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シャープと東京電力、電力需給ひっ迫に備えて家庭の蓄電池を遠隔制御する実験
2025年1月4日 11:05
シャープは、同社製の家庭用蓄電池を使った遠隔操作実証実験を、12月27日から開始。東京電力ホールディングス、東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力EP)、エナジーゲートウェイ、シャープエネルギーソリューションとともに実施している。
気温上昇などによる急な電力の需要増加や、発電機のトラブルなどによる供給力の低下は、電力需給のひっ迫につながる。そのような状況でも電力需給バランスを維持するため、本実証は、電力供給量の変動に応じて電力需要量を抑制/創出するために、家庭用蓄電池を用いた調整力の創出が重要との考えのもと行なうもの。
実証では、分散型エネルギーの相互接続を容易にする情報通信基盤であるPublic Power HUB(PPH)を採用した。これにより多種多様な通信方式を持つ家庭用蓄電池を効率的に束ねて制御していくことが可能となったという。
クラウドを活用したHEMSサービス「COCORO ENERGY」と連携したシャープ製の家庭用蓄電池をPPHを通じて遠隔制御することで、調整力創出量などを検証する。なお、クラウド連携された蓄電池をPPHに接続するのは初めての試みという。
実証実験は2025年3月31日までを予定。シャープ製の家庭用蓄電池を設置した人を対象に、東京電力EPにてモニター募集を行ない、参加申込みがあった8件で行なう。
検証項目は、家庭用蓄電池による「調節力創出量」、遠隔制御に対する家庭用蓄電池の追従性などの「技術性」、電力調達コストの削減効果などの「経済性」の3点。
電力需給ひっ迫時における需要と供給のバランス維持の検証、PPHへの接続を前提にした遠隔制御に対する家庭用蓄電池の応答の正確性・スピード、あらかじめ策定した家庭用蓄電池の運転パターンに基づく制御の確認、電力調達コストおよびユーザーの電気代に与える影響などを検証する。
4社は、本実証を通じて得られた知見をもとに、再生可能エネルギーの有効活用、電力の安定供給、ユーザーの負担軽減につながる新たな家庭向けDR(デマンドレスポンス)サービスの検討を進める。