ルージュの伝言
「ルージュの伝言」 | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
荒井由実 の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『COBALT HOUR』 | ||||||||||||||||
B面 | 何もきかないで | |||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||
規格 | 7インチシングル盤 | |||||||||||||||
録音 |
1975年 日本 | |||||||||||||||
ジャンル | ニューミュージック | |||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | EXPRESS | |||||||||||||||
作詞・作曲 | 荒井由実 | |||||||||||||||
プロデュース | 村井邦彦 | |||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
荒井由実 シングル 年表 | ||||||||||||||||
| ||||||||||||||||
|
『ルージュの伝言』(ルージュのでんごん)は、荒井由実(現:松任谷由実)の5枚目のシングル。1975年2月20日に東芝EMIからリリースされた。規格品番:ETP-20107。
1989年12月21日にアルファレコードよりCDシングルとして再リリースされた[2]。
解説
[編集]同年6月20日に発売された3枚目のオリジナルアルバム『COBALT HOUR』のA面5曲目(CDでは5曲目)に収録されている。なお、1983年1月31日、角川書店から発売された松任谷由実の自伝のタイトルも『ルージュの伝言』である。矢沢永吉の最初の妻との夫婦喧嘩をモデルに歌詞が書かれた[3]。楽曲がリリースされた前年1974年9月に、ユーミンと矢沢が当時在籍したキャロル、サディスティック・ミカ・バンド、オフコース、BUZZの5組でツアーを回った際に、ユーミンと矢沢は意気投合したといわれる[3]。
1989年に公開されたジブリ映画『魔女の宅急便』のオープニングテーマソングに使用されており[4][5]、「アニメソング」「ジブリソング」としてカバーされることも多い[4]。また、同作のエンディングテーマは同じく松任谷の「やさしさに包まれたなら」である。
表題曲にはコーラスとして山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子が参加している[6]。編曲を担当した松任谷正隆は、「ツアーバンドのメンバーたちに『たまにはレコーディングに参加させて欲しい』という要求が出され、OKしたものの、演奏のクオリティはいつもと比べると劣ってたので、手ごたえがなかったものになった。その後、ストリングスを加えるといったこともしたが、感覚としては60点という出来で、このままレコードにはできないと思った。その後、山下(達郎)は(吉田)美奈子とター坊(大貫さん)と伊集加代子さんを集めてコーラスをつくってくれた。あれで抜群のアメリカン・ポップになりました。だから、『ルージュの伝言』に関しては、山下の力がすごく大きい。結果的に由実さんのポップ・シンガー路線を開拓してくれた」と、山下への賛辞を述べている[6][7]。
1992年9月21日発売の「YUMING COLLECTION」(規格品番:ALCA-375〜377)にオリジナル・カラオケが収録、発売されたが、元来ドラムスのフェイド・インで始まるのに対し発売されたオリジナル・カラオケではイントロが編集でカットされ、2小節分のみが収録されている[8]。
「何もきかないで」は、ヘ長調のミドルロッカバラード[9]。4⁄4拍子で記譜すると三連符を多用せねばならないため、12⁄8拍子で記譜されることもある。
オリコンチャートの登場週数は16週、チャート最高順位は週間45位、累計6.9万枚のセールスを記録した[1]。
2010年にはサントリーウーロン茶プレミアムクリアのCMソングに使用された[10]。
2013年にはサントリーオールフリーのCMソングに使用された[11]。
2019年にはロッテガーナチョコレート「今日も赤チョコよろしくね篇」のCMソングに使用された[12]。
2020年には福助『満足』のCMソングに使用された[13]。
2022年には映画『すずめの戸締まり』(新海誠監督)の挿入歌に使用された。
収録曲
[編集]- Side A : ルージュの伝言 -Lipstick Message-[14]
- Side B : 何もきかないで -Don't Ask Me Anything-
- 作詞・作曲:荒井由実 編曲:松任谷正隆
参加ミュージシャン
[編集]カバー
[編集]- ルージュの伝言
-
- 1975年 - 岡崎友紀(アルバム『私の好きな歌』収録)
- 1976年 - 手塚さとみ(アルバム『15才の肖像』収録)
- 1982年 - 川島なお美(アルバム『ハロー!』収録)
- 1987年 - 高井麻巳子(ライブビデオ『First Concert DO・RA・MA』収録)
- 1990年 - A.S.A.P.(アルバム『GRADUATION』収録)
- 1991年 - キャロル・セラ(アルバム『MESSAGE EN ROUGE』収録)
- 1991年 - ベベウ・ジルベルト(アルバム『DE TARDE, VENDO O MAR』収録)
- 2007年 - 松澤由美(アルバム『アニカペラ』収録)
- 2008年 - セマ(アルバム『アカペラジブリ』収録)
- 2008年 - DE DE MOUSE(ミニアルバム『DOWN TOWN』収録)
- 2008年 - aya(オムニバスアルバム『ジブリ my sweet』収録)
- 2008年 - つじあやの(アルバム『COVER GIRL2』収録)
- 2009年 - Dizzi Mystica feat.CAMRY(オムニバスアルバム『R25 SPEED アニメトランス BEST 3』収録)
- 2009年 - ダウト(アルバム『登龍門』収録)
- 2010年 - 田代さやか×真保☆タイディスコ(オムニバスアルバム『キラキラ 魔女ッ娘 Cluv』収録)
- 2010年 - こやまきみこ(オムニバスアルバム『オオカミさんと七人の仲間たち オトギソングス BEST10』収録)
- 2010年 - メイヤ(アルバム『アニメイヤ〜ジブリ・ソングス』収録)
- 2010年 - 原由実、沼倉愛美、今井麻美 (アルバム『THE IDOLM@STER STATION!!! SECOND TRAVEL 〜Seaside Date〜』収録)
- 2011年 - 竹仲絵里(アルバム『記憶の森のジブリ』収録)
- 2011年 - 沢城みゆき(『デュラララ!! vol.12 カバーソングコレクション』 収録)
- 2011年 - 柴咲コウ(アルバム『CIRCLE CYCLE』収録)
- 2011年 - 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団(オムニバスアルバム『VELVET SONGS』収録)
- 2011年 - Dr.Production(アルバム『LOVE SONG FOR YOU 2』収録)
- 2011年 - THE BOHEMIANS(オムニバスアルバム『果てしなきグラムロック歌謡の世界』収録)
- 2012年 - Imaginary Flying Machines(トリビュートアルバム『Princess Ghibli II』収録)
- 2013年 - かせきさいだぁ (アルバム『かせきさいだぁのアニソング!! バケイション!』収録)
- 2013年 - 美吉田月 (アルバム「Ska Flowers LoversジブリSongs」収録)
- 2018年 - 島津亜矢(アルバム『SINGER 5』収録)
- 2019年 - まちだガールズクワイア(アルバム『MGC CLASSICS Vol.2』収録)
- 2019年 - 西田あい(アルバム『アイランド・ソングス ~私の好きな愛の唄~』収録)
- 2023年 - The Biscats (アルバム『J-BOP SUMMER』収録)
- 2023年 - 木村カエラ (トリビュートアルバム『ジブリをうたう』収録)
- 何もきかないで
-
- 1975年 - 岡崎友紀(アルバム『私の好きな歌』収録)
- 1991年 - ベベウ・ジルベルト(アルバム『DE TARDE, VENDO O MAR』収録)
テレビドラマ
[編集]1991年4月3日から9月25日にTBSで深夜に放送されたドラマ『ルージュの伝言』は、松任谷由実の楽曲26曲について、それぞれ曲のイメージから脚本を書き、ドラマ化したものである[15]。半分ほどを森一弘が演出。23分程度の一話完結。
サブタイトル
[編集](I)(II)は収録VHSビデオソフトの巻
- VOL.1「ガールフレンズ」(4月3日放送)(II)
- VOL.2「天国のドア」(4月10日放送)
- VOL.3「卒業写真」(4月17日放送)
- VOL.4「Love Wars」(4月24日放送)
- VOL.5「最後の春休み」(5月1日放送)(I)
- VOL.6「真珠のピアス」(5月8日放送)
- VOL.7「中央フリーウェイ」(5月15日放送)(I)
- VOL.8「リフレインが叫んでる」(5月22日放送)
- VOL.9「GOOD LUCK AND GOOD BYE」(5月29日放送)(II)
- VOL.10「Miss BROADCAST」(6月5日放送)
- VOL.11「月夜のロケット花火」(6月12日放送)(II)
- VOL.12「メトロポリスの片隅で」(6月19日放送)
- VOL.13「魔法のくすり」(6月26日放送)
- VOL.14「冷たい雨」(7月3日放送)
- VOL.15「ANNIVERSARY」(7月10日放送)
- VOL.16「雨の街を」(7月17日放送)
- VOL.17「14番目の月」(7月24日放送)(I)
- VOL.18「ルージュの伝言」(7月31日放送)
- VOL.19「DESTINY」(8月7日放送)
- VOL.20「ノーサイド」(8月14日放送)
- VOL.21「SWEET DREAMS」(8月21日放送)
- VOL.22「ESPER」(8月28日放送)(II)
- VOL.23「5cmの向こう岸」(9月4日放送)(I)
- VOL.24「残暑」(9月11日放送)
- VOL.25「埠頭を渡る風」(9月18日放送)
- VOL.26「CHINESE SOUP」(9月25日放送)
「ユーミン・ドラマブックス」
[編集]放送終了翌月の1991年10月11日、単発ドラマ「ユーミン・ドラマブックス」が、同じTBS系列の「秋のドラマスペシャル」として放送された[17]。3話のオムニバスで1話30分ほど。プロデューサーや演出家・脚本家は「ルージュの伝言」に携わっていた者が多い。
- 「やさしさに包まれたなら」
- 「リフレインが叫んでる」
- 「ノーサイド」
脚注・出典
[編集]- ^ a b 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版):1968 - 2010』オリコン・エンタテインメント、2012年2月、731頁。ISBN 978-4-87131-088-8。
- ^ “ルージュの伝言”. ORICON NEWS. 2023年4月1日閲覧。
- ^ a b 細田昌志「第五章 矢沢永吉の場合 『ルージュの伝言』は矢沢がモデル」『ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか?』イースト・プレス〈イースト新書〉、2017年、180–187頁。ISBN 9784781650920。
- ^ a b “柴咲コウ、ユーミン名曲「ルージュの伝言」をカバー”. 映画.com. (2010年10月7日) 2017年12月31日閲覧。
- ^ “松任谷由実、ジブリ新作の主題歌オファー!? 喜びを爆発!”. シネマトゥデイ. (2012年12月9日) 2017年12月31日閲覧。
- ^ a b c “山下達郎はなぜ「ルージュの伝言」でコーラスをつとめたのか”. デイリー新潮 (SHINCHOSHA). (2016年11月15日) 2017年12月31日閲覧。
- ^ 『僕の音楽キャリア全部話します』松任谷正隆、新潮社、2016年10月31日、ISBN-10: 4103504811、ISBN-13: 978-4103504818、71-72頁。
- ^ 1992年9月21日発売「YUMING COLLECTION」 規格品番:ALCA-375〜377(ASIN:B000UV2JT4/EAN:4988024011041)収録。
- ^ “松任谷由実/東京国際フォーラム ホールA”. ロッキンオンジャパン. (2017年9月22日) 2017年12月31日閲覧。
- ^ “サントリー「サントリーウーロン茶プレミアムクリア」のテレビCMソングに「ルージュの伝言」が決定!”. Yumi Matsutoya Official Site 松任谷由実 オフィシャルサイト (2010年7月13日). 2021年2月3日閲覧。
- ^ “サントリー「ALL- FREE」TV CM曲に『ルージュの伝言』”. Yumi Matsutoya Official Site 松任谷由実 オフィシャルサイト (2013年4月27日). 2021年2月3日閲覧。
- ^ 「今日も赤チョコよろしくね篇」(30秒)|CM情報 「今日も赤チョコよろしくね篇」(15秒)|CM情報、ロッテ - 2019年5月10日閲覧。
- ^ “2020年春夏『満足』が大型リニューアル”. 福助株式会社 (2019年10月30日). 2021年2月3日閲覧。
- ^ 配信を機に本人監修のもと全曲英語表記が公式に発表された。https://music.apple.com/us/album/lipstick-message-rouge-no-dengon-single/1436009774
- ^ 『ルージュの伝言』(テレビドラマデータベース)
- ^ 児童文学作家の吉田桃子とは別人。「吉田桃子」(テレビドラマデータベース)
- ^ 『ユーミン・ドラマブックス』(テレビドラマデータベース)
外部リンク
[編集]- 松任谷由実オフィシャルサイトによる紹介ページ