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根二乗平均速度(こんにじょうへいきんそくど、英: root-mean-square speed)とは、速度の絶対値の二乗平均平方根、すなわち速度の大きさの二乗 v 2 の統計集団平均 の平方根 である。
ここで速度 v の大きさ v は v の内積によって定められる。
根二乗平均速度は気体分子運動論などの議論において現れる。
速度の分散 は速度の平均 と速度の二乗平均 を用いて以下のように書き表すことができる。
もしも速度の平均 が 0 ならば、二乗平均 は分散と一致する。
このとき根二乗平均速度 は速度のゆらぎの大きさ に等しい。
従って根二乗平均速度から、巨視的な流れがないような系において、熱的なゆらぎに起因する速度の大きさを評価することができる。
気体分子運動論における、単原子分子の二乗平均速度は次のように表される。
ここで、R ≈ 8.314 J/(K · mol) は気体定数、T は熱力学温度、M は分子量である。
ボルツマン定数 k B ≈ 1.381 × 10-23 J/K とアヴォガドロ定数 N A ≈ 6.022 × 1023 /mol, および分子質量 m を用いると、ボルツマン定数と分子量の定義より、
という関係が成り立つので、以下のように書き直される。
この関係から直ちに、1 単原子分子が持つ平均の運動エネルギーは温度に比例することが分かる。
単原子分子の理想気体の内部エネルギー U (T ) は以下の関係を満たす。
ここで n は系のモル数である。これをボルツマン定数 k B と気体分子の個数 N を用いて書き直せば、n = N/N A なので、
となる。理想気体の持つエネルギーは気体分子の持つエネルギーの総和に等しく、気体分子の持つエネルギーは運動エネルギーのみなので、次の関係を満たす。
(2), (3) の右辺同士を比較すれば、
より、根二乗平均速度と温度の関係式が得られる。