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奪取

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
奪取
著者 真保裕一
発行日 1996年8月
発行元 講談社
ジャンル サスペンス
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 526
コード ISBN 978-4-06-208282-2
ウィキポータル 文学
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奪取』(だっしゅ)は、真保裕一の長編小説。

東京中日スポーツ』他に『夢の工房』(後に発売される同名のエッセイ集とは異なる)のタイトルで1994年11月7日から1995年8月2日まで掲載された[注 1]ものを加筆訂正・改題し、講談社から1996年8月に単行本として刊行された[1]。1999年5月に講談社文庫版が上下巻で刊行された[2][3]

友人が作った1260万円の借金を返すため、偽札作りに挑む主人公を描く。

新聞連載版と単行本化されたものとでは、話が変わっている。

受賞

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あらすじ

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全3部構成で、各部ごとに主人公の名前が変わっている。

第1部 手塚道郎編

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手塚道郎、22歳、無職。友人の西嶋雅人がヤクザにはめられ作ってしまった1260万の借金を返済するために、2人は偽札作りに挑む。ATMから紙幣判別機を奪取し、機械にのみ通用する偽札を作りあげるが、その一部始終をヤクザに嗅ぎつかれてしまう。途中で知り合った水田鉱一という老人に道郎は助けられるが、雅人を警察に売る。

第2部 保坂仁史編

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裏の手段で保坂仁史という名前に変えた道郎は、水田とその知り合いの女子中学生・幸緒に本格的な偽札作りのノウハウを教え込まれる。印刷会社に就職した仁史は偽札作りを進めていくうち、幸緒の印刷会社の乗っ取りや突如消えた水田の消息に、雅人の借金相手のヤクザが関わっていることを知る。ヤクザとの受け渡しの際、水田の救出に失敗する。

第3部 鶴見良輔編

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再び名前を変えた鶴見良輔こと道郎は、刑期を終えた真鍋宏英こと雅人、大学に進学した幸緒と再会し、ともに帝都銀行と東建興業への復讐を誓い、完璧な偽札を作る。

エピローグ

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著者の真保裕一を絡めたエピソードが収録されている。

書籍情報

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脚注

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注釈

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  1. ^ 東京中日スポーツ(1994年11月7日から1995年8月2日)、北日本新聞、岐阜新聞、中国新聞、新日本海新聞、苦小牧民報、デーリー東北新聞他に掲載された[1]

出典

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  1. ^ a b c d e 『奪取』(真保 裕一)”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2025年3月20日閲覧。
  2. ^ a b 『奪取(上)』(真保 裕一):講談社文庫”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2025年3月20日閲覧。
  3. ^ a b 『奪取(下)』(真保 裕一):講談社文庫”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2025年3月20日閲覧。