田中一生
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田中 一生(たなか かずお、1935年11月21日 - 2007年3月9日)は、東欧・バルカン地域、とくにユーゴスラビアの言語・文学を日本に紹介し続けた、在野の研究者、翻訳家、作家。本名・一夫。
北海道中西部の美唄市生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。1962年、政府交換留学生としてベオグラード大学哲学部美術史科に留学。1968年に帰国後、大学講師などを務めながら、イヴォ・アンドリッチの翻訳のほか、セルビア語、クロアチア語、マケドニア語、スロベニア語、バルカン現代史を研究した。
2006年に、バルカン地域の紹介などの業績に対し、当時のセルビア・モンテネグロから勲二等ヴーク・カラジッチ勲章が送られた。
著書
[編集]- 『バルカンの心:ユーゴスラビアと私』「叢書東欧」彩流社、2007年。ISBN 978-4-7791-1261-4
- 『追想のユーゴスラヴィア』(世界史研究所編)かりん舎、2020年。ISBN 978-4-902591-41-5
編著
[編集]- 『セルビア・クロアチア語基礎1500語』(山崎洋共編)大学書林、1979年。ISBN 978-4-475-01083-2
- 『セルビア・クロアチア語会話練習帳』(山崎洋共編)大学書林、1979年。ISBN 978-4-475-01266-9
- 『マケドニア語会話練習帳』(中島由美共編)大学書林、1981年。ISBN 978-4-475-01268-3
- 『スロベニア語会話練習帳』(山崎洋共編)大学書林、1983年。ISBN 978-4-475-01267-6
翻訳
[編集]- 『チトー伝:ユーゴスラヴィア社会主義の道』(V・ヴィンテルハルテル)徳間書店、1972年
- 『土に還る』(ブラニミル・シュチェパノビッチ)恒文社、1978年
- 「自叙伝」ブラニスラヴ・ヌシッチ -『世界短編名作選 東欧編』新日本出版社、1979年
- 改訂新版『不審人物 故人 自叙伝』(幻戯書房 ルリユール叢書)2024年。ISBN 978-4864883054。他は奥彩子の新訳
- 『ユーゴスラヴィア史[ケンブリッジ版]』(スティーヴン・クリソルド編、柴宜弘・高田敏明共訳)恒文社、1980年
- 『ユーゴスラヴィア史[ケンブリッジ版]』(増補版、柴宜弘・高田敏明共訳)恒文社、1993年。ISBN 978-4770403711
- 『ユーゴスラヴィア史[ケンブリッジ版]』(増補版 第2版、柴宜弘・高田敏明共訳)恒文社、1995年。ISBN 4770403712
- 『ユーゴスラビアの民話 1』(栗原成郎共編訳)恒文社、1980年。他は「―2 セルビア英雄譚」山崎洋訳
- 『妖精の女王ドーブラ』(デサンカ・マクシモビッチ、直野敦・八百板洋子共訳、講談社、世界のメルヘン16) 1981年
- 『東欧近代史』(R. オーキー、越村勲・南塚信吾共編訳)勁草書房、1987年。ISBN 978-4-326-24821-6
- 『中世都市ドゥブロヴニク:アドリア海の東西交易』(バリシァ・クレキッチ)彩流社 叢書東欧、1990年。ISBN 978-4-88202-163-6
- 『ヒランダル修道院』(鐸木道剛共訳)恒文社、1995年。ISBN 978-4-7704-0829-7
- 『山の花環:十七世紀末の歴史的事件』(ペタル二世ペトロビッチ=ニェゴシュ、山崎洋共訳)、ニェゴシュ財団(発売:彩流社)、2003年。ISBN 978-4-88202-831-4
- 『小宇宙の光』(ペタル二世ペトロビッチ=ニェゴシュ、山崎洋共訳)ニェゴシュ財団(発売:彩流社)、2008年。ISBN 978-4-7791-1331-4
- 『山の花環 / 小宇宙の光』(ペタル二世ペトロビッチ=ニェゴシュ、山崎洋共訳)幻戯書房〈ルリユール叢書〉、2020年。ISBN 978-4864882088
イヴォ・アンドリッチ
[編集]- 『ゴヤとの対話』(イヴォ・アンドリッチ)恒文社、1976年。
- 『サラエボの女』(イヴォ・アンドリッチ)恒文社、1982年。ISBN 978-4-7704-0493-0
- 『ドリーナの橋』(イヴォ・アンドリッチ、田中一生訳注)大学書林、1985年[注釈 1]。ISBN 978-4-475-02405-1
- 『サラエボの鐘:短編集』(イヴォ・アンドリッチ、山崎洋共訳)恒文社、1997年。ISBN 978-4-7704-0911-9
- 『イェレナ、いない女:他十三篇』(イヴォ・アンドリッチ、山崎洋・山崎佳代子共訳)幻戯書房〈ルリユール叢書〉、2020年。ISBN 978-4864882095
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「セルビア語・クロアチア語・マケドニア語・スロベニア語対照テキスト付」である。国立国会図書館・書誌詳細より。日本語初訳は、松谷健二訳『ドリナの橋 現代東欧文学全集 12』恒文社、1966年
出典
[編集]- 『バルカンの心』著者紹介 - 紀伊國屋書店 BookWeb