輝安鉱
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輝安鉱 | |
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カーネギー自然史博物館に展示される輝安鉱 | |
分類 | 硫化鉱物 |
化学式 | Sb2S3 |
結晶系 | 斜方晶系 |
モース硬度 | 2 |
光沢 | 金属光沢 |
色 | 鉛灰色 |
条痕 | 鉛灰色 |
比重 | 4.6 |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
輝安鉱(きあんこう、stibnite[1]、スティブナイト)は、アンチモナイト(antimonite)とも呼ばれる鉱物(硫化鉱物)である。組成式 Sb2S3 で表される[2]。斜方晶系に属し、モース硬度は2である[3]。希少な金属であるアンチモンの最も重要な鉱石鉱物である。また、日本刀のような美しい結晶が希に産出する。
産出
[編集]主に熱水鉱床において産する。一般的に鉱床は小さく、大きなものはまれである。
世界の主要な産地はカナダ、アメリカ、メキシコのオクサカ、ペルー、中国、ルーマニアのバイアスプリーとヘリア、アルジェリア、ボルネオ(カリマンタン)、ドイツのハルツ山地、ロシアのネルチンスク、ボリビアのポトシ、チェコのプリプラム、カナダのニューブルンスイックなど。特に、中国湖南省では多く産出しており、鉱物標本も多く出回っている。アメリカではアーカンソー州、アイダホ州、ネバダ州、カリフォルニア州、アラスカ州に見られる。
日本では、かつて愛媛県の市之川鉱山(閉山済み)で大型の美麗な輝安鉱結晶が産出したことで知られ、明治時代には多くの標本が海外に流出した。現在でも国内外の博物館に展示されている。そのほか、山口県の鹿野鉱山、愛知県の津具鉱山(津具金山)などが産地として有名である。鹿児島湾に存在する海底火山の若尊の海底熱水噴気孔でも、採取されている[2]。
脚注
[編集]- ^ ラテン語の stibium に由来する。(ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 著、青木正博 訳『ROCK and GEM 岩石と宝石の大図鑑』誠文堂新光社、2007年、136頁。)
- ^ a b プレスリリース 鹿児島湾奥部海底に有望なレアメタル鉱床を確認 岡山大学
- ^ “市之川産輝安鉱 3-3 愛媛県立総合科学博物館所蔵”. 西条市 (2022年4月1日). 2024年4月4日閲覧。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006、ISBN 4-621-07763-5。
外部リンク
[編集]- Stibnite(mindat.org)
- Stibnite Mineral Data(webmineral.com)