あっという間に時間は過ぎて、なるほど師走っぽい今日このごろ。
そういえば一週間前には蒲郡市と竹島水族館に行っていたのだと思い出した。
思い返すに、良い日帰り旅だった。
特に竹島水族館はリニューアル後にはじめての再訪で、存分に楽しむことができた。
リニューアル時に新設された「新館」部分は、それほど大きくない。
入ってすぐに大きな深海水槽があって、タカアシガニがたくさんいる。タカアシガニは他の水族館でも見ることができるが、この水族館は数が多い。それこそうじゃうじゃいる。
子供の頃に、西伊豆の漁港に行くと、タカアシガニが大量に陸揚げされていた。特においしいカニではないのだが、土地の名物として民宿やホテルで食べることができたのだった。今でも食べることはできるが、昔ほど採ってはいないようだ。
この竹島水族館も、おそらく深海漁で定期的にタカアシガニが補充できるのだろう。この深海水槽では鯨骨生物群集が再現されていたが、旧館の「ふれあい水槽」では実際に触ることもできた。
想像していたよりも新館部分はあっさりしていた。
建物を抜けると、海獣ショーができそうなエリアがあり、カピバラやリクガメがのんびりしている。この辺りは、以前はコースの後半だったはずだ。
海獣(アシカ?オットセイ?忘れてしまった)はぼんやりと泳いでいるだけで、今はショーなどは行っていない。
ちょっとバックヤードじみた空間は立ち止まる人も少なく、妙に落ち着く。これから賑やかになっていくのかもしれない。
旧館は、水槽の配置はほとんど変わっていない。
ただし、壁が取り払われて昔よりも広々している。
深海から三河湾まで様々な場所の魚がいて楽しい。チンアナゴやクラゲ、それにカワウソといった人気者もいれば、小さなサメや貝類もいる。
巨大水槽こそないけれど、どの水槽も見応えがある。
リニューアル前からの名物だった、手作り解説は今もびっしりと貼られている。子供向けのものもあれば、内輪ウケを狙ったようなものもある。でもほとんどは、一般の人から水族館マニアまできちんと楽しめる内容になっていた。
この水族館に限らず、老朽化した小規模水族館は、手作りの解説・表示で悪ノリをしがち。低予算の自虐ネタやスタッフの悪ふざけは、すぐに飽きる*1。
この竹島水族館は、その辺りの塩梅は上手だと思う。
説明が必要な「わかりやすくおもしろい生き物」ばかりを並べているのも、展示と解説が上手に機能している大きな理由だろう。
気になる水槽だけ見て歩けばあっという間に終わってしまう小さな水族館ではあるが、目についた解説文を読むだけで滞在時間は倍増する。
以前よりも解説や案内表示は整理されていて、リニューアル前よりも見やすくなっていた。以前はごちゃごちゃに貼りまくっていることを売りにしすぎて、セルフパロディじみていた。これからも今くらいの"密度"を保ってほしいものだ。
楽しいといえば、子供達が*2手で触ることができるふれあい水槽が本当に良かった。
普通の潮溜まりを模した水槽・プールの他にも、グソクムシやサメの卵(卵の殻)や深海カニ、それにサメなどを触ることができる。
おそらく遠方から来た水族館マニアだろう、感激の声を上げている人がいた。僕だって、これはすごいと感心したのだった。
総じて、とても良い水族館で、すばらしいリニューアルだった。
冬の平日という空いている時間だったから、狭い館内でもゆっくりと楽しむことができた(駐車場も平日は無料)。
まだこれからも変化しつづけそうな雰囲気があったので、来年の春にでも再訪しようと考えている。
この竹島水族館の周辺は古い行楽地であり、また駅も近く博物館もあるなど、散策には適した場所となっている。自分も水族館の後は周囲を歩いたのだが、それについては後日書く。
今日はもう寝ます。おやすみなさい。
お題「わたしの癒やし」