ニュース
ソニーセミコン、VR/AR向け1.3型4K OLEDマイクロディスプレイを発表
2023年8月26日 09:00
ソニーセミコンダクターソリューションズ(SSS)はVR/AR向け1.3型OLEDマイクロディスプレイ「ECX344A」を発表した。
「ECX344A」は、主にVR/AR向けヘッドマウントディスプレイでの活用を想定したOLEDディスプレイ。2023年11月にサンプル出荷を予定する。サンプル価格は15万円(税抜き)。
SSSがカメラの電子ビューファインダー(EVF)開発で培った微細化プロセスと独自の画素駆動回路により3552×3840の高解像度を実現し、新設計の高速駆動用ドライバー回路によって高フレームレートを可能にした。
一般的なディスプレイでは、高解像度化を進めると画素ごとの輝度などの特性にばらつきが生じ画質が劣化する。「ECX344A」では、トランジスタのレイアウトやプロセスの最適化、独自の補正回路によってこれを改善、4kの高解像度においても均一な輝度特性を可能にした。また、従来の技術ではトレードオフの関係にあった色域と輝度を独自の画素構造によって両立、デジタルシネマ向け規格であるDCI-P3を96%カバーする広域と高輝度を実現している。
VR/ARでの体験向上に向け、90fpsの高フレームレートに加え、5000cd/㎡の高輝度画素を搭載することで画素の発光時間を従来の1/5とするDuty20%駆動においても1000cd/㎡の明るさを確保、明るさと残像感の低減を両立する。
また、高いデータ処理能力が要求される4kにおいて、負荷を軽減するために、用途にあわせて3つのモードが搭載される。「Normal mode」では4kの入力データをそのまま出力、「Upscale mode」では2k~2.5kの入力データを4kにアップスケールし負荷を軽減、「Foveated scan mode」では人の視野中心は高解像度にし視野の外部に行くほど解像度を落として描写することで視覚的な没入感を維持しつつ転送データ量を約60%削減する。
型名 | ECX344A |
表示サイズ | 1.3型 (対角33.0mm) |
画素数(水平×垂直) | 4K(3,552×3,840) |
画素ピッチ | 6.3µm |
最大フレームレート数 | 90fps |
ビデオインターフェイス | MIPI® D-PHY |
最大輝度(Duty 20%駆動) | 1,000cd/㎡ |
コントラスト | 100,000:1以上 |
色域 | DCI-P3包含率: 96% |