生成AI導入が爆発的なブームになる一方で、そのリスクに着目する企業が増えているようだ。「Fortune 500」企業の年次財務報告書を分析した結果について紹介したZDNET Japanの記事によると、財務報告書で生成AIに言及する企業が増え始めているものの、必ずしも肯定的な側面を取り上げているわけではない。10社に7社が、自社の競争力や安全性に対する潜在的なリスクや、誤情報の拡散について触れていた。
最近気になるところでは、Googleでの検索時に、同社自身の生成AIがその検索内容を真っ先に(一番上部で)回答するというサービスを「試験運用」している例がある。ユーザーは、検索結果を確かめなくても、知りたい情報をすぐに得られるため、新たなページをクリックする必要がなくなる。こうなると、この10年ほど多くの企業が躍起になって進めていた検索エンジン最適化(SEO)が無に帰す可能性が出てくる。Googleの検索サービスで自社の情報を訴求するためのSEO対策コンテンツなどが「オワコン」化するとの懸念も出てきているという。これも、AIリスクの一例だと言えるだろう。
そのほか、ある企業が生成AIの導入で業務を効率化し過ぎた結果、必要な従業員が次々と退職してしまい、結果的に致命的な人手不足に陥ったという逆説的な事例も耳にする。まだ始まったばかりの生成AIについて、そのリスク面に焦点を当てた記事を集めた。