Canonical、エンタープライズの「Kubernetes」配備を支援する新パッケージ発表

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-08-28 15:25

 Canonicalは「Kubernetes」を利用したDevOps向けのコンテナ管理製品を強化し続けている。「Ubuntu Linux」の開発元である同社は英国時間8月23日、エンタープライズのKubernetes配備を念頭に置いた2つのコンサルティングパッケージを新たに発表した。また、パートナー企業の製品に対するエンタープライズ向けサポートの拡充も発表した。これには、Galactic Fogのサーバレスインフラや、Rancher Labsのコンテナ管理ワークフロープラットフォーム、Weaveworksの「Weave Cloud」が含まれている。

 Ubuntuは既にクラウド向けのOSとして最も普及している。Ubuntuがクラウド上で最も人気の高いOSであることに加えて、Canonicalは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」、GoogleやOracleのクラウドとの連携に力を入れており、これらクラウド上でのコンテナ向けUbuntuゲストの最適化を図っている。またCanonicalは「Google Container Engine」(GKE)との連携にも力を入れており、企業のKubernetes配備とGoogleのSaaSサービスというハイブリッド運用を可能にしている。

 Canonicalが今回新たに発表した2つのコンサルティングパッケージは「Kubernetes Explorer」と「Kubernetes Discoverer」だ。前者は既存のクラウドインフラを対象にしている一方、後者はベアメタル型のクラウドやコンテナを用いる企業向けとなっている。

 Kubernetes Explorerはパブリッククラウドとプライベートクラウド、「VMware」上のKubernetesをサポートする。このパッケージは1万5000ドルの参照アーキテクチャとして提供されるとともに、訓練と配備を含み、オプションとしてワークロード分析のコンサルティングや、日々のコンテナ運用をサポートするための継続的インテグレーション(CI)と継続的デプロイメント(CD)に向けたパイプライン作成の支援も用意されている。

 Kubernetes DiscovererはExplorerにベアメタル運用を含めたパッケージだ。価格は3万5000ドルで、特定のワークロードに向けてアーキテクチャを最適化するためのスペシャリストのコンサルティングと、オンサイトでの実地研修が含まれている。またDiscovererパッケージには、ストレージとネットワークに関連した緊密な統合とカスタマイズに向けたオプションも用意されている。

 CanonicalのKubernetes製品担当マネージャーであるMarco Ceppi氏は、「任意のクラウドやベアメタル、仮想化といった環境でKubernetesを運用するためのベストプラクティスを求める組織は、参照アーキテクチャとスペシャリストのコンサルティングを手にできるようになった」と述べるとともに、「CanonicalのKubernetesは、パブリッククラウドやプライベートインフラをまたがるポータビリティに力点を置いた、スケールアウト可能でクラウドネイティブなワークロードをホストする方法に変革をもたらしている」と述べている。

 Canonicalの製品担当バイスプレジデントであるDustin Kirkland氏は「ハイブリッドクラウド環境をまたがってコンテナを利用可能にすることが企業の抱える難題となっている」と述べるとともに、「Canonicalのクラウドパートナーシップによって、マルチクラウド環境をまたがるかたちで、一貫してセキュアで効率の高いKubernetesを用いたクラウドインフラの選択肢が与えられる」と述べている。

 CanonicalによるKubernetesのこの実装は、パートナー企業が提供するさまざまな製品のための共通プラットフォームとして機能する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. 運用管理

    IDCレポートが明かす、AI時代において「プライベートAIインフラ」が企業競争力に果たす役割と効果

  3. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  4. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  5. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]