アマゾンのベゾスCEO--「何が変わるかではなく、変わらないか」を重視するべき

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-06-07 11:24

 Amazonは米国時間6月4日〜7日、初となる「re:MARS」カンファレンスを開催しており、人工知能(AI)について検討しているビジネスリーダーにインスピレーションを与えている。最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は6日、このカンファレンスで企業の幹部や起業家に実用的なアドバイスを提供した。ビジネスを長期にわたって成功させたいビジネスリーダーに対し、「何が変わらないか」に目を向けることが重要だと述べた。

Amazonの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezos氏

 Bezos氏は、今後10年間に何が変わると思うか、頻繁に尋ねられると述べた。しかし、今後10年間に何が変わらないかを問う方が、より重要な知見を得られる可能性が高いと言う。

 「この問いに対する答えによって、活動を計画できるようになる。自信を持ってそれらのことに取り組み、今それに費やすエネルギーが、将来になっても利益をもたらすと知ることができる」と同氏は説明した。

 さらに、その答えは簡単に見つかるはずだと言う。「多くの調査をする必要はない。通常それは、非常にビッグで、根本的なものなので、自ずと分かるはずだ」 

 Amazonにとっての明白な答えは、顧客はいつになっても低価格、迅速な配達、幅広い品ぞろえを求めるということだ。「時間が経っても変わることがない、そのビッグアイディアを突き止めると、それは顧客ニーズであることが多い」(Bezos氏)

 Bezos氏は、ビジネスを立ち上げたばかりの起業家も顧客ニーズに注力し、「顧客を心底喜ばせる方法を見つけ出す」ように助言した。 

 また起業家が、自身のビジネスに情熱的でなければ、情熱を持って取り組んでいるほかの人にビジネスを奪われることになると警告した。Bezos氏によると、「雇われ兵的(mercenary)な考え方ではなく、伝道師(missionary)のような使命感が必要だ」。

 最後にBezos氏は、リスクを取ることの必要性を述べた。「ビジネスを思いついたものの、リスクがなければ、すでに成し遂げられているはずだ。Amazonは今も常に、リスクを冒している」(同氏)

 さらにそうしたリスクは、企業の成長とともに大きくなると述べた。「当社の場合、失敗の規模が10億ドル規模でなければ、バットを思い切って振ってないことになる。ビジネスで新しいことを生み出すには、満身の力でバットを振らなければならない」

 しかし野球の例えは、ホームランを打っても満塁で4点しか採れないので不十分だと述べた。「ビジネスでホームランを打つと、何千点も得点できる。何度も失敗する覚悟で、思い切ってバットを振ることが重要だ」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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