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六角数(ろっかくすう、hexagonal number)とは多角数の一種で、正六角形の形に点を下図のように並べたとき、図に含まれる点の総数にあたる自然数である。六角数は無数にあり、そのなかでは1が最も小さい。4で割ると1余る整数を1から小さい順に加えた数と定義してもよい。
- 例:6 = 1 + 5 、15 = 1 + 5 + 9 、120 = 1 + 5 + 9 + 13 + 17 + 21 + 25 + 29
n番目の六角数を Hn とすると上図より
- H1 = 1 , Hn+1 = Hn + 4n + 1
が導かれる。よって六角数の式は
![{\displaystyle H_{n}=H_{1}+\sum _{k=1}^{n-1}(4k+1)=n(2n-1)\quad (n\geqq 2)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/03bfc16e7c25a44723f1b5838e8260cfb126ab54)
これは n = 1 のときも成り立つ。六角数を小さいものから順に列記すると
- 1, 6, 15, 28, 45, 66, 91, 120, 153, 190, 231, 276, 325, 378, 435, 496, 561, 630, 703, 780, 861, 946, …(オンライン整数列大辞典の数列 A384)
となる。
n 番目の六角数は 2n − 1 番目(すなわち奇数番目)の三角数に等しい。ゆえに全ての六角数は三角数でもある。
また偶数の完全数は全て奇数番目の三角数でもあるので、知られている完全数は全て六角数でもあり、全て 4n − 1 番目の三角数でもあるので偶数の六角数(偶数番目の六角数と言っても同じ)に限られる。この偶数の六角数は 2n(4n − 1) で表すことができる。具体的には
- 6, 28, 66, 120, 190, 276, 378, 496, 630, 780, 946,…である。(オンライン整数列大辞典の数列 A014635)
六角数は1から順に奇数と偶数が交互に現れる。また1以外の六角数は全て合成数である。
全ての自然数は高々6つの六角数の和で表すことができる(→多角数定理)。
ただし1791よりも大きな自然数は4つの六角数の和で表すことができ、十分に大きい自然数は3つの六角数の和で表すことができる。6つの六角数が必要な数は11と26の二つのみで次のような和の形で表される。
- 11 = 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 6 、26 = 1 + 1 + 6 + 6 + 6 + 6
六角数の逆数の総和は以下のようになる。lnは自然対数とする。
![{\displaystyle {\begin{aligned}\sum _{k=1}^{\infty }{\frac {1}{k(2k-1)}}&=\lim _{n\to \infty }2\sum _{k=1}^{n}\left({\frac {1}{2k-1}}-{\frac {1}{2k}}\right)\\&=\lim _{n\to \infty }2\sum _{k=1}^{n}\left({\frac {1}{2k-1}}+{\frac {1}{2k}}-{\frac {1}{k}}\right)\\&=2\lim _{n\to \infty }\left(\sum _{k=1}^{2n}{\frac {1}{k}}-\sum _{k=1}^{n}{\frac {1}{k}}\right)\\&=2\lim _{n\to \infty }\sum _{k=1}^{n}{\frac {1}{n+k}}\\&=2\lim _{n\to \infty }{\frac {1}{n}}\sum _{k=1}^{n}{\frac {1}{1+{\frac {k}{n}}}}\\&=2\int _{0}^{1}{\frac {1}{1+x}}dx\\&=2[\ln(1+x)]_{0}^{1}\\&=2\ln {2}\\&\approx {1.386294}\cdots \\\end{aligned}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/50569fe3737019128754a49f2114ffbf195c7e69)