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2009年 03月 05日
音楽ネタを出したので、もう一つ。 80年代に一斉を風靡し、メガヒットを続出させたロックバンドにJourneyがある。あの分かりやすいコード進行と歌い上げ系の感情的な盛り上げの上に、ムチャクチャ声量のあるスティーブ・ペリー(Steve Perry)のボーカルが絡んだ様式のロックバンドだ。もう少し言うと、英語ができないワケシリロック評論家の渋谷陽一に「産業ロック」と蔑視されていたバンドの一つだ。まあ、渋谷陽一自身もどうよというカンジがあるのだが。 Journeyはその分かりやすい音楽のために、僕の中学・高校時代にとても流行っていて、クラスの男子の何人かはその大ファンだった。僕はというと、中学のときはエリック・ドルフィーやリー・モーガン好きのハードバップ万歳の反抗野郎だったから、全く好きな音楽ではなかった。それでも、ライブチケットがあるというので、同級生の和田君と厚生年金会館だったか中野サンプラザだったかまでライブを聴きにいったことがある。たしかに、そのライブパフォーマンスには圧倒された記憶があり、会場を後にした後もかなり上気した気分で家路についたかと思う。その後、アルバムを借りてダビングしたりしたが、結局継続的には聴けなかった。このように音楽の趣味に対して個人的な好悪はあるのだが、僕も当時の時代の空気を一杯に吸っていたので人並みのJouney体験があるのだ。 そのJourneyだが、2007年に新しいボーカルを入れたのだ。それがフィリピン人のアーネル・ピネダ(Arnel Pineda)だ。これがまた、スティーブ・ペリーの全盛ボーカルにソックリなのでビックリする。是非とも実際にビデオで見て欲しい。 http://video.google.com/videosearch?q=Arnel+Pineda&sourceid=navclient-ff&rlz=1B3GGGL_enJP294JP294&um=1&ie=UTF-8&ei=ynGuSfeWLZio6wOZlrniBQ&sa=X&oi=video_result_group&resnum=4&ct=title#q=Arnel+Pineda&sourceid=navclient-ff&rlz=1B3GGGL_enJP294JP294&um=1&ie=UTF-8&ei=ynGuSfeWLZio6wOZlrniBQ&sa=X&oi=video_result_group&resnum=4&ct=title&start=40 ここで取り上げたいのはJourneyの音楽云々というよりは、ピネダの今までの軌跡だ。なんといっても、この生き様がすげえ。まず、ティーンエイジャーのときにお母さんを心臓病で亡くしてしまうのだが、その治療費の借金のために、一家離散となりホームレスに身をやつす。学校も辞め、廃品回収の仕事で何とか食いつなぐ日々を送る。その頃は常に腹を空かせていて、極貧の状態だったようだ。そして、ふとしたキッカケでフィリピンのロックバンドのボーカルを始め、天性の歌唱力を武器にフィリピンでその名を知られていく。いくつかの音楽賞を獲得したあと、活動拠点を香港に移し、プロとしてのキャリアを積んでいくのだ。しかし、ノドの病気にかかり、音楽活動を休止せざる得なくなり、フィリピンに帰国する。その後、幸運なことに病気がなんとか回復し、自分のバンドThe Zooを結成する。The Zooでは、定期的なクラブでのライブ活動に加え、テレビのショーへの出演も増えていく。バンドのレパートリーはオリジナルの曲もあるのだが、人気はJourneyはもちろんのこと、Survivor, Aerosmith, Led Zeppelin, Air Supply, Kenny Logginsというように歌い上げ系の流行った曲だったそうで、こういう「産業ロック」系なら何でもやっていたみたいだ。実際The Zooの時代に歌っているハート(Heart)の"Alone"がYoutubeに上がっているのだが、バックバンドはビミョウだがボーカルはかなり聞かせるのだ。 http://www.youtube.com/watch?v=-tK1BPcT_sk そのピネダの転機は、長年のファンの一人がピネダの歌っているJourneyの"Faithfully"のカバーをYoutubeに上げたことだ。そのビデオがJourneyのギターマンであるニール・ショーン(Neal Schon)の目にとまったのだ。ニール・ショーンはそのあまりのスティーブ・ペリーっぶりにビックリしたそうで、早速ピネダに連絡をとり、オーディションを手配したのだ。そしてその結果ピネダは見事にJourneyのフロントマンになったというわけだ。つまり、ホームレスからアジアでの成功を掴みかけた矢先に病気、しかしそれを回復し世界的バンドのフロントマンへ、そのキッカケはYoutubeという、"Slumdog Millionaire "真っ青、そっくりそのまま映画になってしまう程の信じられないサクセスストーリーなのだ。 その背景ストーリーがあった上で、Don't Stop Believing, Faithfully, Open Arms, Wheel In the Skyを聴くと、音楽の趣味は別にしても、感動するのだ。なにより世界の熱狂的な大観衆を前に身長170cmに満たない黄色人種のアジア人が活躍している様をみるというのは気持ちがよい。というか、何度もミリオンセラーを叩きだしたロックバンドに、アジア人のボーカリストがいるなんて僕は聞いたことがない。これが日本人に引き合わせて考えると、うーん。YMOはそもそもロックバンドでないし、ミリオンセラーまではいかなかった。少年ナイフはそもそもメジャーかどうかビミョウだし、元Simply Redの屋敷豪太はドラムだし、現Simply Redの鈴木賢司はギターだし。そうか、メジャーではないが、ヘビメタのLoudnessくらいかな、ボーカルがいてロックでそこそこ欧米で人気というのは。そのくらい珍しい例だと思う。何よりピネダの生き様がロックだ。「産業ロック」なのに、本物のロックな人生を背負ったボーカリストがいるという、スカッとした気持ちよさがここにはあると思う。 まあ、現在のピネダの登場によるJourneyの人気は、80年代という同時代感覚だとか懐メロで皆が熱狂しているという、ある意味下駄を履かされれている状況だと思う。もちろんそれは一つの能力の発露ではあるのだけれど、あくまでスティーブ・ペリーのモノマネで受けているだけだ。だからこそ、現在のお披露目プロセスが終わったら、オリジナルの曲と歌い方でピネダのJourneyの歴史を作っていってもらいたいと思う。もっとも、ロートルバンドのビジネスモデルを戦略的に考えると、懐メロ主体のビジネスモデルにしたいからこそスティーブ・ペリーにソックリのピネダを採用したのかもしれないが。 昨年出たRevelationも「産業ロック」の出来映えとしてはかなりのものだ。ピネダのボーカルは、過度にスティーブ・ペリー似にするキライがあるのは愛嬌であるのだが、なかなかだと思う。また相変わらずバックの演奏は神掛かっているバカテクで、水戸黄門バリの一種の様式美にまでなっている。個人的には何度も聴くことのできるタイプの音楽でないのは確かなのだが、それでもレベルの高いパフォーマンスをしていると思う。 そして、ちょうど来週には東京・名古屋・大阪でそのピネダをボーカルに迎えたJourneyの日本ツアーがあるのだ。しかし、僕が気づいたときは既にソールドアウトでチケットがとれなかった。中学生以来の「産業ロック」を思い切り楽しもうと思ったのに少し残念だ。
by yutakashino
| 2009-03-05 09:51
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