Canonicalは「Kubernetes」を利用したDevOps向けのコンテナ管理製品を強化し続けている。「Ubuntu Linux」の開発元である同社は英国時間8月23日、エンタープライズのKubernetes配備を念頭に置いた2つのコンサルティングパッケージを新たに発表した。また、パートナー企業の製品に対するエンタープライズ向けサポートの拡充も発表した。これには、Galactic Fogのサーバレスインフラや、Rancher Labsのコンテナ管理ワークフロープラットフォーム、Weaveworksの「Weave Cloud」が含まれている。
Ubuntuは既にクラウド向けのOSとして最も普及している。Ubuntuがクラウド上で最も人気の高いOSであることに加えて、Canonicalは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」、GoogleやOracleのクラウドとの連携に力を入れており、これらクラウド上でのコンテナ向けUbuntuゲストの最適化を図っている。またCanonicalは「Google Container Engine」(GKE)との連携にも力を入れており、企業のKubernetes配備とGoogleのSaaSサービスというハイブリッド運用を可能にしている。
Canonicalが今回新たに発表した2つのコンサルティングパッケージは「Kubernetes Explorer」と「Kubernetes Discoverer」だ。前者は既存のクラウドインフラを対象にしている一方、後者はベアメタル型のクラウドやコンテナを用いる企業向けとなっている。
Kubernetes Explorerはパブリッククラウドとプライベートクラウド、「VMware」上のKubernetesをサポートする。このパッケージは1万5000ドルの参照アーキテクチャとして提供されるとともに、訓練と配備を含み、オプションとしてワークロード分析のコンサルティングや、日々のコンテナ運用をサポートするための継続的インテグレーション(CI)と継続的デプロイメント(CD)に向けたパイプライン作成の支援も用意されている。
Kubernetes DiscovererはExplorerにベアメタル運用を含めたパッケージだ。価格は3万5000ドルで、特定のワークロードに向けてアーキテクチャを最適化するためのスペシャリストのコンサルティングと、オンサイトでの実地研修が含まれている。またDiscovererパッケージには、ストレージとネットワークに関連した緊密な統合とカスタマイズに向けたオプションも用意されている。
CanonicalのKubernetes製品担当マネージャーであるMarco Ceppi氏は、「任意のクラウドやベアメタル、仮想化といった環境でKubernetesを運用するためのベストプラクティスを求める組織は、参照アーキテクチャとスペシャリストのコンサルティングを手にできるようになった」と述べるとともに、「CanonicalのKubernetesは、パブリッククラウドやプライベートインフラをまたがるポータビリティに力点を置いた、スケールアウト可能でクラウドネイティブなワークロードをホストする方法に変革をもたらしている」と述べている。
Canonicalの製品担当バイスプレジデントであるDustin Kirkland氏は「ハイブリッドクラウド環境をまたがってコンテナを利用可能にすることが企業の抱える難題となっている」と述べるとともに、「Canonicalのクラウドパートナーシップによって、マルチクラウド環境をまたがるかたちで、一貫してセキュアで効率の高いKubernetesを用いたクラウドインフラの選択肢が与えられる」と述べている。
CanonicalによるKubernetesのこの実装は、パートナー企業が提供するさまざまな製品のための共通プラットフォームとして機能する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。