鉄道スト14日目 警察が労組幹部らの逮捕状執行=韓国
【ソウル聯合ニュース】コレール(韓国鉄道公社)の労働組合によるストライキが14日目となった22日、警察は労組幹部を検挙するためソウルの全国民主労働組合総連盟(民主労総)本部が入る建物に突入した。
労組は9日からソウル江南区・水西洞の高速鉄道(KTX)路線をめぐるコレールの運営方針に反発してストに入った。コレールは「水西発KTX」を運営する子会社を設立する予定だが、労組は「事実上の民営化」と反発している。
民主労総は警察の突入を「暴挙」と批判し組合員の集結を呼びかける一方、政府は職務復帰を求める要請文を発表するなど、開始から2週間となったストは重大な局面を迎えている。
ストの影響で列車の運行数が平時の90%台に減り、貨物輸送は50%台まで低下している。23日からは運行が大幅に減る見通しで、乗客や輸送に大きな支障が出ると予想される。
◇119人を連行
警察は同日午前9時40分ごろ、業務妨害などの容疑で逮捕状が出た労組幹部の検挙に向け民主労総本部が入る建物に突入し、労組員らは激しく抵抗した。現在までに関係者119人が連行され、事情聴取を受けている。突入のため、約4000人の警察官が配置された。
建物には労組委員長ら逮捕状が出ている労組幹部6~7人がいるとみられる。
国土交通部の徐昇煥(ソ・スンファン)長官は同日、国民向け談話を発表し、「鉄道の競争力を高めるという政府政策に反対し、独占による既得権を守るためのストはいかなる大義名分もない不法スト」と強調した。また、「政府は子会社には民間資本を導入しないと数回にわたって説明した。労組が民営化との主張を繰り返し、不法ストを続け、放置できない状況に至った」と指摘した。
一方、民主労総は警察の突入に対し緊急指針を発表し、労組員に全国糾弾大会を各地で開催するほか、同日午後4時に非常中央執行委員会を開催するよう呼びかけた。1995年の設立後、民主労総本部に警察が突入するのは初めて。
◇列車運行70%台に低下の見込み
コレールは同日の列車の運行が平時の91.2%と発表した。
高速鉄道(KTX)は89.6%、セマウル号は57.7%、ムグンファ号は62.1%となっている。貨物列車の運行率は53.9%で、前日の38.5%より増えた。ただ、これまで30%台だったためセメントなどの物流に大きな支障が出ると予想される。
首都圏の鉄道・地下鉄は100%運行されている。
スト3週目に入る23日からは列車全体の運行が平時の76.1%に低下する見込みだ。セマウル号が56.0%、ムグンファ号が61.5%、首都圏の鉄道・地下鉄は85.7%、貨物列車は30.1%が運行される。