北朝鮮の食糧生産ここ10年で最低 「緊急支援必要」=国連
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2019.05.03 19:06
【ジュネーブ、ソウル聯合ニュース】国連は3日、北朝鮮の食糧事情がここ10年間で最悪の状況にあり、食糧不足を解決するには136万トンの食糧支援が必要との調査結果を発表した。
国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)が発表した北朝鮮の食糧状況に関する評価報告書によると、今年(2018年11月~19年10月)の北朝鮮の食糧需要を満たすためには136万トンの穀物を輸入する必要があるという。
また報告書は北朝鮮の人口の約40%に当たる1010万人が食糧不足の状態にあり、緊急の支援が必要と指摘した。
北朝鮮の食糧配給量は2018年には1人当たり1日380グラムだったが、19年は300グラムに減り、一般的に配給量が減る7~9月にはさらに減少する可能性があると分析した。
北朝鮮の18年の食糧生産量は約490万トンと推計され、08年以来の低水準だった。
北朝鮮の食糧不足は干ばつと高温、洪水に加え、国際社会の制裁によって燃料や肥料、機械の部品などが不足したことが原因で、今年の穀物生産量の見通しも懸念される水準と予想された。
FAOとWFPは「人道的支援が実施されなければ、数百万人がさらに飢えに直面することになる」とし、国際社会による支援を要請した。
FAOとWFPは今年3月29日から4月12日まで北朝鮮に調査団を派遣し、食糧状況を調査した。