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[寄稿]日本で得た「3つの信頼」

登録:2022-12-08 03:01 修正:2022-12-08 08:07
ユ・ジミン|オルタナティブスクール「逆さまキャンパス」生徒(高1)
日本を旅行中に過ごしたホテルのレストランに備え付けられているスロープ=ユ・ジミン提供//ハンギョレ新聞社

 先月、私は母と4泊5日の日程で日本の大阪を旅した。新型コロナウイルスの流行以降、初めての外国旅行だったので、楽しい時間を過ごした。今回の旅ではとても意義深い経験をしてきたのだが、それは「3つの信頼」を知ったことだ。

 1つ目は「どこにでも行けるという信頼」。大阪の有名な道頓堀の街で、私たちは昼食を食べにあるうどん屋に入った。私たちを案内した店員は、1階には席がないので、2階で食べなければならないと言った。建物があまり大きくないので、当然エレベータはないだろうと思った。しかし、その店にはエレベータはもちろん、広い障害者用トイレまであった。この他にも大阪市内の多くの建物はスロープ、リフト、エレベータのような障害者用施設が充実していた。日本は2006年に「バリアフリー法」を施行し、障害者用施設の設置を法律で義務付けている。旅行中ずっと、市内を歩き回りつつ、私にとって行けない場所より行ける場所の方が多いということにジーンときていた。

 韓国では手動車椅子に乗って1人で外出すると、道がでこぼこしていて、すぐに車輪を回すのに疲れてしまう。非障害者には分かりにくいわずかな傾斜や亀裂が、車椅子使用者にとっては大きな難関になる。韓国では普段は常に電動車椅子に乗って外出するが、大阪では毎日5キロを超える距離を手動車椅子に乗って移動した。

 どうしてそれが可能だったのだろうか。大阪の道路は全般的に出っ張ったところがないようによく舗装されており、平らなので車椅子が通りやすかった。とりわけ道路がどちらか一方に傾いていないところが印象深かった。段差のような障害物は避けて通れる。しかし傾いた道では体も一緒に傾いてしまうため姿勢が崩れやすく、体全体が痛くなる。車には乗らず地下鉄と車椅子だけを用いた旅だったことから、大阪の良質な道はより一層強烈に記憶に残った。

 2つ目は「いつでも助けてもらえるという信頼」。初めて大阪の地下鉄に乗った時は、電車とホームの間がとても広くて驚いた。ソウルではこの隙間に車椅子の車輪がはまってしまったことが何度もあったので、似たような事故が起きるのではないかと心配だった。しかしそんな心配は無用で、電車には安全に乗り込むことができた。駅員さんたちが乗車を手伝ってくれたからだ。大半のソウルの地下鉄駅は駅員の数が足りていないため、通りすがりの人々に手伝ってもらわなければならなかった。いっぽう大阪の地下鉄は行く先々で専門的な支援要員が配置されており、安心して地下鉄が利用できた。

 旅行の間中ずっと泊まっていたホテルのレストランも同様だった。最初に朝食を食べに行った時、私は食堂の入り口の前に3段の階段があることに気づいた。母と私はデスクにいるスタッフにサポートを求めた。するとスタッフは倉庫から移動式のスロープを持ってきてくれ、私は簡単に階段を上ることができた。以前、他のホテルで同様のことがあった時は、家族が私を抱き、車椅子を持ち上げてようやく入ることができた。いつやって来るか分からない移動弱者のための専門用具によるサポート、職員の迅速な応対のおかげで、私は気分良く食事を楽しむことができた。

 みなさんはこれまでの人生で、自分は歓迎されていないと感じたことがあるだろうか。韓国で車椅子と共に過ごしてきた17年間、私は数え切れないほど「招かれざる客」にならなければならなかった。他人とまったく同じ日常を生きていても、ある人は同情し、ある人は困惑した様子を見せ、ある人は冷たい視線を向けてくる。このような現実に懐疑を感じることもあった。

 日本で気づいた最後の信頼は「招かれざる客にならなくて済むという信頼」だ。たった一言すら言葉がまともに通じない不慣れな環境を心配しながら私は旅立った。しかし、そのような心配が色あせるほど私を歓迎してくれる街と人々に、大きな慰めと勇気をもらった。

 旅を終えて家に戻り、考えてみた。誰もが歓迎される世の中はどうしたら作れるのか。韓国ではとても長い時間、もしかしたら生涯をかけて答えを探すべき問いかもしれない。

//ハンギョレ新聞社

ユ・ジミン|オルタナティブスクール「逆さまキャンパス」生徒(高1) (お問い合わせ [email protected] )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1070585.html韓国語原文入力:2022-12-07 14:01
訳D.K
日本の地下鉄駅の階段に設置されている、車椅子で下りられる移動式リフト=ユ・ジミン提供//ハンギョレ新聞社

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