ソフトウェアは、かつてないほどに多様化し、ソフトウェアと一口に言っても、信じられないほど多くのバージョンや、商用ソフトウェア、オープンソースソフトウェアが存在しているのである。このため、開発者はそういった豊富なリソースを使うことで、優れた製品を構築できるようになった。その一方、ITは相互に依存し合い、絶え間なく変化し続ける複雑なシステムの泥沼でもがき苦しんでいるわけだ。またこういった状況は、管理対象が単一用途の個別ソフトウェアから、複数の再利用可能なサービスへと変化していくというITの抽象化によっても悪化している。このような相互依存のネットワークは巨大化しており、ほとんどの場合、まともに理解されているとは言えないのである。
アーキテクチャが進化するたびに規模の増大がもたらされる。メインフレームがクライアントサーバに取って代わられ、クライアントサーバがウェブに取って代わられる過程で、規模は爆発的に増大してきた。そして現在では、x86アーキテクチャや仮想化、クラウドといったものによって、管理する必要のあるシステムの規模が増大し続けている。
運用にかかる予算はITの規模の拡大に追随できていないため、全体的な予算が増加している場合であっても、管理対象システムに対する予算の割合は減少していくことになる。このため、より少ない予算でより多くのことを行わざるを得なくなる。つまり、規模の経済を変革する新たな方法を模索しなければならないわけだ。
ITにおける複雑さが既存のツールやプロセスの限界点に近付いた場合、ITの再発明が必要となる。複雑さを封じ込めようとすることは、潮の流れを押し留めようとするようなものだ。前に進む唯一の道は、そういった規模の複雑さに取り組むための新たなツールやアプローチを再発明することとなるはずだ。
以上だ。これらが、筆者の目から見たITの8つの真実である。あなたの目には、どのような真実が映っているだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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