【感想】『私の息子が異世界転生したっぽい』かねもと (著) 息子は異世界に行ったと信じたい。感動の作品でした【マンガ感想・レビュー】

はじめに 

『私の息子が異世界転生したっぽい』がすごい良かったです。いわゆるふつうの転生モノではありません。 息子さんを急に交通事故で亡くした葉山さんと、元同級生のオタクの堂原。息子さんが好きだったラノベを中心に、二人の物語は進みます。

転生モノだと思って敬遠している方はもったいないです。さらに、本編を読んだ方は番外編がとても良いので、Amazonで99円ですので購入をおすすめいたします。感動の作品でした。すごいオススメです。

 

私の息子が異世界転生したっぽい Kindle版 かねもと (著) 

高校時代の同級生が突然訪ねてきた。「私の息子が異世界転生したっぽい」。数か月前に事故で命を落とした息子の本棚にあった異世界転生モノのラノベを読み漁った彼女は、もう一度息子に会うために転生方法を探せという。強引な彼女に付き合う形で、転生方法を探し始めるが… 

「私の息子が異世界転生したっぽい」

葉山美央（旧姓・古橋）と堂原は同級生。でも全く接点がありませんでした。１７年ぶりに再開したと思ったら、突然「私の息子が異世界転生したっぽい」と話し始めます。 

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より）

オタク堂原

「？？？？？」

元同級生と１７年ぶりにあって、いきなりリアル異世界転生の話を持ち込まれます。いくらヲタでも、いやヲタだからこそ混乱します。個人的にはラノベ好きな堂原のキャラが結構好きです。 

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より） 

 

葉山さん息子の大我くんが交通事故で亡くなってしまいました。葉山さんは大我くんが好きだったラノベについて、おそらく詳しいであろう堂原にコンタクトをとります。

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より） 

高校時代

高校生の頃は全く二人に接点はありませんでした。お互いの思い出も別々のものでした。でも自分で思っている相手のイメージと、実際の自分に対するの印象や感情は、外から見るのとは意外なほど違っていました。 

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より）  

そして救われたい 

急にこの世を去った息子さんと、それを受け入れられずにいる葉山さん。息子さんの大我くんはラノベ好きでしたが、ラノベの主人公はみな交通事故でこの世を去り、異世界に転生します。きっと息子も好きな世界に転生したに違いない。葉山さんはそう信じます。いや、信じようとします。

堂原はそんな葉山さんを否定せずに、不器用ながら一緒に一つ一つ物語を進めていきます。

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より） 

番外編

本編を読んでいただいた方は、ぜひ番外編も読んでいただきたいです。ここに小さな救済があります。明るい色の服を着て、コミケにはまったく場違いな雰囲気の葉山さんがとても良いですね。 

（『私の息子が異世界転生したっぽい』より） 

まとめ 

心に響くお話でした。

ラノベの主人公はみな交通事故でこの世を去り、異世界に転生します。主人公たちは異世界で、いままで認められていなかった自分の新しい価値を見出して充実した生活を送ります。

 

しかし、現世に取り残された親御さんたちはどうでしょう？急にこの世を去った子どもたちは、自分たちの手を離れてのびのびと別の世界で暮らしている、と考えられるのでしょうか。現世ではつらいことばかりで、異世界なら思い通りに暮らせるとしたら、つらい現世を送らせてしまった親はより苦悩を背負い込むことになるのではないでしょうか。子供にはせめて来世や夢の世界では楽しく暮らしてほしいと願う気持ちと、子供にとって厳しくつらい現実にしてごめん、という気持ちが混ざってしまうことでしょう。 

 

堂原は典型的なオタクで、女性とのお付き合いもなさそうです。でも葉山さんのことを否定せずに、寄り添います。くだらないように思える一つ一つが鎮魂としての意味があるのでしょう。葉山さんがそっと手を合わせるシーンも胸にきました。

 

本編も素晴らしかったのですが、番外編がとても良かったです。少し時間がたち、また堂原は葉山さんと会います。そして二人はコミケへ。一体何がどうなっている？ぜひ、作品をお読みいただきたいと思います。本編だけだと凹んでしまいますが、番外編が救済になっている気がします。本編を読んだ方は、９９円なのでぜひぜひ購入をおすすめします。

 

作者Twitter 

作者さんのTwitterです。 

私の息子が異世界転生したっぽい①

⚠️死や自死がテーマに含まれます pic.twitter.com/I3PepXdJRA

— かねもと@世界一役に立たない連載 (@kanemotonomukuu) February 1, 2021

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ご参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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