新前橋運輸区
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新前橋運輸区(しんまえばしうんゆく)は、群馬県前橋市にかつて存在した東日本旅客鉄道(JR東日本)高崎支社の運転士・車掌が所属する組織である。現在は前橋統括センターに再編されている。
概要
[編集]新前橋運輸区は、高崎支社管内の路線の運行列車を担当する乗務員組織で、旧・新前橋電車区の運用範囲(主に両毛線・吾妻線全線など)を引き継いでいる。国鉄時代には、上越線石打、信越本線長野までの乗務があった[1][2]。
現名称になったのは、2005年(平成17年)12月10日に高崎車掌区の一部と新前橋電車区運転部門が統合してからである[3][4][5]。
沿革
[編集]1956年(昭和31年)11月15日に高崎第二機関区に設置された電車検修・運転部門を源流とし[3][6]、同月19日のダイヤ改正に伴い80系36両が配置されたことを機に業務を開始した[1][6][7]。1958年(昭和33年)4月1日には新前橋駅に隣接して高崎第二機関区新前橋派出所が新設され[3][8]、同月15日に高崎第二機関区電車検修・運転部門が新前橋派出所に移転[1][6][注 1]、1959年(昭和34年)4月20日に新前橋電車区として独立した[1][3][6][7][10]。
高崎地区の一大電車基地となった新前橋電車区は、1962年(昭和37年)6月10日の特急「とき」および1966年(昭和41年)10月1日の特急「あさま」の運行開始(乗務員が新潟および長野へ乗り入れ)[1]、1967年(昭和42年)6月10日の長野原線(現・吾妻線)渋川 - 長野原間の電化[11]および1968年(昭和43年)9月1日の両毛線の全線電化[注 2]を経て乗務範囲を拡大させていった[1]。
1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化では東日本旅客鉄道に継承され、管轄組織も高崎鉄道管理局から東京圏運行本部高崎運行部へと変わった[12]。1988年(昭和63年)4月1日に管轄組織改正により、東京圏運行本部高崎運行部が高崎支社に改称[12]、本区は同支社の管轄となる。その後、2005年(平成17年)12月10日に新前橋電車区が運転部門と検修部門とに分割され、運転部門は高崎車掌区の一部と統合して新前橋運輸区となった[3][4][5]。なお、検修部門は高崎車両センターとなっている。
2024年(令和6年)3月16日、組織改編によって新前橋運輸区が廃止され、前橋統括センターの一部となった。
年表
[編集]- 1956年(昭和31年)11月
- 1958年(昭和33年)4月
- 1959年(昭和34年)4月20日 - 高崎第二機関区新前橋派出所が新前橋電車区として独立[1][7][6][10]。
- 1962年(昭和37年)6月10日 - 特急「とき」の運行開始伴い、乗務を担当[1]。
- 1966年(昭和41年)10月1日 - 特急「あさま」の運行開始に伴い、乗務を長野まで担当。同時に乗務員の新潟への乗り入れを開始[1]。
- 1967年(昭和42年)6月10日 - 長野原線(現・吾妻線)渋川駅 - 長野原駅間の電化[11]に伴い、長野原線の乗務を担当[1]。
- 1968年(昭和43年)9月1日 - 両毛線の全線電化[注 2]に伴い、両毛線全線の乗務を担当[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が発足、高崎鉄道管理局から東京圏運行本部高崎運行部に移管[12]。
- 1988年(昭和63年)4月1日 - 東京圏運行本部高崎運行部が高崎支社に改称[12]、本区は同支社の管轄となる。
- 2005年(平成17年)12月10日 - 高崎車掌区の一部と新前橋電車区運転部門が統合、新前橋運輸区として発足[3][4][5]。
- 2024年(令和6年)3月16日 - 新前橋運輸区廃止。前橋統括センター 乗務ユニットとなる。
運転士乗務範囲
[編集]- 東北本線(宇都宮線):上野 - 東大宮操車場間
- 高崎線:大宮 - 高崎間
- 上越線:高崎 - 水上間
- 両毛線:新前橋 - 小山間
- 吾妻線:渋川 - 大前間
- 山手・東北貨物線(湘南新宿ライン):新宿 - 大宮間
車掌乗務範囲
[編集]- 普通列車
- 高崎線:上野 - 高崎間
- 上越線:高崎 - 水上間
- 両毛線:新前橋 - 小山間
- 吾妻線:渋川 - 大前間
- 湘南新宿ライン:新宿 - 大宮間
- 優等列車
- 臨時列車
- 特急水上:上野 -水上間
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内 武内浩一(東日本旅客鉄道㈱新前橋電車区副区長)著 新前橋電車区の概要 p.41
- ^ a b c 「国鉄電車関係業務一覧表」『復刻版 国鉄電車編成表 86年版』ジェー・アール・アール、2017年6月1日、160頁。ISBN 978-4-330-79517-1。
- ^ a b c d e f 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2016年5月号 解説:結解学 シリーズ車両基地 2016 Vol.30「JR東日本 高崎車両センター」pp.62 - 63
- ^ a b c ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2023夏 「高崎車両センター 高タカ」交通新聞社、2023年、p.57 ISBN 978-4-330-02423-3
- ^ a b c ジェー・アール・アル編 (2023). “JR現業機関一覧表” (日本語). JR気動車客車編成表 2023. 交通新聞社. p. 222. ISBN 978-4-330-02623-7
- ^ a b c d e f g 朝日新聞出版編『空撮 JR車両基地』JR東日本高崎車両センター 朝日新聞出版、2015年、p.79、ISBN 978-4-02-331378-1
- ^ a b c d e 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内 (元国鉄首都圏本部運転調査室長)著 追憶 高崎線、東北本線近郊区間をめぐって p.12
- ^ a b 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内 三宅俊彦(鉄道友の会会員)著「ゆけむり」「あかぎ」「日光」「なすの」運転史 上野口中距離急行列車 運転の変遷 p.51
- ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 11号、24頁
- ^ a b 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2001年9月号「特集:JR高崎・宇都宮線」内 三宅俊彦(鉄道友の会会員)著「ゆけむり」「あかぎ」「日光」「なすの」運転史 上野口中距離急行列車 運転の変遷 p.52
- ^ a b 宮脇俊三・原田勝正編『全線全駅鉄道の旅』6 中央・上信越JR私鉄2200キロ、小学館、1991年、p.206
- ^ a b c d ジェー・アール・アル編 (2023). “JR現業機関一覧表” (日本語). JR気動車客車編成表 2023. 交通新聞社. p. 223. ISBN 978-4-330-02623-7