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池内敏

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池内 敏(いけうち さとし、1958年 - )は、日本歴史学者名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センター教授。専攻は日本近世史、近世日朝関係史。

経歴

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愛媛県生まれ。1982年京都大学文学部国史学卒業。1991年同大学院文学研究科博士後期課程中退、鳥取大学教養部講師、94年助教授、1999年「近世日本と朝鮮漂流民」で文学博士。2000年名古屋大学大学院人文学研究科人文学専攻教授、2013年同大学院文学研究科附属日本近現代文化研究センター教授、2017年同大学院人文学研究科附属「アジアの中の日本文化」研究センター教授、2018年同大学院人文学研究科附属超域文化社会センター教授。

著書

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  • 『近世日本と朝鮮漂流民』臨川書店 1998
  • 『「唐人殺し」の世界 近世民衆の朝鮮認識』臨川書店 1999
  • 『大君外交と「武威」:近世日本の国際秩序と朝鮮観』名古屋大学出版会 2006
  • 『薩摩藩士朝鮮漂流日記「鎖国」の向こうの日朝交渉』講談社選書メチエ 2009、Kindle版あり。
  • 『竹島問題とは何か』名古屋大学出版会 2012
  • 『竹島 もうひとつの日韓関係史』中公新書 2016
  • 『絶海の碩学―近世日朝外交史研究』名古屋大学出版会 2017
  • 『日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか』叢書東アジアの近現代史 講談社 2017、Kindle版あり。

共編

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  • 『鳥取・米子と隠岐 但馬・因幡・伯耆』錦織勤共編 吉川弘文館 2005.8(街道の日本史)
  • 『江戸期の奄美諸島―「琉球」から「薩摩」へ』南方新社 2011.9
  • 『智頭町誌』上、鳥取県智頭町 2001
  • 『新鳥取県史』資料編近世1・東伯耆、鳥取県 2008
  • 『愛知県史』資料編19・近世 東三河編、愛知県 2008
  • 『新編知立市史』5(池鯉鮒宿本陣宿帳)、愛知県知立市 2011
  • 『新鳥取県史』資料編近世1・西伯耆(上下)、鳥取県 2015
  • 『愛知県史』資料編22・近世 領主編2<三河>、愛知県 2015
  • 『新編知立市史』別巻文化財編、愛知県知立市 2016
  • 『新編知立市史』4〈資料編近世〉、愛知県知立市 2018

翻訳

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論文

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  • 「朝鮮信使大坂易地聘礼計画をめぐって」『日本史研究』336 1990、pp.60-81
  • 「近世後期における対外観と『国民』」『日本史研究』344 1991、pp.95-124
  • 「崔天宗殺害事件をめぐる徳川幕府と対馬藩」『ヒストリア』132 1991、pp.1-29
  • 「近世中期の朝鮮通信使」『地域史研究』21-2 1991、pp.1-25
  • 「崔天宗殺害事件における日朝相互認識」『鳥取大学教養部紀要』26 1992、pp.71-89
  • 「文芸作品と朝鮮通信使」『青丘学術論集』3 1993、pp.213-253
  • 「近世朝鮮人漂着民に関する覚書」『歴史評論』516 1993、pp.14-25
  • 「天明四年長州悪党漂民一件」『日本歴史』545 1993、pp.64-78
  • 「1840年代以降における朝鮮通信使来聘計画(その1)」、『鳥取大学教養部紀要』27 1994、pp.109-124
  • 「境界の意識」『日本の近世』16、中央公論社 1994、pp.253-294
  • 「鳥取藩領に漂着した朝鮮人」『論叢歴史と社会』2 1994、pp.1-36
  • 「一八世紀日本民衆の朝鮮認識」(韓国語)、『東方学志』(ソウル)84 1994、pp.61-80
  • 「李志恒『漂舟録』について」『鳥取大学教養部紀要』28 1994、pp.61-95
  • 「一七世紀、蝦夷地に漂着した朝鮮人」『日本国家の史的特質〈近世・近代〉』思文閣出版 1995、pp.197-222
  • 「近世朝鮮人の対日認識論ノート」『歴史学研究』678 1995、pp.23-33, 79
  • 「日朝漂流民送還制度における幕藩関係」『新しい近世史』2、新人物往来社 1996、pp.273-312
  • 「倭館と漂流民の明治維新」『日本史研究』411 1996、pp.23-47
  • 「対馬藩政史料の朝鮮人漂着関係史料について」『漂流・漂着からみた環東シナ海の国際交流』1997、pp.37-65
  • 「江戸時代における日朝漂流民送還をめぐって」『青丘学術論集』11 1997、pp.139-161
  • 「清見寺と朝鮮通信使」ほか、『清見寺綜合資料調査報告書』1997、pp.272-286, 293-299, 323-339
  • 「朝鮮漂流民の送還と江戸幕府の対応」『別冊歴史読本・江戸の危機管理』新人物往来社 1997、pp.94-103
  • 「『竹島考』ノート」『江戸の思想』9 1998、pp.96-106
  • 「近世における朝鮮漂流民と鳥取藩」『鳥取に流れ着いた朝鮮人』1998、pp.2-11
  • 「竹島渡海と鳥取藩」『鳥取地域史研究』1 1999、pp.31-47
  • 「1910年韓国皇太子の来鳥前後」『鳥取地域史研究』2 2000、pp.66-72
  • 「近世における日本と朝鮮の自他認識ノート」『新しい歴史学のために』237 2000、pp.10-20
  • 「朝鮮漂流民と五島」『MUSEUM KYUSHU』67 2000、pp.41-47
  • 「近世日本人のベトナム認識ノート」『日本・ベトナム関係を学ぶ人のために』世界思想社 2000、pp.3-17
  • 「竹島一件の再検討」『名古屋大学文学部研究論集』史学47 2001、pp.1-24
  • 「近世日本民衆の朝鮮認識」(韓国語)、『朝鮮時代韓日漂流民研究』(ソウル)2001、pp.143-151
  • 「「鮮人」考」『歴史の理論と教育』109 2001、pp.1-16
  • 「17-19世紀鬱陵島海域における生業と交流」『歴史学研究』756 2001、pp.23-32
  • 「異文化情報源としての漂流記」『日本海学の新世紀』2、角川書店 2002、pp.180-188
  • 「解体期冊封体制下の日朝交渉」『朝鮮史研究会論文集』41 2003、pp.5-26
  • 「「武威」の国」『開国と幕末の動乱』〈日本の時代史20〉吉川弘文館 2004、pp.197-230
  • 「鳥取藩領の鋳物師と真継家の支配」『鳥取地域史研究』6 2004、pp.15-27
  • 「大君の外交」『日本史講座』6、東京大学出版会 2005、pp.129-160
  • 「「大君」号の歴史的性格」『名古屋大学文学部研究論集』〈史学51〉2005、pp.1-22
  • 「前近代竹島の歴史学的研究序説」『青丘学術論集』25 2005、pp.145-184
  • 「日本の朝鮮通信使接待と徳川幕府財政」『歴史と境界』55、韓国・釜山慶南史学会 2005、pp.79-96
  • 「近世から近代に到る竹島(鬱陵島)認識について」『日本海域歴史大系』〈第4巻・近世編Ⅰ〉清文堂出版 2005、pp.45-69
  • 「「鎖国」下の密貿易と環日本海の港町」『港町と海域世界』〈港町の世界史①〉青木書店 2005、pp.49-74
  • 「大君外交論ノート」『歴史の理論と教育』122・123合併号 2006、pp.15-28
  • 「「竹島/独島=固有の領土」論の陥穽」『RATIO』2、講談社 2006、pp.74-95
  • 「近世日本の西北境界」『史林』90巻1号 2007、pp.123-146
  • 「隠岐・村上家文書と安龍福事件」『鳥取地域史研究』9号 2007、pp.3-16
  • 「安龍福と鳥取藩」『鳥取地域史研究』10号 2008、pp.17-29
  • 「以酊庵輪番制考」『歴史の理論と教育』129・130合併号 2008、pp.47-63
  • 「安龍福英雄伝説の形成・ノート」『名古屋大学文学部研究論集』〈史学55〉2009、pp.1-18
  • 「朝鮮通信使延聘交渉と梅荘顕常」『日朝交流と相克の歴史』校倉書房 2009、pp.283-297
  • 「竹島/独島と石島の比定問題・ノート」『HERSETEC』4-2 2010、pp.1-9
  • 「竹島/独島論争とは何か」『歴史評論』733 2011、pp.19-34
  • 「以酊庵輪番制と東向寺輪番制」『九州史学』163 2012、pp.4-22
  • 「以酊庵輪番制廃止論議」『名古屋大学文学部研究論集』史学58 2013、pp.199-224
  • 「竹島領有権の歴史的事実にかかわる政府見解について」『日本史研究』622 2014、pp.69-82
  • 「漂流と送還」『岩波講座日本歴史』20巻 2014、pp.191-213
  • 「梅荘顕常と朝鮮」『JunCture 超域的日本文化研究』5 2014、pp.38-49
  • 「「竹島は日本固有の領土である」論」『歴史評論』785 2015、pp.79-93
  • 「「海図」「水路誌」と竹島問題」『名古屋大学付属図書館研究年報』12巻 2015、pp.9-23
  • 「「国境」未満」『日本史研究』630 2015、pp.4-23
  • 「訳官使考」『名古屋大学文学部研究論集』史学62 2016、pp.125-147
  • 「細井肇の和訳『海游録』:大正期日本人の朝鮮観分析をめぐる断章」『JunCture 超域的日本文化研究』7 2016、pp.68-75
  • 「日本外務省による大谷家文書調査」『名古屋大学付属図書館研究年報』13巻 2016、pp.29-41
  • 「十八世紀対馬における日朝交流 享保十九年訳官使の事例」『名古屋大学文学部研究論集』史学63 2017、pp.89-115
  • 「独島の活用実態と領有権」『独島研究』23、嶺南大学校独島研究所(韓国)2017、pp.265-281
  • 「訳官使の接待空間」『HERITEX』2、名古屋大学人文学研究科附属人類文化遺産テクスト学研究センター 2017、pp.34-48
  • 「「非領国」地域としての近世三河」『愛知県史研究』23、「愛知県史研究」編集委員会、愛知県総務部法務文書課編 2019、pp.96-99
  • 「「柳川一件」考」『歴史の理論と教育』152、名古屋歴史科学研究会 2019、pp.19-42
  • 「十七世紀竹島漁業史のために」『名古屋大学人文学研究論集』2 2019、pp.351-369
  • 「「老中の内意」考:幕府は竹島漁業を公認・許諾したか」『日本史研究』682、日本史研究会 2019、pp.57-71

参考リンク

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