中小企業にとっての2012年は、メディアタブレットからビジネスインテリジェンスソリューションにいたるまで、中小企業向けに最適化されたテクノロジを活用し、変革を推進すべき年となるだろう。
数カ月前、このブログを始めた時に誓ったことがある。それは、中小企業を念頭に置き、2つの観点からテクノロジを選び、採り上げていくということだった。2つの観点とは、中小企業の運用効率を向上させるうえで役立つアプリケーションや製品という観点、そして中小企業が新たな収益を上げていくうえで役立つソフトウェアやサービス(すなわちEコマースやソーシャルメディアツールなど)という観点である。このことを考慮して、中小企業が2012年に検討すべき、あるいは少なくとも目を向けるべき必須のテクノロジソリューションを5つ、飲み物(アルコールフリーだ)を片手に選び出してみた。
#1:タブレットコンピュータ
ここで言うタブレットコンピュータとはもちろん、Microsoftが10年以上も取り組んできたコンセプトに基づくものではない。タッチスクリーン式のクールなディスプレイとデジタルビデオカメラを搭載したメディアタブレットのことである。モバイルコンピューティングソリューションにおける真のイノベーションは、面倒な「承認プロセス」を経ずに新たなテクノロジを導入できる中小企業によって推進されていくと筆者は確信している。Skypeがその良い例だ。Skypeは、Microsoftが目を付けるずっと前から、中小企業の経営者にとって手放せないツールとなっていたのである。中小企業という観点からはそれてしまうものの、筆者は2012年にAppleのiPadやさまざまなAndroidタブレットを用いたソリューションの真価が実証されると考えている。これだけで書いておけば十分だろう。なお、筆者が注目していきたいと考えている用途は、タブレットコンピュータを店員の接客ツールとして活用するというものである。
#2:ビジネスインテリジェンスアプリケーション
マネージャーたちが参加する、意思決定や戦略変更を議論する場で「ビッグデータ」という言葉が頻出していることに気付いている方も多いはずだ。ビッグデータは大手企業のみが利用するものとは限らない。筆者は、今後12カ月のうちにビッグデータが中小企業でも大きな役割を果たすようになると考えている。SMB Groupも最近、このことに関する調査結果を発表している。それによると、小規模企業の16%と中規模企業の29%が過去2年の間にビジネスインテリジェンスソリューションを購入したという。また、小規模企業の16%と中規模企業の28%が今後12カ月のうちにそういったソリューションに投資する予定だという。今後は(IBMやOracleといった)大企業からのアプリケーションだけでなく、新興企業からも中小企業向けに最適化されたアプリケーションが市場に投入されてくるはずだ。