私は以前から隈研吾さんの大ファンだったのですが、今回初めてお会いして隈さんの人柄や深淵な考え方に触れることができ、もっとファンになってしまいました。そして彼のこれまでの作品や考え方がいかに多くの重要な糸を結びつけているかがわかりました。
隈さんはまた、日米間のコミュニケーションにおいても偉大な先輩でもありますね。今回のトークをみなさんに聞いていただけることをとても嬉しく思います。
- Joi
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デジタルとフィジカルのアーキテクチャーを考える
ここからはシナダがお届けしていきます。 隈さんとJoiさんのトーク、いかがでしたでしょうか。最初はなんとなくの直感だったんです。隈さんとJoiさんが茶道について話したら、面白いかも、と思い。隈さんと「デジタルと建築とお茶について話をしませんか」とご提案したところ、ご快諾をいただけたんです。
それからは隈さんの著書をリサーチ段階で何冊も読んだんですが、読めば読むほどJoiさんと隈さんの考え方が近いことにとっても驚きました。
茶の本に惹かれていることはもちろん、東洋思想の重要性や、非中央集権の実現、オープンとクローズの考え方など、実現しようとしている方向性はびっくりするぐらい似ていることに気づきました。今回のお話はお茶の話に始まり、隈さんの作品の裏話や利休に対する考え方、そしてデジタルについても少し触れられています。来週はもう少しデジタルについて掘り下げてきます。お楽しみに。
千利休 x アーキテクチャーを考えるための15のキーワード
デジタルアーキテクト
現在、インターネットは分散型で構築されてますよね。これは、インターネットがスタートした当時、強い哲学や美学があったからこそ実現したもの。当時は市場を独占しようとする電話会社やら大手インフラ会社などと激しい戦いがあったようです。ですが、web2.0になってプラットフォーマーが登場し、GAFAM的な会社にほぼ全てを牛耳られていますよね。私たちは現在、アルゴリズムに振り回され、右往左往ばかりしています。 このデジタルの構造、つまりデジタルのアーキテクチャーを文化の理解、法律の理解、経済の理解と技術の理解という4つの側面から総合的に理解し、次の世代のインターネットを考えるというのがJoiさんの肩書きである「デジタルアーキテクト」のお仕事。 web3という新しいデジタル時代が到来してる今、インターネットというものを、当たり前のものとして認識している私たちに「このままだと、危ないよ。ここで土台をきちんとしないと、またweb2みたいに中央集権的なインターネットに成り下がってしまうよ」と警告しつつ、正しい構築へと導く、そんな役目と言えるでしょうか。
西田幾多郎
日本の哲学者。千葉工業大学の前身となる興亜工業大学の設立趣意書を作成したことでも知られています。西田は日常的な体験と坐禅の経験を融合させ、主観と客観が分かれる前の原始的な純粋経験という新しい視点を提供しています。はい、シナダも2年前に「気づきの原則」の授業をとっておりましたので、読みましたよ。善の研究を。めちゃめちゃむずかしかったです。青空文庫にありますので、是非読んでみてください。
ガードナー美術館
ボストンにある美術館で、イザベラ・スチュワート・ガードナーという巨額の遺産を手にした女性が収集した作品が収蔵されている美術館。岡倉天心とガードナー氏の交流についてはこちらに詳しく記載されています。
川俣 正
北海道出身の造形作家で、地域住民も巻き込みながら廃材で建物を包んだり、木製のタワーを作ったりといったアート作品を生み出している芸術家で、現在はパリで活動をされているそうです。
岡﨑乾二郎
彫刻、絵画、映像、メディア・アート、建築のほか、テキスタイル作品、舞台美術、絵本、タイルなど様々な作品を制作してきています。
高知県梼原町
町面積の91%を森林が占め、標高1455mにもなる雄大な四国カルストに抱かれた自然豊かな山間の小さな町。一部では日本のブータンとも呼ばれているそうです。町内には5箇所に6つの隈さんの作品があり、隈研吾の小さなミュージアムと言われているそうな。
広重美術館
正しくは、那珂川町馬頭広重美術館といって、栃木県の那珂川町にある町立美術館です。栃木県の実業家が集めた作品が那珂川町に寄贈され、美術館が設立されたそうです。
The Great Wave
クリストファー・ベンフィーという英米文学の教授による本で、日本とアメリカのスピリチュアルな交流の歴史が記されているそうです。
Guilded Age
金ピカ時代や、黄金時代などと呼ばれる時代で、アメリカの南北戦争が終わった後に鉄道を中心として急速に経済が発展したいわゆる1800年代のバブル。
茶の本
岡倉天心が1906年にアメリカで出版した本。もともとは英語で書かれており、The Book of Teaと呼ばれていました。茶道を通じて日本人の精神文化や生活観を解説しています。
利休百首
千利休が茶道の精神や作法を歌にしてまとめたとされる百首の和歌。「利休道歌」とも呼ばれているそうです。利休が詠んだ説と、弟子が詠んで利休が詠んだことにした説があるそうで、後者が濃厚なんだそう。
バウハウス
1919年から1933年までの間に、ドイツのワイマールで始まった影響力のある芸術とデザインの運動。
HELVETICA
1957年にMax MiedingerとEduard Hoffmannが発表したフォント。ラテン語でスイスを意味するそうです。
MITのロゴ
そしてMITのロゴも、Joiさんが言う通り、Helveticaが使われていますね。このロゴが採用された当時は、まだHelveticaと呼ばれておらず、Neue Haas Groteskと呼ばれていたそうです。現在みんなが使っているHelveticaとはすこーし異なるそうで、MITの学生はこのオリジナルのNeue Haas Groteskを無料で使えるそうです。
チャンイーモウ(張 芸謀)
中国の第五世代の監督として知られていますよね。「初恋のきた道」とか「HERO」、「LOVERS」などの作品で知られています。北京五輪、開・閉会式演出もされましたよね。
今週のおさらいクイズの申請先
「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。
番組オリジナルNFTを無償で配布中!)
こちらのMintRallyのJoi Ito's Podcast特設イベントページでゲットしてください。正解された方には、NFTをプレゼントします。NFTは無料です。NFTを取得するにはウォレットアドレスをゲットする必要があります。
特設ページの中からお聞きの配信回をクリックし、NFT受け取りのひみつの「あいことば」と書かれた部分に今日の問題に対する答えを記入してください。
ヒント:大文字半角英数字で入力ください。
KAMONホルダーには引き続き100HENKAKUをプレゼント
KAMONホルダーの方はHENKAKU COMMUNITYのこちらのQuestサイトから申請してください。正解した方には100HENKAKUをプレゼントします。こちらのサイトは新バージョンのポッドキャスト会員証を持っている人のみが対象となります。Kamonをゲットしたい方は、頑張ってコミュニティに入るか、おたよりを採用されるまで送り続けましょう。
デジタルガレージ/次世代戦略事業とweb3のコア人材を探しています
Joiさんが取締役を務めるデジタルガレージでは、web3時代を牽引する新しい人材を募集しています。ここ最近ではChief ArchitectにJoiさんが就任するなど、web3周りでなにやら動きがある様子。新しいことに挑戦したい方、こちらから問い合わせしてみてはいかがでしょうか。