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テクノロジは常に変化している。しかし、IT部門の前に立ちはだかる基本的な課題は、以前からまったく変わっていないように思える。そういった永続する課題の1つは、エンドユーザーとの間に良い協調関係を確立することだろう。
1980年代から続くIT部門とエンドユーザーを面白おかしく扱った漫画では、エンドユーザーとIT部門が戦場で向き合い、鉄条網で作ったバリケードの後ろから互いに撃ち合っている。今日では、アプリケーション開発でより協力的なアプローチを取ることが良いとされており、敵対的な関係から抜け出そうとする試みもあるが、IT部門とエンドユーザーの間に不可避的に生じる対立点は今でも消えていない。多くの場合、これはエンドユーザーとIT部門がシステムを異なる視点から見ていることに起因する。
エンドユーザーは、チャットやボイスメールが使えるシンプルなオンラインアプリケーションを求めている。IT部門はバックエンドの統合作業や、バックアップ、セキュリティ、デバイスの互換性、そしてその他数多くの、そのアプリケーションを導入するために作る必要がある「見えない」機能について考える必要がある。必然的に、エンドユーザーとIT部門のどちらの立場に立つかによって、時間に対する考え方や、アプリに対する期待も違ってくる。
こういった昔からの課題はあるにせよ、ITプロフェッショナルがエンドユーザーと生産的で協力的な関係を築くためにできることはある。この記事では、10のヒントを紹介しよう。
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1.事業について知る
事業について、(IT部門ではなく)事業部門の観点から知ることにより、ITプロフェッショナルは共に働くエンドユーザーに共感できるようになると同時に、事業部門が抱える問題についての直接的な知識を得ることができる。そういった知識は、IT開発者が事業部門にってより使いやすいアプリケーションを作るために役立つ。
2.事業部門のキーパーソンと協力関係を作る
多くのビジネスユーザーは、IT部門と積極的で継続的な関係を築き、アプリケーション開発に関してIT部門と事業部門の両方の観点からの課題を共有することには理解がある。多くの場合、こうしたビジネスユーザーは、テクノロジの事業部門側において、リーダーシップを発揮する(さらに期待値を管理する)。アプリケーションの開発や展開に成功しているIT部門は、こういったエンドユーザー側との協力関係を、ビジネス戦略の一部として育み、維持している。
3.話を聞く
ビジネスユーザーのよくある不満は、IT部門がユーザーが何を求めているかについて聞く耳を持たず、事業部門が持つべきだとIT部門が考えるものを作る、というものだ。しかしこの考え方を、組織の「サービス文化」を重視することによって変えようと試みるIT部門は増えてきている。アプリケーション開発者が良い結果を出したければ、社内顧客(例:エンドユーザー)の話を聞き、それに応えるべきだ。アプリケーションやワークフローのデザインを改善する方法があるのなら、それをエンドユーザーに見せた方がよいが、その際には、ビジネスを最もよく知る立場にある、ユーザーの要求を満たすことに全力を尽くすべきだろう。
4.傲慢な態度を取らない
エンドユーザーがテクノロジに魅了されることはあるが、中身はよく理解していない。これが背景となって、ITプロフェッショナルとの打ち合わせは、エンドユーザーが理解していない技術用語や略語ですぐにいっぱいになってしまう。エンドユーザーにとって、専門家しか理解できない用語はいらいらさせられるものだ。このことが、ITに関わる人間は傲慢であり、ユーザーを見下していると思われることにつながる。エンドユーザーと話すときには、専門用語を使わないようにし、話題が事業とアプリの目的から外れないようにすれば、ITプロフェッショナルの協調スキルは向上し、ビジネスの矢面に立つエンドユーザーとの強い協力関係を作る能力も上がるだろう。