少しがっかりする人がいそうなのは、デザインが明らかに進歩した反面、パフォーマンスは上がっていないことだ。E-Inkは基本的に、LCDと比べると反応が遅い技術だ。そのため、スマートフォンやタブレットのメーカーは、Appleもサムスンも、そしてAmazonも含め、LCDベースのデバイスのパフォーマンスは改善してこられたが、E-Ink方式の電子書籍リーダーは、もう何年も速度が向上していない。より高速なプロセッサを採用しても、速度の向上にはつながらないだろう(Kindle Oasisは1GHzのプロセッサを搭載しており、これはおそらく、Kindle Voyageのプロセッサと同等のものと思われる)。また、E-Inkはモノクロのプラットフォームのままで、カラー化には至っていない。
ほとんどの人にとっては、現行のKindleシリーズでも速度は十分だが、Kindle Oasisほどの超プレミアムモデルともなれば、超高速のパフォーマンスで動作するか、少なくともほどほどのスピードアップはあると期待するだろう。ところが、スクリーンの照明方式はわずかに改良されたものの、パフォーマンスに関しては、Kindle VoyageはおろかKindle Paperwhiteと大差がない。
だが、現実と向き合おう。Kindle Oasisは、寝る前に見やすい、自発光型のモノクロマットスクリーンの方が、スマートフォンやタブレットより好みだというユーザー向けの端末だ。また、他のデバイスでは電子メールやソーシャルメディア、ニュースなどの通知が表示されるが、それらに煩わされることなく読書を楽しみたい人に向いている。Amazonの電子書籍エコシステムは今も変わらず最も充実しており、電子書籍リーダー市場の数少ない競合他社(Koboと米国におけるBarnes & Noble)に、Kindle Oasisと肩を並べられるほどの製品はない。Kindle Oasisは、長年Amazonを愛用している筋金入りの読者が対象だ。
その対象とは、Kindle Oasisの群を抜いて優れたデザインに対価を払うようなユーザー層で、それ以外の大半の人にとって、価格に見合う価値はなさそうだが、Kindleファンなら、実際に見て触ってみればKindle Oasisが欲しくなるに違いない。今はまだ予算が許さないかもしれないが、いつか、Amazonが恒例の割引セールを実施するときには、手ごろな価格になるだろう。
Kindle Oasisの主なスペックは次のとおり。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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