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バルミューダから“浮かぶ”スティック掃除機。ホウキのように左右も自在

BALMUDA The Cleaner

バルミューダは15日、新製品としてコードレスのスティッククリーナー「The Cleaner」を発表。11月17日に発売し、価格は54,000円。10月15日より予約を開始する。

「まったく新しい掃除体験をお届けするクリーナー」として提案する、サイクロン式のスティック型掃除機。大きな特徴は、ヘッドが前後だけでなく左右や斜め方向にも自在に動くという点。付属のアタッチメントを交換してハンディ型としても使える。

ホバークラフトをイメージ。ミニ四駆からの着想も!?

この製品ができるまで実は“クイックルワイパー派”だったという寺尾玄社長。開発経緯について「ホバークラフト」をイメージしたことに触れ、掃除機でも浮かぶような軽い操作感で使える点を紹介した。

寺尾玄社長
ホバークラフトをイメージ

この軽い操作を可能にするため、新技術「ホバーテクノロジー」を搭載。

ブラシ2本で構成する「デュアルブラシヘッド」が同じ速度で本体中央(内側)に向かう形で回転。各ブラシの両脇部分が常に接地しながら回転し、床面との摩擦を軽減することで、軽い力でヘッドが動く“浮いているような”操作感を実現した。2本のブラシは同サイズで前後の区別なく使えて、押すときも引くときも同様にゴミを吸い取れる点も特徴。

ヘッドのブラシ部
2本は同サイズで取り外し可能

加えて、左右の脇に備えた偏軸二輪式のキャスターが、ヘッドの動きに追従。思った以上に滑り過ぎないようにするなど制御しながら、全方向への掃除を可能にした。

ヘッドとスティックのジョイント部は「360°スワイプ構造」を採用。前後と左右の2軸で可動し、前後だけでなく左右や斜めへも滑らかに動くようにした。さらに、「低重心構造」も組み合わせ、“ホウキを使うような”軽い操作を実現したという。

スティックを自在に動かせる360°スワイプ構造
片手で操作
ホウキのように両手で操作

ミニ四駆から着想したという「角ローラー」も特徴。ヘッドの四隅に水平方向へ動く小型のローラーを備え、壁にヘッドをピッタリ沿わせてスライドさせながらスムーズに掃除できる。

付属する充電スタンドとの組み合わせで、掃除機を使っていないときも室内で違和感なく置けるデザインを追求。後ろにやや傾斜した“最も美しい角度”で自立して設置できるようにした。

角ローラーで壁際の動きもスムーズに
本体カラーはブラックとホワイト

操作ボタンは1つのみで、スティックの上面に装備。1回押すとONになり、長押しで強モードに切り替わる。ハンディ型で使うときは、付け替えたハンドル部のボタンでON/OFFする。

ハンディ掃除機としての使用例

最大出力時は、毎分400Lのゴミを含んだ空気を処理。大小のゴミはサイクロンの遠心力で取り除き、宙に浮くホコリなどはフィルターでキャッチする。ダストボックス容量は0.13L。カップとブラシ、フィルターは外して丸洗いできる。

ダストボックス側
カップを外して手を汚さずゴミ捨て
カップ部は水洗い可能。徹底して洗いたい場合は細かく分解できる

本体サイズは300×165×1,240mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.1kg。連続動作は30分で、強モード時10分。本体カラーはブラックとホワイトの2色。付属品は、すきま用ノズル、ハンディハンドル、充電台、ACアダプター、メンテナンスブラシ。

付属品

来春には、オプションとして布団掃除用のヘッドや、さらに狭い隙間にも届くノズルなどを含むノズルセットも発売予定。

別売のノズルセット

クイックルワイパー派だった寺尾社長が、掃除機に見せる自信

これまでもユニークな製品を出し続けている同社。今回スティック掃除機を新製品として選んだのは、これから新しいジャンルへ挑戦するにあたり、社内のヒアリングで最も希望する声が多かったのが掃除機だったからだという。その一方で寺尾氏が「やりたいことが(他にも)いろいろあって、そのために会社を強く/大きくする」というビジネス視点から決定したプロジェクトでもある。

今回の製品を皮切りに、掃除機のラインナップ拡大も計画。2021年内に第2弾、第3弾の製品化に向けて準備しているという。

寺尾玄社長
当初の試作機の例
今後のラインナップ拡大も計画

製品化にあたり当初困っていたと振り返るのは、寺尾氏が「クイックルワイパー派」だったこと。掃除機が不便だと感じていた理由について「前後にしか動かせないこと」と「取り出しにくさ」を挙げた。“めんどくさがり”だという寺尾氏は、掃除機を使えばキレイになることは認めつつ、使い始めるまでの心理的ハードルがあることを指摘。

そこで「ホバーテクノロジー」により前後左右へ自由に動かして効率的に掃除ができることや、部屋のイメージを邪魔をせず置けるデザイン性の高さなど、同社ならではの特徴を追求。寺尾氏も「掃除機にやっと乗り換えられる自由さ」を実現したという。