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ネズミの相談

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネズミの相談(ギュスターヴ・ドレ画)

ネズミの相談」(ネズミのそうだん)は、寓話のひとつ。イソップ寓話とされることが多いが、古いテクストには見られない。ペリー・インデックスは614番。

英語では bell the cat というイディオムになっており、「他人が嫌がる中で進んで難局に当たる」という意味である。日本語ではこの英語の言葉を翻訳した「猫の首に鈴をつける」という成句でも知られる。

出典

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日本で1894年に出版されたラ・フォンテーヌ寓話詩の挿絵。梶田半古[1]
河鍋暁斎画「伊蘇普物語之内鼠の会議の話」

この話は15世紀末にヴェネツィアで出版されたアブステミウス (Laurentius Abstemius(イタリア語でアステーミオとも)の寓話集である『百話集』(Hecatomythium)に見られる[2]:224。日本の江戸時代の『伊曽保物語』には下巻第17「鼠の談合の事」としてこの話を収めるが[2]:222-224、アブステミウスのものよりかなり内容が詳しいため、アブステミウスが出典ではないかもしれない[3]:43-44。ほかに『為愚痴物語』(1662年刊)では長文の物語に、『うかればなし』(1682年頃)では笑話に直されている[3]:33

17世紀イギリスのロジャー・レストレンジ英語版による寓話集やラ・フォンテーヌの寓話詩にはアブステミウス集から採録している[2]:224

明治以降の国定教科書に繰り返し取り上げられた話の一つである[2]:272

あらすじ

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ネズミたちは、いつものためにひどい目にあわされていた。何とかしようとネズミたちが集まって相談し、その中の一匹が、「猫が来たらすぐわかって逃げられるよう、猫の首に鈴を付けよう」と提案する。皆は名案だと喜んだが、では誰が猫に鈴を付けに行くのかという段になると、誰もその役を買って出る者はおらず、ネズミたちは猫に怯えて暮らすしかなかった。

教訓

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いくら素晴らしい案でも、実行できなければ絵に描いた餅であり、無意味である。

脚注

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  1. ^ “Conseil tenu par les Rats”. Choix de fables de La Fontaine. 1. Tsoukidji-Tokio. (1894). https://dl.ndl.go.jp/pid/1681582/1/23 
  2. ^ a b c d 小堀桂一郎『イソップ寓話』講談社学術文庫、2001年(原著1978年)。ISBN 4061594958 
  3. ^ a b 伊藤博明「「猫の首に鈴をつける」(1) : アステーミオ『百話集』をめぐって」『埼玉大学紀要 教養学部』第46巻第1号、2010年、31-60頁、doi:10.24561/00015831 

関連項目

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