Gretchen Parlato/Gretchen Parlato

カリフォルニア出身のアメリカ人でラテン風Jazzの歌い手Gretchen Parlatoのセルフタイトルアルバムで自主出版盤である。

Gretchen ParlatoはHerbie HancockやWayne Shorterからも賞賛されているライジングスターであり、昨年は大物から中堅どころにいたる幅広いアーティストのコーラスやフィーチャリングボーカルとして参加しまくりの売れっ子である。

ナチュラルな声質がよい。声量や音域の出力という「楽器」としてのボーカルの性能には問題があるかもしれないが、その分歌い回しが豊かで、囁くときの歌い方が心地よく、ボーカルから醸し出される雰囲気の作り方には天性のものを感じる。ナチュラルボーンのアメリカ人のくせに、ちょいアフリカンフレーバーのラテン音楽をやるのだ。それが全くイヤみなくバッチリはまる。

このアルバムはギターのLionel Louekeとのデュオアルバムで、カバー中心の楽曲構成なのに、オリジナルを感じさせる何かがある。アルバムでは特にWayne Shorterの"Juju"のカバーが良い。このアルバム全体の評価をするならば、なんといってもLionel Louekeのギターが素晴らしい。というかむしろ、Lionel Louekeがすげえ。打楽器のようなギターの使い方だとか、コーラスだかリズムだか分からない超絶スキャットだとか、弾かせればムチャクチャバカテクのギターだとか、天性のグルーブ感とか、全く常識的でないギターのチューニングだとか。是非とも以下のYoutubeをみて欲しい。

http://www.youtube.com/watch?v=KXzgWTZ2NW0

あら、いつの間にかLionel Louekeの賞賛レビューになってしまった…