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ボー・タカハシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボー・タカハシ
Bo Takahashi
埼玉西武ライオンズ #42
基本情報
国籍 ブラジルの旗 ブラジル
出身地 サンパウロ州プレジデンチ・プルデンチ英語版
生年月日 (1997-01-23) 1997年1月23日(27歳)
身長
体重
183 cm
100 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2013年 アマチュアFA
初出場 KBO / 2021年9月25日
NPB / 2022年4月2日
年俸 3500万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ブラジルの旗 ブラジル
WBC 2017年予選

ボー・タカハシ(本名:ロドリゴ・ヒトシ・カイモチ・タカハシ[2]〈Rodrigo Hitoshi Kaimoti "Bo" Takahashi〉、1997年1月23日 - )は、ブラジルサンパウロ州プレジデンチ・プルデンチ英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。

KBOリーグ初のブラジル人選手。

経歴

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プロ入りとダイヤモンドバックス傘下時代

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2013年12月23日、アングロ・プルテンチーノ高校在学中に16歳でアリゾナ・ダイヤモンドバックスとアマチュア・フリーエージェント契約[3]

2014年5月16日、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・ダイヤモンドバックスと契約してプロデビュー。10試合(4先発)の登板で3勝4敗・防御率4.39を記録した[4]

2015年パイオニアリーグのルーキー級ミズーラ・オスプレイ英語版でプレーし、15試合の先発登板で8勝1敗・防御率4.66を記録した[4]

2016年はA-級ヒルズボロ・ホップス英語版、A級ケーンカウンティ・クーガーズ、A+級バイセイリア・ローハイドでプレー。3球団合計で19試合(17先発)に登板し、6勝4敗・防御率2.81を記録した[4]。オフには第4回WBCブラジル代表に選出されたが[5]、チームは予選で敗退して本大会進出はならなかった。

2017年はA級ケーンカウンティとA+級バイセイリアでプレー。2球団合計で24試合に先発登板し、7勝12敗・防御率5.14を記録した[4]

2018年はA+級バイセイリアとAA級ジャクソン・ジェネラルズでプレー。バイセイリアでは47回2/3で53奪三振、ジャクソンでは73回で77奪三振とキャリアで初めてイニング数を上回る三振を奪い、この年は2球団合計で23試合に先発登板し、6勝6敗・防御率4.03を記録した[4]。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、ソルトリバー・ラフターズ英語版に所属した。オフの11月20日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[6]

2019年はAA級ジャクソンでプレーし、23試合の先発登板で9勝7敗・防御率3.72を記録した[4]。なお、8月18日にメジャー初昇格を果たしたが[7]、登板機会が無いまま同20日にAA級ジャクソンへ降格した[8]

2020年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグが全試合中止となり[9]、メジャーでの登板も無かった。10月27日にマイナー契約となり、AAA級リノ・エーシズへ送られ[10]、11月2日にFAとなった[4]

レッズ傘下時代

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ルイビル・バッツ時代 (2020年)

2020年12月18日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、2021年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[11]。開幕後はAAA級ルイビル・バッツに所属し、18試合(17先発)の登板で3勝7敗・防御率4.45、89回を投げて89奪三振という成績だった[4]

起亜時代

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2021年8月26日にKBOリーグ起亜タイガースと契約したことが発表され[12]、KBOでは初となるブラジル国籍の選手となった。9月25日のSSGランダース戦でKBO初登板となり、4回無失点と好投すると[13]、続く10月1日のキウム・ヒーローズ戦では6回無失点の好投でKBO初勝利を挙げた[14]。ただ、その後は振るわずに移籍後は6試合の先発登板で1勝2敗・防御率4.18という成績だった。オフに起亜の保留選手リストに載せられたが、再契約が成立せずに退団となった[15]

西武時代

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2021年12月16日、埼玉西武ライオンズへの入団が発表された[16]。推定年俸2000万円の単年契約であり、背番号は42[1]。登録名はボー・タカハシ[注 1]、背ネームの表記はBOとなった。

2022年は新型コロナウイルスの影響で来日が3月13日と遅れ[5]イースタン・リーグで2試合の登板を経て[17][18]、4月1日に出場選手登録[19]。翌2日の千葉ロッテマリーンズ戦でNPB初登板となり、1イニングを無失点に抑えた[20]。その後は点差が開いた場面での登板が中心だったが、4月8日の福岡ソフトバンクホークス戦で失点を喫して[21]以降、交流戦終了まで11試合に登板して13イニング連続無失点を記録[22]。6月18日のオリックス・バファローズ戦でも1イニングを無失点に抑えたが[23]、続く同22日のロッテ戦では1回1失点で13試合ぶりの失点[24]。中14日で登板した7月7日のオリックス戦では2回3失点(自責点0)と2試合連続の失点となり[25]、翌8日に出場選手登録を抹消された[26]。ただ、公文克彦の発熱を受けて特例2022によってわずか1日で再登録となり[27]、7月23日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でNPB初ホールドを記録した[28]。8月にも特例2022により1日だけ出場選手登録を抹消され[29][30]、復帰後は2試合に登板し、いずれも無失点に抑えていたが[31][32]、離脱者が続々と復帰したチーム事情もあり[33][34]、9月8日に出場選手登録を抹消された[35]。その後の一軍昇格は果たせなかったが、この年はシーズンの多くを一軍で過ごし、27試合の登板で0勝0敗2ホールド・防御率2.56という成績を残した[36]。12月1日に西武との契約を更新したことが発表された[37]。推定年俸は3500万円[38]

2023年は5月3日に出場選手登録[39]。同5日のオリックス戦でシーズン初登板となり、2回1/3を無失点に抑えた[40]。その後は8月25日に出場選手登録を抹消され[41]、9月13日に再登録[42]。同25日に登録抹消となり[43]、シーズンを終えた。7月に3登板連続で2イニングを投げたことがあったなど[44][45][46]、この年は回跨ぎの登板が多く、28試合の登板で0勝1敗、36イニングを投げて防御率3.00を記録[47]。11月11日には西武との契約を更新したことが発表され、渡辺久信GMはボーの先発転向を明言した[48]。推定年俸は3500万円[49]

2024年は春先から好投を続け[50][51][52]、開幕ローテーション入りを果たした。4月4日のオリックス戦[53]でNPB初先発となり、3回表に捕逸が絡んで1点を失い[54]、0-1で迎えた6回表は一死二塁の場面で降板。後を受けた水上由伸が適時打を許し[55]、ボーは5回1/3を3安打2四球2奪三振2失点(自責点1)という内容で敗戦投手となった[54]。週5試合が続く変則日程もあって[56]翌5日に出場選手登録を抹消されたが[57]、二軍での調整登板を1試合経て[58]、4月25日のオリックス戦に先発。5回2/3を3安打2四死球3奪三振1失点という内容[59]でNPB初勝利を挙げた[60]。再び登板機会がないことから翌日に登録抹消となったが、5月7日のロッテ戦に先発[61]して以降は先発ローテーションの一角を担った。6月上旬にも登板間隔が空くことによる[62]登録抹消が一度ありながら[63]、交流戦終了時点では7試合に先発登板したが、計38イニング[64]で援護点はわずかに4[注 2]。さらには、記録に残らない外野守備のミスが絡む不運な失点もあり[67][68]、1勝5敗・防御率3.55という成績であった[64]。リーグ戦再開後は週5試合が続く変則日程に加え[69][70]、新型コロナウイルス感染で離脱していた武内夏暉が復帰するチーム事情もあり[71]、6月23日のオリックス戦では3点ビハインドの5回裏からシーズン初のリリーフ登板[72]。味方の失策もあり[73]、2回1失点(自責点0)であった[72]。その後は2試合に先発登板したが、白星は挙げられず[74][75]、7月15日のオリックス戦ではシーズン2度目のリリーフ登板。接戦時の継投に苦しむチーム事情があり[76][77][78]、ボーは1点リードの8回表を任され、1奪三振を含む3者凡退に抑えてシーズン初ホールドを挙げた[79]。その後はシーズン終了まで一軍のブルペンを支え、この年は33試合(9先発)の登板で2勝9敗7ホールド・防御率3.22を記録[80]

選手としての特徴

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左打者の内角にも果敢に攻め込む強気なピッチングが持ち味[81]。球種は最速153km/hを計測したストレート[82]を中心にスライダーカーブフォークチェンジアップツーシームを操る[81]

人物

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日本からの移民の祖父母を持つ日系ブラジル人3世である[83]。また、英語ポルトガル語ブラジルポルトガル語)、スペイン語を話すマルチリンガルであり、日本語も理解することはできる[84]。 なお、西武でのインタビューではスペイン語で答えている。

人懐っこい性格であり、西武入団後はチームのムードメーカーとなっている[85]

憧れの野球選手は松坂大輔[86]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2021 KIA 6 6 0 0 0 1 2 0 0 .333 142 32.1 36 3 9 0 4 42 3 0 17 15 4.18 1.39
2022 西武 27 0 0 0 0 0 0 0 2 ---- 133 31.2 19 2 15 0 7 26 1 0 14 9 2.56 1.07
2023 28 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 151 36.0 20 1 19 0 7 27 2 0 12 12 3.00 1.08
KBO:1年 6 6 0 0 0 1 2 0 0 .333 142 32.1 36 3 9 0 4 42 3 0 17 15 4.18 1.39
NPB:2年 55 0 0 0 0 0 1 0 2 .000 284 67.2 39 3 34 0 14 53 3 0 26 21 2.79 1.08
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手












2021 KIA 6 2 2 0 1 1.000
2022 西武 27 0 7 1 1 .875
2023 28 1 2 0 0 1.000
KBO 6 2 2 0 1 1.000
NPB 55 1 9 1 1 .909
  • 2023年度シーズン終了時

記録

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NPB

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初記録

背番号

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  • 36(2021年途中 - 同年終了)
  • 42(2022年 - )

登場曲

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  • 「Baianá」Bakermat(2022年、2023年途中 - )
  • 「Beat Festa em Ipanema - Funk」Sr. Nescau(2022年途中)
  • 兄弟船鳥羽一郎(2022年途中 - 同年終了)
  • 「Hey Brother」Avicii(2023年 - 同年途中)

代表歴

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脚注

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注釈

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  1. ^ MLB傘下時代や起亜タイガース時代はタカハシの名でプレーしており、本人は「日本に来て、みんなにもっと親近感をもってもらいたくて、ボーっていう名前を選びました。ニックネームですね」と話している[2]
  2. ^ 4月25日のオリックス戦で3点[65]、5月7日のロッテ戦で1点[66]、残りの5先発では援護点が無かった。

出典

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  1. ^ a b 西武 日系3世右腕のボー・タカハシ獲得 渡辺GM「リリーフとして考えている」」『スポーツニッポン』2021年12月17日。2022年1月6日閲覧
  2. ^ a b 西武「ボー」・タカハシの謎を解明 本名はロドリゴ・ヒトシ・カイモチ・タカハシです」『日刊スポーツ・プレミアム』2023年6月30日。2023年11月11日閲覧
  3. ^ Bo Takahashi is a Rawhide starting pitcher, but that's not all he knows」『Visalia Times-Delta』(英語)、2018年4月15日。2022年6月18日閲覧
  4. ^ a b c d e f g h Bo Takahashi Stats, Fantasy & News」『MiLB.com』(英語)。2022年6月18日閲覧
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  6. ^ Diamondbacks' Bo Takahashi: Added to 40-man」『CBS Sports』(英語)、2018年11月20日。2019年7月23日閲覧
  7. ^ Diamondbacks' Bo Takahashi: Recalled from Double-A」『CBS Sports』(英語)、2019年8月18日。2020年11月21日閲覧
  8. ^ D-backs recall INF Ildemaro Vargas, option RHP Bo Takahashi to Double-A」『Arizona Sports 98.7 FM』(英語)、2019年8月20日。2020年11月21日閲覧
  9. ^ マイナーリーグが全試合を中止 史上初めての措置」『Sponichi Annex』2020年7月1日。2022年6月18日閲覧
  10. ^ Connor Byrne「Diamondbacks Outright Silvino Bracho, Bo Takahashi」『MLB Trade Rumors』(英語)、2020年10月27日。2020年11月21日閲覧
  11. ^ Mark Sheldon「Reds add 3 pitchers with invites to camp」『MLB.com』(英語)、2020年12月21日。2021年1月11日閲覧
  12. ^ 日系ブラジル人投手タカハシが韓国プロ野球参戦!2017年WBCにも出場した経験豊富な24歳」『スポーツソウル日本版』2021年8月27日。2022年1月6日閲覧
  13. ^ KIA 다카하시, KBO 데뷔전 합격점…SSG전 4이닝 무실점」『뉴스1』(朝鮮語)、2021年9月25日。2022年6月18日閲覧
  14. ^ KIA 다카하시, 6이닝 무실점 역투로 한국 무대 첫 승」『연합뉴스』(朝鮮語)、2021年10月1日。2022年6月18日閲覧
  15. ^ 다카하시 보, KIA 떠나 日 세이부 입단」『MK스포츠』(朝鮮語)、2021年12月16日。2022年1月6日閲覧
  16. ^ 西武、新助っ人ボー・タカハシの獲得を発表 今季起亜でプレーしたブラジル人右腕」『Full-Count』2021年12月16日。2021年12月16日閲覧
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関連項目

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外部リンク

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