米国ニューヨークで開催されているMicrosoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2011」。米国時間7月12日には、決勝に残ったチームによる最後のプレゼンテーションが行われた。
Imagine Cupには数多くの部門が設定されているが、もっとも参加者が多く激戦となるのがソフトウェアデザイン部門だ。今回、同部門では67チームが世界大会に進出。うち18チームが2回戦へとコマを進め、その中からさらに6チームだけがファイナルの舞台に立てた。7月13日には、この中から勝者が決まる。審査員をうならせ、他の参加者や観客が拍手したファイナリスト6チームのプロジェクトを紹介していく。
中国のチームであるCare Everyoneが発表した「MIND TOUCH」は、音声認識と画像認識を使って障がい者でもPCを操作できるというソリューションだ。帽子につけたマーカーをPCに接続したカメラが認識することで、頭の動きと音声だけでPCを操作し、アプリケーションを起動できるというもの。iPhoneアプリとしても人気のゲーム「Angry Bird」を同ソリューションでプレーするといったデモも繰り広げられた。
アイルランドのチームであるTeam Hermesは、交通事故の減少に向けたソリューション「Hermes」を披露。自動車に専用のデバイスを取り付けて、運転中にクラウド上へ自動車の運転速度やエンジン回転数などの状況データを送信。これを分析することで、運転手に危険がないかモニターする。
ヨルダンのチームであるOasys Teamが手がける「Project Horizon」も、中国同様の障がい者向けソリューションだ。帽子にデバイスをつければ、頭の動きだけでPCの操作が可能だが、その特徴は認識にウェブカメラではなくWiiリモコン内蔵の赤外線カメラを利用することにある。サードパーティによるアプリストアの提供も予定する。
2010年のImagine Cupで世界大会に進出するも、優勝を逃したメンバーを含むニュージーランドのチームであるOneBuzzは、マラリア撲滅に向けたソリューション「OneBuzz」を発表。衛星写真やテキストメッセージをはじめとしたさまざまなデータを使って、もっともマラリア蚊のリスクがある地域を特定する。ユーザーインターフェースも洗練されており、企業が提供するサービスにも遜色のないものだった。
ルーマニアのチームであるSIMPLEXが披露したのは、Kinectを使ってゲーム感覚でけがなどからのリハビリを支援する「MIRA(Medical Interactive Recovery Assistant)」だ。Kinectを使ったゲームをもとにリハビリすることで、利用者のモチベーションを高められるという。
今回のImagine Cup開催国となった米国のチームであるTeam Note Takerは、視覚障がい者や弱視者が授業で黒板の内容をノートにとることを支援するソリューション「Note-Taker」を発表した。ズーム機能のついたカメラを搭載したデバイスと、タッチスクリーンのタブレットPC、電子ノートアプリの「Microsoft OneNote」を組み合わせて、黒板を直接見る以上に見やすい環境でノートをとることができる。
それぞれ、ソリューションだけでなく、プレゼンテーションの内容や審査員からの質疑応答の態度まで、学生とは思えないほどのクオリティーだったが、果たしてどのチームが入賞するか。米国時間7月13日夕方には、ソフトウェアデザイン部門をはじめとした全部門の結果が発表される。
◇今年の「Imagine Cup 2011」レポート
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