ボー・タカハシ
埼玉西武ライオンズ #42 | |
---|---|
2022年10月1日 読売ジャイアンツ球場 | |
基本情報 | |
国籍 | ブラジル |
出身地 | サンパウロ州プレジデンチ・プルデンチ |
生年月日 | 1997年1月23日(27歳) |
身長 体重 |
183 cm 100 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2013年 アマチュアFA |
初出場 |
KBO / 2021年9月25日 NPB / 2022年4月2日 |
年俸 | 3500万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
国際大会 | |
代表チーム | ブラジル |
WBC | 2017年予選 |
この表について
|
ボー・タカハシ(本名:ロドリゴ・ヒトシ・カイモチ・タカハシ[2]〈Rodrigo Hitoshi Kaimoti "Bo" Takahashi〉、1997年1月23日 - )は、ブラジル・サンパウロ州プレジデンチ・プルデンチ出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。
KBOリーグ初のブラジル人選手。
経歴
[編集]プロ入りとダイヤモンドバックス傘下時代
[編集]2013年12月23日、アングロ・プルテンチーノ高校在学中に16歳でアリゾナ・ダイヤモンドバックスとアマチュア・フリーエージェント契約[3]。
2014年5月16日、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・ダイヤモンドバックスと契約してプロデビュー。10試合(4先発)の登板で3勝4敗・防御率4.39を記録した[4]。
2015年はパイオニアリーグのルーキー級ミズーラ・オスプレイでプレーし、15試合の先発登板で8勝1敗・防御率4.66を記録した[4]。
2016年はA-級ヒルズボロ・ホップス、A級ケーンカウンティ・クーガーズ、A+級バイセイリア・ローハイドでプレー。3球団合計で19試合(17先発)に登板し、6勝4敗・防御率2.81を記録した[4]。オフには第4回WBCのブラジル代表に選出されたが[5]、チームは予選で敗退して本大会進出はならなかった。
2017年はA級ケーンカウンティとA+級バイセイリアでプレー。2球団合計で24試合に先発登板し、7勝12敗・防御率5.14を記録した[4]。
2018年はA+級バイセイリアとAA級ジャクソン・ジェネラルズでプレー。バイセイリアでは47回2/3で53奪三振、ジャクソンでは73回で77奪三振とキャリアで初めてイニング数を上回る三振を奪い、この年は2球団合計で23試合に先発登板し、6勝6敗・防御率4.03を記録した[4]。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、ソルトリバー・ラフターズに所属した。オフの11月20日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[6]。
2019年はAA級ジャクソンでプレーし、23試合の先発登板で9勝7敗・防御率3.72を記録した[4]。なお、8月18日にメジャー初昇格を果たしたが[7]、登板機会が無いまま同20日にAA級ジャクソンへ降格した[8]。
2020年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグが全試合中止となり[9]、メジャーでの登板も無かった。10月27日にマイナー契約となり、AAA級リノ・エーシズへ送られ[10]、11月2日にFAとなった[4]。
レッズ傘下時代
[編集]2020年12月18日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、2021年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[11]。開幕後はAAA級ルイビル・バッツに所属し、18試合(17先発)の登板で3勝7敗・防御率4.45、89回を投げて89奪三振という成績だった[4]。
起亜時代
[編集]2021年8月26日にKBOリーグの起亜タイガースと契約したことが発表され[12]、KBOでは初となるブラジル国籍の選手となった。9月25日のSSGランダース戦でKBO初登板となり、4回無失点と好投すると[13]、続く10月1日のキウム・ヒーローズ戦では6回無失点の好投でKBO初勝利を挙げた[14]。ただ、その後は振るわずに移籍後は6試合の先発登板で1勝2敗・防御率4.18という成績だった。オフに起亜の保留選手リストに載せられたが、再契約が成立せずに退団となった[15]。
西武時代
[編集]2021年12月16日、埼玉西武ライオンズへの入団が発表された[16]。推定年俸2000万円の単年契約であり、背番号は42[1]。登録名はボー・タカハシ[注 1]、背ネームの表記はBOとなった。
2022年は新型コロナウイルスの影響で来日が3月13日と遅れ[5]、イースタン・リーグで2試合の登板を経て[17][18]、4月1日に出場選手登録[19]。翌2日の千葉ロッテマリーンズ戦でNPB初登板となり、1イニングを無失点に抑えた[20]。その後は点差が開いた場面での登板が中心だったが、4月8日の福岡ソフトバンクホークス戦で失点を喫して[21]以降、交流戦終了まで11試合に登板して13イニング連続無失点を記録[22]。6月18日のオリックス・バファローズ戦でも1イニングを無失点に抑えたが[23]、続く同22日のロッテ戦では1回1失点で13試合ぶりの失点[24]。中14日で登板した7月7日のオリックス戦では2回3失点(自責点0)と2試合連続の失点となり[25]、翌8日に出場選手登録を抹消された[26]。ただ、公文克彦の発熱を受けて特例2022によってわずか1日で再登録となり[27]、7月23日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でNPB初ホールドを記録した[28]。8月にも特例2022により1日だけ出場選手登録を抹消され[29][30]、復帰後は2試合に登板し、いずれも無失点に抑えていたが[31][32]、離脱者が続々と復帰したチーム事情もあり[33][34]、9月8日に出場選手登録を抹消された[35]。その後の一軍昇格は果たせなかったが、この年はシーズンの多くを一軍で過ごし、27試合の登板で0勝0敗2ホールド・防御率2.56という成績を残した[36]。12月1日に西武との契約を更新したことが発表された[37]。推定年俸は3500万円[38]。
2023年は5月3日に出場選手登録[39]。同5日のオリックス戦でシーズン初登板となり、2回1/3を無失点に抑えた[40]。その後は8月25日に出場選手登録を抹消され[41]、9月13日に再登録[42]。同25日に登録抹消となり[43]、シーズンを終えた。7月に3登板連続で2イニングを投げたことがあったなど[44][45][46]、この年は回跨ぎの登板が多く、28試合の登板で0勝1敗、36イニングを投げて防御率3.00を記録[47]。11月11日には西武との契約を更新したことが発表され、渡辺久信GMはボーの先発転向を明言した[48]。推定年俸は3500万円[49]。
2024年は春先から好投を続け[50][51][52]、開幕ローテーション入りを果たした。4月4日のオリックス戦[53]でNPB初先発となり、3回表に捕逸が絡んで1点を失い[54]、0-1で迎えた6回表は一死二塁の場面で降板。後を受けた水上由伸が適時打を許し[55]、ボーは5回1/3を3安打2四球2奪三振2失点(自責点1)という内容で敗戦投手となった[54]。週5試合が続く変則日程もあって[56]翌5日に出場選手登録を抹消されたが[57]、二軍での調整登板を1試合経て[58]、4月25日のオリックス戦に先発。5回2/3を3安打2四死球3奪三振1失点という内容[59]でNPB初勝利を挙げた[60]。再び登板機会がないことから翌日に登録抹消となったが、5月7日のロッテ戦に先発[61]して以降は先発ローテーションの一角を担った。6月上旬にも登板間隔が空くことによる[62]登録抹消が一度ありながら[63]、交流戦終了時点では7試合に先発登板したが、計38イニング[64]で援護点はわずかに4[注 2]。さらには、記録に残らない外野守備のミスが絡む不運な失点もあり[67][68]、1勝5敗・防御率3.55という成績であった[64]。リーグ戦再開後は週5試合が続く変則日程に加え[69][70]、新型コロナウイルス感染で離脱していた武内夏暉が復帰するチーム事情もあり[71]、6月23日のオリックス戦では3点ビハインドの5回裏からシーズン初のリリーフ登板[72]。味方の失策もあり[73]、2回1失点(自責点0)であった[72]。その後は2試合に先発登板したが、白星は挙げられず[74][75]、7月15日のオリックス戦ではシーズン2度目のリリーフ登板。接戦時の継投に苦しむチーム事情があり[76][77][78]、ボーは1点リードの8回表を任され、1奪三振を含む3者凡退に抑えてシーズン初ホールドを挙げた[79]。その後はシーズン終了まで一軍のブルペンを支え、この年は33試合(9先発)の登板で2勝9敗7ホールド・防御率3.22を記録[80]。
選手としての特徴
[編集]左打者の内角にも果敢に攻め込む強気なピッチングが持ち味[81]。球種は最速153km/hを計測したストレート[82]を中心にスライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ・ツーシームを操る[81]。
人物
[編集]日本からの移民の祖父母を持つ日系ブラジル人3世である[83]。また、英語やポルトガル語(ブラジルポルトガル語)、スペイン語を話すマルチリンガルであり、日本語も理解することはできる[84]。 なお、西武でのインタビューではスペイン語で答えている。
人懐っこい性格であり、西武入団後はチームのムードメーカーとなっている[85]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | KIA | 6 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 142 | 32.1 | 36 | 3 | 9 | 0 | 4 | 42 | 3 | 0 | 17 | 15 | 4.18 | 1.39 |
2022 | 西武 | 27 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | ---- | 133 | 31.2 | 19 | 2 | 15 | 0 | 7 | 26 | 1 | 0 | 14 | 9 | 2.56 | 1.07 |
2023 | 28 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 151 | 36.0 | 20 | 1 | 19 | 0 | 7 | 27 | 2 | 0 | 12 | 12 | 3.00 | 1.08 | |
KBO:1年 | 6 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 142 | 32.1 | 36 | 3 | 9 | 0 | 4 | 42 | 3 | 0 | 17 | 15 | 4.18 | 1.39 | |
NPB:2年 | 55 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | .000 | 284 | 67.2 | 39 | 3 | 34 | 0 | 14 | 53 | 3 | 0 | 26 | 21 | 2.79 | 1.08 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2021 | KIA | 6 | 2 | 2 | 0 | 1 | 1.000 |
2022 | 西武 | 27 | 0 | 7 | 1 | 1 | .875 |
2023 | 28 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
KBO | 6 | 2 | 2 | 0 | 1 | 1.000 | |
NPB | 55 | 1 | 9 | 1 | 1 | .909 |
- 2023年度シーズン終了時
記録
[編集]NPB
[編集]- 初記録
- 初登板:2022年4月2日、対千葉ロッテマリーンズ2回戦(ZOZOマリンスタジアム)、8回裏に5番手で救援登板・完了、1回無失点[20]
- 初奪三振:2022年4月5日、対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(楽天生命パーク宮城)、6回裏に西川遥輝から見逃し三振
- 初ホールド:2022年7月23日、対東北楽天ゴールデンイーグルス16回戦(ベルーナドーム)、12回表に6番手で救援登板、2/3回無失点[28]
- 初先発登板:2024年4月4日、対オリックス・バファローズ3回戦(ベルーナドーム)、5回1/3 2失点(自責点1)で敗戦投手[54]
- 初勝利・初先発勝利:2024年4月25日、対オリックス・バファローズ6回戦(京セラドーム大阪)、5回2/3 1失点[59]
背番号
[編集]- 36(2021年途中 - 同年終了)
- 42(2022年 - )
登場曲
[編集]- 「Baianá」Bakermat(2022年、2023年途中 - )
- 「Beat Festa em Ipanema - Funk」Sr. Nescau(2022年途中)
- 「兄弟船」鳥羽一郎(2022年途中 - 同年終了)
- 「Hey Brother」Avicii(2023年 - 同年途中)
代表歴
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 「西武 日系3世右腕のボー・タカハシ獲得 渡辺GM「リリーフとして考えている」」『スポーツニッポン』2021年12月17日。2022年1月6日閲覧。
- ^ a b 「西武「ボー」・タカハシの謎を解明 本名はロドリゴ・ヒトシ・カイモチ・タカハシです」『日刊スポーツ・プレミアム』2023年6月30日。2023年11月11日閲覧。
- ^ 「Bo Takahashi is a Rawhide starting pitcher, but that's not all he knows」『Visalia Times-Delta』(英語)、2018年4月15日。2022年6月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「Bo Takahashi Stats, Fantasy & News」『MiLB.com』(英語)。2022年6月18日閲覧。
- ^ a b 「【西武】新外国人右腕のボーが来日」『スポーツ報知』2022年3月13日。2022年6月18日閲覧。
- ^ 「Diamondbacks' Bo Takahashi: Added to 40-man」『CBS Sports』(英語)、2018年11月20日。2019年7月23日閲覧。
- ^ 「Diamondbacks' Bo Takahashi: Recalled from Double-A」『CBS Sports』(英語)、2019年8月18日。2020年11月21日閲覧。
- ^ 「D-backs recall INF Ildemaro Vargas, option RHP Bo Takahashi to Double-A」『Arizona Sports 98.7 FM』(英語)、2019年8月20日。2020年11月21日閲覧。
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- ^ Connor Byrne「Diamondbacks Outright Silvino Bracho, Bo Takahashi」『MLB Trade Rumors』(英語)、2020年10月27日。2020年11月21日閲覧。
- ^ Mark Sheldon「Reds add 3 pitchers with invites to camp」『MLB.com』(英語)、2020年12月21日。2021年1月11日閲覧。
- ^ 「日系ブラジル人投手タカハシが韓国プロ野球参戦!2017年WBCにも出場した経験豊富な24歳」『スポーツソウル日本版』2021年8月27日。2022年1月6日閲覧。
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- ^ 「KIA 다카하시, 6이닝 무실점 역투로 한국 무대 첫 승」『연합뉴스』(朝鮮語)、2021年10月1日。2022年6月18日閲覧。
- ^ 「다카하시 보, KIA 떠나 日 세이부 입단」『MK스포츠』(朝鮮語)、2021年12月16日。2022年1月6日閲覧。
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- ^ 「【西武】増田達至1軍復帰 近しい人に新型コロナ陽性者も本人感染せず 10日経ずに再登録」『日刊スポーツ』2022年9月8日。2022年11月12日閲覧。
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- ^ Jose Romero「Brazil’s next hope: Bo Takahashi ready for the call」『La Vida Baseball』(英語)、2018年12月4日。2019年8月20日閲覧。
- ^ 「【西武】ボーがブラジルへ帰国」『スポーツ報知』2022年11月8日。2022年11月26日閲覧。
- ^ 「【西武】ボーが松坂大輔氏とのキャッチボールに感激「信じられない。夢がかなった」」『スポーツ報知』2023年2月13日。2024年3月6日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
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- 個人年度別成績 ボー・タカハシ - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Bo Takahashi stats MiLB.com
- 42 ボー・タカハシ 選手名鑑 - 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- Rodrigo Takahashi (@botakahashi) - Instagram