GoogleのAndroidを搭載している端末は2010年に入り、モバイルプラットフォーム市場におけるシェアを急速に伸ばしている。Android搭載端末は当初はマイナーな存在でしかなかったものの、現在では米国市場においてトップのBlackBerryを視野に入れ、世界市場では主権を握るNokiaに狙いを定めるまでに成長してきている。
Androidはどのようにして、これほど急速にシェアを拡大できたのだろうか?以下に、Androidの躍進を後押ししている5つの原動力を紹介する。
#5:反Appleという感情
Android搭載端末はiPhoneの模倣だと主張することは簡単だ。Googleがモバイルプラットフォームという分野に参入した当時、この分野では小さな画面にハードウェアキーボードを搭載したBlackBerryやWindows Mobile搭載端末といったものが幅を利かせていた。しかしその後、Appleが2007年にiPhoneを市場に投入したことで、スマートフォンの世界に新風が吹き込まれることになった。
iPhoneによってスマートフォンの世界における風向きが変わったことを見逃さなかったという点で、Googleは称賛されるべきだろう。何しろ、RIMとMicrosoftはどちらも、その変化を見逃してしまったのである。両社はiPhoneをおもちゃのような存在でしかない(最初は確かにそうであった)と見くびり、自社の戦略を変えようとはしなかったわけである。それは両社にとって重大な過ちであり、現在でも挽回することはできていない。
その一方で、Googleは自社の戦略を軌道修正した。同社は2007年11月にAndroid OSを発表するとともに、その開発を推進するための団体としてOpen Handset Allianceを立ち上げた。そして2008年に登場した最初のAndroid搭載端末が登場した頃には、AndroidはもはやBlackBerryやWindows Mobileとは似ても似つかないものとなっていたのである。つまり、iPhoneのようなフルタッチパネルを搭載したわけである(ただし、Android搭載端末第1号であるT-Mobile G1のようにスライド式のハードウェアキーボードを搭載した製品もある)。
もちろんのことながら、Appleは新技術をどんどん取り入れ、iPhoneを進化させ続けている。その一方でAndroidは、ある面においてiOSほど洗練されておらず、完成度も高いとは言えないものの、他のスマートフォンと比べた場合、ずっとiPhoneとの差を詰めた位置につけていると言えるだろう。このため、iPhoneの機能に魅力を感じているものの、Appleのエコシステムが持つ制約や、(米国内では)AT&Tと契約しなければならないという点に不満を抱えている、あるいはAppleというブランドやそれに伴うすべてのものが気にくわないという人々にとって、Android搭載端末は現在のところ、当然の選択肢となっているわけだ。
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