最後まで主役になれなかった4歳馬。

これがフィクションの世界だったら、ここまで残酷な結末は用意しなかっただろう・・・というくらい、「4歳馬」にとっては過酷な結果となった2024年の中央競馬。

最後の有馬記念で、この秋、上の世代の壁、として立ちはだかっていたドウデュースがまさかの出走取消(そのまま引退)という展開になった時点で、もしかしたら・・・という期待が一瞬生まれたのは確かだが、そもそも出走する16頭の中に、4歳馬は僅か1頭・べラジオオペラしかいない・・・。

それでも、確固たる逃げ馬不在のメンバー構成の中、先行型で中山コースの実績もあるべラジオオペラなら、この世代の代表として最後の最後に輝いてくれる、と信じたのは自分だけではなかったはず。

蓋を開けてみたら、横山典弘騎手騎乗の3歳、今年のダービー馬・ダノンデサイルがこれまた定石を覆すような逃げの手に出て、場内をざわつかせたが、その後ろにピッタリ2番手に付けたのはべラジオオペラ。

この1年、ずっと手綱を取ってきた横山和生騎手が、最後にきっちり父親をかわして最後のグランプリで頂点に・・・という微かな希望は、だが、最後の直線、追い込んできた2頭の馬の前にあっさりと打ち砕かれた。

6歳馬、数少なくなったディープインパクト産駒のシャフリヤール、そして、規格外の3歳牝馬・レガレイラ。

2頭の壮絶な叩き合いの前に、逃げたダノンデサイルは3着に退き、そして、べラジオオペラはさらに下がって馬券圏外の4着・・・。

かくして、”期待に応えられない4歳馬”伝説は、見事に一年を通じて貫徹されることとなったのである。

ダノンデサイルはともかく、上位2頭は5番人気と10番人気。

このレースで3歳馬が来るのは決して珍しいことではないが、抜群の相性を誇る菊花賞組*1ではなく、路線を迷走気味だった牝馬、レガレイラが勝ってしまった、というのは一種の珍事だったし、その後ろに、これまた滅多に来ない6歳以上の古馬が来る、という展開も全くの想定外。

そういえば今年は荒れる年、という話もあったなぁ…などと思った時は既に時遅しで、馬券的にはまぁ酷い目にあったりもしたのだけれど、それ以上に、今回は外れてほしかった「4歳馬神話」が”的中”してしまったことの方がよりショックだった。


それでも競馬は続く。

次から次へと新しい世代、新しい”期待の星”が登場するこの世界で、1年ビッグタイトルから見放された馬たちを記憶しておくこと自体、なかなか難しいことではあるのだが、年が明けて「5歳馬」になるこの気の毒な世代が来年以降に”一変”したらそれはそれでドラマじゃねーか、と思うだけに、もう少し見守っていければ、と思っているところである。

*1:この日の1番人気も菊花賞馬・アーバンシックだった。

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