに流れた音です。
キャッチーなイージービーツのカヴァーの"St.Louis”がヒットすればまた流れは変わったのでしょうが… ただこうした古いヒット曲を取り上げ料理というパープル時代からなじんだ手法(セカンドではベン・E・キングの“I”をカヴァー)そのものが飽きられてた部分あるので、視点を変えないとなかなか厳しいのは事実。voのアシュレイ・ホルトは後にリック・ウェイクマンのバンドに参加。(55/300)

https://www.youtube.com/watch?v=KQun4mul-mI

■Starin’ At The Sky / Poco('76)

リッチー・フューレイの脱退と共にEpicを離れたポコは、ABC時代にはポール・コットンを中心とした4人組で傑作を連発。結束が強まったこの時代をFab 4時代と熱心なファンは呼びます。それまでsteel-gの名手として演奏面で支えてきたラスティ・ヤングがソングライター,ヴォーカリストとして開花したことも大きかった。「Rose Of Cimarron」('76)から”Staring At The Sky”です。この時期予定されたライヴ盤がキャンセルされましたが後に「The Last Round Up」として復活。Epic時代の「Deliverin'」の躍動感あふれる演奏に比べると、もう1枚の「Live」同様しっとり感があって、負けてません。リズム隊が変わって(英国のコースト・ロード・ドライヴから参加)、ABC最終作「Legend」が最大のヒットなって有終の美を飾りました(まあなんだかなあ的な思いはありましたけど)(56/300)

https://www.youtube.com/watch?v=1jRQsmdg8aA

■Born With Nothing / Muddy Waters(’75)

マディ・ウォーターズザ・バンドのリヴォン・ヘルム、ガース・ハドスン、ポール・バタフィールドらとウッドストックで録音した「The Woodstock Album」('75,Chess)は僕が持ってるブルーズの唯一のCDです。「The Last Waltz」へのマディの出演の布石がここにあります。"Born With Nothing"は、バタフィールドの泣くハーモニカとガースのアコ-ディオンをたっぷりフィーチャー。(57/300)

https://www.youtube.com/watch?v=ZqyzuICPmgw

■Street Corner Talking / Savoy Brown(’71)
前作「Looking In」の後キム・シモンズ以外の3人がフォガット結成の為抜けてしまい瀕死同然だったサヴォイ・ブラウンは、チキンシャックからアンディ・シルヴェスター(b)、ポール・レイモンド(kb)、デイヴ・ビドウェル(ds)を、アイドル・レースのデイヴ・ウォーカー(vo)を加え「Street Corner Talking」で復活(しかし3人抜けたら、別のところから3人引き抜くという手腕もすごい)。ややスワンプ風味も加えたブルーズ・ロックを展開しています。アルバムジャケットのカラフルなイラストも素敵。(58/300)

https://www.youtube.com/watch?v=h-DMnNo2N5M

■I Always Touched By Presence Dear / Blondie('78)
デビュー当時はNYパンクと伝えられたブロンディーは、大部分がデビー・ハリー(vo)に魅力に乗っかる感じではありましたがポップな佳曲を連発。MTV時代がもう少し早ければブロンディーの勢いももっと続いたはずでしょうね。「Parallel Lines」や「Eat To The Beat」はそれこそ浴びるように聞きました。それにしても無数の動画が残ってて迷いますが、"Presence Dear"のBBCにしました。(59/300)

https://www.youtube.com/watch?v=TUBBGwXx3Vo

■Trans Europe Express / Kraftwerk('77)

エレポップのルーツともいえるドイツのクラフトワークの初期の代表作「Autobahn」の、タイトル曲は20分超えの大作を編集してシングルになったものが翌年米で#25まで上がるヒットとなりました。77年の”Trans Europe Express”は、欧州横断特急列車をテーマにしたものでギリギリまでそぎ落としたテクノサウンド。デイヴィッド・ボウイとイギー・ポップがTEEに乗車というアナウンスもイカしてます。(60/300)

https://www.youtube.com/watch?v=kv8_EZrNhpY

■His Last Voyage / Gentle Giant('75)
ジェントル・ジャイアントもいろいろ聞いては見たのですが、なんかよくわからないのです。数少ない例外は「Free Hand」に入ったこの曲。まあvibeが入ってる事もあるのですが、複雑極まりない曲を温かみのあるコーラスと巧みな演奏力で聞かせます。(61/300)

https://www.youtube.com/watch?v=hqyTDtgSmm4

■Paper / Talking Heads(‘79)
トーキング・ヘッズの「Fear Of Music」は多分最初に聞いたアルバムでした。一語のタイトルが多くてNew Wave的だなあと感じたものです。複雑なリズムがワールド・ミュージック的に感じられるのはもっと後ですが評価を高める本作の中でひときわ印象的な“Paper”です。ものすごく久しぶりに聞きました。(62/300)

https://www.youtube.com/watch?v=swCk2wKPK6Y

■Singin’ The Blues / Mary McReary('74)

スライ&ザ・ファミリー・ストーンから派生したリトル・シスターを経て73年にShelterと契約したメアリー・マクリーリーは74年にセカンド「Jezzbel」をリリース。”Singin’ The Blues“はレゲエで、クラプトンが「安息」で取り上げて話題となりました。ちなみにリオン・ラッセルと結婚するのは翌年の事。(63/300)

https://www.youtube.com/watch?v=AvVdPQdUddI

■Take Me Back To Doomsday / Colosseum('70)
クリス・ファーロウ(vo)、デイヴ・クレムソン(g)を加えて演奏力を強化したコロシアムの「Daughter Of Time」からの”Take Me backTo Doomsday”は、ジャズロックの範疇ですがブルージーな歌声を聞かせるファーローとクレムソンの存在が効いてます。(64/300)

https://www.youtube.com/watch?v=_uqT9rMZOB4

■Speak Your Mind / Marc Benno('71)

テキサス出身のマーク・ベノは、60'sにリオン・ラッセルとアサイラムクワイアを組んでいたギタリストです。アサイラムクワイアはヴァン・ダイク・パークス的な世界観の「つくりもの的」虚構の世界を描いたもので、僕はそれほど面白いとは思いませんでしたけど、クワイア解散後地元に帰っていたベノを、再びLAへ呼び戻したのはリタ・クーリッジだといいます。彼女の口利きでA&Mとソロ契約をしたベノが、71年にリリースしたのがLAスワンプの傑作と名高い2枚目「Minnows」です。ジェリー・マギー、ジェシエド・デイヴィス、ボビー・ウーマッククラレンス・ホワイトというゲストgtrの参加が話題となったこのアルバムは、基本線は南部のブルーズですが、意外にも繊細なイメージ。泣きの名曲”Speak Your Mind”含むA面の出来が素晴らしいです。邦題は「雑魚」ですが昔から「稚魚」と間違えてしまうこと多し。(65/300)

https://www.youtube.com/watch?v=xz2y1RPbLnY

■Come Una Zanzara / Il Volo('74)

イル・ヴォーロは74年の時点でイタリアン・ロックを支えた名プレイヤーが集まったスーパーグループで、このファースト「Il Volo」は印象的なジャケットも含め濃厚なイタリアンロックの味わいを堪能できる1枚。フォルムラ・トレのアルベルト・ラディウス(g,vo)とガブリエーレ・ロレンツィ(kb)に、カマレオンティのマリオ・ラヴェッツィ(g,vo)ら6人組。“一匹の蚊の如く”という邦題が付いた“Come Una Zanzara”は1曲目です。(66/300)

https://www.youtube.com/watch?v=eAI1QuZjz8Y&t=179s

■Everybody's Got To Learn Sometime / Korgis('79)
翌80年にヒットしたのでコーギスはNew Wave系のバンドだと思ってましたけど、実はスタクリッジのジェームズ・ウォーレンとアンディ・デイヴィスがショートウェイヴ・バンドのメンバーらと組んだのでした。この”永遠の想い”はクラウデッド・ハウスの曲にムードが似てます。(67/300)

https://www.youtube.com/watch?v=ns_wvl6JB6E

Johnny's Garden / Stephen Stills Manassas('72)

マナサスのファーストに入った広がりを持ったアコースティックなナンバー。ダラス・テイラーとジョー・ララの打楽器以外はスティルスによるもの。タイトルのジョニーとは、イギリスのエルストンに持っていたブルックフィールド・ハウスという邸宅の庭師の名前。この邸宅の前の持ち主は俳優のピーター・セラーズでスティルスは庭師込みでこの家を買ったそうです。
(68/300)

https://www.youtube.com/watch?v=cyewa6z1AxQ

■Feelin’ Alright / Issac Hayes(’73)

アイザック・ヘイズは73年には「Joy」というスタジオ作があるのですが、前年にネヴァダのホテルでやった2枚組ライヴがそれに先立ちリリースされています。そこに入ったこってりとしたトラフィックの“Feelin‘ Alright”のカヴァー。それにしてもジョー・コッカー、ルル、GFRと知るだけでも多くのカヴァーがあり作者のメイスンの懐も潤ったことでしょう。「Live At The Sahara Tahoe」から。(69/300)

https://www.youtube.com/watch?v=LziiW0_UV6g

■S-s-single Bed / Fox(’75)

スーザン・トレイナーの名前でウッドン・ホースと言うフォークバンドをやってたころはフツーのvoだったんですが、70's半ばにフォックスを組んでからのヌーシャ・フォックスのvoはヘリウム・ガス吸ったようなファニー・ヴォイスになりました。髪型と顔立ちはオールドファッションなのにこの声と言うギャップあります(萌えませんが)。
75~77年にかけていくつかヒットを出してますがレーベルがGTOだったので日本ではマイナーな存在。モダン・ポップとかニッチ・ポップとか言われる音です。バックはイエロー・ドッグとかぶる面々で、メンバーはフォークロックのルーツを持ちながらそういう音に全然なってません。ソングライターのケニー・ヤング(g)、ハービー・アームストロング(g)、ジム・ギャノン(g)、ゲイリー・テイラー(b)、ジム・フランク(ds)、ピート・ソイリー(kb)。
 ”Only You Can”('74#3)、”Imagine Me Imagine You”('74#15)、"S-s-single Bed"('75#4)のヒットあり。ソロでもヒット曲あります。(70/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8ziyJMiBFAs&t=1s

■Then She Walked Away /Boz Scaggs
ボズ・スキャッグスといえば80's初めからAORシーンでは日本でも突出した人気を誇ってました。元々はスティーヴ・ミラー・バンド出身でシスコ周辺でソウルフルな音楽をやってた人。その表面的なソウルフルな意匠が変われど基本線は今も変わらないと思うのですが、最初のピークは「Silk Degrees」からこの「Down To The Left」('77)にかけて。まだバックをやっていたTOTOも結成されてませんし、AORというジャンルも確立されてないし、リスナーの棲み分けもしっかりされてなかった頃の話。リッチー命のハードロック少年も、クィーン好き少女も、パンクスも、御三家の新作が出て狂喜のプログレッシャーも、フツーにラジオから流れるなめらかな演奏と歌声に耳を傾けたかもしれません。目立ちませんが"Then She Walked Away"はこのアルバムのベストトラックでは?マイケル・オマーティアンとの共作。(71/300)

https://www.youtube.com/watch?v=pi_-L8xAyYQ

■Chameleon / Herbie Hancock('73)

例えば僕の世代だとハービー・ハンコックというとMTV黎明時代によくかかってたヒップ・ホップな「Rock It」を思い出してしまうのですが、遡って73年の「Head Hunters」はマイルス・デイヴィスクインテットにいたハンコックがジャズ・ファンク路線を歩んだ1枚として知られています。僕は「Band Wagon」を作った頃の鈴木茂が傾倒してたという記事を読んで気になった1枚でした。冒頭の15分にわたる“Chameleon”はこってりとした名演です。(72/300)

https://www.youtube.com/watch?v=WYRrIBqKsJ4

Keeping Time / Trapeze('72)

3期パープルに参加したグレン・ヒューズがいたハードロックのトラピーズは、当初はムーディー・ブルーズ・タイプのシンフォニックな音でしたが(レーベルはムーディーズのThreshold)、セカンドではトリオ編成となりハードロックに転身、「You Are The Music …We’re Just The Band」はファンク的な味わいもあるすき間だらけのパワーロックで力でねじ伏せる感じがカッコいい。“Keeping Time”ではコチーズのBJ・コールのstee-gが入ってますがカントリーロック的には全く聞こえません。(73/300)

https://www.youtube.com/watch?v=9uv8K_YMp_0

■That's Why I Love You / Andrew Gold('75)
リンダ・ロンシュタット・バンドから独立したアンドリュー・ゴールドのファーストに入った、”That's Why I Love You”です。ジョージ・ハリスン・ライクなgソロと言い
 Asylumの人たちにあってひときわビートリーな印象でした。ビートルズの遺伝子を持った元10CCのグラハム・グールドマンとWaxを組むのも理解できますね。しかし高校の頃1000円前後で転がってたこのLP、90'sにはなかなか高値が付いていて不本意ながら2000円近い値でボロ盤を買った事を思い出しました。(74/300)

https://www.youtube.com/watch?v=R_pHzY7wOFk

■Rader Love / Golden Earring('73)

オランダのゴールデン・イヤリングは現在も活動を続ける超ヴェテランですが、最初の世界的なブレイクがこの“Rader Love”でした。ドラマティックに始まり畳みかけるように曲が進む硬派なロックで「Monntan」からの大ヒット(#13)です。(75/300)

https://www.youtube.com/watch?v=aRlSHG5hRY4

Gemini / Quatermas('70)

ビッグ3のジョン・ガスタフソン(b、vo)、アウトロウズのミック・アンダーウッド(ds)、そしてピート・ロビンソン(kb)によるクォーターマスは、ELPタイプの編成の3人組ですが音はもっとハード。Harvestに残した唯一作は翼竜がビル街を飛ぶ印象的なジャケット。ロビンソンのkbをメインにした音ですが叙情的に流れ過ぎずハードに決める曲もあってなかなかカッコいい。“Gemini”はシングル曲で、コンパクトにまとまっています。(76/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8tU5T4kGI2E

■Hearts Of Stone / Southside Johnny & Asbury Jukes('78)
ブルース・スプリングスティーンという人は、仲間内にしばしば名曲を惜しげもなく提供してしまう("Fire"しかり,"Because The Night"しかり)傾向にあるのですが、サウスサイド・ジョニーに提供した"Hearts Of Stone"のその中に入るでしょう。スプリングスティーンのフォロワー(といってもほぼ同じ世代)として76年にデビューしたサウスサイド・ジョニー率いるアズベリー・ジュークスの演奏は、E・ストリート・バンドよりも辛口のR&Bといった感じです。マイアミ・スティーヴがprodした「Hearts Of Stone」は確か初めて聞いたサウスサイド・ジョニーのLPだったような記憶。CBSソニ―から分かれ独立したエピック・ソニーの最初のリリース(目玉はボストンのセカンドでしたが)の1枚だったような。繊細さには欠けますがいいメロディー。(77/300)

https://www.youtube.com/watch?v=8VSf90_uPYc

■Killing Me Softly With His Song / Roberta Flack('73)
“やさしく歌って”という邦題で知られるロバータ・フラックの#1ヒット曲。ネスカフェのCMにもメロディーが使われたことも有名です。弾き語りでssw的な気の置けないリヴィングルームのようなムードもいいです。広く知られた話ですが、全くヒットしなかったロリ・リーバーマンのオリジナルを飛行機の中で聞いて知ってカヴァーしたとか。(78/300)

https://www.youtube.com/watch?v=DEbi_YjpA-Y

Bedside Manners Are Extra / Greenslade('73)

コロシアムのデイヴ・グリーンスレイド(kb)がサムライのデイヴ・ローソン(kb,vo)と組んだダブルkbのプログレッシヴ・ロックがグリーンスレイド。kb類の応酬は聞いてるちょっと疲れますがセカンドの「Bedside Manners Are Extra」は名盤と言われるだけあって構成も見事。タイトル曲ではローソンの歌もいいです。コロシアムのトニー・リーブス(b)、クリムゾンのアンディ・マカロック(ds)にkb2人を加えた4人組。ロジャー・ディーン描く千手観音の世界観も見事です。(79/300)

https://www.youtube.com/watch?v=4LOixovoY3o

■We're All Alone / Rita Coolidge('77)

「Anytime…Anywhere」が出た時、リタ・クーリッジのこと全然知らなくて、単純に”みんな一人ぼっち”と言う邦題の曲をラジオで聞いてええやん、と思ったのです。後にあれがボズ・スキャッグスの有名曲(当時は"二人きり"と言う邦題でした)のカヴァーだったり、後半のグイグイ来るgソロがディーン・パークスによるものだったり、実は相当キャリアがあるリオン・ラッセル一派のLAスワンプ軍団の一員だったなんて事を知るのです。A&M時代いろいろ聞きましたが、結局最初に聞いたこの77年のアルバムに戻ってくるのでした。
で件の曲は、(この世には)ふたりしかいない、ふたりぼっち、なのか、いやいや、ひとりぼっち なのか未だに迷うところではありますね。前に書いたことありますがジョー・ウォルシュマイケル・マクドナルド&ボズ・スキャッグスサントリー・ホット・ライヴで、トリのボズの時この曲が流れたら、お客さんが自発的に歌い出したのにはちょっとびっくりで、日本もここまで来たか~と若干上から目線で思いましたね。(80/300)

https://www.youtube.com/watch?v=iv3IyfMvZIc

La Declaration d‘Amour / France Gall('74)

フランス・ギャルと後の旦那ミシェル・ベルジェの最初のコラボとなった74年のシングルはこの“愛の告白”で、しっとりとしたメロディーに力強いギャルの歌声が乗った名曲。レーベルも仏WEAに移り心機一転、あらたな時代の始まりとなります。途中のセリフにもまたしびれてしまうのです。(81/300)

https://www.youtube.com/watch?v=mjrj9enypSY

■Far East Man / Ron Wood('74)
フェイシズにいたロン・ウッドは後にストーンズのgtrとなりますが、ストーンズやフェイシズのメンバーも加わった「I’ve Got My Own Album To Do」(俺と仲間という邦題はなんともうまい)は、終始リラックスしたムードで進みます。ジョージ・ハリスンとの共作でジョージも「Dark Horse」に収録する“Far East Man”のユルさが心地いい。いつも書いてますがジャケットのWoodsのsが消されてるのはどんなジョーク?(82/300)

■Willin’ / Linda Ronstadt('75)

Asylumと契約しながら、前所属レーベルとの契約枚数に絡む問題でCapitolから出た(日本盤は東芝EMIから出て、レーベルがAsylumと言う変則的なものでした)「Heart Like A  Wheel」('75)に入ったローウェル・ジョージ曲。やばいブツを運ぶドラッグソングですが、スタジオ・ヴァージョンは、NGDBのジミー・ファッデンのharpをフィーチャーし(ライヴではなんでも屋ケニー・エドワーズが吹きました)、ボブ・ウォーフォードのストリングス・ベンダーのg、ダン・ダグモアのsteelと濃厚なLAカントリーロック臭を発しています。が76年、77年と時代がすすむにつれややあっさりとしたアレンジ(ゴールド独立後はドン・グロルニックのpianoに置き換わります)になってゆくのが時代の流れとはいえ残念。ここではゴールドのgとダグモアのsteel(この間リンダがタンバリン)のソロ。 後期バーズ(もカヴァーしてます)のクラレンス・ホワイトの流れを組んだウォーフォードのプレイがつべで聞けないのが残念。動画は76年のライヴ。ライティングを含めリンダを美しく見せる工夫が完成。バックバンドはあくまでもバックなので、めったにスポットライトは当たりません。(83/300)

https://www.youtube.com/watch?v=IJHcD0kHTGk

Move On Up / Curtis Mayfield('70)

“Move On Up”は、インプレッションズとは別にCurtomから出したカーティス・メイフィールドの初ソロ「Curtis」に入った代表曲です。後年ジャムが取り上げてロック・ファンにも親しまれるようになったファンキー・チューン。ポジティヴなメッセージを打ち出した歌詞や延々と続きながら飽きさせないパーカッシヴな演奏も聞きものです。(84/300)

https://www.youtube.com/watch?v=6Z66wVo7uNw

■Power In The Darkness / Tom Robinson Band ('78)
日本ではゲイであることを公言した事ばかりが当時クローズアップされてたトム・ロビンソンのTRBはパンク~ニュー・ウェイヴの連中のなかでは、ヴェテランということもあって、音楽的にしっかりしたものでした(それを支えてたのはメンバーのテクニックで特にマーク・アンバーの弾くorganには英ロックの歴史が根付いてる感じです)。これぞパワーポップといった感じのファースト・アルバムのタイトル曲”Power In The Darkness”は、社会的弱者に自由を、という政治的メッセージ・ソングです(フーリガンという言葉を初めて聞いたのもこの曲だったなあ)。途中ニュース・キャスターに扮したロビンソンのアジテートがありますが、ライヴではこの部分はマスクをかぶったロビンソンが登場するのです。(85/300)

https://www.youtube.com/watch?v=auN0ZLcuvXI

■Neither One Of Us / Ray Conniff &The Singers('73)
その昔はイージー・リスニングと呼んでいたポピュラー音楽のヴォーカル物は今では何と呼ばれるのでしょう?僕が洋楽を聞き出した76年頃は、まだクラシック音楽以外のポピュラー音楽(ロック、ポップス、ソウル、ジャズ、フォークetc)を俯瞰したFM雑誌が数誌現役バリバリで、そういうのを読んでて、他ジャンルの事をなんとなく知ることが出来ました。50’sから活動するレイ・コニフ率いるレイ・コニフ・シンガーズの73年作「You Are The Sunshine Of My Life」に入ったジム・ウェザリ―作の“Neither One Of Us”は、グラディス・ナイト&ピップスのカヴァー。都会的な男女コーラスと匿名的な演奏になじみます。(86/300)
■Dreams & Nightmares(Dream) / Message('73)
その昔「Music Life」誌の「LPコーナー」(というお店)の広告で、今月のハードロック特選盤に載ってたメッセージのセカンドです。あまりに怖いジャケットが印象的でしたが、今はこうやってつべで聞けるんで幸せ。詳細不明ですけど、ドイツのハードロックで、音の輪郭がクリアなんでジャケットのイメージとは違い割と聞きやすい。この”Dreams & Nightmares”はDreamsとNightmaresがあってどっちも10分を超えるこのアルバム「From Book And Dreams」の肝となる曲。ちなみにキングのユーロロック・シリーズでもう少し後のLPが日本で紹介されてます。(87/300)

https://www.youtube.com/watch?v=hWdgH_mpaC0

Flight Of The Rat / Deep Purple('70)

イアン・ギランとロジャー・グローヴァーが加わった2期パープルの最初の大仕事はロイヤル・フィルハーモニックオーケストラとの共演でしたが、そっちが高い評価を受けても、かねてからやりたかったヘヴィロック路線に取り組み、終始一貫ハードロックに徹した「In Rock」で一皮むけた感じです。ライヴでやる“Speed King”や“Child In Time”が入ったA面に比べると、B面の4曲は暗く重いものばかりで、これぞこの時期のダークな英ハードロックという感じもします。ライヴでもほとんど演奏されてないので、ライトなファンには見逃されがちですが、どれも鈍い光を放つ佳曲ばかり。特に“Flight Of The Rat”が好き。金属的なトーンのorg(マーシャルのアンプにつないでた話は有名ですね)からg、dsと見せ場続きます。リリースはHarvestから。(88/300)

https://www.youtube.com/watch?v=Ksg1pBONu-o

■Sometime I Don’t Know What To Feel / Todd Rundgren('73)
只今ダリル・ホールと共に来日中のトッド・ラングレン。「Something/Anything」につづいてこってりとした内容のヴォリューム満点なやつを1枚にぎゅうぎゅう詰めにした「A Wizard A True Star」(魔法使いは真実のスター)はいろんなタイプの曲があって、フィリー・ソウルっぽい美しいメロディーのバラードからザッパ的な実験的なもの、東海岸らしいハードロックからビートものまで多彩。B面の頭に入った“何をどうしたらいいんだろう”は、トッドと交流があったホール&オーツ的なムードもあるブルー・アイド・ソウルです。(89/300)

https://www.youtube.com/watch?v=4KdI7VTjghM

Wand Ads / Honey Cone('71)

HD&DのHot WaxからデビューしたLA出身の黒人ガールズトリオ、ハニー・コーンは、ガールフレンズのキャロリン・ウィリス、ダーレン・ラヴの妹エドナ・ライトそしてシェリー・クラークから成ります。”Want Ads”は見事に#1ヒットとなったはじけるような躍動感にあふれたナンバーです。初めて聞いたときは女性版ジャクソン5かと思いましたが。(90/300)

https://www.youtube.com/watch?v=FCPmKbbIQdY

■Give Me More / Steve Harley &Cockney Rebel('76)
僕が初めて聞いたコックニー・レベルはこの「プリマドンナはお好き」という後期のアルバムでした(っていうかこれくらいしか見つからなかった)。キャッチーでそれでいてひねくれたポップがとても心地よかったのです。ロンドンでのみ異常に人気があったスティーヴ・ハーレー率いるこのバンドはデビュー当時新世代グラムとか言われてましたが段々洗練されてきました。ジム・クレガン(g)、ダンカン・マッケイ(kb)、ジョージ・フォード(b)、スチュワート・エリオット(ds)という強力なラインナップによるこのアルバムとても好きです。クレガンがこの後加わるロッド・スチュワートにも少し通じる”Give Me More”もいいメロディーです。

https://www.youtube.com/watch?v=0Owr_U5VnX8

■Combination / Aerosmith('76)

デビュー当時はよくあるストーンズの亜流的に言われてましたエアロスミスですが「闇夜のヘヴィ・ロック」(これまたすごい邦題ですな)あたりから固定ファンがついてきて、メンバーのヴィジュアルにこだわる女性ファンだけじゃなく実の詰まったハードロックとしての音を好む男性ファンも増えてきたようです。最初のピークが「Rocks」から「Draw The Line」にかけてかなあ。「Rocks」に入った”Combination”あたりの素っ気ない感じが僕の「アメハー心」(なんやそれ)を刺激します。

https://www.youtube.com/watch?v=YqwZsjeYL7k

Movements Of Visionary / Tangerine Dream('74)

西ドイツの前衛ロック(Ohrレーベルから何枚か出していた)に目を付けたVirginのリチャード・ブランソンがバンドと契約し英国から世界に発信したタンジェリン・ドリームの「Phaedra」は、今までにない音響的な音楽表現が注目されました。今でこそ手軽な楽器としてシンセはイメージできますが当時の原始的なアナログシンセはチューニングだけで膨大な時間を要して、バンドはそれを逆手にとってチューニングの過程を録音し編集して聞かせています。その後映画音楽の分野でタンジェリン風のシンセ音楽が一世風靡しますが、この頃はシンセの部分よりも加工された効果音が月並みな表現ながら幻想的なムードを高めます。“Movements Of Visionary”もイントロ部が印象的。エドガー・フローゼ、クリス・フランケ、ペーター・バウマンの3人組。

https://www.youtube.com/watch?v=qyBXjfGBfJQ

Cut Across The Shorty / Rod Stewart('70)

フェイシズの活動とは別にVertigoとソロ契約を結んだロッド・スチュワートは、70年には2枚目「Gasoline Alley」をリリース。少なくともこの頃のソロでは英フォークとR&Bの2本柱になっていて、その2つが重なることで新たなスタイルを作っています(次第にこの英フォーク趣味は後退)。枯れたviolinと熱くソウルフルなvoが共存する不思議な感じです。この“Cut Across Shorty”はエディ・コクランのレパートリーで当時のフェイシズのライヴでも重要なレパートリーでした。

https://www.youtube.com/watch?v=NYwzUakW2i8

■No Doubt About It / J Geils Band('73)
「Lady Invited」(招かれた貴婦人、でしたっけ邦題?)に入ったJ・ガイルズのカッコイイ曲。メロディーはヤードバーズの”I Ain't Got You”風。ほとんどのアルバムを聴いたわけではないんですがあまり話題になることのないアルバムな気がします。

It’s A Shame / Spinners('70)

60’sにはデトロイト・スピナーズを名乗っていたスピナーズのAtlantic移籍直前のVIPレーベル時代のヒット“It’s A Shame”(#14)です。イントロからもう気持ちいいのです。スティーヴィー・ワンダーとシリータ・ライト夫妻にリー・ギャレットの共作。リードvoはGC・キャメロンです。

https://www.youtube.com/watch?v=3ZP3UQ0ESLc

■Hell Or High Water / Spooky Tooth('74)

フォーリナー・タイプの歌えるハードロックのルーツはストライダーやスプーキー・トゥースのこの最終作「The Mirror」('74)あたりではないか?というのは持論です。「The Mirror」はマイク・ハリスンが抜け、ゲイリー・ライトとミック・ジョーンズ、そしてマイク・パトゥーが中心となったスプーキーズらしくない1枚なんですが、結果として初期よりもこれが好きでずっと聞き続けてます。パトゥー、ライト、黒人のヴァル・バークの3人のvoがいて誰がどの曲をというのが非常にわかりにくいです。”Hell Or High Water”はジョーンズのトーキング・モジェレイターが懐かしさ感じさせます。メロディーはわかりやすく、それいて重厚です。

https://www.youtube.com/watch?v=UPxCEauVKT0

I Needed Her Most When I Told Her to Go / John Sebastian('76)

どうしてもアメリカンな人たちばかりになってしまうのですけど、いちばん好きなハーピストはポール・バタフィールドとジョン・セバスチャンです。この二人が共演した、マッド・エイカーズの”Amazing Grace”もあるのですが、セバスチャンでは、「Welcome Back」('76)に入ったこの曲です。タイトル曲(トラボルタ主演のドラマ曲)が#1なんでそればかりが有名なんですけど他にもいい曲いっぱいあります。

https://www.youtube.com/watch?v=rNDFvqX8Uug

■Little Green Bag / George Baker Selection('70)
この曲を知ったのはライノの70’sヒット曲集コンピでしたが、そのあとすぐタランティーノが「レザボア・ドッグス」で使い、キムタクのお酒のCMでも流れました。70’s初めのオランダ勢(そういえばHollandという単語はもう正式でなくNetherlandで行くらしいです、オランダの英語表記)の全米チャート強襲の一つでした。すごくわかりやすい楽しさかっこよさがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=4b1wt3-zpzQ

Rhayader / Camel('75)

キャメルの代表作「Snow Goose」('75)は、「ポセイドン・アドベンチャー」や「ジェニー」を書いたポール・ギャリコの小説を原作にしたコンセプト・アルバムです。いくつか山場があるのですが最初のヤマは、この"Rhayader"から"Rhayader Goes To Town"のあたりでしょうか。アンディ・ラティマーの吹くfluteが何とも可愛らしい。

■Now That's You've Found Out / Michael Wendroff('73)

マイケル・ウェンドロフの「Michael Wendroff」('73)なり。何とこれがサブスクにあったことがびっくりでした。何故かルー・リードの「Sally Can't Dance」や「Coney Island Baby」に参加してるssw、73年のファースト。韓国でCD化されてるそうです。スティーヴ・フォーバートのデビューを思わせる若々しい感じ。甘いマスクもあってもっと人気が出てもおかしくないのになあ。”Now That You Found Out”と言う曲が昔から好きなんです。西新宿の歩道橋のちかくにあったえとせとらで買いました。NYのスタジオメンが参加(マクラッケン、マロッタ、スピノザら)。saxはマイケル・ブレッカー

https://www.youtube.com/watch?v=RShgeXpliGQ

I’m Gonna Tear Playhouse Down / Ann Peebles('73)

ウィリー・ミッチェルのHiレーベルからリリースされたアン・ピーブルズの”I’m”Gonna Tear Playhouse Down“は、80’sのポール・ヤングの方がなじみある世代ですが、枯れた味わいのオリジナルはいい感じです。控えめなホーンズのサポートがいかにもHiサウンドという感じ。最高位11位まで上がりました。

https://www.youtube.com/watch?v=zwoKq6HPwkE

■Tenemos Roads / National Health('78)

ハットフィールド&ザ・ノースとギルガメッシュが合体する形でスタートしたナショナル・ヘルスはカンタベリーのジャズ・ロックの集大成で、言うまでもなくスーパーグループでした。結成は75年でデイヴ・スチュワート(kb)、フィル・ミラー(g)、ピップ・パイル(ds)、アマンダ・パーソンズ(vo)のハットフィールズ組に、ギルガメからアラン・ガウエン(kb)、ニール・マレイ(b)が参加。メンバーの出入りは複雑でエッグのモント・キャンベル(b)やビル・ブラフォード(ds)らが加わっていた時期もあります。契約してくれるレコード会社がなく77年にファーストは録音されていましたが、Affinityからリリースされたのは78年。その時点でガウエンもマレイもアマンダも脱退しています。フリー・フォームなジャズロックでありながらこれぞカンタベリーと言った感じの"Tenemos  Roads"の力強さは本当に素晴らしい。何度も書いてますが米Visaから出たLPはフェードイン、フェードアウトを繰り返した組曲形式に編集されていて、最初そっちで聞いてたんであとからつながったオリジナルを聴いてびっくりでした。

https://www.youtube.com/watch?v=vj9ZUHju7JE

■Ticklelick / Nitzinger('73)

今では誰も語らない(?)テキサス出身の3人組、ニッチンガーです。エリア柄サザンロック的なニュアンスありますが72年ですもの、十分ハードロックの資質あります。Capitolはブラッドロックばかりでなくちゃんとフォローすれば、GFRフォロワーに十分になれたと思います。2枚のLP出して解散。dsのリンダ・ウォーニングは女性。歌って弾きまくるジョン・ニッチンガーのバンドですが。黒い方の(セカンドは青い)ジャケのファーストより。

https://www.youtube.com/watch?v=b4vPdSWQckQ

■Omen / Pulsar(’)

パルサーは一時期ピュルサーとして日本でも紹介されていましたフランスのシンフォニック系のプログレです。日本デビューは松本零士イラストのポスターが日本盤についたセカンドがデビューで、そのあとキングのユーロロック・シリーズでこの75年の「Pollen」がリリースされました。アコースティックで、ストリングス系のシンセ(ソリーナ?)やフルートが多用された内省的な暗めのプログレ。僕はこのアルバムの旧A面を愛してやまなくて、20代の初めごろはホント繰り返し聞いてました。その後CBSに移って「Halloween」と言うのを出してますが、付き合いはその辺りまで。今でも熱心なファンは多いと聞きます。

https://www.youtube.com/watch?v=i1RB1CvHHw4

コマナー、ブロンコ、JG

【日曜は<個人的には超名盤>100】26・A Rumor In His Own Time / Jeffrey Comanor(Epic'76)

フィフス・ディメンション関連のソングライターとしてキャリアをスタートさせたジェフリー・コマナーはフロリダ出身のsswで、69年にA&Mからソロデビュー。LAに活動を移した70's半ばにはEpicに移籍しています。これは76年当時日本では全く無視されたサードソロで、僕は「ロッキンf」誌のイーグルス関係のディスコグラフィーで知り、実際に耳に出来たのは、ボロボロの米盤カット・アウトをHiFiで買った80's半ばでした。

印象的なフレーズとソロを弾くだけ弾いてさっと帰ってく印象のドン・フェルダー(”Running Back Home To You”)、憂いに満ちた歌声を添えるドン・ヘンリー(”Richmond”)、フレーズをキメて、口を半開きにした表情が思い浮かぶジョー・ウォルシュ(”Wishing For Sat Night”)、コーラスワークで華を添えるティモシー・シュミット(ほぼ全曲)とJ・D・サウザー、トム・ケリー。イーグルス一派が参加したこのアルバムは、ジョン・ボイランprodでいいメロディーの曲多し。レイドバックしすぎと言われますが、僕にとってはこの辺が一番ウエストコースト・サウンドなのです。

 

【名曲リレー2954】woman#2

■Woman / Bronco(’71)

ジェス・ローデンをフィーチャーしたブロンコはアーシーなカントリーロック的な~と評されることが多いですがそういう曲ばかりではありません。ファースト「Age Of Sunlight」に入った“Woman”はエネルギッシュなロックンロールで高速のフリーという感じも。ローデンの歌声はソウルフルです。

https://www.youtube.com/watch?v=j33nOp5E5es

Tend My Garden / James Gang('70)

ジェームズ・ギャングの2枚目「Rides Again」(シンプルなロゴのジャケットも印象的)では、ハードな曲とソフトな曲が両方とも魅力があってこのバンドが単純なハードロックバンドではないことがわかります。そろそろジョー・ウォルシュの才能とシンプルなハードロックだけをやりたいだけの後の2人との間にズレが出はじめた頃。"Tend My Garden"はサイケ風味もあるポップな作風で、ジョーはレズリー・スピーカーを通したオルガンを濃厚にきかせます。途中のリフはボストンが”Feelin' Satisfied”で引用しています。(44/300)

プリテン、ルルー、スレイド

【土曜はプリ天40年】26・The Buzz('20)

コロナ禍の20年に出た「Hate For Sale」は久々にマーティン・チェンバーズ(ds)ヤジェームズ・ウォルボーン(g)が復帰しバンド形式となったもの。懐かしさすら感じさせるフォーク・ロック調の”The Buzz”がカッコいい。

https://www.youtube.com/watch?v=wlekpdXx2wc

 

27・The Copa('23)

ここまできたら、と最新作まで。「Relentless」('23)はリモートでウォルボーンとクリッシーは曲作りをしたとwikiにありますが、ややダークな”Losing My Sense Of Taste”、なつかしの”Talk Of The Town”風の”A Love”、キャッチーな”Let The Sun Come In”とどれもまずまず。しかし紆余曲折はありながら第一線で40年以上やってるのはすごい。

”The Copa”はel-gの弾き語りに近いムードで、しみじみとさせます。

https://www.youtube.com/watch?v=tLCMQFXpMHA

 

【名曲リレー2953】rock’n’roll#3

■Rock And Roll Woman / Le Roux(’81)

Totoに加わるファギ―・フレドリクセン(vo)参加後のル・ルーは聞いたことないのです。バファロー・スプリングフィールドのスティルス曲“Rock And Roll Woman”をカヴァーした「Late Safe Place」('81)は、ジェフ・ポラードがvo時代。ハーモニーを生かしたソフトな音作りのこのカヴァーはなかなかよろしいです。ここから”Nobody Said It Was Easy“が18位までがるヒットなってル・ルーとしては一番売れたアルバムとなりました。

https://www.youtube.com/watch?v=JqL5qdfiXA0

 

■Nobody's Fool / Slade('75)
グラムロックのブームが去った後のスレイドはゆっくりと低迷期に入るのですが、持ち前の親しみやすく一緒に歌えるメロディーは健在です。「Nobody's Fools」からのサードシングルが"Nobody's Fool"(単数)です。女性コーラスも入って結構派手な作り。prodはチャス・チャンドラー。(43/300)

ヒル通り、スノウ、オサンナ

【金曜インスト】9・Hill Street Blues / Mike Post('81)

81年に始まって6年間続いたというドラマ「Hill Strret Blues」は刑事ドラマでありながら群像劇みたいな性格もあったと記憶しています。当時大学生で、ずいぶん遅れて深夜やっておりましたが、この爽やかなマイク・ポストの音楽を聴くと、はよ寝なかんなあと思いつつ翌日の授業をおもってユーウツになってました。ポストは主にTVMの劇伴音楽で知られたkb奏者で、繰り返されるpiano(そして合いの手のsyn)を担当。途中出てくるgはラリー・カールトンだそう。こういうインストがチャートインすることもあって10位まで上がっています。いい時代でした。これはちょっと長いヴァージョン。

https://www.youtube.com/watch?v=fqH3qCxz2x0

Jungle / John Entwhistle’sOx('75)

ザ・フージョン・エントウィッスルが趣味的にやった(失神しない方の)オックスというバンドは、ひねった50'sのロックンロール・リヴァイヴァルみたいで、タイプは違うけどロイ・ウッドに通じるものあります。その唯一のLP「Mad Dog」('75)は日本盤LPはトラピーズあたりと一緒にキングから80年前後に再発されてますが、当時聞いたときはなかなかピンとこなかったなあ(^^) トニー・アシュトンの弾くクラヴィネットやストリングスが映画音楽的でもありました。

https://www.youtube.com/watch?v=8F82HARjQZM

 

 

Pits Of Darkness / Don Shinn('69)

ヴィネガー・ジョーの前身となったダダはもちろんエルキー・ブルックスサザン・ソウル的なvoなしでは語られませんが、ドン・シン(kb)のモッズ的なノーザン・ソウル的なセンスもあってそうした音楽性が拮抗していました。シンはダダ以前に「Temple With Prophets」('69)というソロがありますが、これはモッズ必聴アイテムなのでしょうがほとんど語られることはないのが残念なオルガンロック。グーゼン見つけたものですがこれは素晴らしい。ジョージー・フェイムだけがモッズのアイドルではなかったのですね。

https://www.youtube.com/watch?v=Kpc_Iuv-Ktw

 Big Bear Fforley / Bakerloo('69)

イカールーといえばロンドンの地下鉄の線名ですが、後にハンブル・パイのクレム・クレムソン(g,vo)、後にコリン・ブランストーン・バンドのテリー・プール(b)、後にユライア・ヒープのキース・ベイカー(ds)によるトリオで基本線はブルーズ・ロックながら、ジャズロック寄りの曲もあります。唯一作となった69年の「Bakerloo」(細かなリトグラフのジャケットが素晴らしい)の1曲目”Big Bear Ffoly”なんかその典型で、荒々しくもカッコイイインストです。バッハをモチーフにした曲(”Drivin' Backwards”)もありました。prodはエルトン・ジョンとの仕事でも知られるガス・ダッジョンでEMI傘下のアンダーグラウンドなレーベルHarvestの初期の代表作であります。

 

 

Minks / Cyrkle

これまたスキャットもの。

https://www.youtube.com/watch?v=wt7OymsCaOk

City Country City / War

https://www.youtube.com/watch?v=uXTWpkxGeAY

Stone Circle / Third Ear Band

https://www.youtube.com/watch?v=oWNKH7B5mSs

Diamond Head

YYX / Rush

Harvey Mandell

Mick's Blessing / Style Council

Santana

Love Is Blue / Jeff Beck

Al Di Meola

Edward / QMS

Rise / Herb Alpert

Gonna Fly Now / Bill Conti('76)
フィラデルフィア美術館の長い階段は、映画「ロッキー」のトレーニングのシーンで出てきます。「ロッキー」そのものがフィラデルフィアを舞台としています。ビル・コンティの有名なテーマ曲”Gonna Fly Now”(#1 ヒット)はその後の続編でも使われますが、ビミョーにヴァージョンが違うのです(個人的に一番耳になじんでるのが「Rocky II」のヴァージョンなんですが)。よりブラスバンド的な(というか新ルパン三世的な)メイナード・ファーガスンのカヴァーもありました。しかし高揚感ありますよね。

Fools Gold / Poco

「Crazy Eyes」に入ったラスティ・ヤング主導のインスト。banjo、mandolin、dobro、fiddleなど目まぐるしくソロパートを廻す典型的なブルーグラス・スタイルで楽しい。ゲストのクリス・ヒルマンがmandolin、ビル・グラハムがfiddleを弾いています。

https://www.youtube.com/watch?v=7mKYcd7dTeQ

Zippo Zippo / Section

Tower Of Power

Sneezing Bull / Focus

PJプロビー(vo)、フィリップ・カタリン(g)を加え再結成したフォーカスの「Focus Con Proby」に入った”Sneezing Bull”はカタリンのgとリアーのfluteが対峙するようなナンバーで、前半の緊張感あふれる演奏は見事です。

https://www.youtube.com/watch?v=qy_xxHDBidw

Hideway / Freddie King

Room335

Brand X

TYA

Std0632 / Alan Hull

You Really Got Me / Mott The Hoople

Paul Kossoff

Howe

Joe walsh

Slim Chance

Over / Alpha

Penguin Cafe Orchestra

”In The Hall Of The Mountain King~Bolero / SRC

Numberer / Roxy Music

Worldwinds / Stray Dog

Water Song / Hot Tuna

On The Green Light / SDG

Bourgie Bourgie / Ashford & Simpson

 

Mose Knows / Mose Jones

ミスティ・モーニング・フライト / 竹田和夫

ディ・バイオレッタ / 四人囃子

【名曲リレー2952】rock’n’roll#2

■Rock And Roll Widow / Tom Snow('76)

ロックンロールの未亡人(=ロックンロールの殉教者?)、という発想は意外と多くて、山口百恵をはじめウィッシュボーン・アシュ、スリー・ドッグ・ナイト、そしてこのトム・スノウと全部別曲。スノウはカントリーというバンドにいた人で80’sにはAOR系のソングライターとして知られるようになるのですが、76年Capitolから出したソロはまだsswらしさがたっぷり感じられます。強力なコーラスはヴァレリー・カーターで、ヴァレリー・ファンも必聴。dsはジェフ・ポーカロ。大昔まるちゃんに聞かせてもらいました。

https://www.youtube.com/watch?v=yPm3FmNx60Q

 

Tema / Osanna('72)

イタリアン・ロックのオザンナの「Milano Calibro 9」はサウンドトラックでありながら代表作とされる1枚で日本ではキングからヨーロピアン・ロック・コレクションの第1弾の数多い目玉の1枚としてリリース。美しいクラシカルロックのメロディとクリムゾン的なヘヴィな音楽性が隣り合わせになっていて不思議です。この“Tema”は、ひたすら美しいメロディの大吟醸的なナンバー。ただ異様なメイクをしたメンバーのいでたちは暗黒舞踏か仮面劇か。(42/300)

ジャクソン、LLB、サンタナ

【実況録音盤を聞く木曜】24・Running On Empty / Jackson Browne(Asylum'77)

新曲、カヴァー曲のみで構成されたライヴ盤というのはグレイトフル・デッドの「Grateful Dead」という先例がありますが、ライヴ会場だけでなくツアーバスの中(”Nothing But Time”)ホテルの部屋(”Cocaine”)などでも録音され、ツアーのドキュメントとしても有能なジャクソン・ブラウンの「孤独なランナー」です。この甘い邦題はちょっとですが、タイトルはカラッケツになるまで走り続ける、の意味。ダニー・コーチマー(g,vo)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds)、クレイグ・ダーギー(kb)のセクションがフルメンバーで久々に顔をそろえ、デイヴィッド・リンドレー(g,fdl,vo)とダグ・ヘイウッド(vo)、ローズマリー・バトラー(vo)が加わった77年のツアーのドキュメント。新曲に加えモーリス・ウィリアムズ&ゾディアックスの”Stay”、ダニー・オキーフの”The Road”、ローウェル・ジョージヴァレリー・カーターとの共作”Love Needs A Heart”などが含まれてます。とにかく聞きこんだ1枚でした。LPのファーストプレスにはツアーの様子を収めたブックレットがついてて次作「Hold Out」で取り上げられる当時の恋人リン・スウィーニーとイーサンを抱いたジャクソンのカップルの後ろ姿がありました。

https://www.youtube.com/watch?v=tM1YXp3jy-I

【名曲リレー2951】band#3

■Rock And Roll Band / Lexington Lab Band(‘17)

ボストンのトリビュート・バンドの米ケンタッキー出身のLLBの見事な“Rock And Roll Band”。まあ完コピなんですが女性コーラスを入れてるアタリが新鮮。とにかく気持ちいいのです。

https://www.youtube.com/watch?v=fsY4PKJyG8Q

 

Song Of The Wind / Santana('72)

幻想的なジャケットの「Caravanserai」に収められた名曲。弾きまくるカルロス・サンタナのgはまさしく天空に上り詰める様な響きがあります。レコーディング中にグレッグ・ローリーニール・ショーンの旧サンタナ・バンドの核が抜けながら完成された「Caravansarai」は従来のラテン風味以上にジャズ色が濃い1枚でした。カルロスの宗教への接近が生んだ芸術的な1枚でしょうがその中でもこの”Song Of The Wind ”は絶品だと思います。(41/300)
 
 

【リメンバー】#131~アメリカの夜都会のアリス

12月の上京の目的はその子のライヴでしたが、スキマ時間で3本映画見てます。ウディ・アレンの「セプテンバー」はおいといて、銀座文化で見たトリュフォーの「アメリカの夜」のリヴァイヴァルと日比谷シャンテ2で見たヴェンダースの「都会のアリス」です。

トリュフォーのは今もって全映画のベスト10に入る1本でトリュフォー演じる映画監督が撮る映画「パメラを紹介します」の撮影を通じての俳優、スタッフの人間模様を描いた作品。ジェクリーン・ビセットとナタリー・バイが美しかった。ヴェンダーズのロード・ムーヴィー「アリス」は初公開でざらついた画面とけだるい画像が印象的でした。

https://www.youtube.com/watch?v=uTJYBkX8SNw

https://www.youtube.com/watch?v=GAgS1IjxcQ4

 

【リメンバー】#132~ジューシー・ルーシー

今まで名前は聞いたことあったけど、肝心のブツを中古屋でもなかなか見たことがなかったジューシー・ルーシー。英バンドでありながら米サザンロック的な音だと(まだ88年の時点でUKスワンプというくくる発想は中古屋業界にもなかった)は知ってました。それをフラッシュで見つけて購入。「Get A Whiff A This」の米Atco盤。ミッキー・ムーディー(ホワイトスネイク)がスライド弾いてるのかと思ったら、主にはグレン・キャンベルで暴力的なラップ・スティールgが聞けます。パンク以前の英ロックを熱心に聞くようになったのもこの頃で、そのきっかけの一つがこのバンドでした。節分時期にはしばしば挙げたくなる鬼ジャケです。

https://www.youtube.com/watch?v=mvcfW1-PeWc

 

【リメンバー】#133~萩原健太ラジオ

89年に入って、試験勉強で図書館通いの中、お掃除のおじさんに、「平成」というのになったと知らされました。まあ何とあっけない感じではありました。

少し前にピーター(・バラカン)のラジオでリクエストかかった話書きましたが同じ「Music City」の木曜日、萩原健太さんの放送でもアーマ・トーマスの”Break-A Way”のリクエストが読まれてびっくり。元々ジャッキー・デシャノンが書いたこの曲のオリジナルがニュー・オーリンズの歌姫のアーマ・トーマス(”Time Is On My Side”とか"It's Raining"とか)で、これを80'sにトレイシー・ウルマンがカヴァーしてヒットさせ、日本のスクーターズやおニャン子クラブも引用したイントロでした。

https://www.youtube.com/watch?v=kM2qybkSfDw

 

【リメンバー】#134~「ムー」ムー一族」の再放送@BSN

久世光彦演出のTBSのドラマ「ムー」('77)の再放送がこの頃あって録画して一気に見てました。伊東四朗渡辺美佐子清水健太郎郷ひろみ樹木希林岸本加代子出演。下町の足袋屋を舞台にしたホームドラマ+コメディで大いに楽しんだのでした。続編の「ムー一族」も続けてOA。こちらは竹田和夫によるクリエイションの”暗闇のレオ”のテーマ曲が痛快でしたが、ドラマの枠を超えた前衛的な演出がちょっとやりすぎかも?

https://www.youtube.com/watch?v=i60xyp0TBdA

 

【リメンバー】#135~ピーター・ラジオ・オルガン特集(89/1/17)

その後Blue Noteのオルガン・ジャズのコンピの選曲も手掛けることになるピーターさんのラジオでのオルガン特集。ブライアン・オーガーのドアーズカヴァーの”Light My Fire”がホセ・フェリシアーノのヴァージョンをもとにしたとか、スモフェの”Happy Boys”がブッカー・Tみたいだとかそういう話は楽しかった。僕に一番響いたのはグラハム・ボンド・オーガナイゼーションの”Spanish Blues”でした。

https://www.youtube.com/watch?v=fo8pzYn2QSo

【リメンバー】#136~渡辺満里奈@音楽文化会館(89/2/19)

2月は試験まみれでしたが、2回目なので(^^)わりと余裕。合間を縫って満里奈のコンサートに。バリバリのアイドルですが、デビュー当時からエピック・ソニーと事務所の一貫したコンセプトでロゴ、ヴィジュアル、音楽観、露出方法など好ましい感じでコントロールされてました。種ともこ鈴木さえ子飛鳥涼大江千里の書き下ろしによる12"「Christmas Tales」以後アルバム曲での充実ぶりに目を(耳を)見張ってました。とりわけ作曲と編曲にかかわった山川恵津子(後に東北新幹線)の存在は大きかった。さて音楽文化会館というちょっと小さなハコで、バックはコーラスのお姉さん2名のみ。あとは打ち込みのオケ(そのままのカラオケではない)で、これが低音とリズムを強調して(percが加えられてた)気持ちいい。相変わらずパンパパン軍団はヒューッとうるさいが。大好きな”Cotton Candy”はスライドのBGM的に使われたので歌ってくれなかったのが残念。音程はぶれるけど涼しい声のコは好きだなあ。

https://www.youtube.com/watch?v=q2P4EJ8oipE

【リメンバー】#137~CDラジカセとロジャー・ニコルズ

ピチカートのデビュー作(ちなみにすでに田島貴男が加わった新体制に)「カップルズ」がロジャー・ニコルズに強く影響されたという話は聞いてましたが、87年の世界初のCD化でどうしても聞きたくて(それでもCDというメディアというか、一斉に世の中が流れてゆくのに反発があって、葛藤していたのですが、ついに)CDラジカセを買うことに。「Roger Nichols & TheSmall Circle Of Friends」('68)。

ライナーはピチカートの小西氏。おんなじやん、ニヤリとする曲もあればビートルズやスプーンフルの曲がこんな風になるんか!と驚いたりいろんな発見がありました。ちなみに手元にはこのポニー・キャニオン盤CDはなく、英Rev-Olaから出たシングルB面のボーナス付のもの。このB面曲を聞きたたくて怪しいブートを買ったこともありました。そして肝心のオリジナルLPには入らなかった”Drifter”こそロジャニコの最高曲ではないかと今も思ってます。このサムネのブートも持ってました(こういうのを買うのは池袋パルコにあったON STAGE YAMANO)

https://www.youtube.com/watch?v=dVkYbGljOac

 

【リメンバー】#138~コレクターズ・Come On ぼくらのMonsters Camp@日本青年館(89/4/27)

コレクターズの初のホールライヴがこの日の千駄ヶ谷青年館(ランディ・マイズナー以来)。1年前は新宿JAMで40人入ったと喜んでたのに、という加藤君のMCが懐かしい。7分の入り。新作「僕を苦悩させるさまざまな怪物たちのオペラ」から肝心の表題作の披露はなかったけど以後の定番となる”まぼろしのパレード”や”プリズナー345号”が印象的でした。

https://www.youtube.com/watch?v=MDn4XFfO95w

【リメンバー】#139~スモフェのオータム・ストーン

CDの良さはやはり手軽だということと60分以上の音源が入ることでしょう。あと最大の恩恵はカタログの再編に伴って旧作がどんどん再発され始めたこと。もちろん後年のものに比べて音質もアートワークも雑なんですが、こんなものが手軽に聞けるなんて!というカンドーはありました。当時廉価で輸入されてたCastle Communicationsは、PyeやImmediate音源を使った再発CDを多く出してまして、スモール・フェイシズの晩年のコンピ+ライヴの「The Autumn Stone」('69)をこの時期購入して愛聴しておりました。Decca時代からのシングルと「In Memorial」というタイトルでドイツで出たライヴ(疑似ライヴ?)+未発表曲を組み合わせた編集ものでティム・ハーディン曲などフォーキーなカヴァーが印象的でした。

https://www.youtube.com/watch?v=5ihicvJcHTY

 

【リメンバー】#140~ニュー・オーリンズもの

昨日書いたスモフェの「Autumn Stone」と一緒に英Charlyが出してたニュー・オーリンズもののR&Bのコンピ(日本盤でPVineから「ガンボ・ヤヤ」というのが出てましたがこっちの方が安かった)も買いました。3日前にクローズしてしまった新宿ALTAにあったシスコのCDショップ、FRISCOでだったと思います。とにかくリー・ドーシー、アーニー・ケイドゥー、アラン・トゥーサンミーターズとかそういうのをよく曲単位で聞いてたのはピーターのラジオの影響でしょう。テクニカルなファンクというのではなく素朴な味わいが気持ちいファンク、ミーターズの60'sの曲はそんな感じです。

https://www.youtube.com/watch?v=kYfCTHf2ne4

 

 

ストリートウォーカーズ、フリーダ、ラヴィッチ

【水曜ファミリー・アワー】20・Shotgun Messiah / Streetwalkers('75)

ファミリー解散後チャップマンとホイットニーが共作で出したアルバムはどうも納得いきませんでしたが、そこからバンド名を取ったストリートウォーカーズは、重くファンキーなハードロックを聞かせます。Vertigoに残した4枚はどれも力作。最初のメンバーはチャップマン(vo)、ホイットニー(g,vo)、後にアイアン・メイデンのニコ(ds)、ハミングバードのボブ・テンチ(g,vo)そしてジョン・プロテル(b)。大傑作セカンドの「Red Card」は死神ジャケの米盤もいいです。オーティス・ブラックウェル作の”Daddy Rollingstone”のカヴァーと並ぶ名曲”Shotgun Messiah”です。

https://www.youtube.com/watch?v=0gXLlPZRW28

 

【名曲リレー2950】band#2

■Band Of Gold / Freda Payne(’70)

元々ジャズを歌っていたという」フリーダ・ペインは、60’s Motownの重要なソングライター・チームのホランド=ドジャー=ホランドMotownを離れて興したInvictusレーベルの代表アーティストです。ヒットした”Band Of Gold”(#3)は、70’sのシュープリームスのようなイメージ。

https://www.youtube.com/watch?v=daxiMb0rITA

 

■Too Tender To Touch / Lene Lovich('78)
Stiffレーベル初期の重要アーティストとしてリーナ・ラヴィッチは忘れられないものがあります。ファースト「Stateless」はホラー映画のポートレイトみたいなジャケットで、エキセントリックなナンバーも多いのですけど、”Too Tender To Touch”は哀愁のメロディーのノスタルジックな泣かせるナンバーです。bellが効果的に使われてます。(40/300)