雪の女王
"雪の女王" | |
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著者 | ハンス・クリスチャン・アンデルセン |
原題 | "Sneedronningen" |
国 | デンマーク |
言語 | デンマーク語 |
ジャンル | メルヘン |
収録 | 『新童話集』第1巻第2集 (Nye Eventyr. Første Bind. Anden Samling, 1845.)[1] |
出版形態 | メルヘン集 |
出版元 | コペンハーゲン: C.A. Reitzel[2] |
媒体形態 | 書籍 |
出版日 | 1844年12月21日[1] |
『雪の女王』(ゆきのじょおう、ゆきのじょうおう、丁: Sneedronningen)は、デンマークの代表的な童話作家・詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話[3][4]。
1844年12月21日初版の『新童話集』第1巻第2集に発表された[1]。最初の日本語訳は、1893年(明治26年)9月初版の内田魯庵『鳥留好語』(警醒社)に同じ題名で収められている[5]。
あらすじ
[編集]ある所にカイという少年とゲルダという少女がいた。二人はとても仲良しだった。しかしある日、悪魔の作った鏡の破片がカイの眼と心臓に刺さり、彼の性格は一変してしまう。その後のある雪の日、カイがひとりでソリ遊びをしていたところ、どこからか雪の女王が現れた。そして、魅入るようにして彼をその場から連れ去ってしまった。
春になると、カイを探しに出かけるゲルダの姿があった。太陽や花、動物の声に耳を傾け、少女は旅を続ける。花園のある魔女の家でカイを探しに旅に出た事を魔法で忘れさせられるが、薔薇の花によって記憶が蘇り再び旅に出る。途中、王子と王女の助けによって馬車を得るものの、それが元で山賊に襲われる。あわや殺されようとするところを山賊の娘に救われたゲルダは、娘が可愛がっていた鳩に、カイは北の方に行ったと教えられる。山賊の娘が用立ててくれたトナカイの背に乗って、ゲルダはとうとう雪の女王の宮殿にたどり着く。
カイを見つけたゲルダは涙を流して喜び、その涙はカイの心に突き刺さった鏡の破片を溶かす。少年カイは元の優しさを取り戻し、二人は手を取り合って故郷に帰った。
派生作品
[編集]映画(実写)
[編集]- 雪の女王/THE SNOW QUEEN(ロシア語: Снежная королева):1966年公開。監督:ゲンナジー・カザンスキー
- 雪の女王/THE SNOW QUEEN(フィンランド語: Lumikuningatar):1986年公開。
- スノー・クイーン 〜雪の女王〜(Snow Queen):2002年公開。
- 雪の女王 (DIE SCHNEEKONIGIN ドイツ/フィンランド) :2014年公開。
テレビドラマ
[編集]- フェアリーテール・シアター(Faerie Tale Theatre) :1985年放送。メリッサ・ギルバート主演で映像化された。
- The Snow Queen :2005年放送。BBCで映像化された。
アニメ
[編集]ソビエト連邦
[編集]- 雪の女王(Снежная королева / Snezhnaya koroleva):1957年公開。ソ連のサユースムリトフィルムによって製作された長編アニメーション作品。監督はレフ・アタマーノフ。
ロシア
[編集]- 雪の女王(Снежная королева):2012年公開のCGアニメーション。監督はヴラド・バルベ、マキシム・スベシニコフ。
- 雪の女王 新たなる旅立ち(Снежная королева 2: Перезаморозка):イギリスで2014年に、その他地域で2015年に公開。上記「雪の女王」の続編[6]。
- 雪の女王と火の魔王(Снежная королева 3: Огонь и лёд):2016年公開。アレクセイ・ツィツィリン監督。上記作品の続編。シリーズ第3作。
- 雪の女王 ゲルダの伝説(Снежная Королева: Зазеркалье):2018年公開。アレクセイ・ツィツィリン監督。シリーズ第4作。
- アイラと雪の女王 小さなプリンセス シリーズ第5作。
イギリス
[編集]- The Snow Queen(1976年) - BBCエンタープライズ(旧BBCワールドワイド)で放送された、実写とアニメーションを融合したテレビ映画。イアン・キルが製作し、アンドリュー・ゴズリングが監督を務めた[7]。
アメリカ合衆国
[編集]日本
[編集]- フジテレビ :1971年1月3日から12月26日にかけて放送された虫プロダクション制作の『アンデルセン物語』の1エピソードとして、1971年2月12日と19日の2回に分けて放送された。ゲルダは野村道子、カイは野沢雅子が演じた。
- TBS :『まんが世界昔ばなし』(1976年10月7日 - 1979年3月28日)の1話として1977年12月29日に放送された。アニメーション制作はダックスインターナショナルが行なっている。
- 東京12チャンネル:人形アニメーション『世界名作ものがたり』(1981年4月15日 - 9月23日)全24話の第7話として放映。
- NHK :2005年に大幅に内容を改変・追加して全36話で放送。監督は出崎統。詳細は記事『雪の女王 (NHKアニメ)』を参照のこと。
その他
[編集]- カートゥーン ネットワークの『アンデルセン・ストーリーズ』25話・26話(前後編)で放送。日本語版ではゲルダは桑島法子、カイは竹内順子が声を演じる。
小説
[編集]- 雪の女王(The Snow Queen):ジョーン・D・ヴィンジによるサイエンス・ファンタジー小説。原著は1980年に刊行された。日本では1982年に岡部宏之の翻訳により早川書房海外SFノヴェルズより刊行、1987年にハヤカワ文庫に収録された。
漫画
[編集]ヒロインはゲルダではなく山賊の娘で、「一見か弱いが、人生に目的(カイ)があり、それを目指して懸命に生きている」ゲルダと、「一見怖いものなしだが、人生に目的がなくただ無為に生きている」山賊の娘とが出会う。そして、娘はゲルダ自身を「人生の目的」にして執着する。
ゲーム
[編集]- SNOW BOUND LAND:オトメイトから発売された恋愛アドベンチャーゲーム。
- 女神異聞録ペルソナ:シナリオの1つが『雪の女王』を基に作られている。
- グリムノーツ:ゲーム内に『雪の女王の想区』が存在している。
- グリムノーツ Repage:ゲーム内に『アンデルセン童話の想区』が存在し、その中にカイ、ゲルダ、雪の女王が登場する。
- グリムエコーズ:キャラクターにカイ、ゲルダ、雪の女王が登場している。また、『雪の女王』を基に『終わる、夏の日のバラと君』というシナリオ、『遥かなる願いのメルヘン(雪と氷の国)』というメルヘンが作られている。
楽曲
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c Bom, Anne Klara ; Aarenstrup Anya ; Hans Christian Andersen Centre. "309 | Nye Eventyr. Første Bind. Anden Samling. 1845. | [Danish] | 21 December 1844". HANS CHRISTIAN ANDERSEN : FAIRY TALE COLLECTIONS - 50 TITLES. University of Southern Denmark : The Faculty of Humanities. 2019年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月2日閲覧。
- ^ Andersen, H. C; Fredstrup, Axel (1844) (デンマーク語). Nye Eventyr. コペンハーゲン(Kjøbenhavn): C.A. Reitzel. OCLC 987583345
- ^ 山室静、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “雪の女王”. コトバンク. 2020年8月3日閲覧。
- ^ アンデルセン & 山室 (2019).
- ^ 石川春江「明治期のアンデルセンについて」、1972年7月31日、p. 86、国立国会図書館デジタルコレクション。
- ^ 「アナ雪に影響与えた童話が再び映画に、「雪の女王」続編の公開決定」『映画ナタリー』株式会社ナターシャ、2015年5月25日。2015年5月27日閲覧。
- ^ “The Snow Queen: BBC Version”. amazon.co.uk. 2020年10月2日閲覧。
参考文献
[編集]- ハンス・クリスチャン・アンデルセン 著、山室静 訳『雪の女王 アンデルセン童話集』(改版)KADOKAWA〈角川文庫 ア4-3 アンデルセン童話集〉、2019年9月21日。
関連項目
[編集]- NHK総合テレビジョン番組一覧
- ラップランド、サーミ人 - 雪の女王の宮殿へおもむく途上のゲルダの前に広がる極寒の地と、そこで出逢う住人。そのモチーフ。
- スピッツベルゲン島 - 雪の女王の宮殿の在り処とされる。