日本ユニシスは、DNPグループ、ボイジャーと共同で、日本電子図書館サービス(JDLS)に「読み上げ機能付きクラウド型電子図書館サービス」を提供したと11月2日に発表した。
このサービスは、バリアフリーで24時間いつでも利用できる電子図書館の構築を支援するもので、ボイジャーの協力を得て開発した。WindowsとMac OS搭載のPC、Android、iOS搭載のスマートフォンとタブレット端末で、電子書籍の検索、貸出、閲覧、返却ができる機能をクラウド型で提供する。
同サービスは、専用のアプリやソフトウエアのインストールは不要。読み上げ機能を搭載した「テキスト版サイト(視覚障害者向け利用支援サイト)」を提供しており、キーワードを読み上げるだけで電子書籍を検索できる。
今回、「テキスト版サイト」のビュワーに、細かなページ送り、戻し機能、音声読み上げ中のページ送り、戻し機能、しおり機能、読み上げ速度や音量を調整する機能、ページジャンプ機能を追加し利便性を高めた。文字のサイズや色、背景の色を変更できるなど、高齢者をはじめとした読書困難者のアクセシビリティ(JIS X8341に準拠)に配慮したウェブサイト設計となっている。
JDLSは、電子書籍を閲覧できる回数や期間に制限を設けるなど、著作権者の利益に配慮できる電子図書館構築・利用促進支援サービス「LibrariE」を提供している。DNPは、クラウド型電子図書館サービスを「LibrariE」の仕様にあわせてカスタマイズし、ライセンス提供する。
JDLSはDNPと10月に資本提携しており、KADOKAWA、講談社など国内の多くの出版社から電子書籍の提供を受けている。同サービスでは、文芸・ビジネス・言語学習等の分野や専門書を中心に、出版社から利用許諾を得た約4万タイトル(10月現在)の電子書籍が利用できる。
今後、JDLSが強みを持つ新刊本やライトノベルなどを加えラインアップを拡充していく。また、図書館が独自に所蔵する郷土資料や地方自治体の広報誌などを電子化し、電子図書館で貸し出すことも可能。電子化についてはDNPグループも対応する。
今後、日本ユニシスと、DNPグループ、ボイジャーは、クラウド型電子図書館サービスの機能を拡充し、2018年度までの累計で、200自治体へのクラウド型電子図書館サービスの新規導入を図り、30億円の売り上げを目指す。