フットボールアワー後藤の「ジェッタシー」の元ネタについて雑記

最近『ゴッドタン』をよく見るようになった。

企画によって当たり外れが大きい番組だなぁとは思って、率先して見てはいなかったんだけど*1、お笑いマニアの友人から「これは間違いないから」と「キス我慢選手権」と「マジ歌選手権」のDVDをおすすめされて、それを見て死ぬほど笑ってから欠かさず見るようにしている。それでもやっぱり企画によっては当たり外れがあったりするけど。

新潟は二ヶ月くらい放送が遅れていて、こないだやっと「ゲーセワ飲み会」が終わったところなのだが、なぜか最近Twitterで「ジェッタシー最高!」というツイートをやたらと見かけるようになった。

「ジェッタシー」とは『ゴッドタン』の人気企画である「マジ歌選手権」でフットボールアワーの後藤が披露したマジ歌「ジェットエクスタシー」のことなのだが、なぜか曲の出だしで「ジェットエクスタシー」のことを「ジェッタシー」と略しており、それ以来「ジェッタシー」という言葉だけが一人歩きしている状態になっている。

これがその「ジェッタシー」こと「ジェットエクスタシー」破壊力バツグン。

新潟でさえ去年の年末くらいに放送されたのに、なんで今更盛り上がっているのだろうと思って調べたら、なんと「ジェッタシー」の反響がすごくて「ジェッタシーはダサいのか?ダサくないのか?」という企画をついこの間放送したらしい。うーん、早く見たいな。

ジェッタシー祭りまとめ - Togetter

さて、このジェッタシー*2だが、使ってるギターや曲の出だしでピンと来た方は少なくないと思われる。それもそのはずで、これBLANKEY JET CITY(以下、ブランキー)の“SEA SIDE JET CITY”をそのまんまパクっているからだ。

本家「ジェッタシー」ことブランキーの“SEA SIDE JET CITY”

特にぼくは、ブランキーの中でも飛び切り“SEA SIDE JET CITY”が好きで、繰り返し聴いていたために、すぐにピンと来た。もっと言えば「アメトーーク」の特技披露かなんかで、確かフット後藤はバンドを従えてブランキーの曲を演奏していた気がする*3。もっともっと言えば、その昔『学校へ行こう』という番組にフットボールアワーが二人で出演して歌ネタみたいなのをやった時に、後藤が弾いてたギターのフレーズがブランキーっぽかった。今思えばあれがジェッタシーの伏線だったのかもしれない。

こうやって改めて比較すると、確かにサビの「Spark Jet City」は独特の歌唱法もあいまってジェッタシーに聴こえなくもない。というかジェッタシーを見てからジェッタシーに聴こえてしまう。しかも歌詞もそのまんまであり「ウソで固めたチェリービーンズ」というのは「チェリー・ソーダとチェリー・パイ」 「チリ・ビーンズを買いに行こう」を合体させただけだし「彼女はイカれたピストル握り」というのは恐らく“D.I.J.のピストル”からの引用だろう。

もっと言えば「君」や「おまえ」ではなく「彼女」としたところもブランキーのそれを彷彿とさせ――――と深読みしだしたらキリがない*4。

さらにギターソロのタイミングやブレイク、「Ah Ah アイラブユー」からのサビの持って行き方は同じブランキーの“ロメオ”であり、言ってしまえばジェッタシーは“SEA SIDE JET CITY”と“ロメオ”と“D.I.J.のピストル”をグチャまぜにしたものなのだ。


サビ前とブレイクからのギターソロに注目。


二度出て来る「ピストル」は恐らくここから。こちらもブレイク部分はかなり似ており、基本的に譜割は一緒。

記事にする/しない以前にyoutubeにコメントしてる人もいるし、googleの動画検索でジェッタシーと入れるとフット後藤のジェッタシーの下に“SEA SIDE JET CITY”が出て来るので今更の感があるが、それでも記事にしたのは「ジェッタシーはダサい」と言われると非常に複雑な気分になるからである。

実はジェッタシーは本来バナナマンの日村がやってることと同じ笑いになるはずだった。見てない人のために説明すると、バナナマンの日村は「マジ歌選手権」において、大塚愛やスピッツをかなり分かりやすい形でパクり、それを指摘されても否定し、それじゃあと歌を全部聴いてみると、やっぱりパクりソングだったという方法で笑いを取っていた*5。

後藤も本来はそういう流れになるはずだったのだが、どうもそのパクリ元に選んだブランキーが一般には浸透していなかったらしく、違う方向の笑いになってしまった。ジェッタシーという言葉の破壊力もあったのかもしれない。

ただ笑いに正解はないため「本来そうあるべきだったものが違う方向に」というのは構わないのだけれど、ダサいと言われるとファンとしてはそのまんまパクっているブランキーまでダサいと思われてるのかと思ってしまう。審査員で出ていたダイヤモンド☆ユカイの「ウソで固めたチェリービーンズって30年前の歌詞だね」と言っていたのもそれに拍車をかけた。

正直後藤自身もどの程度まで予測していたのか分からないし、ある程度作家さんとの打ち合わせ等々あったかもしれないが、本来どういう笑いを狙っていたのかだけは知りたい。さすがに「ブランキーのパクリじゃないか!」というツッコミは期待していなかったのかもしれないが、ダイヤモンド☆ユカイにはその辺のことを言ってほしかった。まさかミュージシャンとして知らないわけがないだろうし……

まぁ矢沢永吉や長渕剛のモノマネをすると妙にへんちくりんなアクションになるが、本人の動きを見るとカリスマ性があってかっこいいと思ってしまうのと同じかなとは思うようにはしてるんだけど……いや、複雑な気持ちになってるのはジェッタシーがすげえおもしろかったからなんだよ!!ジェッタシーて!あういぇ。

BLANKEY JET CITY 1997-2000

BLANKEY JET CITY 1997-2000

【追記】

たまたまジェッタシーをカバーしてみたっていう動画を見たんだけど、普通にかっこいいと思ってしまった。やっぱりあれはフット後藤のキャラやドヤ顔、唄い方も込みでおもしろかったんだろう。ジェッタシーって響きやっぱりおもしろいしね。

*1:特におっぱい見せての企画があんまり好きじゃない。だっておっぱい絶対出さないじゃん!!

*2:めんどくせえからカギかっこ外した

*3:録画せずにリアルタイムで見たので曖昧

*4:ちなみにこれは余談だが、椎名林檎の「ピザ屋の彼女になってみたい そしたらベンジー私をグレッチでぶって」という歌詞はブランキーのことを指している。ベンジーというのはボーカルの愛称で、彼が使ってるギターはグレッチのギターだからである。「ピザ屋の彼女」は「ピンクの若いブタ」という楽曲に登場するフレーズ

*5:その他にもいろいろ細かい技がつまっているが、基本の流れはこうである