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ホープ (たばこ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホープ(10本入)。2014年のデザイン変更前のパッケージ

ホープ(HOPE)は、日本たばこ産業が製造・販売している紙巻たばこの銘柄の一つ。

ホープ(10本入)[注釈 1]は「ショートホープ」の愛称で親しまれているロングセラー製品である。ピースと同様に、戦前にも同名商品があった(1931年4月1日 - 1940年9月15日)が、現行ホープとの関連はない。

概要

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日本専売公社時代の1957年7月1日、ホープ(10本入)が国産初のフィルター付きたばことして発売された[1]。現在販売されている製品は全て10本入で小箱詰め。全長70ミリ・巻周26ミリの短く太い巻きが生み出す「吸いごたえ」や豊かな「煙量感」のある喫味が特徴である。

発売当時のキャッチコピーは『あなたの夢を生かした新しいたばこ』。後のホープ(10)の代表的キャッチフレーズは『芯からずぶとい』。ホープライトは 『ホープに火をつけて』、ホープメンソールは『SHORT IS GOOD』と『HPM』。スーパーライトは、『選ぼう!たのしも!』であった。

黄色種(糖分が多く甘い香りがする)を主体とした刻みに香料を添加したセミアメリカンブレンドと呼ばれる製品で、香料は蜂蜜シナモンの香りが用いられている[2]

パッケージ

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パッケージデザイン弓矢は、ローマ神話クピードー(キューピッド)の持つ弓矢をイメージしたものである。弓矢の色は銘柄によりホープ(10本入)は紺、ライトは赤、スーパーライトはモノトーン、メンソールは緑。

  • ホープ(10本入)のデザインは、発売開始当初に比べ、ロゴタイプの“HOPE”の文字は比率が小さく、セリフ部分などプロポーションが太く(1995年11月中旬にマイナーチェンジし、同時にタール/ニコチン値が15mg/1.3mgから14mg/1.2mgに変更された[3])なっている。他に注意文言などが挿入されているが、基本的には発売開始当初のイメージを保っていた。このパッケージデザインは塩塚四郎である[1]
  • ホープ・ライトに関しても発売当時はホープ(10本入)と異なるデザインが採用されていたが[4]、1995年11月のホープ(10本入)のマイナーチェンジ時にデザインを統一[注釈 2][4]し、それ以降に発売されたメンソール及びスーパーライトも弓矢の色が違うだけで、基本的にはホープ(10本入)と同じものであった[5]。その後、まずスーパーライトが2009年(平成21年)3月から従来のシルバーの矢からクラフト調の地色にモノトーンへとパッケージが変更され、同年10月にはライト、メンソールもスーパーライトに準拠したクラフト調のパッケージにリニューアルされた。同時にライトはチャコールフィルターを採用し喫味が変更されている。
  • 2014年2月にパッケージデザインが変更され[広報 1]、ホープ(10本入)のデザインをベースにしつつ弓矢を立体的に、“HOPE”の文字に影を入れるなどのアレンジを施した新パッケージとなると同時に、再び4銘柄でデザインが統一された。なお、喫味に変更はなし。
  • 2014年4月から期間限定で発売された「ホープ・ドライゴールド」(箱全体が金)「ホープ・サワーレッド」(箱全体が赤)[広報 2]や同年11月から期間限定で発売された「ホープ・ホットブラック」(箱全体が黒)「ホープ・パッションイエロー」(箱全体が黄色)[広報 3]も、基本的なデザインはほかのモデルに同じ。ただし、「ホットブラック」と「パッションイエロー」は左側に模様がデザインされている。

なお、2014年2月のリニューアル以前は、「ライト」、「スーパーライト」、「メンソール」の内箱には銘柄によって異なるイラストが描かれていた[6]。たとえば武士が弓矢を引いている絵が描かれていたり、じゃんけんの手が描かれているなどの隠れた遊び心がある。初期パッケージにはボール紙エンボス加工が施されていた(銘柄によっては包まれている銀紙も異なる)。

製品一覧

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現行販売製品

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製品名 発売年月日 価格 本数 タール ニコチン 販売地域 備考
ホープ(10本入) 1957年7月1日 300円 10本 14mg 1.1mg 全国 紺色/プレーンフィルター
ホープ・ライト 1992年3月2日 300円 10本 9mg 0.8mg 全国 赤色/チャコールフィルター
2009年10月中旬から喫味変更、及びプレーンフィルターからチャコールフィルターに変更。
ホープ・スーパーライト 2004年7月1日
(北海道限定)
300円 10本 6mg 0.5mg 全国 モノトーン/チャコールフィルター
2005年4月25日より全国拡販。

販売終了製品

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製品名 発売年月日 廃止年月 価格 本数 タール ニコチン 販売地域 備考
ホープ(20本入) 1964年7月 2002年11月 260円 20本 18mg 1.6mg 全国 通称:ロングホープ/キングサイズ
ホープ・ドライゴールド 2014年4月 2014年5月頃 230円 10本 12mg 1.0mg 全国 金(箱全体)/チャコールフィルター/期間限定発売(ジンジャーフレーバー)
ホープ・サワーレッド 2014年4月 2014年5月頃 230円 10本 8mg 0.7mg 全国 赤(箱全体)/チャコールフィルター/期間限定発売(チェリーフレーバー)
ホープ・ホットブラック 2014年11月上旬 2015年 230円 10本 9mg 0.8mg 全国 黒(箱全体/弓矢は朱色)/チャコールフィルター/期間限定発売(スパイシーフレーバー)
ホープ・パッションイエロー 2014年11月上旬 2015年 230円 10本 6mg 0.5mg 全国 黄色(箱全体/弓矢はオレンジ)/チャコールフィルター/期間限定発売(パッションフルーツフレーバー)
ホープ・メンソール 2003年5月15日
(愛知県限定)
2024年5月[広報 4] 300円 10本 8mg 0.6mg 全国 緑色/プレーンフィルター
2004年5月より全国拡販。
  • かつて販売されていたホープ(20本入)は、ロングサイズ[注釈 3]でソフトパッケージであった。通称「ロングホープ」[8]。パッケージの弓矢のマークは朱色に近い赤色で、現行のホープより若干小さめである。またこのパッケージのロゴタイプは通常のものがローマン体“HOPE”なのに対しセンチュリーゴシックで“hope”となっているなどの違いが見られる[2]。現行のホープが全て同じレギュラーサイズの長さであるにもかかわらず「ショートホープ」と称されるのは、かつてこのホープ(20本入)が存在した事による。作家の中島らもが愛用しており、作品中にも登場する。
  • ホープ・メンソールの発売当初には小箱に収まる専用サイズの樹脂製のシガーケースも一緒に売られていた。

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ パッケージあたりの入り本数を括弧書きで付けるのが正式な商品名である。
  2. ^ 同時にタール/ニコチン値が11mg/1.0mgから9mg/0.8mgに変更された。
  3. ^ 1993年にキングサイズ化された[7]

出典

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  1. ^ a b 『ポケットの中のデザイン史』, p. 46.
  2. ^ a b 『ポケットの中のデザイン史』, p. 47.
  3. ^ 『ポケットの中のデザイン史』, p. 44.
  4. ^ a b 『ポケットの中のデザイン史』, p. 50.
  5. ^ 『ポケットの中のデザイン史』, pp. 50–51.
  6. ^ 『ポケットの中のデザイン史』, p. 51.
  7. ^ 日本たばこ産業株式会社社史編纂室 編『JT20年史』日本たばこ産業、2006年6月、57-58頁。 
  8. ^ 『ポケットの中のデザイン史』, p. 49.

広報・プレスリリースなど一次資料

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  1. ^ 「ホープ(10本入)」「ホープ・ライト」「ホープ・スーパーライト」「ホープ・メンソール」2014年2月中旬頃より全国で順次切り替え』(プレスリリース)日本たばこ産業、2014年1月15日。オリジナルの2014年3月25日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140325193122/http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2013/0115_02.html 
  2. ^ ホープから初の期間限定銘柄発売 スッキリとした味わい 「ホープ・ドライゴールド」 まろやかな味わい 「ホープ・サワーレッド」 2014年4月上旬より全国のコンビニエンスストアおよび一部販売店で期間限定発売』(プレスリリース)日本たばこ産業、2014年3月10日。オリジナルの2014年10月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140416182110/http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/0310_01.html 
  3. ^ ~ホープから期間限定味“第2弾”新発売~ ピリっとした心地よい風味「ホープ・ホットブラック」ほんのりとコクのある甘み「ホープ・パッションイエロー」2014年11月上旬より、全国のコンビニエンスストアおよび一部販売店で期間限定新発売』(プレスリリース)日本たばこ産業、2014年10月2日。オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20141016205147/http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/1002_01.html 
  4. ^ 紙巻たばこ3銘柄の廃止について』(プレスリリース)日本たばこ産業、2024年4月3日。オリジナルの2024年4月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20240403095351/https://www.jti.co.jp/news/20240403_01.html2024年5月29日閲覧 

参考文献

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  • JTデザインセンター、たばこと塩の博物館 企画・監修『ポケットの中のデザイン史:日本のたばこデザイン:1945→2009』美術出版社、2009年5月22日、44-51頁。ISBN 978-4-568-50386-9 

外部リンク

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