今週の明言

アクセンチュアが語るデジタルマーケティングの勘所

松岡功

2014-10-31 12:25

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、アクセンチュアの立花良範 マネジング・ディレクターと、米OracleのDoug Hughes バイスプレジデントの発言を紹介する。


アクセンチュアの立花良範 マネジング・ディレクター

「デジタルマーケティングはまず目的を再定義することが肝要である」 (アクセンチュア 立花良範 マネジング・ディレクター)

 アクセンチュアが先ごろ、最新調査をを踏まえたデジタルマーケティングの動向について記者説明会を開いた。同社デジタルコンサルティング本部のマネジング・ディレクターを務める立花氏の冒頭の発言は、その会見で、デジタルマーケティングに取り組むうえで最初に取り組むべきことを強調したものである。

 立花氏はまず、アクセンチュアの考えるデジタルマーケティングについて、「実店舗や営業所といったリアルチャネルとシームレスに連携しつつ、認知から購買に至る販促にとどまらず購買後の利用まで含めたカスタマーライフサイクル全体を通じて、商品やサービスにまつわるあらゆる体験を、デジタルの特性を生かしてインタラクティブに提供すること」と説明し、「それ自体が企業と顧客との新たな関係性となり、デジタル時代のビジネスの土台となる」と位置付けた。

 最新調査としては、日本を含むグローバル企業のマーケティング部門およびIT部門の上級幹部1147人を対象に同社が実施した「CMO-CIO調査2014」の結果を紹介。その要旨として、「多くの回答者が両部門の連携の重要性を認識しているが、実際の関係性については日本が最も隔たりがある」「デジタルマーケティングへの準備状況は日本がやや立ち後れており、リソースや予算不足に課題がある」といった点を挙げた。

 そのうえで立花氏は、デジタルマーケティングのあるべき方向性として、「まずは目的を再定義したうえで、マーケティングの投資・予算、組織・機能、テクノロジなどの経営リソースの確立を徐々に固めていくことが肝要だ」と語った。冒頭に挙げた発言は、このコメントのエッセンスである。ちなみに「再定義」と表現しているのは、従来のマーケティングの定義を見直すことを意味している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  4. ビジネスアプリケーション

    カスタマーサポート業務で生成AIはどう使えるか、代表的な活用場面を解説

  5. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]