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ます

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

マス も参照。

日本語

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名詞:升・斗・桝・枡

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語義1のますの例(一升枡)
語義2のますの例(両国国技館の枡席)

ます

  1. 米などの状のものや、酒などの液体の、体積測るための四角容器
    • やがてその日も夕になれば主人は肩衣を掛け豆の入りたるを持ち、先づ恵方に向きて豆を撒き、福は内鬼は外と呼ぶ。(正岡子規『墨汁一滴』)〔1901年〕[1]
    • 「おやじ、もう一杯酌んでくれ。――なに、冷酒でいい、そこの大きなで」(吉川英治『宮本武蔵』)〔1935年–1939年〕[2]
    • 米櫃の蓋をとってで計ってみている妻の手つきがかたかた寒い音を立てている。(横光利一『夜の靴』)〔1946年〕[3]
  2. 劇場相撲場観客座る四角形仕切られた
    • 昨日は失敬本日学校でモリスに聞いて見た所二十八日の喜多の能を見に行くからを一つ(上等な所。あまり舞台が鼻の先にない所を)とってもらいたいという事であります。(高浜虚子『漱石氏と私』)〔1917年〕[4]
    • 昨夜も久しぶりで、窮屈なの中へ四人の者が並んで見たが、四人の洋服は八本の足を持っているものだからその片づけ場所がないのだ。(小出楢重『めでたき風景』)〔1930年〕[5]
  3. ({{{2}}}) チェスなどのボードゲームを置くことができる一つ一つの区画助数詞的にも用いる。ますめ
  4. すごろくでプレイヤーが止まったり通過したりといった行動の単位となる一つ一つの地点。助数詞的にも用いる。

派生語

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動詞

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ます増す益す

  1. (自動詞)ものかず多くなる。
    • 五月雨が降ったためにへご鉢の水が増した、という光景はきわめて的確な目前の事実であります。(高浜虚子『俳句の作りよう』)〔1913年〕[6]
    • 手紙の数が増すにしたがって、誘拐の日が一日一日とせまってくるように感じられた。(江戸川乱歩『黒蜥蜴』)〔1934年〕[7]
    • 吉田内閣の退陣が一日早ければ、それだけ国家の利益は益すということになるのであります。(浅沼稲次郎『浅沼稲次郎の三つの代表的演説』)〔1953年〕[8]
  2. (他動詞)ものかず多くする。
    • 山岳は雪を被むるによって、その美しさを一層増す。(小島烏水『高山の雪』)〔1911年〕[9]
    • 由来彼女の光茫はその輝きを益すばかりである。(中原中也『デボルド―ヷルモオル』)〔1937年〕[10]

活用

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類義語

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対義語

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派生語

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翻訳

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語義1

語義2

助動詞

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ます

  1. 動詞の連用形について丁寧さを示す助動詞。
    • さあ、やってましょ
    • この辺りで迷子を見かけませでし
    • 昨日、先生にお会いしました。
    • ここにリンゴがあります
    • そのようなことがありますれば、大変なことになりましょう。(やや古風・雅な言い方)
    • お客様、いらっしゃいませ
    • どうかお許しくださいまし。(古風・雅・女性的な言い方)

活用: 現代語: 助動詞

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未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
ませ
ましょ
まし ます ます ますれ ませ
まし
特殊型
  • ござるなさるくださるおっしゃるいらっしゃるの連用形に「ます」が続くときは、イ音便化して「ござい(ます)」「なさい(ます)」「ください(ます)」「おっしゃい(ます)」「いらっしゃい(ます)」となることが多い。

発音(?)

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  • 例外的に文末においても母音無声化が生じる。文末以外では基本的な規則に準じる。この語で言い切るもので、疑問文や方言で語尾を上げて発音する場合は母音もはっきりと発音される。
  • この語が接続すると接続する語のアクセント型に関わらずアクセントが変化する。ただし二語の成分に分解可能でかつ前半の成分に下がり目がある語の場合はもともとの語のアクセントを保持する。例えば「恐れ入る」、「喚起する」などはアクセントを保持する。
    • 「ます」や「ました」の場合は助動詞の第一モーラにアクセント核が移動する。例えば「た↗べ↘る」は「た↗べま↘す」や「た↗べま↘した」となり、「き↘る」は「き↗りま↘す」や「き↗りま↘した」となる。
    • 「ましょう」や「ません」の場合は助動詞の第二モーラにアクセント核が移動する。例えば「た↗べ↘る」は「た↗べましょ↘ー」や「た↗べませ↘ん」となり、「き↘る」は「き↗りましょ↘ー」や「き↗りませ↘ん」となる。

関連語

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  1. 青空文庫(2005年6月13日作成、2005年11月22日修正)(底本:「墨汁一滴」岩波文庫、岩波書店、1998年1月5日第35刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000305/files/1897_18672.html 2018年4月2日参照。
  2. 青空文庫(2012年12月18日作成)(底本:「宮本武蔵(三)」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2010年1月5日第44刷発行。「宮本武蔵(四)」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2003年1月30日第39刷発行。「宮本武蔵(五)」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2002年10月8日第36刷。)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52399_49787.html 2018年4月2日参照。
  3. 青空文庫(2003年6月12日作成、2016年2月7日修正)(底本:「夜の靴・微笑」講談社文芸文庫、講談社、1995年1月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000168/files/3511_11037.html 2018年4月6日参照。
  4. 青空文庫(2009年12月28日作成)(底本:「回想 子規・漱石」岩波文庫、岩波書店、2006年9月5日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001310/files/47741_37678.html 2018年4月6日参照。
  5. 青空文庫(2002年12月17日作成、2011年2月18日修正)(底本:「小出楢重随筆集」岩波文庫、岩波書店、1987年8月17日第1刷発行。「小出楢重全文集」五月書房、1981年9月10日。)https://www.aozora.gr.jp/cards/000259/files/3553_8140.html 2018年4月2日参照。
  6. 青空文庫(2013年7月4日作成、2016年7月1日修正)(底本:「俳句の作りよう」角川ソフィア文庫、角川書店、2009年7月25日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001310/files/55510_51028.html 2018年4月1日参照。
  7. 青空文庫(2016年9月21日作成)(底本:「黒蜥蜴」江戸川乱歩推理文庫、講談社、1987年9月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/57405_60036.html 2018年4月1日参照。
  8. 青空文庫(2010年11月26日作成)(底本:「浅沼稲次郎 私の履歴書ほか」日本図書センター、1998年8月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001487/files/51165_41909.html 2018年4月1日参照。
  9. 青空文庫(1999年11月25日公開、2005年12月10日修正)(底本:「山岳紀行文集 日本アルプス」岩波文庫、岩波書店、1994年5月16日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000027/files/523_20730.html 2018年4月1日参照。
  10. 青空文庫(2015年2月20日作成)(底本:「新編中原中也全集 第四巻 評論・小説」角川書店、2003年11月25日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000026/files/55717_56072.html 2018年4月1日参照。

古典日本語

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動詞

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ます在す坐す

  1. あり」「をり」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
  2. ゆく」「来 ()」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
  3. (補助動詞)動詞連用形について、尊敬や存続の意を伴う尊敬を表す。おやりになる。していらっしゃる。
ま-す 動詞活用表日本語の活用
サ行四段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形