カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

我々に足りないものは…

以下メモ。「児童ポルノ法」に関わる以前は、私にとって「政治」とか「法律」とかはフィクション以上に現実味の乏しい何かだった。「児童ポルノ法」に関わり、マンガ規制・表現規制に関わり、以下の事柄を痛感した。
1;国会での立法ならびに官庁での行政により我々の生活はあらかた制限される。
2;国会議員や地方議員は存外話が通じる人がいる。ただし、国会議員や地方議員に話をするには平日昼間に議員会館へ行けることが条件となる。結果、平日昼間動ける非常識な人の言説が国会や地方議会にとっては「世論」として認識されている。
3;オタクは平日昼間動ける人の数は相対的に他業種に比べ多いはずだから、ロビーできる人間はわりと獲得できるはずだ、という予測は今のところ実現していない。手紙やメールファクスなどで議員に意見をすることは限定つきで有効なんだが、これは文筆力のあるオタク同志諸姉諸兄が頑張ってくださっている。これにより国政にはオタクはじんわり影響を与えている。
4;法律は国会で作られる。2chでの書き込みはオタクには一定程度影響を与えるが、国政へは少なくとも直接には全く影響を与えない。そのことに気づいている人は案外少ない。「自主規制」は最もタチが悪い。抵抗のしようがないからだ。抵抗すれば相手は退く。抵抗の仕方には巧い下手がある。規制派は警察の子飼いばかりである。嫌がらせをされたときは大騒ぎするのが賢明であり、沈黙するのが最も愚行である。
5;オタクは他の市民活動群に比べ、存外いい働きをしている。「児童ポルノ法」はオタク以外はほぼ抵抗していないのだが、ほぼオタクだけの抵抗で、12年くらい抵抗できている。我々の「市民活動」は意外に善戦している。
6;国会ならびに官庁は「権威」ある発言を重視する。オタクにシンパシーある文化人は一定数存在する。我々はオタクにシンパシーを覚える文化人群の好意に大きく支えられている。ただし我々の側から文化人群を政治勢力化することには今のところ成功していない。
7;話の通じる議員への説得が存外スムースに行くことに驚く。反面、話の通じない議員を説得する際、「権威」がいかに重要か改めて思い知る。オタクと国会の距離はびっくりするほど現在近い。だがマスコミとオタクの距離は遠く、官庁とオタクの距離は遠い。マスコミや官庁にオタクは人員を送るべきである。
8;官庁に入省入庁できる能力のあるオタクも一定数いる。だがオタクは、とくに有能優秀なオタクは自滅願望がたいがい強く、入省入庁の能力を持っていてもわざわざ権威のないライターなどになりたがる傾向がある。だから我々はここから先、「運動」を継続発展させるために、入省入庁能力のあるオタクをそそのかし、省庁へオタクを送り込むべきである。省庁内にオタク同志が一定数増えなくてはここから先のマンガ規制反対活動・表現規制反対活動は展開が難しい。たとえば文化庁、経済産業省などに同志を送り込みたいところだ。
9;有能優秀なオタクは自滅願望が強く、自滅願望が強いがゆえにオタクである。よって、我々は有能優秀なオタクを、「省庁に入省入庁し、オタク業界全体のために犠牲になってほしい」と、彼のマゾヒズムを最大限に煽るべきである。たとえば東大生であるオタクは一定数実在する。有名大学の法学部のオタクは一定数存在する。彼らに入省入庁を「オタク界全体の捨石となってくれ」と薦めるべきである。「内部から変えると言って成功した例はない、単に自分ひとりの生活の安定と栄誉のためにオタクを裏切りやがったんだ」という陰口悪口を彼らは必ず言われる、だがオタク界全体のためにそこをどうにか耐えてほしい、と、彼らのマゾヒズムを煽るべきである。また実際に我々の敵並びやっかみ以外の何もできないバカ野郎がそう誹謗するだろうが、誹謗した時には我らのために身を挺して入省入庁した同志を程よく擁護するべきである。同志のナルシシズムを刺激するために。
10;官庁においてオタクの数は少ない。よって入省入庁が無事できれば、オタク関係の行政はそのオタク同志がほぼ一手に扱うことができる。このオタク同志はオタク同志としてのアイデンティティが強く、「官僚なんかよりもライターに本当はなりたかった」という自滅願望を抱えている限り、官僚的出世よりもオタク界全体のための行政に身を粉にして奮闘してくださるはずである。ついでに言うと、日本においては、日本以外でもそうなのだが、官僚が同時にライターをなしている例は多く、歴史に名を残している文筆家の多くは官僚を兼業している。官僚であることはライターであることにプラスこそあれ、実は何の妨げにもならない。また文筆家として大成したいことがその願望の最たるところである場合、いつでも官僚を辞職し、文筆一本で立つこともできる。あからさまに言われることはほとんどないが、日本においては、官僚出身である文筆家と、非官僚出身文筆家との間には、出版業界ならびに社会からの扱いにおいて、物凄い開きがある。文筆家として後世名を残すために官僚となることは実はたいへんに有効有益だ。
11;有能優秀なオタクは自滅願望自滅衝動が一般に強いので、官僚になろうという動機をあまり持たないものだが、上記事柄を折りあるごとに吹き込み唆し、「頼むからオタク界全体のために捨石となってくれ、犠牲となってくれ」と折に触れ要請するべきである。彼らのうち一定数はそのナルシシズムにより、身を犠牲にしたいという新たな自滅衝動を覚えるはずである。この新たな自滅衝動に従い官僚となった場合、彼らは相当な年収と、かなりな社会的地位と、けっこうな退職金が付随するが、そのことを彼らには秘密にしておくべきである。そもそも彼らはたいがいの場合そんなことには無関心であるし、そのことが仮に話題になってしまった時は彼らの自虐心を煽る話題として使用するべきである。なお、彼らがオタクとしてのアンデンティファイ自意識を生涯仮に持ち続けた場合は官僚として生涯を終えるのはけっこう難しいかもしれないが、まかり間違ってそれなりに長い年月官僚として生活し、さらにまかり間違ってオタクのための財団法人とか作ることができたら、天下り先を作るついでに、私を年収700万円相当くらいで雇ってこき使ってくれるとすげえ嬉しいなあ。次善として、出社しても新聞を読む以外何もすることがなくて年収2000万円くらいで雇ってくれてもまあ良し、とか書いてみるテスト。
12;上記のうち、9割9分は本気である。誰か身を挺してほしいと切に願う。敢えてIDコールはしないが、「ひょ、ひょっとして自分のことか?」と思った貴方、そう、貴方のことです。我々見ず知らずのオタク全体のために、是非貴方の人生を犠牲にしていただきたい。

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画像はhttp://piapro.jp/content/xxwzlziabdljupp4から。