Googleは、無線高速インターネットアクセスをどこでも安価に利用できる未来に賭けている。長期的に見れば賢明なことかもしれないが、筆者は先々週、この哲学のために、またMicrosoft製品を使うことになってしまった。
筆者はテクノロジを宗教的な理由ではなく実用的かどうかという点で選ぶことが多い。2010年に「Google Docs」を採用したのも実用的だったからだ。Google Docsで気に入っているのは、複数のコンピュータで(最近では携帯電話でも)同時に作業できることと、複数の人が容易に共同作業できることだ。筆者は高度な書式設定や数式はそれほど必要としていないので、そういった機能が不十分な点も大抵は我慢できる。
しかし、気に入らない点もある。Google Docsではネットワーク接続が必要だということだ。
筆者はスペインのバルセロナで開催の2011 Mobile World Congressで5日間を過ごした。同展示会での無線ネットワークは、最新のモバイル通信を専門とする展示会に望まれるであろうものとは正反対で、概して「機能低下」と「機能停止」の中間といったところだった。
不思議なことに、同展示会のWi-Fiを提供していたのはネットワーク大手のCisco Systemsで、ホールにはそのことを大々的に宣伝する掲示があり、参加者は利用方法を説明したチラシを受け取っていた。振興し守るべきブランドを持つ企業であるCiscoは今ごろ、ホールでネット対応機器が大量に使われることによって無線ネットワークに問題が生じてしまうような技術展示会を避けるよう学んだところかもしれない。
結局筆者は、コンピュータのUSBポートにVodafoneの3Gドングルを差して何とか対処したが、うまくいかないこともあった(例えば、ドングルがかさばるので、別のUSBポートと同時に使うことができなかった)。また、当然ながらデータ料金は高額で、ほとんどの時間ドングルを抜いておかなければならなかったし、ネットワークへの接続は遅かった。
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